【第1部】「45年間ついた嘘は、こう崩れた」——逃げ続けた男の“否認パターン”と、この尋問が特別な理由
みなさんこんばんは!
行動心理士の僕です。
今日から 全5回シリーズ『45年間ついた嘘は、こう崩れた』をスタートします。
今回の題材は、45年以上も捕まらずに生き続けた男——John Getreu(ジョン・ゲトルー)で見た目はどこにでもいる普通のおじいちゃんです。
公開されている尋問映像を丁寧に確認し、行動心理の観点から“読み取れるサイン”をまとめています。
これは犯罪の断定ではなく、あくまで心理学的な理解を深めるための内容です。
そして、
言葉の癖
否認の仕方
微細な身体反応
尋問官の質問技法
を フレームごとに分析 した内容をまとめたシリーズです。
特に印象的だったのは:
「45年間逃げ切った男でも、“否認の種類”は驚くほど典型的だった」
ということ。
そしてこの典型パターンは、日常のコミュニケーションでも“薄い形で”必ず姿を見せます。
第1部では、尋問の前提を押さえたうえで、最初に表れる「3つの否認パターン」 を具体的に解説します。
⚠️注意⚠️
ここで紹介するサインは「嘘を断定するためのものではありません」。
心理学の世界では、表情・言葉・しぐさはあくまで「本音が滲み出る可能性のあるシグナル」 です。
そして僕が何より大切にしているのは、読む側が相手を疑うのではなく
“理解しようとする姿勢” をもつこと。
真心をもって読み進めてください。
第1章 前提:この尋問で何が行われているのか
1-1. 被疑者:John Getreu(特徴)
映像を観て最初に感じたのは:
「外見は穏やかで、危険な人物には見えない」
しかし観察を続けるほど、内面とのギャップが大きいことが分かりました。
表情変化が極端に少ない
感情のオンオフが不自然
自分に都合の悪い情報を一切“内側に入れない”
過去の重大事件を語るとき、声も表情も揺れない
これは典型的なコンパートメンタライゼーション(心理的分離) の強さを示します。
そして、これほど長期間“リークなし”で生きられる人物には必ず否認のパターンが固定化していると考えられます。
第2章で詳しく扱います。
1-2. 尋問官:Detective Cortez(コルテス刑事)
この尋問で最も評価したのは、コルテス刑事の“攻め方”です。
絶対に声を荒げない
雰囲気は優しい
しかし質問の順序は完全に心理学的
会話の流れを「同心円状」に狭めていく
Yes/Noの二択に見せかけた「おとり質問(Bait)」が巧妙
僕自身、“相手の防衛を壊さずに真実に近づく技法”を勉強していますが、
コルテス刑事のスタイルは、その理想形に近いと感じました。
このスタイルだからこそ、45年逃げた男の“固定化された否認”が少しずつ崩されていきます。
第2章 逃げる人が使う“3つの否認パターン”
ここからが本題です。
尋問序盤〜中盤だけでも、否認パターンは驚くほど明確に出ていました。
記憶否認(I don’t remember)
最初に気づいたのは「覚えていない」を多用するタイプの否認。
特徴:
自分に不利な場面ほど「記憶喪失」を使う
一切の感情が乗らない
否認のストレスが低い
反論されても痛くない
これは、Ekmanが言うところの“コストの低い否認” が完全に当てはまるといえるでしょう。
道徳嫌悪の欠如(感情の“空白”)
そして、最も違和感を覚えたポイントがこちらです。
普通なら怒り・嫌悪・拒絶が出る場面で、彼には一切感情が出ない。
例:
「そんなことは絶対していない」という反応がない
声も目も変わらない
“I wish I could help you.” と言うが、表情は無感情のまま
これは“道徳的な拒絶感”が欠けている時に出る典型的なパターン。
動画を観ながら「あ、これは一般的な否認の反応とは違う」と感じました。
Slim chance —— 曖昧否認(Minimizing Denial)
刑事に「DNAが残る可能性は?」と聞かれたときの返答:
「すごく低い(Slim chance)」
と言っていました。
普通、無実なら「NO!」「絶対にない」と言うはずです。
しかし彼は“ゼロと言い切らない”。
これは明確に責任回避を可能にし、ストレスを低く保つ否認方法だといえます。
相談や分析している動画で「追い詰められたときに曖昧にする人」を何度も勉強し見てきましたが、構造はまったく同じでした。
第3章 応用
日常
「覚えていない」の多用
感情が必要な場面で感情が出ない
断言せず“曖昧否認”で逃げる
→ 保身モードの可能性大です。
会社
トラブル時、曖昧否認が増える
「記憶にありません」を乱発
危機感や責任感の“空白”
管理する側としては、言い方よりも“感情の有無”を観察するのが重要でしょう。
恋人
恋人間では「覚えていない」は防衛のサインであることも考えられます。
なので、相手を責めるより:
「何を守りたかったの?」
「どう感じていた?」
と“感情の中心”を聞くほうが、関係は確実に良くなるでしょう。
出典
Paul Ekman『Telling Lies』
Joe Navarro『What Every Body Is Saying』
Chase Hughes『The Ellipsis Manual』
行動心理学・面談心理・非言語研究
最後に
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”I remember…”のやつは5部作となっているのでよければ最初から読んでいただければわかりやすいと思います。
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みなさん、健康とお身体にはお気をつけてください。
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