質問1599:バックスライスと両手打ちの打ち分けはどのように考えればいい?
答えはシンプル。マイケル・ジャクソンが教えてくれます。打ち分けを「考える」から迷う。大事なのはフォームの区別ではなく、リズム合わせとタイミング。「逸れたら戻す」の反復が、集中と上達を叶えます。
ありがとうございます
フォア バックなど一つと考えた方がいいですか?
バックへスピンサーブとかはダメなんですよね
すみません
もう一つストロークの時はスピン、スライス、両手打ち
と宣言しては打っていないような気がします
特にバックスライスと両手打ちの打ち分けは
どのように考えればいいですか?
▶「ほかの何か」に、気を奪われて
「宣言しては打っていない」とおっしゃるのは、『究極』の「リズム合わせを忘れる」ということでしょうか?
ポイントを競うゲームなどになると、特にそうなりがちかもしれません。
だとしたらそれは、ボールから集中が逸れている証拠です。
「上手くいくかどうか」「ミスしないかどうか」「ポーチに出られないかどうか」「周囲の評価は……」などなど、挙げればキリがありませんけれども、ボール以外の「ほかの何か」に、気を奪われると、「リズム合わせ」を忘れてしまうのです。
それが悪いわけではありませんけれども、現時点での集中力の限界です。
▶いきなり「ドン」では、ずっこける
タイミングの連なりがリズムです。
いきなりインパクトのタイミングだけ合わせようとしても、なかなか合いません。
いきなり「ドン」では、ずっこけるのです。
ですから「ヨーイ・ドン」でリズムに乗るのです。
▶集中力を高める方法
差し当たっての具体的な取り組みは、こう。
「ほかの何か」へ意識が逸れている(=リズム合わせを忘れている)と気づいたら、「あーあ、また逸れてしまったなぁ」などと「考える」ことなく、間髪入れずに、リズム合わせに意識を戻してください。
「逸れたら戻す」
「逸れたら戻す」
「逸れたら戻す」
「逸れたら戻す」
「逸れたら戻す」の繰り返しにより、集中力は高められます。
筋力も記憶も集中も、強化するには「反復」が欠かせません(関連記事「『逸れては戻す』世界最高峰の学習法」)。
すなわち、「曲げては伸ばす」腕立て伏せのごとく、「伏せては起きる」腹筋運動のように、「逸れたら戻す、逸れたら戻す、逸れたら戻す」の繰り返しによって、テニスに有効なボールへの集中力を強めることが叶います。
▶「反復」は力なり
自転車も、ハンドルを握るグリップや、ペダルの漕ぎ方、体軸のバランスなど、いくら頭で考えても、乗れるようになりません。
何度もこける経験を「反復」するから、乗れるようになります。
ですから、こけることは、悪いことではありません。
フラフラするからこそ、上達します(関連記事「フラフラ『する』からフラフラ『しなくなる』」)。
▶集中できないことは「チャンス」
逸れてしまうこと自体は、まったく悪いことではありません。
腕立て伏せは、曲げないと伸ばせません。
腹筋運動は、伏せないと起きられません。
集中力も、逸れてくれないと戻せません。
逸れることはむしろ、強化のためのチャンスですら、あるのです。
▶言葉の限界
あるいは「宣言を忘れてしまう」とおっしゃる意図が、『ベースメソッド』の「つぶやく練習」のことであれば、それはイメージが現実どおりに改まった暁には、もう忘れてしまって構いません。
「基準」さえあれば、恐らくすぐ、できるようになったと思います。
むしろ言葉が思考を刺激して、邪魔にすらなりかねません(関連記事「言葉が思考を刺激する」)。
練習法は、手放していただいて結構です。
ですから『究極』は、「言葉を使わないテニス上達法」にしているのです(関連記事「言葉を使ってプレーしない」)。
▶何からでも学べるようになる
ただし、詳述しているとおり、イメージは揺らぎます、どこまでも。
硬式テニスのレジェンド、ロジャー・フェデラーでさえ揺らぐのですから、仕方がありません(動画1本目)。
恐らく『ベースメソッド』の読後、動画から伝わる情報量が、一気に増えたと思います。
それが、ご自身の脳へ情報が集まり出したRASの働きです。
そのうち、料理番組やお笑い番組、世界陸上を見ても、ラジオを聴いていても、テニス上達に有効な情報がどんどん引っかかってくるようになります(関連記事「どんな情報を入れるかで人生は決まる」)。
▶本質は例外を認めない
バックスライス(片手?)と、両手打ちの打ち分けも、やることは変わりません。
なぜなら、「タイミングよく打つ」ことは全ショット共通のテニスが上手くいく「本質」だからです(関連記事「上達の本質を知れば、簡単に成長できる」)。
むしろ、「片手打ちバックスライスだから、こうする」「両手打ちのスピンだから、こうする」などと打ち分けを意識するから上手くいきません。
それら見た目に現れる現象には「例外」が山ほどあり、本質ではないからです。
そういったことを考えずに、「リズム合わせ」に没頭するのです。
▶マイケル・ジャクソンの教え
「では、片手打ちバックスライスと、両手打ちトップスピンはどうやって打ち分けるの?」
その時々の、余裕の有無や、相手を追い込むのかチェンジオブペースで様子を見るのかといった打つショットの狙いなどに応じ、ひらめきに任せます。
「ひらめき」などというと、ちゃんと考えていないからいい加減だと思われるかもしれませんけれども、「片手打ちバックスライスで打つべきか、両手打ちトップスピンで打つべきか」をいくら考えてみても、正解はありません(関連記事「アルキメデスは変態じゃない──ひらめきと無我の関係 」)。
