建築技術者としての家選び
あの映像を見たとき
あの映像を見たとき、
私は建築技術者であることを一瞬忘れました。
高速道路が横倒しになり、
住宅街が炎に包まれ、
木造住宅も鉄骨建築も、信じられないほど容易に崩れている。
それが、1995年の阪神・淡路大震災でした。
そして2011年、
巨大な津波が街をのみ込んでいく光景を目の当たりにします。
東日本大震災。
建築に携わる者として、
あの光景は、忘れようとしても忘れられません。
正直に言えば、こう思いました。
「日本の建物は、本当にこれでいいのか」
批判を受けることを承知で書きます。
あまりにも、あまりにも、無力に見えたのです。
災害多発地域であるのに――
“日本”の住宅が。
家族を守る構造は何か
当時、私は中古の木造住宅に住んでいました。
いずれは新築を、と考えていた時期でした。
しかし、二つの大震災を経て、
私の中で一つの選択肢が消えました。
「家族を守る」という一点で考えたとき、
構造を感覚では選べなくなったのです。
私が自宅を建てるにあたり、自分に課した条件は明確でした。
家族が最も安全に暮らせること
地震・津波・台風・火災などへの備えがあること
子どもの教育環境に無理がないこと
経済的に持続可能であること
構造選択の一つの提案になり得ること
感情ではなく、条件で選ぶ。
その結果、私は鉄筋コンクリート造(RC造)という構造にたどり着きました。
それは「実験」でもあった
問題は価格でした。
RC住宅は「高級住宅」というイメージが強く、
木造と同等の価格帯で実現する事例は、ほとんど見当たりませんでした。
それでも私は諦めきれなかった。
もし、同じ予算で、
より安全性の高い構造が実現できるなら。
建築技術者としてそれを試さない理由はない。
地盤の良い土地を選定する工夫
意匠設計上の工夫
構造設計上の工夫
施工性をあげるための工夫
そうして建てたのが、我が家です。
半ば「実験ハウス」でした。
住んでみて分かったこと
住み始めて、すぐに違いを感じました。
・二階の生活音がほとんど聞こえない
・遮音性が高い
・台風時の揺れを感じにくい
・空調の効きが早い
・強風で建物が“しなる”感覚がない
そして何より、
「もしものとき」の不安が、以前よりも確実に小さくなった。
ご近所から「何かあったら避難させてね」と言われたとき、
この家は、単なる住まいではなく“シェルター”にもなり得るのだと実感しました。
父の言葉
実は、隣に両親の家を建てる際、
当初は木造で設計を終えていました。
ところが、我が家の様子を見た父が言ったのです。
「やはりRCで設計し直してくれ」
構造を専門にしてきたわけではない父が、
住み心地と安心感を見て、そう判断しました。
その言葉は、私にとって大きな答えでした。
生かされているという感覚
その後、私は心臓手術を受け、
腎臓がんと肺がんも経験しました。
大きな病を経ましたが、どれも運良く、ごく初期段階で発見されました。
そして今、こうして生かされいること自体が、不思議に思えることがあります。
だからこそ思うのです。
自分が得てきた知識や経験は、
自分だけのものにしてはいけないのではないか、と。
家選びは「感情」だけでしてはいけない
私は、木造を否定するつもりはありません。
鉄骨造を否定するつもりもありません。
大切なのは、
“確信を持って選ぶこと”だと思っています。
住宅の広告には、心を動かす言葉が並びます。
家族の笑顔。
母性に訴えるキャッチコピー。
それ自体を否定するつもりはありません。
ただ、
その裏側にある構造や性能を、
きちんと理解した上で選んでほしいのです。
「普通は木造でしょ?」
その一言で思考を止めてしまうのは、
少しもったいない。
もし十分に調べ、理解し、納得したうえで木造を選ぶなら、
それは正解です。
鉄骨でも、RCでも同じです。
情報に踊らされず、
自分の家族にとって何が最善かを考え抜いた結果なら、
それがその人にとっての正解です。
私がこの住まいに決めた理由
私がこの住まいを選んだ理由は、
ただ一つです。
「家族を守りたい」
その思いを、
感情ではなく、構造で形にしたかった。
それだけです。
ここには 一石を投じるつもり で書きました。
コンテストの受賞を目指したものではありません。
けれど、お陰様で技術者としての核心を書けたことには意味があると思っています。
次回からはまた、
できるだけフラットな立場で情報をお届けします。
今回は、
私という一人の人間が、
この住まいを選んだ理由を書かせていただきました。
AIが「コンテスト用にはもう少しこのように…」とアドバイスをいくれていますが、今回はこれで完成稿とします。
今回はAIによる評価を割愛しますのでご了解下さい。
説明が最後になりましたが、
今回は、以前から気になっていた《LIFULL×note》での、投稿コンテストに応募するために書こうと思いました。
少しでも多くの人の目に触れることが出来ればと思ってのことです。
だからというわけではないのですが、いつもより少し語調が強くなったかも知れません(笑)。
=============
ここまでお読みいただき有難うございました。
共感いただける方が多いと嬉しい限りです。
よろしければ フォロー や ♡ を押しておいていただけると励みになります。
また次回もお付き合いください。
◆ 気になる記事はこちらから
※住宅建築概論が気になる方は こちら へ
※家選びの判断軸が気になる方は こちら へ
※土地選びに関する情報は こちら へ
※新築に関する情報は こちら へどうぞ
※メンテナンスに関する情報は こちら へ
※中古住宅の検討に関しては こちら へ
※契約書の重要性については こちら へ
各ページ(概論のページ)から各論のページへリンクを貼っています
※家造りエッセイは こちらに目次のページ があります
※趣味のSFショートショートやエッセイは
こちら で配信しています
※趣味で以下も配信しています
▶ RC住宅を推奨しているのは
こちらのYouTubeチャンネル
▶ 建築施工管理技士を目指す方は
こちらのYouTube こちらのnote
▶ 土木施工管理技士を目指す方は
こちらのYouTube こちらのnote
▶ 建築のプロとして情報発信しているのは
こちらのnote
▶拙著を紹介しているのは
こちらの出版社
▶電子書籍は
・工務店が語らない13の裏事情
・RC住宅に至る21のエピソード
・木造と同等価格のRC住宅
・家選びに必須の13の検討課題
