【第3部】「自分らしさ」はどこから生まれるのか、幼少期に作られたルールと人生の物語
みなさんこんにちは!
行動心理士の僕です。
最近とても暑いので、熱中症気をつけてください!
あとは、ペットボトル症候群にも気をつけてくださいね〜
糖尿病は怖いです。。。
さて、今回かなり長いです。。。
かなり詳細に書いたためですが、少しでも参考にしていただければと思います。
是非ご意見等をコメントください🙇
前回
Perception
Context
Permission
という三つの要素から、人の意思決定について考えてきました。
僕たちは、目の前の出来事をそのまま受け取っているわけではありません。
物事をどのように捉え
どのような状況だと意味づけ
自分にどのような行動を許可するのか
その過程を経て、僕たちは行動を選んでいます。
しかし、ここで一つ大切な疑問が残ります。
そもそも、僕たちのPerception(認識)はどのように作られるのでしょうか?
なぜ同じ出来事を経験しても、
前向きに受け取る人
強い不安を感じる人
すぐに助けを求められる人
一人で抱え込もうとする人
がいるのでしょうか?
その違いを考えるうえで重要になるのが、Identityです。
つまり、自分はどのような人間なのかという自己認識です。
僕たちは子どもの頃から、家庭、学校、人間関係、成功や失敗の経験を通して、自分なりのルールを作っていきます。
自分は強くなければならない
失敗してはいけない
人に迷惑をかけてはいけない
誰かに頼ると傷つく
期待に応えれば愛してもらえる
目立たなければ安全でいられる
こうした考えは、子どもの頃には自分を守るために必要だったのかもしれません。
しかし、そのルールを大人になっても持ち続けることで、現在の選択や人間関係に影響が現れることがあります。
今回は、
僕たちのIdentityはどのように作られるのか
幼少期に作ったルールは、なぜ大人になっても残るのか
人はどのような物語の中で自分を理解しているのか
そして、過去に作られた見方を変えることはできるのか
一緒に考えていきたいと思います。
⚠️注意⚠️
この記事は、行動心理学・社会心理学・認知心理学・発達心理学などの知見をもとに、人の自己認識や意思決定について考察したものです。
人の性格や行動は、幼少期の経験だけで決まるものではありません。
遺伝的な要因、気質、家庭環境、文化、学校生活、友人関係、その後の経験など、さまざまな要因が複雑に関係しています。
また、特定の行動だけを見て、
この人は幼少期に問題があった
この人は心に傷を抱えている
この人はこのタイプである
と断定することはできません。
ここで紹介する内容は、人を分類したり、過去を決めつけたりするためのものではありません。
自分自身や相手の行動の背景を、少し広い視点から理解するための一つの考え方です。
つらい記憶や心身の不調がある場合には、一人で抱え込まず、必要に応じて医療機関や適切な支援機関へ相談することも大切です。
知識は、人を責めるためではなく、誤解を減らすために使うものだと僕は考えています。
真心を大切にしながら、一緒に考えていきましょう。
1.僕たちは子どもの頃から世界のルールを学んでいる
子どもは、生まれた瞬間から世界の仕組みを理解しているわけではありません。
何をすれば褒められるのか
何をすると怒られるのか
誰に近づけば安心できるのか
どのようなときに危険が起きるのか
泣いたら誰かが来てくれるのか
助けを求めてもよいのか
失敗しても受け入れてもらえるのか
日々の経験を通して、少しずつ世界のルールを学んでいきます。
もちろん、大人が直接言葉で教えることもあります。
しかし、子どもが学ぶのは、言葉だけではありません。
例えば
親が「失敗しても大丈夫」と言っていたとしても、実際に失敗したときに強く責められ続ければ、失敗してはいけないという考えを持つかもしれません。
何でも相談してね
と言われていても、相談するたびに否定されたり、話を途中で遮られたりすれば、自分の気持ちは話さない方がよいと学ぶことがあります。
反対に、失敗しても一緒に考えてもらえた経験や、困ったときに助けてもらえた経験が積み重なれば、
失敗してもやり直せる
困ったときは助けを求めてもよい
という見方を持ちやすくなるかもしれません。
このように、子どもは周囲との関係を通して、
世界はどのような場所なのか
他人は信頼できるのか
自分には価値があるのか
自分はどのように振る舞うべきなのか
という、自分なりの答えを作っていきます。
その答えは、当時の子どもにとっては、生きていくための大切な知恵だったのだと思います。
2.Identity「自分はどんな人間か」という認識
Identityとは、
自分はどのような人間なのか
自分は何を大切にしているのか
自分は何ができるのか
自分は周囲からどのように見られる人なのか
といった、自分自身についての認識です。
僕たちは、自分自身についてさまざまな言葉を持っています。
例えば
自分は優しい人間だ
自分は責任感が強い
自分は人付き合いが苦手だ
自分は失敗しやすい
自分は誰にも頼れない
自分は我慢強い
自分は選ばれない人間だ
