キリストの到来は西暦28年の初春──聖書の記述は明確に示す
イエス生誕の年は、いつだったのだろう──
実のところ聖書は、イエスの生誕も処刑も復活も、これらの年代を明らかにしていません。
ところが、到来の年だけは、明確に書かれているのです。
📌この記事では──
キリストの到来を、聖書の記述から忠実に追いました。
1|キリストの到来(初臨の年)
年代の特定
ルカ3章に、バプテストのヨハネが活動を始めた時期について書かれています。
【ルカによる福音書 3章1-3節】
皇帝テベリオ在位の第十五年、ポンテオ・ピラトがユダヤの総督、ヘロデがガリラヤの領主、その兄弟ピリポがイツリヤ・テラコニテ地方の領主、ルサニヤがアビレネの領主、アンナスとカヤパとが大祭司であったとき、神の言が荒野でザカリヤの子ヨハネに臨んだ。
彼はヨルダンのほとりの全地方に行って、罪のゆるしを得させる悔改めのバプテスマを宣べ伝えた。
① 皇帝テベリオ在位の第十五年で、
② ポンテオ・ピラトがユダヤの総督で、
③ ヘロデがガリラヤの領主で、
④ その兄弟ピリポがイツリヤ・テラコニテ地方の領主で、
⑤ ルサニヤがアビレネの領主で、
⑥ アンナスが大祭司で、
⑦ カヤパも大祭司であった時でした。
ご覧のとおり、くどいほど重ねて「その時」を明示しています。
しかも、七つの項目で。
聖書全体において、これほど詳細に歴史上の時期を特定した箇所は、この出来事以外にありません。
そして、その年代を特定するのに、これ以上ない信頼性の高い情報が、ローマ皇帝の治世年です。
ローマ皇帝ティベリウスの治世第十五年
皇帝テベリオとは、ローマ皇帝ティベリウスのことです。
西暦14年8月に初代ローマ皇帝アウグストゥスが崩御し、その後継者としてティベリウスが即位しました。
ローマ皇帝の治世の数え方は、即位日ではなく、ローマ帝国の公式暦(ユリウス暦で1~12月)を基準にします。
つまり、
西暦14年8月に即位し、その年の12月までが治世第一年になります。
西暦15年度が、治世第二年。
10年後の、
西暦25年度が、治世第十二年。
西暦26年度が、治世第十三年。
西暦27年度が、治世第十四年。
西暦28年度が、治世第十五年になります。
したがって、
西暦28年の1~12月が、ローマ皇帝ティベリウスの治世第十五年と言える期間になります。
👉ローマ皇帝ティベリウスの治世第十五年は、西暦28年の1~12月
補足:
紀元前45年から運用開始されたユリウス暦は、太陽暦の12か月制を採用し、現代の暦であるグレゴリオ暦とほぼ変わりません。後になってユリウス暦は、約128年ごとに1日のずれが生じるため精度に問題があるとされましたが、この当時(西暦28年)においては、ほぼ誤差はありません。
イエスのバプテスマと神の是認
ルカ3章の続きをご覧ください。
民衆は、救い主(キリスト)の到来を待ち望んでいました。
【ルカによる福音書 3章15-23節】
民衆は救主を待ち望んでいたので、みな心の中でヨハネのことを、もしかしたらこの人がそれではなかろうかと考えていた。
(中略)
さて、民衆がみなバプテスマを受けたとき、イエスもバプテスマを受けて祈っておられると、天が開けて、聖霊がはとのような姿をとってイエスの上に下り、そして天から声がした、
「あなたはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である」。
イエスが宣教をはじめられたのは、年およそ三十歳の時であって、人々の考えによれば、ヨセフの子であった。
バプテスマとは、回心(生まれ変わり)を示す浸水の儀式です(ヨハネ3章5節)。
イエスは、この年にバプテスマを受け、「あなたはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である」と天から声があったとあるように、聖霊が下り、イエスが神に是認されたこの瞬間が、キリストが到来した時でした。
