【第1部】なぜ彼は殺人を誇らしげに語ったのか、犯罪者の笑顔が私たちに与える違和感とは
みなさんこんばんは!
行動心理士の僕です。
今回から少し重いテーマを扱います。
ただし、このシリーズの目的は、犯罪者を面白おかしく語ることではありません。
人間を理解することです。
そして、なぜ人は時として理解できない行動を取るのか、その心理を考えることです。
今回取り上げるのは、アメリカで大きな話題となったある殺人事件で、事件そのものも衝撃的でした。
しかし、僕が強く印象に残ったのは、事件の残虐性ではありません。
犯人の表情でした。
⚠️注意⚠️
ここで紹介する分析は人格診断ではありません。
単一の表情や仕草だけで判断することはできません。
重要なのは、
流れ
文脈
変化
感情の向き先
現実とのズレ
です。
目的は疑うことではなく理解することです。
真心が大事であることを忘れないでください。
1. 事件の概要
2021年、アメリカ・コロラド州で一件の殺人事件が発生しました。
被害者は路上生活をしていた男性です。
逮捕されたのは、当時19歳だった青年、Brian Coheeでした。
事件は社会に大きな衝撃を与えました。
しかし、その後公開された取り調べ映像は、別の意味で注目を集めることになります。
なぜなら、そこに映っていた青年の姿が、多くの人が想像する「殺人犯」とあまりにも違っていたからです。
2. 犯人の異様な落ち着き
通常、重大事件の取り調べ映像を見ると、僕たちはある反応を予想します。
恐怖
後悔
混乱
あるいは怒り
しかし、彼から強く感じられたのは、そうした感情ではありませんでした。
むしろ、
落ち着いている
淡々としている
そして時折、楽しそうにさえ見えるのです。
もちろん、人の反応には個人差があります。
だから、落ち着いているから危険という話ではありません。
僕が興味を持ったのは、別の部分でした。
それは、彼が話す時の雰囲気です。
3. なぜその表情に違和感を覚えるのか
映像を見ていると、彼は取り調べに協力的です。
質問に答える
詳細を説明する
時には自ら話を広げる
普通なら話したくないような内容まで、自分から語ろうとしているようにも見えます。
ここで僕は一つの疑問を持ちました。
なぜ彼は、こんなにも話したいのでしょうか。
もちろん、供述すること自体は珍しくありません。
しかし、映像から受ける印象は、単なる供述以上のものです。
どこか誇らしさのようなものさえ感じられるのです。
そしてその瞬間、僕たちの脳は強い違和感を覚えます。
なぜなら、事件の重大さと、本人の雰囲気が一致しないからです。
4. 人は何に注目してしまうのか
ここで少し考えてみたいことがあります。
僕たちは、何を見て相手を判断しているのでしょうか。
事実でしょうか、それとも印象でしょうか。
人間の脳は、想像以上に印象の影響を受けます。
表情
声
姿勢
話し方
視線
僕たちは、そうした情報をもとに、相手がどんな人物なのかを無意識に推測しています。
だからこそ、「殺人犯らしくない」という印象が生まれると、その違和感は強烈になります。
そして僕たちは、その違和感の理由を探し始めるのです。
5. 本当に恐ろしいのは何なのか
今回の映像を見ながら、僕はあることを考えていました。
僕たちは、暴力そのものを恐れているのでしょうか。
それとも、暴力を語る時の平然さを恐れているのでしょうか。
実際、映像の中で強く印象に残るのは、事件そのものより、彼がそれを語る時の雰囲気です。
そして、そこにはある共通点が見えてきます。
それは、単なる残虐性ではありません。
むしろ、もっと人間的な欲求に近いものです。
注目されたい
認められたい
自分を見てほしい
もしそうだとしたら、僕たちが見ているものは、単なる殺人事件ではないのかもしれません。
次回は、なぜ人は「悪名」に魅力を感じてしまうのか。
そして、なぜ一部の人は、悪い意味であっても注目されることに価値を見出してしまうのか。
心理学と社会心理学の視点から整理していきたいと思います。
出典
Hare, R. D. (2003)『The Hare Psychopathy Checklist-Revised』
Hare, R. D. (1999)『Without Conscience』
Ekman, P. (2003)『Emotions Revealed』
Vrij, A. (2008)『Detecting Lies and Deceit』
Cleckley, H. (1941)『The Mask of Sanity』
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