ウイナーが取れたから正解だった、ミスしたから間違いだった、という結果が出たあとの判断、つまり結果論でしかないのです。
むしろそういったことを考えるのが、失敗を招く原因。
「踊るときに考えるのは最大のミス」といったのは、マイケル・ジャクソンでした(関連記事「思考を黙らせて、運動を感覚に委ねれば上手くいく」)。
同様に、プレーするときに考えるのは、テニスにおいて最大のミス。
ですから、「特にバックスライスと両手打ちの打ち分けはどのように考えればいいですか?」のご質問については、「何も考えない」というのが、私からお渡しできる答えになると思います。
▶「たった1つ」
前後しますが、フォア、バックは一つと考えていただいて大丈夫です。
いくつもあるフォームではなく、たった1つの打球タイミングが、本質だからです。
それはフォアであろうとバックであろうと、共通です。
あるいは、ご質問の意図が「相手のバックへスピンサービスを入れる」のでしたら、だめではなく、何ら差し障りありません。
ただし、バックへ打つか、スピンにするかなどを、考えながら打つのには、差し障りがあります。
前回お応えしたように舌は天津飯になるのですから、相手のバックサイドへスピンサービスを打つと事前に決めたら、あとは繰り返しになりますが、何も考えずに、ただ打つだけ。
イメージは、「やっぱりフォア側へスライスサービスにしよう」などと変更しない限り、残りますから、何も考えずに打ってもイメージに従い、打球タイミングさえ合っていれば、相手のバック側へスピンサービスが配球されます。
▶ボールをコントロールできる理由
逆に言えば、打球タイミングが合っていれば、イメージしたところへ以外にボールが飛ぶことはありません。
私たちは、何も考えないからといって、まさか、バックフェンスやサイドフェンス目がけては打ちません(よね?)。
それは、ボールは前へ飛ばすものだというイメージがあるからです(関連記事「体が狙う」)。
▶泳ぐ感覚と打つ感覚
改めまして、一つと考えて大丈夫な件です。
『ベースメソッド』でも『究極』でも、「フォアだから」「バックだから」という区別は、一切ありません。
打ち方やフォームではないからです。
区別するから、打ち方やフォームに考え方を依存せざるを得なくなるのです。
泳ぐ感覚と同じ。
クロールの選手が、平泳ぎを泳げないなんてことはありません。
少し練習すれば、「泳ぐ感覚」さえあれば、バタフライだって背泳ぎだって蹴伸びだって、習わなくてもできるようになります。
泳ぐ感覚は、「フォーム」ではないのです。
「打つ感覚」を身につければ、フォアもバックも、何も考えなくても打てるようになります。
▶この世に「カナヅチ」はいない
ちなみに、この世に泳げない「カナヅチ」の人なんていないという話はこちら。
中南米などプール文化に馴染みのない環境で育ったから競泳の活躍が少ないだけで、世界陸上で証明されたように、ジャマイカ人の身体能力でいざ挑まれたら、世界水泳の勢力図は描き変わるかもしれませんね。
カナヅチがいないのと同様、テニスのセンスがないなどという人も、(スイング改造、フォーム矯正にハマってスポイルされさえしなければ)、この世に誰一人としていないのです(関連記事「『スピン信仰』と『フォーム神話』が、日本の才能をスポイルした」)。
▶ナダルはボレーが下手だったのか?
テニスも同様に、ストロークは打てるけどボレーは打てない、なんてことはないのです。
ラファエル・ナダル、ボレーはイマイチなどと一部でささやかれたりしたのは、ストロークが強烈すぎて、ボレーの印象が薄かったからでしかありません。
メディアも「打ち方の見本」として取り上げるのは、ロジャー・フェデラー(と、こちらで苦言を呈するフェリシアーノ・ロペス)くらいで、ナダルのボレーは素材が少ないから目につきにくいぶん、ややもすれば下手な印象が一人歩きしました。
しかし「打つ感覚」が備わっているナダルが、いざボレーにも出ると、それはそれはやっぱり巧みなのです(関連記事「『泳ぐ感覚』をマスターする」)。
https://www.youtube.com/watch?v=s4ZdM3SD3BA
▶フォアに悩む人、試合になると打てなくなる人
とはいえ、『ベースメソッド』でもお伝えしているとおり、あるいはよくいただく上級者のお悩みとして、「フォア」は、やっぱり悩むプレーヤーが少なくありません(関連記事「フォアハンドストロークだけは、なぜなんだろう」)。
これも、ショットによりイメージが揺らぐからです。
そればかりではありません。
相手の体格や技量、風の有無、サーフェスの違いや、相手が打った1本前のショットによってすら、イメージは揺らぐのです。
練習だと打てるのに試合になると打てなくなるのも、緊張するからなどのメンタルが原因なのでは決してなくて、まったく同じ「イメージが揺らぐ」理由による。
なのに、「緊張しいだから…」などと打てなくなる原因をメンタルのせいにしてしまうと、一生「打つのが怖い症候群」からは抜け出せないのです(関連記事「バックは気づいたら得意に。フォアはダメダメ 」)。
その揺らぎを現実どおりにピタッと収めるのが「究極のテニス上達の道」であり、そのための『ベースメソッド』です。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero