見出し画像

【第2部】同じ事件、同じ家族。 抑制という構造

みなさんこんばんは!
行動心理士の僕です。

前回は、同じ事件・同じ家族でありながら、語りの「方向」が変わると印象が変わるという視点を提示しました。

先週扱ったCaseyの語りは、外へ向かう語りでした。

今回は、その対比にある父 George Anthony の語りを、身体のレベルから見ていきます。

キーワードはひとつ。

抑制です。


⚠️注意⚠️

ここで紹介する仕草は「必ず嘘をついている証拠」ではなく、本音がにじみ出る可能性があるサインの一例です。

心理学者ポール・エクマンの研究では、怒り・喜び・悲しみ・恐怖・驚き・嫌悪といった基本的な表情は文化を超えて普遍的に認識されるとされています。

つまり、「表情や仕草は人類共通の手がかり」なのです。

象徴的にいえば、「真実はすべての人の顔に刻まれている」とも表現できます。

ただし目的は「相手を疑うこと」ではなく、相手を理解し、よりよいコミュニケーションにつなげる「おもてなし」であり、真心が大事であることを忘れないでください。

1. 否定の構造

ポリグラフ検査でGeorgeは、何度も性的接触について問われます。

“Did you ever have sexual contact with Casey?”
“Did you ever touch Casey for sexual gratification?”

彼の返答は一貫して短い。

“No.”

語数は増えません。
余計な説明も入りません。

ここで注目すべきは、補強しない否定です。

外向きの語りであれば、

  • 「もちろんない」

  • 「絶対にない」

  • 「ありえない」

といった感情的な補強語が入りやすい。

しかし彼は、基本的に単音で止める。

これは「説得する否定」ではなく、線を引く否定に近いと思います。

ここに、語りの方向の違いが出ています。

2. 顎と唇の動き

彼の否定には、顎の前突が観察されます。

恐怖や羞恥が強い場合、人は顎を引き、喉元を守る傾向があります。

しかしGeorgeは、否定の場面で顎を引くよりも、むしろ前に出す。

これは防御というより、「押し返す」方向のエネルギーです。

さらに目立つのが、強い唇(リップ)の圧縮。

口唇を横に締め、感情の放出を抑える動きで、これは感情がない状態ではありません。

むしろその逆です。

出ようとする感情を制御している可能性を示します。

  • Caseyの語りが「届ける」構造だった

のに対し、

  • Georgeの語りは「押しとどめる」構造

に見えています。

この違いは決定的です。

3. 呼吸というサイン

もうひとつ重要なのが呼吸です。

質問の直後、彼は強く息を吐き出す場面があります。

  • 吐く。

  • 止める。

  • また短く答える。

これは外へ演出する呼吸ではなく、内側で感情を処理する呼吸に近いです。

ここまで整理すると、

  • 否定は簡潔

  • 顎は前へ

  • 唇は強く締まる

  • 呼吸は押し出すように吐く

これは「物語る語り」ではありません。

耐える語りです。

4. ひとつの違和感(次回予告)

しかし、彼の構造は、ずっと一定だったわけではありません。

ある質問で、わずかに変化が生じます。

  • 語数が増える。

  • 声のトーンが変わる。

  • 手の動きが増える。

重要なのは、それが性的疑惑の場面ではなかったという点です。

では、どの問いだったのか。

次回は、彼の語りの中で唯一崩れた一点を取り上げます。

その変化は、嘘の兆候なのか。
それとも、別の「重さ」なのか。

出典

  • Ekman, P. (2003)「Emotions Revealed」

  • Ekman, P., & Friesen, W. V. (1978)「Facial Action Coding System (FACS)」

  • Navarro, J. (2011)「What Every BODY Is Saying」

最後に

ここまで読んでくださりありがとうございます!
皆さまの「スキ」やフォローが大きな励みになっています。
もし少しでも「役に立った」「面白かった」と思っていただけたら、ぜひ「スキ」やフォローをお願いします🙇‍♂️

マガジン

参加させていただきましたマガジンがこちらです!
本当にありがたいですし、このご縁を今後とも!🙇



あと、こちらの記事を取り上げいただきましたので是非読んで見てください🙇





他にもこちら!




”I remember…”のやつは5部作となっているのでよければ最初から読んでいただければわかりやすいと思います。

こちらもおすすめです!


こちらも是非!

さらに詳しく、仕草の読み取りを深め、図解やケース別対応を学びたい方は有料記事をご覧ください👇

※仕草を正しく理解し、誤解を減らしながら“おもてなし”と“真心”を活かした対話をしたい方におすすめです。

また、みなさん、健康とお身体にはお気をつけてください。

それでは、またね!!!

いいなと思ったら応援しよう!

行動心理士の僕【基本フォロバ】  読んでくださりありがとうございます😊 役に立った!また読みたい!と思っていただけたら、ぜひチップで応援していただけると嬉しいです🙇