つまり、
📌キリストが到来した年は、西暦28年です
ルカ3章は、その年を明確にしたうえで、バプテストのヨハネの活動開始からイエスのバプテスマと神の是認、そしてイエスの宣教開始を、一連の出来事として記録しているのです。
イエスの宣教開始
【マルコによる福音書 1章12-15節】
それからすぐに、御霊がイエスを荒野に追いやった。
イエスは四十日のあいだ荒野にいて、サタンの試みにあわれた。そして獣もそこにいたが、御使たちはイエスに仕えていた。
ヨハネが捕えられた後、イエスはガリラヤに行き、神の福音を宣べ伝えて言われた、
「時は満ちた、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信ぜよ」。
イエスは、バプテスマの後すぐに、荒野で40日間の試みに遭います。その後、ガリラヤに行き、宣教を始めました。
これらの出来事は、西暦28年で、イエスはおよそ30歳の時であったのです。
2|聖書が、イエスの生誕、処刑、復活の年を語らない理由
イエスの生誕は何年だったのか、処刑や復活は──。聖書は、これらについて語りません。
しかし、バプテスマの年は明らかにしたのです。
なぜでしょうか。
生誕も、処刑も、復活も、聖書はその年を預言しませんでしたが、キリスト到来の年だけは、預言していたからです。
メシア(キリスト)到来の預言
【ダニエル書 9章25節】
それゆえ、エルサレムを建て直せという命令が出てから、メシヤなるひとりの君が来るまで、七週と六十二週あることを知り、かつ悟りなさい。
これは、ダニエル書にある有名なメシア(キリスト)到来の預言です。
「メシヤ(キリスト)なるひとりの君(王子)が来るまで、七週と六十二週ある」とあります。
七週と六十二週で六十九週。
つまり、
キリスト到来まで、六十九週という預言です。
一週は七日であり、ここでの一週は七年のことです。
エルサレムを建て直せという命令(神殿再建命令)が出てから、キリスト到来まで六十九週、つまり、69週×7年=483年です。
👉キリストの到来は、神殿再建命令から483年目であると預言されていたのです。
メシアなるひとりの君が来る
「メシアなるひとりの君が来る」とは、赤ん坊の誕生でも、十字架上の処刑でも、死後の復活でもありません。
自らの意志で回心を表し、神の是認によって、みこころにかなう活動を開始する時を指すのです。
それが、ローマ皇帝ティベリウスの治世第十五年、つまり、西暦28年だったのです。
👉聖書は、キリスト到来の年を預言し、キリスト到来の年を記録しました。
さらに深掘り
3|西暦28年のいつ頃かを探る
聖書暦
イスラエルの暦は、神が定めました。それは、出エジプトの過越しの記述に明記されています。
【出エジプト記 12章1-2節】
主はエジプトの国で、モーセとアロンに告げて言われた、
「この月をあなたがたの初めの月とし、これを年の正月としなさい。
👉この月をあなたがたの初めの月とし、これを年の正月としなさい
この箇所は、エジプト脱出に向けて過越しが行われる場面の導入部分です。
神のお告げがあったこの日の夕暮れ時、西の空に細く見えたであろう新月をモーセに見せて、この月を第一月としなさいと言われました。
夜が明けて、元日(第一月の第一日)となり、イスラエルの暦が始まりました。
補足:
おそらく、元々あった神の暦を、このタイミングでイスラエルに教えたのだと思われます(創世7章11-12節)。
👉この暦を聖書の記述に基づく暦として、便宜上、聖書暦とします。
聖書暦の第一月の季節
聖書暦の第一月が、現代暦のいつ頃なのかを探ります。
【レビ記 23章4-10節】
その時々に、あなたがたが、ふれ示すべき主の定めの祭なる聖会は次のとおりである。
