変態パソコンシリーズ第3弾~GPD Win実機レビュー&Windows11化計画~変態UMPCは現代でも戦えるのか?
はじめに
小さすぎるWindows PC
手のひらサイズのゲーム機型Windows PC。
キーボードもあり、ゲームパッドもあり、しかも普通にWindowsが動く。
そんな“全部入り”を本気でやってしまったのが、GPD Winだ。
だがこのマシン、ただのレビューでは終わらなかった。
今回は実機レビューに加え、「Windows11を入れる」という無茶な挑戦も行った。
また、ゲーム機型PCということで、軽中重の3種類のゲーム検証も行った。
その結果は――
このサイズで本当にゲームができるのか。
そして2026年の今でも使えるのか。
その答えを、自分の手で確かめてみることにした。
第1部:実機レビュー編
GPD Winとは何か
初代GPD Winは2016年に登場した、5.5インチの携帯型Windows PCだ。
手に持った瞬間、まず思う。
👉「小さい…でもちゃんとPCだ」

サイズ感はほぼNew 3DS LL。

しかしフタを開けると、そこにはキーボードとゲームパッドが同居している。


■ 初代GPD WINの主な特徴とスペック:
携帯性: 重量約350g〜360gの、手のひらサイズのゲーム機型PC。
スペック: Atom x7-Z8750、RAM 4GB、eMMC 64GB。
用途: Steamの軽めのゲーム(ストリートファイター4など)やエミュレーターの動作をターゲットとし、PCゲームを携帯して遊ぶコンセプト。
操作系: アナログスティック、十字キー、ABXYボタン、L1R1/L2R2トリガーを備えたコントローラー内蔵。
影響: 後のUMPCブームやポータブルゲーミングPCのパイオニア的存在。
OS: Windows10(64bit)
※今回の個体はストレージが64GBしかないため、256GBのmicroSDカードを追加して運用している。
👉この時点で、すでに“やりくり前提のPC”であることが分かる。
👇おすすめ、256GBのMicroSDカード。
手ごろな128GBなら
正直、今の感覚で見るとかなり厳しい構成だ。
しかし当時は、
👉「ポケットに入るWindows」
というだけで衝撃だった。
👉ここからは各機能別にレビューしたい。
■ディスプレイ
・5.5インチ IPS液晶 (1280x720, マルチタッチ, ゴリラガラス3)だけあって、視認性は問題ない。文字もはっきり見え、ゲームも綺麗に表示される。
■キーボード
・一応キーボードあるよという感じ。当然この超小型PCに載せるのでキーは小さい。おまけに打鍵感がとても固く入力は大変。外付けキーボード必須。
👇Ewinのキーボードがおすすめ。タッチパッドも搭載しており、PCとの接続はBluetoothと2.4GHzUSBの2系統が使える。また、IOS、Windows、Macの3システム対応。おまけに3台のデバイスに接続できる優れもの。
👇小型キーボードならこれ。
私も愛用している。持ち運びに便利。手のひらサイズだがキータッチが柔らかく打鍵感はよい。この小ささでタッチパッドまでついてる。おまけに、PCとの接続はBluetoothと2.4GHzUSBの2系統が使える。
■ゲームパッド
アナログスティック、十字キー、ABXYボタン、L1R1/L2R2トリガーを備えているが、操作性はまずまず。しいて言えば本体を手に持って遊ぶときに、背面のL1/R1、L2/R2ボタンがちょっと押しづらいかなという程度。
👇マウスも必要ですね。PCとの接続はBluetoothと2.4GHzUSBの2系統が使え、電量表示も付いてる。何といってもLEDグラデーションライトで光る!
👇持ち運び用ならこの超小型マウスがおすすめ。
第2部:Windows11化計画
デフォルトはWindows10搭載なのだが、せっかくなので、現代環境としてWindows11を入れてみることにした。
■Windows11をインストールにあたって、気を付けることがある。
クリーンインストールするとドライバーも消えてしまうので、まずはドライバーのバックアップは必須。公式サイトにドライバーがアップされていればまだいいが、公式ドライバーがアップされていない個体だとWindows11がインストールできてもドライバーが復元できないという事態になりかねない。私は念のため、3種類のドライバーをバックアップしている。
①ExportDrivers(Windows標準機能)
poweshellで
「Export-WindowsDriver -Online -Destination "C:\DriverBackup"」を実行。
Cドライブに「DriverBackup」というフォルダーができ、その中に「ExportDrivers」というファイルが入っているので、保存先にコピー。
②FileRepository(主にデバイスドライバーのバックアップやインストール用ファイルが格納されている重要なシステムフォルダ)
保存場所: C:\Windows\System32\DriverStore\FileRepository
エクスプローラーで上記パスを開いて「FileRepository」を保存先にコピー。
③Double Driver(ドライバーバックアップアプリ)
Windowsにインストールされているデバイスドライバを検出し、一括でバックアップ・復元できるフリーのツール。
■万が一に備えてディスクイメージもバックアップしておく。
万が一、Windows11が不調など不具合が起きた時にWindows10に戻せるよう、ディスクイメージのバックアップもとっておく。
私は、Macrium Reflect FREE Editionというアプリを使用している。無料版だが十分使える。
今回、ディスクイメージバックアップ中に「MFTが破損しています-エラーコード=6 chkdskC/rを実行してください」というメッセージが出てバックアップできない事態に。エラーメッセージに従いチェックディスクを実行したらバックアップできたものの、これが、この個体特有のものなのか、GPD Winだからなのかは不明だが、もし同様のエラーが出たら注意。
※MFT(Master File Table)は、NTFSファイルシステムにおいて、HDDやSSD上の全ファイル・フォルダの位置、名前、作成日時、属性などを管理する「目次」のようなデータベースのこと。
■Windows11インストール
ドライバーのバックアップが済んだら、いよいよWindows11をインストールしていく。
但し、本機はWindows11非対応PCのため、非対応チェックを回避してインストールしなければならない。その方法は下記記事で詳細に説明しているので参考にしてほしい。
■Windows11インストール中のトラブル
Windows11をクリーンインストール中、ネットワーク接続のフェーズに来たら、Wi-Fiが繋がらないトラブルが発生。SSIDは表示されるが、パスワードを入力しても「ネットワークに接続できない」とメッセージが表示され繋がらない。
しょうがないので、ネットワーク接続なしでアカウントはローカルアカウントにして進んで、インストールは完了した。
■Windows11インストール後のトラブル
Windows11を起動したところすんなりと起動した。デバイスマネージャーでドライバーの状態を確認したところ、不明なデバイスが並んでいるが、これは想定どおり。

