【第3部】本当に怖いのは、『冷たい人間』ではないのかもしれません、、、
みなさんこんにちは!
行動心理士の僕です。
【第1部】では、冷静すぎる証言について見てきました。
そして【第2部】では、「自分は正しかった」という正義構造について整理しました。
ここまで見てきて、僕が一番怖いと感じたのは、「感情がないこと」ではありません。
むしろ、自分は正しいと強く確信していることです。
なぜなら人は、「自分は悪だ」と思いながら、長く行動し続けることが難しいからです。
ではどうするのでしょうか?
自分は正義だという物語を作ります。
そして脳は、その物語を守り始めます。
今回は最後に、
なぜ正義は暴走するのか
なぜ人は「自分だけが分かっている」と思い始めるのか
なぜ違和感が生まれるのか
ここを、脳科学と行動心理学の視点から、僕なりに整理していきます。
⚠️注意⚠️
ここで紹介する分析は、「人格診断」ではありません。
単一の仕草や言葉だけで、精神状態や人格傾向を断定することはできません。
重要なのは、
流れ
構造
どこに感情が乗っているか
を見ることです。
そして目的は、相手を理解することです。
真心が大事であることを忘れないでください。
1. 「自分だけが分かっている」という感覚
【第2部】では、
法では救えない
だから自分がやる
という構造を見てきました。
ここでかなり重要なのが、自分だけが真実を理解しているという感覚です。
これは一見、強い使命感にも見えます。
しかし同時に、「第三者視点を失いやすい」という危険性があります。
なぜなら、
法律
社会
客観性
よりも、「自分の判断」が最優先になり始めるからです。
ここで重要なのが、心理学者 Albert Bandura が提唱した「Moral Disengagement(道徳的解除)」です。
これは簡単に言うと、暴力を道徳的に再定義することです。
つまり、「殺害」ではなく、「救済」=「必要な行為」として脳内で意味づけし直したのでしょう。
ここがかなり重要です。
2. なぜ脳は『自己物語』を守るのか
ここで、【第2部】の「I was right(自分は正しかった)」という発言が繋がります。
普通、「自分は善人」という認識と、「殺害した」という事実は、強い矛盾を生みます。
心理学者 Leon Festinger は、これを「認知的不協和(Cognitive Dissonance)」と説明しました。
人間は、自分は善人という自己認識が崩れると、強いストレスを感じます。
そのため脳は、「行動」を変えるのではなく、「意味」を変え始めることがあります。
つまり、「殺害してしまった」ではなく、「救うために必要だった」という形で、脳内の物語を再構築しています。
ここで重要なのが、Narrative Identity(物語自己)という考え方です。
人は単純に記憶しているのではなく、自分の人生物語として経験を整理します。
つまり今回のケースでは、「加害者」ではなく、「犠牲を払った救済者」として、自己物語が再編集されている可能性があります。
3. 「少女救済」にだけ感情が動く理由
ここが、【第1部】最大の繋がりとなります。
なぜ彼は、「少女」の話では感情が動き、「殺害」では感情が薄かったのか?
ここがかなり重要です。
脳科学では、扁桃体(Amygdala)が、
恐怖
脅威
情動的重要性
に関わることが知られています。
つまり脳は、重要だと認識した対象に対して、強く感情反応を起こします。
今回の証言では、「少女を守る」という物語こそが、脳内で最重要テーマになっていた可能性があります。
だからこそ、「少女危険」には感情が動いたのだと思います。
逆に、「被害者視点」には感情が薄くなる。
つまりこれは、感情がないのではなく、感情の優先順位が偏っている状態なのかもしれません。
ここがかなり重要です。
4. なぜ語りは『不自然』になるのか
では、もし本人が本気でその物語を信じているなら、なぜ人は違和感を覚えるのでしょうか?
ここで【第1部】の、
瞬きの少なさ
異様な冷静さ
整理されすぎた語り
へと繋がります。
脳科学では、前頭前野(Prefrontal Cortex)が、
制御
論理
出力管理
を担うとされています。
つまり今回の語りでは、「自然に話している」というより、「自己正義に基づく行動による覚悟が決まっていた話」であり、それを「自己物語として維持させたかった」可能性があります。
その結果、
瞬き減少
身体硬直
感情の平坦化
が起きることがあります。
ここで重要なのは、嘘だからではなく、強い認知負荷です。
つまり脳が、「自己物語を維持する」ことにリソースを使っている可能性があります。
これが、あの異様な冷静さに繋がっているのかもしれません。
5. 全ての繋がり
ここまでを整理します。
【第1部】
瞬きが少ない
冷静すぎる
語りが整理されすぎている
少女の話だけ感情が動く
【第2部】
「自分は正しかった」
「鏡を見られない」
Batman型自己正当化
少女救済物語
【第3部】
これら全部を繋げると、「脳が自己物語を守り始めている可能性」が見えてきます。
つまり、「殺害」という事実より、「自分は救済者である」という物語が、脳内で優先され始めたのでしょう。
だからこそ、
感情の出方
語り
視線
身体
すべてに、偏りが生まれる。
ここが今回、最大のポイントだったように感じます。
6. 最終結論
ここまで【第3部】にわたって、
違和感
正義構造
脳内自己物語
を見てきました。
そして僕が今回、一番重要だと思ったのは、「本当に怖いのは、冷たい人間とは限らない」ということです。
むしろ、
自分は正しい
自分は救っている
と強く信じている時ほど、人は暴力を正当化しやすくなる。
だからこそ大切なのは、「自分だけが正しい」と思い込みすぎないことです。
つまり、
客観性
他者視点
真心
です。
今回の事件は、単なる殺人分析ではなく、「人間はどうやって、自分の物語を現実として信じ始めるのか」という、かなり深いテーマだったように感じます。
出典
Paul Ekman「Emotions Revealed」
Albert Bandura「Moral Disengagement」
Leon Festinger「A Theory of Cognitive Dissonance」
Daniel Kahneman「Thinking, Fast and Slow」
Joseph LeDoux「The Emotional Brain」
Joe Navarro「What Every BODY Is Saying」
最後に
ここまで読んでくださりありがとうございます!
皆さまの「スキ」やフォローが大きな励みになっています。
もし少しでも「役に立った」「面白かった」と思っていただけたら、ぜひ「スキ」やフォローをお願いします🙇♂️
メール相談もぜひご検討ください
もし
行動心理
仕草の読み取り
対人関係
コミュニケーション
などについて
「少し聞いてみたいことがある」
という方がいらっしゃいましたら、メールでのご相談もぜひご検討ください。
できる範囲にはなりますが、丁寧に対応させていただきます。
マガジン
参加させていただきましたマガジンがこちらです!
本当にありがたいですし、このご縁を今後とも!🙇
あと、こちらの記事を取り上げいただきましたので是非読んで見てください🙇
他にもこちら!
”I remember…”のやつは5部作となっているのでよければ最初から読んでいただければわかりやすいと思います。
こちらもおすすめです!
こちらも是非!
さらに詳しく、仕草の読み取りを深め、図解やケース別対応を学びたい方は有料記事をご覧ください👇
※仕草を正しく理解し、誤解を減らしながら“おもてなし”と“真心”を活かした対話をしたい方におすすめです。
また、みなさん、健康とお身体にはお気をつけてください。
それでは、またね!!!
いいなと思ったら応援しよう!
読んでくださりありがとうございます😊
役に立った!また読みたい!と思っていただけたら、ぜひチップで応援していただけると嬉しいです🙇