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質問1572:壁だとスムーズだが、コートだと上手くいかない

サービスですが壁に打とうとするとスムーズにスイングできますがコートだと上手くいきません。
 
壁だと狙ったあたりに行きますがコートでネットの上に目標を作っても壁ではありえないネット中段に行くことがあります。
 
2連続のダブルフォルトが試合では今までなかったのに最近あるので落ちついて打てません。

回答


▶「その先」がない


ですから「壁依存」は怖いのです。
 
壁に向かってサービスを打てば、直線的な弾道でネット上スレスレも狙えます。
 
この調子で打てば、オンコートでも入ると思い込む。
 
しかし実際のコートでは、「その先」があります。
 
壁に慣れれば慣れるほど、「その(壁の)先」のイメージがなくなる打ち方になるのです(関連記事「『壁依存』にならないために」)。

▶世界中のどこを探しても、ない


その先に入れるイメージがないと、直線的に打つと飛ばしすぎるオーバーフォールトの懸念があるから、それを避けようとしてネット中段にも体は打ってしまうのです。
 
「現実に対するイメージのズレ」をいつも申し上げていますが、壁がある競技テニスのコートなど、世界中のどこを探しても、現実にはあり得ません
 
それに慣れればなれるほど、イメージとの乖離が大きくなってしまうから、「壁依存」は怖いのです。

▶テニスは「射的」ではない


ネット上スレスレを狙って直線的に飛ばせばいいのなら、(それが簡単とは言わないけれど)「射的」みたいなもので、左右よりも深さのコントロールこそ難しいテニスの面白みがスポイルされてしまいかねません。
 
テニスが、単に強く遠くへ、直線的に打つだけであれば、恐らく誰にとっても簡単。
 
いつも言うとおり、野球のバットよりもワイドで、ゴルフのクラブフェイスよりも大きな、反発性の高い網の目のついたラケットで打つだけの競技ですからね。
 
それを、ネットを越えてコート内へ収めるところに面白みがあると思うのです(関連記事「テニスはミスするほうが難しい!?」)。 

▶プロがフォルトしにくい理由

 
「その先」のイメージが現実どおりにあるプレーヤーは、スレスレではなく、逆にネットの高いところを通しても、サービスボックスに入るのです。
 
ですからプロは、あまりダブルフォルトをしません。
 
なぜなら彼ら彼女たちは、相対的にネットの高いところ通して打っているからです。

https://www.youtube.com/watch?v=QI5adGG6RA8
 

▶西岡兄妹の教え

 
「直線的な弾道はいらない。絶対にいらない!」と言ったのは、テニスゼロに何度もご登場いただいている西岡兄の靖雄コーチ(関連記事「打ち上げてもバックアウトしない」)。
 
