【第1部】人はなぜ「質問」に答えなくなるのでしょうか?
みなさんこんばんは!
行動心理士の僕です。
投稿が遅れてしまったすみません😭
本当に残業がきついです、、、
みなさんもお仕事は無理をせずに!
それでは本題!
今回取り上げるのは、Matthew Paul事件です。
Matthew Paulは交際相手であるStephanie Pavlonsを殺害し、その後、有罪判決を受けた人物です。
しかし今回、僕が注目したのは事件そのものではありません。
むしろ興味深かったのは、捜査員との面談が始まった直後から見え始める、「語り方」です。
普通であれば、
Stephanieに何かあったんですか?
彼女は大丈夫なんですか?
なぜ自分が呼ばれたんですか?
という方向へ関心が向いても不思議ではありません。
ところがMatthewは違いました。
彼が最初に始めたのは、自分のアパートの説明。
自分は馬鹿ではないという説明。
弁護士の話。
そして、まだ聞かれていないことへの防御でした。
ここで重要なのは、「嘘をついている」と断定することではありません。
僕が今回注目したいのは、なぜ人は、質問に答える前に、防御を始めるのかという点です。
今回は、Matthewの会話を通して、人が心理的負荷を感じた時に見せる語り方について整理していきたいと思います。
⚠️注意⚠️
ここで紹介する仕草は「必ず嘘をついている証拠」ではなく、本音がにじみ出る可能性があるサインの一例です。
心理学者ポール・エクマンの研究では、怒り・喜び・悲しみ・恐怖・驚き・嫌悪といった基本的な表情は文化を超えて普遍的に認識されるとされています。
つまり、「表情や仕草は人類共通の手がかり」なのです。
象徴的にいえば、「真実はすべての人の顔に刻まれている」とも表現できます。
ただし目的は「相手を疑うこと」ではなく、相手を理解し、よりよいコミュニケーションにつなげる“おもてなし”であることを忘れないでください。
真心が大事であることも忘れないでください。
1. 最初に防御が始まる
面談開始直後、Matthewは自分の部屋について話し始めます。
さらに、
違法なものは置いていない
そんな馬鹿なことはしない
という趣旨の発言を繰り返します。
ここで興味深いのは、まだ捜査員は何も具体的な容疑を伝えていないことです。
つまり、質問される前に防御している点が重要です。
行動分析では、人は心理的に強く意識しているテーマほど、聞かれていないのに話し始めることがあります。
もちろん、これだけで何かを断定することはできません。
しかし、「何を気にしているのか」を見る上では非常に興味深いポイントです。
2. 「俺は馬鹿じゃない」の意味
今回何度も出てくるのが、
そんな馬鹿なことはしない
という趣旨の発言です。
ここで重要なのは、否定の対象です。
普通なら、
やっていない
を強調しそうです。
しかしMatthewは、
そんな馬鹿なことをする人間じゃない
を強調している。
ここに少し違和感があります。
心理学者ダニエル・カーネマンは、人はストレス下で、客観的事実よりも、自分が最も気にしている問題へ注意を向ける傾向があると説明しています。
今回の場合、「やったかどうか」より、「馬鹿だと思われたくない」に意識が向いているようにも見えます。
ここは後半への大きく繋がります。
3. なぜ理由を聞かないのか
僕が最も違和感を覚えたのはここです。
Stephanieは行方不明です。
普通であれば、
何があったんですか?
彼女は無事なんですか?
という方向へ関心が向いても不思議ではありません。
しかしMatthewの関心は、一貫して自分です。
自分の部屋
自分の権利
自分の立場
自分が騙されるかどうか
Stephanieが会話の中心になりません。
ここが今回最初の大きな違和感です。
4. 被害者より自分を語る
行動分析で重要なのは、感情の向き先です。
人は大切な相手が行方不明になった時、多くの場合、相手への関心が増えます。
どこにいるのだろう
無事だろうか
何があったのだろう
こうした思考が自然に増えることがあります。
しかし今回見えてくるのは、Stephanieへの関心ではなく、Matthew自身への関心です。
もちろん、これだけで何かを断定することはできません。
しかし、感情の重心がどこにあるのかを観察することは非常に重要です。
ここは【第2部】に繋がる大きなポイントになります。
5. ベースラインから見える違和感
ここで重要なのは、単発の仕草ではありません。
僕が見ているのは、会話全体の流れです。
理由を深く聞かない
自分の説明が多い
防御から始まる
被害者への関心が薄い
聞かれていない話を始める
これらが重なった時、
僕たちは「何かがおかしい」と感じ始めます。
行動分析では、単発ではなく、複数のサインをまとめて見ることが重要です。
これをクラスターで考えます。
今回のMatthewにも、そのクラスターが見え始めています。
6. 【第2部】への繋がり
ここまで読んで、ある疑問が出てくると思います。
なぜMatthewは、質問に正面から答えないのでしょうか?
実は【第2部】では、さらに奇妙な現象が始まります。
捜査員が、
最後にStephanieを見たのはいつですか?
と尋ねると、
Matthewは別の話を始めます。
家族の話
誘拐の話
娘の話
まったく別の出来事
つまり、質問から離れていくのです。
【第2部】では、人はなぜ「事実」ではなく「物語」を語り始めるのか。
その構造について整理していきます。
出典
Paul Ekman『Emotions Revealed』
Joe Navarro『What Every BODY Is Saying』
Daniel Kahneman『Thinking, Fast and Slow』
Albert Mehrabian『Silent Messages』
Nalini Ambady & Robert Rosenthal『Thin Slices of Expressive Behavior as Predictors of Interpersonal Consequences』
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