正月の十四日の夕は主の過越の祭である。
またその月の十五日は主の種入れぬパンの祭である。
(中略)
主はまたモーセに言われた、
「イスラエルの人々に言いなさい、『わたしが与える地にはいって穀物を刈り入れるとき、あなたがたは穀物の初穂の束を、祭司のところへ携えてこなければならない。(略)すなわち、祭司は安息日の翌日に、これを揺り動かすであろう。
これはレビ記にある祭りの定めです。整理すると次のようになります。
過越祭(第一月の14日の夕方)
種無祭(第一月の15日~)👈安息日
初穂祭(第一月の16日)
この時期の穀物とは、大麦のことです(出エジプト9章31-32節)。
当時のエジプトやカナンでは、現代暦の11月ごろに種をまき、翌年3~5月に収穫を行っていました。このことから、第一月は春だと分かります。
補足:
これらの祭りは、神がエジプトから導き出したことを覚えるため、毎年同じ日に行うように命じられています(出エジプト13章3-10節)。これは現代でもユダヤの風習として残っており、現代暦の3~4月に祭りが行われています。
また、ヘブライ語で第一月を表す「アビブ」は、大麦の熟成(=春)を意味します(出エジプト23章15節)。
📌聖書暦の新年は、現代暦の3~4月の春です
イエスの活動の初め
前述のとおり、イエスはバプテスマを受け、その後40日間試みに遭います。その後、活動を始め、弟子を増やしました。
次の記述は、カナの婚礼というイエスが活動を始めたころのエピソードです。
【ヨハネによる福音書 2章1-13節】
三日目にガリラヤのカナに婚礼があって、イエスの母がそこにいた。
(中略:水がめの水をぶどう酒に変える)
イエスは、この最初のしるしをガリラヤのカナで行い、その栄光を現された。そして弟子たちはイエスを信じた。
そののち、イエスは、その母、兄弟たち、弟子たちと一緒に、カペナウムに下って、幾日かそこにとどまられた。
さて、ユダヤ人の過越の祭が近づいたので、イエスはエルサレムに上られた。
このエピソードの詳細は省略しますが、水がめの水をぶどう酒に変えた出来事が、最初のしるしだとあります。
当時のユダヤの婚礼習慣は、婚宴が数日から長い場合で一週間ほど続いたそうです。
この婚礼の後、ガリラヤからカペナウムに移動し幾日か留まり、過越祭のためにカペナウムからエルサレムに移動しています。一般的なエルサレム巡礼では、第一月の10日にエルサレム入りしたようです(出エジプト12章3節、23章17節)。
これらの条件をもとに逆算すると、過越祭(第一月の14日)のおよそ60~70日前にバプテスマを受けたことになります。
【日数計算】
バプテスマ(ヨルダン川):1日
荒野の試練:40日
ガリラヤ~カペナウム移動(弟子召命):2~4日
カナの婚宴滞在:3~7日
カナ~カペナウム移動:1日
カペナウム滞在(幾日):3~5日
カペナウム~エルサレム移動:5~7日
第一月の10日着~過越祭:5日
これらを合計すると、60~70日
聖書暦の第一月の14日は、現代暦の3月下旬~4月下旬ですので、60~70日前は、現代暦の1月中旬~2月下旬になります。
📌イエスのバプテスマは、現代暦の1~2月ごろ
イエスのバプテスマは、一部の解釈では、秋ごろであったとされますが(根拠不明、生誕が秋ごろとも言われる)、聖書の記述に基づけば、現代暦の1~2月ごろの初春であった可能性が高いと言えます。
📌キリストの到来は、聖書暦の4000年目
また、下の記事から、キリストの到来は、聖書暦のちょうど4000年目であったことが分かります。
聖書暦と現代暦との位置関係
以上のことから、キリスト到来の時期は、次の要件を満たすことになります。
📌キリスト到来は、西暦28年
📌聖書暦の新年は、現代暦の3~4月
📌バプテスマは、現代暦の1~2月ごろ
📌キリスト到来は、聖書暦4000年
