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【第3部】サイコパスとどう向き合うべきなのか、脳科学と行動心理学が教えてくれる人間理解

みなさんこんにちは!
行動心理士の僕です。

本日は父の日。みなさんは何かご予定はありますか?
僕はこれから、父の日のプレゼントを買いに行くので、本日は早めに投稿させていただきます🙇
今日もみなさんにとっていい日になることを祈っております!

ということで、本編へ。

【第1部】

では、サイコパシーとは何かというテーマから、僕たちが抱いているイメージと実際の研究との違いについて整理しました。

【第2部】

では、扁桃体や前頭前野、そして感情学習の研究を通して、なぜ共感や罪悪感が生まれにくい可能性があるのかを見てきました。

そして今回、最も重要なテーマに入ります。

それは、僕たちがサイコパスとどう向き合うべきなのかという問いです。

なぜなら、脳科学の研究が進めば進むほど、単純な善悪だけでは説明できない部分が見えてくるからです。

しかし同時に、理解することと、許容することは違います。

そのため、今回は、脳科学と行動心理学の知見をもとに、人間理解という視点からこの問いを考えてみたいと思います。


⚠️注意⚠️

ここで紹介する分析は人格診断ではありません。

単一の表情や仕草だけで判断することはできません。

重要なのは、

  • 流れ

  • 文脈

  • 変化

  • 感情の向き先

  • 現実とのズレ

です。

目的は疑うことではなく理解することです。

真心が大事であることを忘れないでください。

1. 理解と擁護は違う

サイコパシー研究について話すと、時々誤解が生まれます。

それは、理解しようとすることは、擁護することなのかという誤解です。

しかし、これは本質的に違うと考えます。

例えば、病気を理解することは、病気を肯定することではありません。

自然災害を研究することは、災害を肯定することではありません。

犯罪学を理解し・研究することは、犯罪を肯定することではありません。

同じように、サイコパシー研究も、危険な行動を正当化するための研究ではありません。

むしろ、なぜそうした行動が起きるのかを理解することで、防止策を巡らせ、被害を減らす・そもそも間違った方向を避けるといったより良い対応を考えるための研究です。

ここは、非常に重要なポイントだと思います。

2. なぜ人は白黒で考えたくなるのか

僕たちの脳は、複雑なものを単純化しようとします。

  • 良い人

  • 悪い人

  • 味方

  • 安全

  • 危険

  • 正義

このように分類することで、素早く判断しようとします。

そういった論拠に、心理学者 Daniel Kahneman(行動経済学の創始者とも言われております)は、人間が直感的な判断を多用することを示しました。

もちろん、これは生きる上で必要な能力です。

しかし、人間はそれほど単純ではありません。

  • 優しい部分もあれば、冷たい部分もある。

  • 共感できる部分もあれば、理解しにくい部分もある。

その複雑さを無視すると、僕たちは相手を正しく理解できなくなります。

人は文字通り、十人十色です。

3. 行動を見るという考え方

ですが、ここで行動心理学の視点が役立ちます。

行動心理学では、人の内面を推測する前に、まず行動を見ることを重視します。

本当の考えは表面的には見えないかもしれませんが、脳が神経の司令室である以上、無意識に、人はある種の行動をしており、その行動は観察できます。

例①

どれだけ優しい言葉を使っていても、繰り返し他人を傷つけるなら、僕たちはその行動を無視するべきではありません。

逆に、感情表現が苦手でも、誠実な行動を続ける人もいます。

つまり、人を理解する時に重要なのは、印象だけではなく、繰り返される行動のパターンなのです。

そして、その行動のパターンからクラスターを複合的に見る必要があります。

4. 共感できない人とどう向き合うのか

ここは非常に難しい問題です。

なぜなら、僕たちはつい、

相手も自分と同じように感じているはずだ

と思ってしまうからです。

例②

長年連れ添っているパートナーや会社の同僚、家族など常に行動を共にする方なら、無条件でこちら側の意図が理解できているはずという認識のずれ。

最近僕は、会社の上司との間でこれが生じていました。
過ごした期間はそう長くないですが、最初の印象からバイアスがかかっており、今となっては別人にように思えることもあります。

しかし、実際にはそうではないかもしれません。

【第2部】で見たように、感情の処理や学習の仕方には個人差があります。

そのため、自分の常識だけで相手を理解しようとすると、大きな誤解が生まれることがあります。

だからこそ、必要なのは観察し、ちゃんと相手方へ伝えることです。

言葉だけを見るのではなく、行動を見る。

  • 約束を守るか

  • 責任を取るか

  • 他人を利用していないか

長期的にどのようなパターンを繰り返しているか、そこを見ることが重要です。

5. サイコパシー研究が教えてくれること

今回のシリーズを通して、僕が最も感じたことがあります。

それは、サイコパシー研究とは、サイコパスを理解する研究であると同時に、人間を理解する研究でもあるということです。

  • なぜ人は共感するのか

  • なぜ罪悪感を持つのか

  • なぜ他人を思いやるのか

僕たちは普段、それを当たり前だと思っています。

しかし研究を見ていくと、その「当たり前」は決して当たり前ではありません。

だからこそ、共感や思いやりの価値が見えてきます。

そして僕は、サイコパシー研究から学べる最大のことは、危険人物の見抜き方ではないと思っています。

もちろんそれも自己防衛という観点から重要ではありますが、本質的なところで、『人間とは何か』という問いを考えることです。

相手を疑うためではなく、理解するために学ぶ。

それこそが、真心につながるのではないでしょうか。

6. 重要なこと

ここまで長いこと、『相手方への理解』という話をしましたが、最後に重要なことをお伝えします。

それは最初にも言った通り、人は十人十色です。

よって、どうしても分かり得ない方もいれば、そもそも相手方が理解を示そうとしない場合も多いです。

最近は改めて、社会の不条理さを痛感しています。

なので、僕が伝えたい、伝わったらいいなと思うことは、

自分を曲げてまで相手方に合わせる必要はなく、できる限りのことをやっても無理なら、逃げてもいいし、避けてもいい。その場に留まる必要はないのです。

もちろん犯罪はダメですが、自分を守るため、成長するため、相手を理解するためのある種ツールとして、行動心理学はあると思います。

なので、自分の成長を伸ばすために限界値を超える努力でない限りは、無理をしてはいけません。

結局、相手方は変わらないことが多いですし、変われるはずという期待は自分のエゴにすぎないからです。

一人で抱えきれそうになく、相談相手もいないと思って、この記事を読んでいる方がいらっしゃいましたら、遠慮なくメッセージください。

微力ながらお力添えできるかもしれません。

行動し、思考を巡らせる限り、この広い世界でたった一人ということはありえないです。

出典

  • Hare, R. D. (1993)『Without Conscience』

  • Hare, R. D. (2003)『The Hare Psychopathy Checklist-Revised』

  • Kahneman, D. (2011)『Thinking, Fast and Slow』

  • Blair, R. J. R. (2005)『Responding to the Emotions of Others』

  • Raine, A. (2013)『The Anatomy of Violence』

  • Kiehl, K. A. (2014)『The Psychopath Whisperer』

最後に

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