自分は努力すれば乗り越えられる
こうした自己認識は、行動に大きく関わります。
例えば
自分は約束を守る人間だと考えている人は、約束を守ろうとするでしょう。
自分は人前で話すことが苦手だと考えている人は、人前で話す機会を避けるかもしれません。
自分はいつも最後には失敗すると考えている人は、挑戦を始める前から諦めやすくなるかもしれません。
つまりIdentityは、単なる自己紹介ではありません。
自分が次にどのような行動を選ぶかを決める一つの基準になります。
例えば
新しい仕事に挑戦する機会が来たとします。
自分は新しいことを学べる人間だというIdentityを持っている人は、不安があっても挑戦を選ぶかもしれません。
一方で、自分は失敗して恥をかく人間だというIdentityを持っている人は、その機会を危険なものとして捉えるかもしれません。
起きている出来事は同じです。
しかし、自分をどのような人間だと考えているかによって、Perceptionも選択も変わります。
前回お話ししたPCPモデルのさらに奥には、自分は誰なのかというIdentityがあるのです。
3.子どもの頃に作られる自分なりのルール
子どもは、自分が置かれている状況を理解するために、自分なりのルールを作ることがあります。
例えば
泣くと怒られる経験が続いた子どもは、感情を見せてはいけないと考えるかもしれません。
頑張ったときだけ褒められた子どもは、成果を出さなければ認めてもらえないと考えるかもしれません。
家族の機嫌をいつも気にしていた子どもは、周囲を怒らせないようにすることが自分の役割だと考えるかもしれません。
何かをお願いしても聞いてもらえなかった経験が続けば、自分で何とかしなければならないと考えることもあります。
ここでは、こうした幼少期に作られる自分なりの決まりを、子どもの頃に作ったルールとして考えてみたいと思います。
例えば
迷惑をかけてはいけない
弱さを見せてはいけない
失敗してはいけない
期待に応えなければならない
人を信じてはいけない
誰かの役に立たなければ価値がない
争いを避けなければならない
自分より相手を優先しなければならない
こうしたルールは、誰かから直接教えられたとは限りません。
周囲の反応を見ながら、子ども自身が作った可能性もあります。
もちろん、一度の出来事だけで強いルールが作られるとは限りません。
同じような経験の繰り返しや、そのときの感情、周囲との関係性などが重なることで、少しずつ考え方が定着していくことがあります。
ここで大切なのは、子どもは大人と同じように状況を分析できるわけではないということです。
親が忙しくて話を聞けなかっただけでも、子どもは、自分の話には価値がないと受け取るかもしれません。
家庭に余裕がなく、大人も苦しんでいたとしても、子どもは、自分が良い子でいなければ家族が壊れると感じるかもしれません。
実際の原因と、子どもが受け取った意味は、必ずしも同じではありません。
しかし、行動へ影響するのは、実際に何が起きていたかだけではなく、本人がその出来事をどう受け取ったかでもあります。
4.そのルールは、かつて自分を守っていた
幼少期に作られたルールを聞くと、
そんな考えは捨てた方がよい
間違った思い込みだ
もっと自由に考えればよい
と思う方もいるかもしれません。
しかし僕は、すぐに否定するべきではないと考えています。
なぜなら、そのルールは当時の本人を守るために必要だった可能性があるからです。
例えば
感情を見せると強く責められる環境であれば、感情を隠すという行動は、自分を守る方法だったかもしれません。
周囲が不安定な環境であれば、いつも相手の表情を確認する空気を読む問題が起きる前に先回りするという行動が、安全を保つために役立った可能性があります。
期待に応えたときに安心できたのであれば、完璧に行動する人から認められる結果を出すことが、自分の居場所を守る方法だったかもしれません。
当時は役立っていた。
だからこそ、その行動は繰り返され、身についたのだと考えることもできます。
問題は、そのルールが悪いことではありません。
今の環境でも、本当に同じルールが必要なのかということです。
子どもの頃には、黙っていることが安全だった。
しかし、大人になった今は、気持ちを伝えなければ相手に理解してもらえないかもしれません。
子どもの頃には、相手を怒らせないことが重要だった。
しかし、大人になった今もすべての人の機嫌を取ろうとすれば、自分の気持ちを失ってしまうことがあります。
子どもの頃には、誰にも頼らないことが自分を守った。
しかし、現在も助けを求められなければ、一人で抱え込み続けることになります。
つまり、過去の環境に適応するために作られたルールが、現在の環境では苦しさの原因になることがあるのです。
だから必要なのは、過去の自分を責めることではありません。
あのときは、この方法が必要だった
でも今も同じ方法しか使えないわけではない
と考えることです。
5.大人になっても同じ物語を生き続ける理由
幼少期に作られた考え方は、大人になれば自然に消えるとは限りません。
僕たちは、自分が信じている考えに合う情報へ注意を向けやすくなることがあります。
