【第2部】人はなぜ、『自分は正しかった』と思い込めるのでしょうか?
みなさんこんばんは!
行動心理士の僕です。
【第1部】では、「冷静すぎる証言」について見てきました。
そして僕が一番違和感を持ったのは、感情がないことではなく、「感情の出る場所が偏っている」という点でした。
つまり彼は、「殺害」には大きく感情を動かさず、「少女を救う話」で感情が動いている。
ここが今回、かなり重要なポイントだと思っています。
なぜなら、人は「自分は悪だ」と思いながら、大きな暴力を実行し続けることは難しいからです。
では人はどうするのでしょうか?
より高い正義を作ります。
今回はそこを、僕なりに行動心理学と非言語コミュニケーションの視点から整理していきます。
⚠️注意⚠️
ここで紹介する分析は、「人格診断」ではありません。
単一の仕草や言葉だけで、精神状態や人格傾向を断定することはできません。
重要なのは、 「どのような構造で語られているか」を見ることです。
そして目的は、相手を理解することです。
真心が大事であることを忘れないでください。
1. 「自分は正しかった」という発言
今回、僕がかなり強い違和感を持ったのがこの発言です。
「I was right(自分は正しかった)」
ここはかなり重要です。
なぜなら彼は、「間違ってしまった」ではなく、「正しい判断をした」という構造で語っているからです。
つまり視点が、被害者ではなく、自分の使命に向いています。
ここで見えてくるのが、道徳の自作化です。
通常、人は
法律
社会
倫理
これらを判断基準にします。
しかし今回の語りでは、「自分の判断」が最終基準になっている。
ここがかなり危険です。
2. 『少女救済』という物語
今回の証言では、「少女を守らなければならなかった」という話が繰り返されます。
しかも特徴的なのは、「犠牲」の構造で語っている点です。
彼は、
自分には人生があった
未来があった
音楽活動もあった
しかし、「少女を救うために、それを捨てた」という流れで話しています。
ここで重要なのは、これは説明ではなく、物語構造になっているという点です。
つまり彼の中では、「親友の元妻を殺害した人物」
ではなく、
「少女を救うために自分を犠牲にした人物」
という自己像になっている可能性があります。
ここで【第1部】と繋がります。
なぜ、「少女の話」でだけ感情が動いたのか?
それは、その物語こそが、彼の中心軸だからかもしれません。
3. 「鏡を見られない」の意味
今回、個人的にかなり印象的だったのがこれです。
「もし行動しなかったら、自分は鏡を見られなかった」
普通、人が後悔を語る時には、被害者視点が入りやすいです。
しかし今回は違いました。
自分が自分をどう見るか
つまりこれは、良心というより、自己像の話になっています。
ここがかなり重要です。
つまり彼にとって重要なのは、「正しい行為だったか」だけでなく、「自分は正しい人間でいられるか」だった可能性があります。
4. 感情ではなく『理念』で動く人
今回の証言では、
涙
混乱
崩壊
これがほとんどありません。
代わりに出てくるのが、
使命
責任
救済
です。
つまり彼の語りは、「感情の語り」ではなく、「理念の語り」になっています。
ここでかなり重要なのが、人は「正義」を握ると、暴力を正当化しやすくなるという点です。
これは歴史上、何度も繰り返されてきました。
だからこそ怖いのです。
「冷酷だから暴力を行う」とは限りません。
むしろ、「自分は正しい」と確信している時ほど、人は危険になることがある。
ここが今回かなり重要なテーマです。
5. Batman型自己正当化
今回の証言を見ていて、僕がかなり感じたのがこれです。
法では救えない
だから自分がやる
この構造です。
いわゆる、Batman型(ダークヒーロー的な)の自己正当化です。
もちろん、本当に救済意識があった可能性もあります。
ただし問題なのは、「自分だけが正しい判断をしている」という構造になり始めることです。
ここでは、
法律
第三者視点
客観性
よりも、「自分の物語」が優先されます。
そしてこの状態になると、人は暴力を使命(正義)に変換し始めることがあります。
ここまでの整理
【第1部】では、冷静すぎる違和感を見てきました。
そして【第2部】で見えてきたのは、正義構造です。
つまり、今の本質は、「感情がない人」ではなく、「自分の物語を強く信じている人」なのかもしれません。
ここが、かなり重要です。
次回予告(第3部)
【第3部】では、
なぜ「正義」は暴走するのか
なぜ人は「自分だけが分かっている」と思うのか
「マスク」の正体とは何か
そして最後に、「本当に怖いのは、冷たい人間ではない」という話をしていきます。
出典
Paul Ekman「Emotions Revealed」
Daniel Kahneman「Thinking, Fast and Slow」
Robert Cialdini「Influence」
Joseph LeDoux「The Emotional Brain」
最後に
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