WindowsUpdateを実行して、それでも残った不明デバイスをバックアップしておいたドライバーを当てたら、不明なデバイスは綺麗に消えた。

👉しかし、ここでトラブル発生。インストール時に繋がらなかったWi-Fiを繋げようとしてもWi-Fiが繋がらないのだ。
ドライバーを入れてもダメ。
入れ直してもダメ。
ハードウェアIDでネットに落ちてるドライバーを探して入れてもダメ。
何をやっても繋がらない。
ネットでいろいろ探していると公式ドライバーがあることを発見。早速ドライバーパックをダウンロードしてインストールするがダメ。
詰んだと思ったら、公式ドライバーパックとは別にWi-Fi patchというドライバーがひっそりと一覧の中に存在していたのを発見。これだ!と思わず叫びそうになるのを堪えて、ダウンロード。インストールするとあっさりと解決。
どういうことかというと、いくらWindows10のドライバーを3種類バックアップしていても、そもそもWindows11では動かないドライバーだったみたい。今までの経験上、Windows10のドライバーはWindows11でも動いていたので過信していた。公式ドライバーがなければお手上げだった。
もし、公式ドライバーが存在しなかったら、別にWi-Fiドングルで運用するしか方法はなかった。
👇おすすめWi-Fiドングル。
古いデバイスを現代OSで使う、ということの現実を見た。
■動作確認
環境が整ったところで一通りチェック。
タッチ操作:問題なし
スティック・ボタン:正常
音:OK
👉「ちゃんと使える」
この時点で少し安心する。
第3部:ゲーム性能検証
ここからが本番。
このPCで“ゲームができるのか”。
■軽量級ゲーム
🎮 Stardew Valley
「Stardew Valley(スターデューバレー)」は、祖父から引き継いだ荒れ果てた農場を再興する、オープンエンド式の人気田園生活シミュレーションRPG。農業、釣り、採掘、住民との交流など、自由なスローライフを体験できるゲーム

起動はやや待たされるものの、
ゲームが始まると驚くほどスムーズ。
設定はデフォルトで。

👉普通に遊べる
操作も快適で、違和感はほぼない。

ただし、本体はじわじわと熱を持つ。
触っていると「あ、結構熱いな」と分かるレベルだ。
■中量級ゲーム
軽量級ゲームは問題なく遊べたので、次は中量級ゲームを検証。
🎮 Minecraft
Minecraft(マインクラフト)は、すべてが立方体のブロックで構成された仮想世界で、自由な建築や冒険、サバイバル生活を楽しめる「サンドボックス(砂場)」型ゲーム。プレイヤーは資材を採掘(マイン)して道具を作り(クラフト)、思い思いの家や巨大都市を制作したり、敵と戦ったり、マルチプレイで他の人と遊んだりできる。

まずは、デフォルト設定で起動してみると――
正直、これは厳しい。
動くことは動くが、プレイするには辛い。👉FPS:約4

そこで設定を徹底的に削る。
描画距離、影、フィルタリング…
削れるものはすべて削った。

結果――👉FPS:約15

一気に体感が変わる。
カクつきは多少残るものの、
👉「ギリ遊べる」
ラインに到達した。
👉「このPC、まだ戦える」
そう思わせてくれる結果だった。
■重量級ゲーム
中量級ゲームも設定次第で遊べたので、次は難関重量級ゲームを検証。
🎮 Fortnite
Fortnite(フォートナイト)は、Epic Gamesが開発・運営する、基本プレイ無料のオンラインアクションゲーム。100人で最後の1人(1チーム)になるまで戦うバトルロイヤルが最大の特徴で、壁や床を「建築」して身を守りながら戦う要素が人気のゲーム。

まずインストールからして長い。
microSDに入れていることもあり、完了までかなりの時間(約半日)がかかった。
起動も遅い。
サーバー接続も遅い。

そしてゲームが始まると――
👉ほぼ動かない
カクつきではなく、コマ落ち。
操作が成立しないレベル。
さらに追い打ちをかけるように、
👉サーバータイムアウトで起動すらできない場合もある。
軽量化設定を試そうとしたが、そこに到達する前に弾かれる。
👉検証不能
【総まとめ】
ここまでの結果を整理すると――
軽いゲーム → 快適
中程度 → 調整すれば可
重いゲーム → 不可
【結論】
GPD Winは、
👉“使い方を選ぶPC”
軽い用途なら今でも通用する。
しかし、
👉その限界は、確実に存在する。
おわりに
バックアップ、エラー、再構築、検証。
すべてを通して感じたのは、
👉「このPCで何ができるのか」
ではなく、
👉「どこまでならできるのか」
その境界を探る体験だった。
そして――
👉この小さなPCは所有欲を満たしてくれ、不便な部分もあるがそれを凌駕する魅力に溢れているマシンだ。一言でいえばロマンがある。
完
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