例えば
自分は誰からも理解されないと考えている人がいるとします。
誰かが話を聞いてくれた場面よりも、
返事をしてもらえなかった場面
気持ちを軽く扱われた場面
話を遮られた場面
の方を強く記憶するかもしれません。
すると、やはり誰も自分を理解してくれないという考えが強くなります。
また、人に理解されないと考えていることで、自分から本音を話さなくなるかもしれません。
本音を話さなければ、周囲の人も本人の気持ちを理解しにくくなります。
その結果、誰にも理解されなかったという経験が再び生まれます。
流れとして考える
①自分は理解されないと思う
↓から
②本音を話さない
↓よって
③周囲が本当の気持ちに気づけない
↓だから
④やはり理解されなかったと感じる
という循環が起きる可能性があります。
例えば
自分は最後には見捨てられると考えている人がいるとします。
相手との関係が深くなるほど、不安を感じるかもしれません。
不安から、
相手を試す
何度も愛情を確認する
突然距離を置く
拒絶される前に自分から関係を壊す
といった行動を選ぶことがあります。
すると相手も疲れ、距離を置くかもしれません。
その結果、やはり人は最後には離れていくという考えが強くなります。
このように、僕たちは過去に作った考えに沿って行動し、その行動によって、同じ物語が繰り返されることがあります。
本人が望んで繰り返しているわけではありません。
自分を守ろうとして選んだ行動が、結果として、恐れていた状況を作ってしまうことがあるのです。
6.Archetypeで、人は人生を物語として理解する
僕たちは、出来事を一つずつ独立して理解しているわけではありません。
過去、現在、未来をつなげながら、自分はどのような人生を生きているのかという物語を作っています。
ここで考えたいのが、Archetypeという言葉です。
Archetypeは
元型
繰り返し現れる物語の型
人物や出来事を理解するための基本的なパターン
などを意味します。
僕たちが昔から親しんできた物語には、似た構造があります。
弱い立場の人が大きな相手へ立ち向かう
苦しんでいた人が救われる
普通の人物が試練を乗り越えて英雄になる
裏切りを受けた人物が真実を明らかにする
故郷を離れた人物が成長して帰ってくる
こうした物語の型は、映画や小説だけに存在するわけではありません。
僕たちは、自分の人生についても、無意識のうちに物語を作ることがあります。
例えば
自分は困難を乗り越える主人公だ
自分はいつも誰かを助ける役割だ
自分は不当に扱われる被害者だ
自分は皆をまとめなければならない
自分は正しい価値を証明しなければならない
自分はいつか誰かに救ってもらえる
このような物語は、自分の経験を理解する助けになります。
しかし同時に、その物語に合う出来事だけを選んで見てしまうこともあります。
例えば
自分はいつも被害を受ける人間だという物語を持っている場合、相手の何気ない言葉も攻撃として受け取りやすくなるかもしれません。
自分は人を救う役割だという物語を持っている場合、頼まれていないことまで背負い込み、自分を後回しにするかもしれません。
自分は挑戦し続ける冒険者だという物語を持っている場合、安定した状況に退屈を感じ、あえて新しい問題を探すこともあるかもしれません。
大切なのは、その物語が正しいか間違っているかだけではありません。
自分は今、どのような物語の中で出来事を理解しているのかと考えることです。
7.被害者、英雄、救済という物語
例えば
転職を考えている人が、以前の職場について、
誰も自分を評価してくれなかった
上司はいつも自分を否定した
自分ばかりが損をした
と話していたとします。
もちろん、実際に不当な扱いを受けていた可能性もありますが、その事実を軽く扱うべきではありません。
しかし、その人が現在の転職に、
新しい職場なら自分を救ってくれる
今度こそ正しく評価される
という役割を求めている可能性もあります。
すると、新しい職場で少し期待と違うことが起きたとき、ここも前の職場と同じだと感じやすくなるかもしれません。
一方で、自分は困難を乗り越えて成長する人間だという物語を持っている人は、同じ出来事を、次の成長のための試練として捉えるかもしれません。
出来事が同じでも、
被害を受けた物語
救われる物語
試練を乗り越える物語
のどこに自分を置くかによって、未来の予測は変わります。
僕たちは、未来を完全に知ることはできません。
だからこそ、過去の経験や自分の物語を使って、
よって、きっと次もこうなると予測します。
例えば
過去に裏切られた経験がある人は、新しい関係でも裏切りを予測するかもしれません。
努力が報われた経験がある人は、次の困難でも努力する意味を見つけやすいかもしれません。
失敗したときに助けてもらえた人は、新しい挑戦でも助けを求めやすいかもしれません。
つまり、僕たちが見ている未来は、これから実際に起きる未来そのものではなく、過去から予測した未来であることがあります。
8.Perspective―過去は変えられなくても見方は変えられる
ここまで読んで、
では、幼少期に作られたルールやIdentityは変えられないのか?