これらを整理したものが下の図です。

聖書暦の新年(第一月)が、現代暦の3~4月にあたることから、図のように暦が数か月ずれます。
そして、神の六日目の終わりである聖書暦6000年は、西暦2027年の春~2028年の春になります。
✅キリスト到来は、聖書暦4000年で、西暦28年初春
✅聖書暦6000年は、西暦2027年春~2028年春
補足:
ユダヤ教には、角笛祭(現代暦の9~10月)を新年とする政治暦がありますが、その聖書的根拠は脆弱です。
「秋が年の終わり」と読める箇所があるため(出エジプト23章16節)、一年は「秋に終わり、秋に始まる」とするのですが、秋の収穫祭(仮庵祭)は、角笛祭の後に行われるので矛盾しています。
さらに踏み込みます
📙聖書の祭と神の計画
レビ記には、イスラエルの祭りの定めが記述されています。前述で少し見ましたが、以下の祭があります。
過越祭(第一月の14日の夕方)👉犠牲✔️
種無祭(第一月の15日~)👉安置✔️
初穂祭(第一月の16日)👉復活✔️
七週五旬節(第四月の末ごろ)👉聖霊降臨✔️
角笛祭(第七月の1日)👉再臨の合図?
大贖罪(第七月の10日)👉第70ヨベル?
仮庵祭(第七月の15日~)👉千年王国?
ハヌカ(第九月の25日~)👉新天新地?
1~3は春祭り(現代暦の3~4月)、4は夏祭り(同6~7月)、5~7は秋祭り(同9~10月)です。
8は冬祭り(同11~12月)で、レビ記に由来する祭りではありませんが、新約聖書に宮きよめの祭として記述があります(ヨハネ10章22節)。
これらの祭りのスケジュールが、神の計画の型になっているという考察があります。
1~3はイエスの犠牲・安置・復活で成就し、4は聖霊降臨(使徒行伝2章1-4節)で一世紀に成就したとされます。
これらの成就は、まさに「祭りのその日」に起こったとされていますので、残りの5~7に対応する出来事も、「祭りのその日」に成就するのではと言うことです。
📌聖書暦6000年の角笛祭は、西暦2027年10月1日
未成就のもので次に来るのは、角笛祭(ラッパの祭)です。
ラッパと言えば、黙示録の七つのラッパ、七つ目のラッパは最後のラッパとも言われ、キリスト再臨の合図です(マタイ24章31節)。
もし「祭りのその日」に起こるならば、聖書暦6000年までにある最後の角笛祭は、西暦2027年10月1日であり、この日にラッパが吹かれキリストが再臨するとの考察が成り立ちます。
とは言え、再臨日の特定は、ほぼハズレますので話半分でお聞きください(笑)
📌聖書暦6001年の初穂祭は、西暦2028年4月11日
再臨日の特定は出来ないとしても(する必要もありませんが)、聖書暦6000年の最後の日なら特定可能です。
上の聖書暦カレンダーによると、聖書暦6000年の大晦日は、西暦2028年3月26日で、聖書暦6001年の元日は、西暦2028年3月27日になります。
聖書の価値観では、物事の始まりはいつも春です。
神の民にとっては、さまざまな面で春祭りが起点となってきました。
聖書暦6001年の春祭りは、次のとおりです。
過越祭:西暦2028年4月9日夕方
種無祭:西暦2028年4月10日~
初穂祭:西暦2028年4月11日
注:日付は、いずれも日本時間です。
神は天地万象を6000年で完成し、七日目を聖とするのであれば、遅くてもこれらの日(西暦2028年春)までには、千年王国時代──キリストと聖徒による統治──が始まるのでは、と期待が高まります。
参考:
歴代誌下29章17-24節
エゼキエル書45章18-25節
📍続けて次の記事もご覧ください。
キリスト再臨後の七年間とは!?
第70ヨベルの角笛は、西暦2034年の秋になる
神の王国がすぐそこまで来ています
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