餅専門芸能プロダクション|毎週ショートショートnote|お餅プロ
餅専門の芸能プロダクション――「お餅プロ」には、
主力タレントとして桜餅や草餅などが所属している。
安定感があり、ファンも多い。
いわゆる看板餅だ。
地方出身の餅たちはなかなか芽が出ず、
乾燥しないよう、ラップをかけられて出番を待つ。
最近話題なのは、若手のフルーツ大福だ。
断面の美しさが評価され、一気に売り出し中になった。
一方で、かつて名声を馳せた餅が、
いつの間にか姿を見せなくなることもある。
干されたらしい、という噂だけが残った。
私はというと、特徴のない丸餅。
「もう少し個性を」と言われ続けてきた。
そんなある日、マネージャーに呼ばれた。
ある舞台への出演が決まったらしい。
私は衣装を身にまとい、鍋の中で出番を待った。
湯気の向こうで、役者たちが次々に取り分けられていく。
舞台の名は「おでん」。
私の役は「もち巾着」だった。
私は油揚げに包まれ、誰からも姿は見えない。
でも、ちゃんと、心まで温かかった。
これも、出演実績だと思うことにした。
(410字)

田原にかさんの「毎週ショートショートnote」の企画。
投稿作品は日頃からよく読ませていただいているものの、
これまで、自分自身が参加したことはありませんでした。
しかし、今回のテーマ(裏お題)が「お餅プロ」と知り——
新年早々、こんな記事で「モチ愛」を叫んだ私が、
「お餅プロ」というテーマで書かないわけにはいかない!
と一念発起して書いた作品です。
と言いつつ、書くのは、ショートショート。
字数は「410字くらい」。
この字数制限には、本当に苦戦しました。
でも、なんとか、
思いついたネタは「410字」の中で消化できたと思います。
——どうでしょう!?
よろしくお願いします!
<「お餅プロ」サイド・ストーリーはこちら>