4分58秒からの映像を、ご覧ください。

https://youtu.be/g0x0VE3ZTdY

こんなふうにストロークで説明してもらうと、イメージしやすいかもしれません。
 
ラインで壁に引かれた仮想ネット上を狙って直線的なボールをビシバシ打っても、実際には「その先」にある相手コート内には収まりそうにありませんよね。

収まりそうな気がするならば、それは現実に対するイメージがズレているのです。

▶壁で自信を取り戻したくなったら……

 
「壁打ち名人」は、確かに日本全国津々浦々にいます。
 
壁際で行う高速ボレーボレーや、自コートに打ちつける連続1人スマッシュ、あるいは背面打ちなどもできて、アクロバットさながら。
 
しかしひとたびオンコートに連れ出されてダブルスのメンバーに招集されると、こてんぱんに打ちひしがられるのです
 
「壁ではあんなに上手く打てたのに……」
 
オンコートで上手くいかなかった自信を壁で取り戻したくなるならば、すでに「依存の兆候」

スッた分を取り戻したくなって通い詰めずにいられなくなる、ギャンブル依存と似ています。

▶サービスのイメージはこうして作る

 
現実どおりのイメージを実装する方法はこちら(「『打点目線』から見れば『一目瞭然』」)。 

少し面倒かもしれませんけれども、その甲斐あります

ベースラインに審判台を移動させるなどして高さのある踏み台を用意し、その上にあがって、ラケットをかざした自分の打点付近の高さから、相手コート側の現実を見るのです。
 
先に答えを言えば、ネット上端(白帯)よりも相手コート側のサービスラインは、下にレイアウトされます。
 
ですから直線的に打てば必ずネットに引っかかってしまうか、サービスラインを越えてしまうことわりを表す。
 

▶「当て推量」だから上手くいかない

 
そんなこと、テニスを嗜むプレーヤーなら、たいてい知識として頭では知っています。
 
2メートル以上の身長がないと、打ち下ろしだとサービスは入らない、などと。
 
だけど知識を頭で知るだけでは、イメージは書き換わらないのです。
 
「打点目線」ではなく「自分目線」から見た、想像による当て推量だからNG。
 
そうではなく、打点目線から自分の目で見て、高さを感じる「体験」をして、イメージを書き換えるのです。
 

▶食べれば分かる。1万円をお賽銭すると富む

 
それは、リンゴがどんなに甘酸っぱいと知識で知っていても、食べてみないことには実際の味や食感は分からないのと同じ。
 
ですから頭による想像ではなく、五感を通じた「体験」が大事(関連記事「神社に1万円をお賽銭すると富む」)。

ご利益があるかどうかは別として、「セルフイメージが書き換わる」のです。

逆に言えば、どんなにグルメリポーターが「美味しい」と伝えたところで、それは主観でしかありません。
 
それは個人的な好みの感想だから、現実が聴者には伝わらないのです(関連記事「唐揚げ『レモン問題』発生」)。

▶英語ができない理由


私が例としてよく出す日本の英語教育などもそうでしょう。
 
耳で聴いて、口で話して、身振り手振りで表現する「体験」をすると身につくのですけれども、関係代名詞だの仮定法だのという知識を頭に詰め込むだけの勉強だから、長い人だと3・3・4年の10年経っても、まともにネイティブとコミュニケーションできません(関連記事「テニスと英会話のそっくりすぎる共通点と、『10倍速超』の習得法」)。

▶日本人はそこまで無能なのか?

 
お婆さん川へ洗濯に行きます。
お婆さん川へ洗濯に行きます。
 
文法的な違いは分からなくても、私たち日本人はニュアンスの違いをくみ取れます(関連記事「フォームに関する技術的アドバイスは、すべて『後づけ』」)。
 
米国合衆国国務省が唯一の「カテゴリー5+」として最高難易度に認定している世界で最も難しい言語である「日本語」を話す私たち日本人は、そこまで無能なのでしょうか。
 
いえ。
 
文法(フォーム)を教えて「型にはめるから、罠にはまる」のです(関連記事「そこまで無能ではない」)。

▶罠にはめたのは誰だ?

 
こちらもテニスゼロに何度もご登場いただいている『垣花正 あなたとハッピー!』
 
その放送内のコーナーだったでしょうか(←うろ覚えです)。
 
戦後にGHQが日本人に英文法ばかり教えて、カンバセーション教育をさせなかったのは、優秀な日本人が英語を使いこなせるようになってしまうのが、アメリカにとって脅威だったからなのだとか(【野口医学研究所プレゼンツ】ラジオ ニッポン放送「高嶋ひでたけ 元気の現場」より)。
 
つまり、「できないように教える」マッチポンプなのです(関連記事「テニススクールや病院へ『いつまでも通わせる構造』」)。 

▶大事なのは「打時」


以前、フォームをいじったらサービスが入らなくなったご相談をくださったと思います。
 
その結果、トロフィー ポーズからフォワードスイングへ移行する局面で、意図せずヒジが伸びてしまうようになった、と。
 
それはそれで自然な動作なので構わないのですけれども、関係代名詞とか仮定法とかのフォーム(文法)を意識するから、滑らかなカンバセーションにならないのと同じです。
 
今は、フォームは意識されていないでしょうか?
 
フォーム(文法)は意識せず、先述した打点目線から見る「体験」をして、イメージの書き換えを行なってみてください。
 
その上で、あとは「ボレーでは確実にミスが減った」とご報告いただいたのと同様、ボールの毛を見て「今だ!」のタイミングで打ちます(関連記事「大事なのは『打点』ではなくて『打時』」)。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
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