と思った方もいるかもしれません。
過去に起きた出来事そのものを変えることはできませんが、その出来事をどのように理解するかは、変わる可能性があります。
ここで考えたいのが、Perspectiveと物事を見る視点です。
例えば
子どもの頃、親が忙しく、自分の話を十分に聞いてもらえなかった人がいるとします。
当時は、自分には価値がないから話を聞いてもらえないと受け取ったかもしれません。
しかし、大人になって当時の状況を見直すことで、
親自身にも余裕がなかったのかもしれない
自分に価値がなかったからではない
話を聞いてもらえなかった悲しさと、自分の価値は別のものだ
と考えられることがあります。
これは、つらかった経験をなかったことにするという意味ではありません。
傷ついたことを正当化することでもありません。
起きた出来事と、自分がその出来事から作った結論を分けて考えるということです。
例えば
失敗した経験がある
これは出来事です
だから自分は何をしても失敗する人間だ
これは、その出来事から作った結論かもしれません。
人から拒絶された経験がある
これは出来事です
だから自分は誰からも愛されない
これは、その出来事から作った結論かもしれません。
助けを求めても応えてもらえなかった経験がある
これは出来事です
だから誰にも頼ってはいけない
これは、その出来事から作ったルールかもしれません。
過去の出来事は変えられません。
しかし、その経験が自分のすべてを決めているという見方は、見直せる可能性があります。
例えば
自分は人前で話せないというIdentityを持っている人がいるとします。
いきなり大勢の前で完璧に話そうとすれば、失敗への不安が強くなるでしょう。
しかし、
一人の前で話す
短い時間だけ話す
準備した文章を読む
少人数の中で意見を伝える
という小さな経験を積み重ねることで、
自分は全く話せない人間ではないと捉え直せるかもしれません。
【第1部】でお話しした小さなYESは、誰かからのお願いだけではありません。
自分自身に対する小さなYESでもあります。
一度だけ試してみる
少しだけ本音を話してみる
助けを求めてみる
完璧でなくても始めてみる
今までとは違う選択を一度だけしてみる
その小さな行動が、自分はこういう人間だというIdentityに、新しい情報を加えることがあります。
行動が変わり
自分の見方が変わり
次の行動がさらに変わる
人の変化は、一度の大きな決断だけではなく、このような小さな経験の積み重ねによって起きることがあるのです。
9.人を変えるのではなく、見えている世界を理解する
ここまで、
幼少期の経験
自分の中に作られたルール
Identity
Archetype
Perspective
について考えてきました。
人の行動だけを見ると、
なぜそんなことをするのだろう
なぜ何度言っても変わらないのだろう
なぜ簡単なことができないのだろう
と感じることがあります。
しかし、その人の中には、
過去に作られたルール
自分についての認識
未来への予測
自分を守るための行動
人生についての物語
があるのかもしれません。
例えば
いつも謝っている人は、単に自信がないのではなく、相手を怒らせなければ安全でいられるというルールを持っているのかもしれません。
人に頼れない人は、頑固なのではなく、頼っても助けてもらえなかったという経験を持っているのかもしれません。
相手を強く疑う人は、性格が悪いのではなく、信じることは危険だという世界を見ているのかもしれません。
もちろん、背景があるからといって、他人を傷つける行動がすべて許されるわけではありません。
理解することと、行動を正当化することは別です。
しかし、行動だけを責めても、その背景が変わらなければ、同じことが繰り返される可能性があります。
だからこそ、どうすればこの人を変えられるかではなく、
この人には世界がどのように見えているのか
何を恐れているのか
何を守ろうとしているのか
どのような物語を生きているのか
と考えてみることが大切なのだと思います。
これは他人だけではなく、自分自身に対しても同じです。
なぜ自分はこうしてしまうのだろう
なぜ同じことで悩み続けるのだろう
なぜ変わりたいのに変われないのだろう
そう感じたとき、
自分は弱い
自分は駄目だ
と責めるのではなく、
この行動は、自分を何から守ろうとしているのだろう
自分はどのようなルールを持っているのだろう
自分は今、どのような物語の中にいるのだろう
と考えてみる。
そこから、新しいPerspectiveが生まれるかもしれません。
【まとめ】このシリーズを通してお伝えしたかったこと
【第1部】
人は最初から大きなお願いには応じにくいこと小さなYESの積み重ねが、その後の意思決定に影響する可能性があることについてお話ししました。
