失われた星座を求めて|毎週ショートショートnote|ソーセージ座流星群
父は、ソーセージ座の研究者だった。
大昔の星図には、たしかにその名があったという。
だが、ソーセージ座は消えた。
歴史から。
天文学から。
そして、人々の記憶から。
父は異端の研究を続けた結果、学会から追放された。
父の著書『消された星座――ソーセージ座の謎』は、
珍書扱いされ、絶版となった。
父の死後、僕はその本を読み続けた。
「ソーセージ座は、常に空にある星座ではない」
「千年に一度、星と星のあいだに姿を現す」
本には、ある日付が記されていた。
次に現れる夜。
その日、僕は空を見上げていた。
時計の針が、父の記した時刻を指す。
その瞬間、空の一角に裂け目が入った。
その裂け目から、星が1つ流れる。
また1つ。
やがて夜空に、流星群がほとばしった。
まるで、熱い鉄板の上でソーセージを焼いたとき、
油がぱちぱちとはねるように。
その中心に、細長い星の列が浮かび上がった。
僕は父の本を抱きしめた。
ソーセージ座は本当にあったんだ。
父さんは嘘つきじゃなかった。
(410字)
『失われた星座を求めて』(了)
<資料集>
「ソーセージ座」を描いた古い星図

「ソーセージ座流星群」イメージ図

「ソーセージ座流星群」イメージ図(take2)
※真夜中設定にしては明るすぎたので描き直し

「ソーセージ座流星群」イメージ図(take3)
※リアルな見え方は、多分こんな感じ

田原にかさんの「毎週ショートショートnote」、
14回目の投稿です。
今週のお題は、
「ソーセージ座流星群」でした。
夏の代表的な流星群というと、
「ペルセウス座流星群」です。
子どもが小さい頃は、一緒に空を見上げたものです。
それにしても、
「ソーセージ座」なんて聞いたことがありません。
なぜ、ないのか?
いつ、見えるのか?
考えているうちに、話がどんどん膨らんでいきました。
裏の設定などもいろいろ思いつきましたが、
今回の410字の中では、ほぼ全部カット。
収まりきらなかった部分は
機会があれば、小説として書きたいと思います。
『失われた星座を求めて』というタイトルは、
マルセル・プルーストによる長編小説
『失われた時を求めて』から採りました。
題名だけです。
内容は一切関係ありません。
しかし、この響き。
ロマンがありますよね。
ラストのセリフは、私の愛して止まない、
『天空の城ラピュタ』へのオマージュです。
「ラピュラは本当にあったんだ。」
「父さんは嘘つきじゃなかった。」
胸熱ですね。
『天空の城ラピュタ』は、
「ジブリの中で」という範疇ではなく、
1本の映画として、大好きすぎる作品です。
宮崎駿監督作品の中では
「ラピュタ」が頭一つ抜けていて、
その次が、『ルパン三世カリオストロの城』、
『風の谷のナウシカ』、『となりのトトロ』、
『魔女の宅急便』が団子状態になってます。
はい。初期作品好きです(笑)
ルパンもナウシカもトトロも魔女宅も、
どれも最高の作品なんですよ。
あくまで、私の中では、
ラピュタはそれら最高の上を行く、ということです。
ラピュタは、名言だらけですよね。
特に好きなのは、シータが語った「ゴンドアの谷の歌」の一節。
『土に根をおろし、風と共に生きよう。
種と共に冬を越え、鳥と共に春をうたおう。』
良い言葉です。
あと、サントラも、
CDが擦り減るくらい聴きました(笑)
<おまけ>
さて、今回は、新たな試みとして、
ショートショートを丸ごと、マンガ化してみました。
初めて読むような気持ちで、お楽しみくださいね ♪
『失われた星座を求めて』(マンガ版)


本日は以上です。
お読みいただきまして、ありがとうございました。
<お知らせ>
ロングバージョン、できました!
【毎ショセレクション】選出作品
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ありがとうございました。
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