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新築に関しての私のスタンス(概論)


各論部分へのリンク

#01 慣性力に関して
#02 もう少し構造の話
   建築技術者としての家選び
   (コンテスト参加作品)
#3 鉄骨系ハウスメーカー勤務の人がWRC住宅を選んだ理由
#4 耐震等級3でも安心とは限らない?
#5 格好良い家は500万円高くなる理由を説明できますか?
#6 あなたの家選びには判断軸がありますか?
#7 二世帯住宅:第1回 上下階の生活音は想像以上に家族関係を
#8 あほう老士ならこう語る 二世帯住宅における生活音
#9 二世帯住宅:第2回 火災の不安をできる限り減らすべし
#10  ハウスとホームの違い--その時バトンは渡される

構造選択は、思想選択である

どの構造にしようか?
 
これから新築を検討する方も、
すでに住宅を所有されている方も、
一度はこの言葉を自分に問いかけたことがあるのではないでしょうか。
 
どの構造にしようか?
 
では、私から改めて問いかけます。
 
あなたは住宅を選ぶにあたって、
どの構造が最も相応しいと思いますか?
 
―― ひとつだけ条件を加えます。
 
**どの構造を選んでも《価格は同じ》**だとしたら、
あなたは、どれを選びますか?
 
その前提を胸に置いたまま、以下をお読みください。

住宅に使われる主な構造

ここでは、住宅規模を前提とした構造の話に限定します。
 1.木造在来構造
2.木造2×4壁式構造
3.組積造
4.軽量鉄骨造(ブレース構造)
5.重量鉄骨造(ラーメン構造)
6.鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)
7.壁式鉄筋コンクリート造
 
住宅というスケールにおいては、
基本的にはこの程度で十分でしょう。
 
木造ラーメン構造なども存在しますが、
技術的進歩を否定するものではありません。
ただ、住宅規模においてラーメン構造を目指すのであれば、
木造である必然性を感じにくいというのが私の個人的な立ち位置です。
 
ここでは整理のために、
1・2 → 木造(W造)
4・5 → 鉄骨造(S造)
6・7 → 鉄筋コンクリート造(RC造)
として扱います。
3(組積造)は本稿では除外します。

概論としての立場

今回は、建築技術者としての結論は書きません。
今回はあくまで、
問題提起としての概論に留めます。
 
ただし一つだけ明確にしておきたいことがあります。
 
これから家を建てるにしても、
すでに家を所有しているにしても、
 
あなたなりの《判断軸》は、必ず持っているべきです。
 
それが後付けの理由でも構いません。
理論的でなくても構いません。
 
しかし、
 
自分が選んだ(選ぶ)住宅の構造について、
構造的特徴を理解していることは、
今後のメンテナンスや維持管理において、極めて重要になります。

建築技術者の方へ

ここからは、少し業界側への問いかけです。
 あなたの取り扱っている住宅の構造は、
あなた自身が最も相応しいと“確信”している構造でしょうか。
 
私の確信を押し付けるつもりはありません。
 
ただ、
建築技術者としての“確信”を、
あなた自身が持つべきではないでしょうか。
という提案です。
 
どの構造を扱っていても構いません。
ただし、その構造をなぜ勧めるのかを、
価格論だけではなく、構造論を含めた長期的視点として語れること。
それが技術者の責任だと私は思っています。
 
(※ここでも前提条件は同じです
《価格が同じ》という仮定のもとで、という話です)

住宅展示場で使える質問リスト(概論版)

詳しい各論や技術解説は、今後順に書いていきますが、
住宅展示場では、以下のような問いを投げかけてみることが有効です。
  ※後日もっと詳細なチェックリストを提供する予定です
1.住宅構造として最も相応しいものは何だと思いますか?
2.坪単価が高そうな順にRC・S・W構造を並べるとどうなりますか?
3.癒やされそうな順にRC・S・W構造を並べるとどうなりますか?
4.家族を安全に守れそうな順番はどうなりますか?
5.長持ちしそうな順番はどうなりますか?
6.生活音が伝わりやすい順番はどうなりますか?
7.単位荷重が重たい順番はどうなりますか?
8.遮蔽性能が高そうな順番はどうなりますか?
9.どの構造が増えると安全な街づくりになると思いますか?
10.その技術的根拠を説明してもらえますか?
  それは《価格が同じ前提》でも変わりませんか?

気をつけていただきたいこと

これらの質問は、
精神論や思想論としての答えを求めるものではありません。
 
特に「癒やし」に関して、
「木は癒やされます」
「木は生きています」
といった言葉が返ってくることがあります。
 
しかし、ここで私が求めているのは感情表現ではなく、
構造的・数値的に評価できる根拠があるかどうか
という視点です。
また、「法隆寺を視ても判るように、木造は一千年でも長持ちします」という営業マンの方もいらっしゃいます。
これに対しては次の質問を用意しておいて下さい。
「御社の建物は有償メンテナンス無しで千年大丈夫だと言うことですか?」と。
キチンとした費用を掛けて、キチンとメンテナンスしていれば、どのような建物でも千年は大丈夫だと思います。
【 各論 】で詳しくお話しするつもりですが、
・ 津波が来ても千年大丈夫ですか?
・ 竜巻が起きても千年大丈夫ですか?
・ 隣家が火災になっても千年大丈夫ですか?
・ 川が氾濫しても千年大丈夫ですか?
・ 土砂災害があっても千年大丈夫ですか?
というような事にも波及してきますから念頭に置いて下さいネ。

ただし繰り返しますが、
あなた自身が心から納得できる説明があれば、それで十分です。
 それこそが、
私が考える《技術の多面性》でもあります。

この辺りまで考えた上で

ここまで検討し、
ある程度納得できる軸ができたら、
 
無理のない経済設計を前提に、
設計士と相談していけば良いと思います。
 
ちなみに、声が聞こえてきそうですね。
「あなたの考えと根拠を話しなさいよ」
《概論》の範囲で一言だけ述べます。
 
私は、
一般的価格帯における住宅選びにおいては、
RC造が最も相応しいと考えています。
 
木造は、
“さらに”安く造るための優れた工法だと位置づけています。
 
その理由と構造的、技術的根拠については、
今後の《各論》で順にお伝えしていきます。
 ※お急ぎの方は こちらの拙著 を御確認下さい

終わりに

今回は「新築に関してのスタンス(概論)」でした。
今後は、
構造別の各論
判断軸の作り方
技術的比較
維持管理
経済設計
安全性
街づくり視点
などを、順に扱っていく予定です。
 
ご期待いただければありがたいです。
 
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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