【第2部】
Perception
Context
Permission
というPCPモデルを通して、人は目の前の出来事をどのように捉え、意味づけ、自分に行動を許可しているのかについて考えてきました。
【第3部】
そのPerceptionのさらに奥に、
幼少期の経験
自分の中に作られたルール
Identity
人生についての物語
が存在する可能性についてお話ししました。
人の行動を一本の流れとして考えると、
①経験
↓
②Perception(物事をどう捉えるか)
↓
③Context(どのような状況として理解するか)
↓
④Permission(自分に何を許可するか)
↓
⑤Identity(自分をどのような人間だと考えるか)
↓
⑥Archetype(どのような人生の物語を生きているか)
↓
⑦Prediction(未来をどう予測するか)
↓
⑧Behavior(どのような行動を選ぶか)
という形で考えることができます。
もちろん、人間の行動は、この流れだけで説明できるほど単純ではありません。
しかし、目に見える行動だけではなく、その奥にある認知や背景を見ることで、相手への理解は少し変わるかもしれません。
誰かを説得するときも
子どもへ何かを伝えるときも
部下や同僚と関わるときも
大切な人と向き合うときも
相手を動かすことを最初の目的にするのではなく、
まず、相手が何を見ているのか
相手がどのような意味を感じているのか
相手がどのような物語を生きているのか
を知ろうとすること。
それが信頼の始まりなのだと思います。
人は、正しい説明を受けたときだけ動くわけではありません。
自分は見てもらえた
自分は聞いてもらえた
自分の気持ちを理解しようとしてもらえた
そう感じたとき、初めて新しい見方を受け入れられることがあります。
行動心理学を学ぶと、人を動かす方法に目が向きやすくなるかもしれません。
しかし僕がこのシリーズを通してお伝えしたかったのは、人を思い通りに動かす方法ではありません。
人がなぜその行動を選ぶのかを知り、自分自身の判断を振り返り、相手との誤解を少しでも減らすことです。
人にはそれぞれ、これまで生きてきた背景があります。
自分にしか分からない痛み
自分を守るために作ったルール
大切にしてきた物語があります。
だからこそ、一つの行動だけで相手を決めつけるのではなく、その行動の奥には何があるのだろうと考えてみる。
その姿勢が、人を理解するための最初の一歩になるのではないでしょうか。
だから僕は、真理と心理を合わせた「真心」を大切にしたいと思っています。
このシリーズが、自分自身や大切な人との関わり方を見直す小さなきっかけになれば嬉しいです。
出典
Bowlby, J.(1969)『Attachment and Loss: Vol. 1. Attachment』
Ainsworth, M. D. S., Blehar, M. C., Waters, E., & Wall, S.(1978)『Patterns of Attachment: A Psychological Study of the Strange Situation』
Erikson, E. H.(1968)『Identity: Youth and Crisis』
Bandura, A.(1977)『Social Learning Theory』
Beck, A. T.(1976)『Cognitive Therapy and the Emotional Disorders』
Young, J. E., Klosko, J. S., & Weishaar, M. E.(2003)『Schema Therapy: A Practitioner’s Guide』
Festinger, L.(1957)『A Theory of Cognitive Dissonance』
McAdams, D. P.(2001)『The Psychology of Life Stories』
Bruner, J.(1990)『Acts of Meaning』
Cialdini, R. B.(2021)『Influence: The Psychology of Persuasion』
Hughes, C.『The Behavior Ops Manual』
最後に
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※仕草を正しく理解し、誤解を減らしながら“おもてなし”と“真心”を活かした対話をしたい方におすすめです。
また、みなさん、健康とお身体にはお気をつけてください。
それでは、またね!!!
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