【第2部】人はなぜ、『閉鎖空間』で過激化していくのでしょうか?
みなさんこんにちは!
行動心理士の僕です。
【第1部】では、「事件の重大性」より、「二人の所属感」の方が強く見えているような、かなり異様な構造について整理しました。
特に重要だったのは、
「same jail?」
ギグル(クスクスと笑う)
mugshotトーク
など、本来なら強い恐怖が出てもおかしくない場面で、「共有体験」のような空気が生まれていたことです。
つまり今回見えてきたのは、「残酷さ」だけではありません。
むしろ、「二人だけの世界」が強く形成されているように見える点でした。
そして今回、さらに重要なのがここです。
なぜ人は、「閉鎖空間」の中で感覚が変わっていくのでしょうか?
今回は、
なぜ「現実感」が薄れていくのか
なぜ人は「二人だけの文化」を作り始めるのか
なぜ「危険」が「共有コンテンツ」化するのか
ここを、行動心理学と脳科学の視点から整理していきます。
⚠️注意⚠️
ここで紹介する分析は、「人格診断」ではありません。
単一の表情や会話だけで、精神状態や人格を断定することはできません。
重要なのは、
流れ
関係性
感情の向き先
を見ることです。
心理学では、所属欲求や集団同調が、認知や感情判断に影響を与えることが知られています。
そして目的は、相手を理解することです。
真心が大事であることを忘れないでください。
1. 『二人だけの文化』
【第1部】では、「事件」より、「関係性」の方が優先されているように見える、という話をしました。
そして今回、かなり重要なのが、「二人だけの文化」です。
彼女たちは、
警察
逮捕
刑務所
という、本来なら強い現実感を伴うものを、「共有イベント」のように話しています。
つまり今回見えてくるのは、「社会全体」ではなく、「二人の小さな世界」の中で、意味づけが完結し始めている可能性があります。
この状態になると、「普通なら怖いもの」の感覚が、少しずつ変わっていくことがあります。
2. echo chamber(反響空間)
ここで重要になるのが、echo chamber(エコーチェンバー)です。
これは簡単に言うと、「同じ価値観だけが反響する空間」のことです。
例えば、
同じ感覚
同じノリ
同じ言葉
同じ世界観
だけが繰り返されると、「外の感覚」が入りにくくなることがあります。
つまり、「それ普通じゃないよ」というフィードバックが弱くなるという部分が重要です。
特に今回印象的だったのが、二人で笑いを共有している点です。
笑いは本来、
安全
仲間
同調
と強く関係します。
つまり今回のギグルは、「恐怖」ではなく、「所属確認」として機能している可能性があります。
3. 「cool」が危険になる時
また今回、かなり異様だったのが、「cool」という感覚です。
通常、「殺害計画」は、強い現実感や恐怖、人によっては覚悟が伴います。
しかし今回の空気には、「危険さ」より、「特別感」が混ざっているように見えました。
思春期心理学では、adolescent reward sensitivity(報酬感受性)という考え方があります。
未成年の脳は、
刺激
所属
特別感
に対して、強く反応しやすいことがあります。
特に、「仲間と共有された刺激」は、報酬感覚を強める可能性があります。
みなさんも青春といえば、イメージしやすいのではないでしょうか。
つまり今回、「危険」そのものより、「二人だけの特別な世界」に、強い心理的価値が発生している可能性があります。
4. 『bonding experience』の異様さ
今回、僕がかなり違和感を持ったのがここです。
彼女たちは、「一緒にいること」そのものを、かなり重要視しているように見えます。
つまり今回、逮捕や事件すら、「bonding experience(絆体験)」のように変化し始めているところが重要だと思います。
本来、「現実」は、人を止めるフィードバックになります。
しかし閉鎖空間が強くなると、「現実」より、「関係性維持」の方が優先されることがあります。
つまり、「危険かどうか」より、「一緒にいられるか」が、感情の中心になる。
ここがかなり怖いポイントです。
5. 現実より『シミュレーション』
ここまで整理すると、かなり重要な構造が見えてきます。
今回の違和感は、「残酷さ」だけではありません。
むしろ、「現実感の薄さ」です。
例えば今回、
mugshot
jail
storyを広める
などが、「SNSコンテンツ」のように扱われている空気があります。
つまり、「現実」というより、「シミュレーション」に近づいている。
心理学では、mediated reality(媒介された現実)という考え方があります。
人は、ネット文化や閉鎖空間が強くなると、「実体験」より、「物語化された現実」を優先してしまうことがあります。
ここが、かなり重要です。
6. 【第2部】のまとめ
ここまで整理すると、
【第1部】
なぜ笑っていたのか?
⇨というのが「所属感」が優先されていた可能性があること。
なぜ「same jail?」だったのか?
⇨というのが 「事件」より、「一緒にいられるか」が重要だった可能性があること。
【第2部】
なぜ空気が軽いのか?
⇨というのが「二人だけの文化」が形成され始めている可能性があること。
なぜ現実感が薄いのか?
⇨というのが「現実」より、「シミュレーション化された世界」に近づいている可能性があること。
つまり今回見えてくるのは、「感情がない」ではありません。
むしろ、「感情が所属に集中しすぎている」状態なのかもしれません。
ここがかなり重要です。
そして【第3部】では、ここまでの全てが繋がります。
なぜ人は「現実感」を失っていくのか
なぜ未成年の脳は閉鎖空間に飲み込まれやすいのか
なぜ「悪魔化」だけでは説明できないのか
つまり最後は、「現実フィードバックを失った脳」という視点から整理していきます。
出典
Paul Ekman「Emotions Revealed」
Abraham Maslow「A Theory of Human Motivation」
John Bowlby「Attachment and Loss」
Daniel Kahneman「Thinking, Fast and Slow」
Joseph LeDoux「The Emotional Brain」
Albert Bandura「Social Learning Theory」
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