【第1部】サイコパスは本当に生まれつきなのか?僕たちは『共感できない人』を理解しているのだろうか、、、
みなさんこんばんは!
行動心理士の僕です。
今回から少し難しいテーマに挑戦してみたいと思います。
それは、サイコパシーです。
(このテーマに興味があり、3週連続なのはご容赦ください。。。😭)
この言葉を聞くと、多くの人は映画やドラマに登場するような人物を思い浮かべるかもしれません。
冷酷
感情がない
平気で嘘をつく
人を傷つけても罪悪感を抱かない
そんなイメージだと思います。
しかし実際の研究を見ていくと、サイコパシーは単なる「悪人の性格」では説明できないことが分かってきています。
むしろ研究者たちが注目しているのは、
なぜ共感が生まれないのか
なぜ恐怖を感じにくいのか
なぜ罪悪感が形成されにくいのか
という部分です。
そしてそこには、人間の脳や発達に関する非常に興味深い話が隠れています。
今日はまず、改めて僕たちが抱いているサイコパス像と、実際の研究との間にある違和感について整理してみたいと思います。
⚠️注意⚠️
ここで紹介する分析は人格診断ではありません。
単一の表情や仕草だけで判断することはできません。
重要なのは、
流れ
文脈
変化
感情の向き先
現実とのズレ
です。
目的は疑うことではなく理解することです。
真心が大事であることを忘れないでください。
1. サイコパスとは何者なのか
サイコパスという言葉は非常によく知られていますが、興味深いことに、多くの人はその正体をあまり知りません。
テレビでは凶悪犯罪者として紹介されることがありますし、映画では冷酷な殺人犯として描かれることがあります。
そのため、サイコパス=危険人物というイメージが定着しています。
もちろん、一部の重大犯罪者にサイコパシー的特徴が見られることは研究でも知られています。
しかし研究者たちが注目しているのは犯罪そのものではありません。
むしろ、
感情
共感
恐怖
道徳判断
といった、人間らしさの根本部分です。
つまり、「なぜ犯罪をするのか」よりも、「なぜ人と同じように感情を学習しないのか」という問いが重要だと考えます。
2. 僕たちは何を恐れているのか
ここで少し考えてみたいことがあります。
私たちはサイコパスの何を恐れているのでしょうか。
暴力でしょうか
犯罪でしょうか
もちろんそれもあり得ると思います。
しかし僕は、それだけではないと思っています。
例えば、
他人が悲しんでいる
苦しんでいる
傷ついている
そんな場面を見ると、多くの人は何らかの感情を抱きます。
かわいそうだ
助けたい
見ていてつらい
そう感じる人もいるでしょう。
ところが、もしその感情がほとんど生まれなかったらどうでしょうか。
僕たちが感じる恐怖は、暴力そのものではなく、「自分と全く違う感情の世界」に対する恐怖なのかもしれません。
3. 「共感できない人」という違和感
心理学や行動科学の研究では、共感は人間関係を支える重要な機能だと考えられています。
相手が悲しめば悲しい
相手が喜べば嬉しい
もちろん全て同じように感じるわけではありません。
しかし私たちは日常の中で、相手の感情を推測し、それに合わせて行動しています。
ところが、サイコパシー研究では、そうした反応が弱い可能性が指摘されています。
ここで重要なのは、「共感できない=何も感じない」ではないことです。
研究者たちの議論はもっと複雑です。
問題は、
どの感情が生じやすく
どの感情が生じにくいのか
そして、なぜその違いが生まれるのかmという点にあります。
実はこの問いが、近年の脳科学研究の大きなテーマになっています。
4. 本当に生まれつきなのか
サイコパスについて語るとき、必ず出てくる議論があります。
それは、
生まれつきなのか
環境なのか
という問題です。
昔は、生まれつき冷酷な人間がいるという考え方が強くありました。
しかし近年の研究は、もっと複雑な可能性を示しており、遺伝の影響は確かに存在するが、環境の影響も無視できないというのです。
加えて、脳の発達も関係しており、幼少期の経験も関係している。
つまり、単純な「生まれつき」でも、単純な「育ち」でもないのです。
ここに、サイコパシー研究の難しさがあります。
5. サイコパシー研究が問いかけるもの
今回の記事を書きながら、僕はあることを考えていました。
サイコパシー研究とは、危険人物を見つけるための研究なのでしょうか。
もちろん、その側面もありますが、それだけではないように思います。
むしろ、
人間がなぜ共感するのか
なぜ罪悪感を持つのか
なぜ他人を傷つけることを避けるのか
その仕組みへの理解につながると思っています。
つまり、サイコパシー研究とは、サイコパスを理解する研究であると同時に、人間そのものを理解する研究でもあるのではないかと。
そしてここで新たな疑問が生まれます。
もし共感や罪悪感に関係する仕組みがあるのだとしたら、それは脳のどこで生まれているのでしょうか。
なぜ一部の人では、その働きが異なるのでしょうか。
次回は、
扁桃体
前頭前野
共感研究の視点
から、なぜ共感が生まれないのかについて、脳科学と行動心理学の両面から掘り下げていきたいと思います。
出典
Cleckley, H. (1941)『The Mask of Sanity』
Hare, R. D. (1993)『Without Conscience』
Hare, R. D. (2003)『The Hare Psychopathy Checklist-Revised』
Blair, R. J. R. (2005)『Responding to the Emotions of Others』
Raine, A. (2013)『The Anatomy of Violence』
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