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9ノクスの特効薬

コビトものがたりは続き物です。





9ノクスの特効薬


地下の薬草部屋に入ると、沢山の瓶、コルクで栓がしてあり壁の棚にきれいに並べられていた。同じ大きさの瓶がずらりと並んでいていろいろな色の乾いた葉が入っていた。

その瓶をいくつか選んで、作業台にある乳鉢にいくつかの葉っぱを入れて乳棒で砕き始めた。部屋の中に不思議な香りが立ち込めた。ノクスは慣れた手つきで細かくした葉っぱになにやら油のようなものを混ぜて小さな紙に包んでいる。

それを3つ作ると、次にまたさっきと違う瓶を数個もってきて乳鉢で葉っぱを小さくつぶしそのまま小さな紙に包んだものを3つ作っていた。

部屋の中はいろいろな香りがしていたが心地悪いにおいではなかった。そしてノクスが小さな紙に包んだ薬を差し出して

「これはミトロ用です。いつも通り使ってくれれば大丈夫。あとこちらはお二人さんが使ってみてください。油で練ったものは傷薬。指や足などの切り傷や擦り傷に塗り込んでみるとすぐ治ります。そして腹痛の時にはこちらの葉っぱを口に入れて噛んで飲みこんでください。ちょっと苦いですが、これもよく効きます」

とミトロとピピとミミに小さな紙包みを2つずつ渡した。



ノクスの薬草庫

「この薬とても効くんじゃ。ノクス、ありがとうな。いつも感謝してもしきれんのう」

とミトロが言うと

「ノクス、ありがとう」

と2人は声をそろえて言った。ノクスはにっこり笑った。

「ノクス、このお薬は傷薬で間違いない?」

とピピが聞くと

「はい、そうですよ。前回渡したのとほぼ同じだけど、もっと効くかもしれません」

と言って微笑みながら、

「ミルラとルルとネネは何か困っていることはないですか?お薬を調合しますよ」

とノクスが言うと

「私は頭痛薬を調合してほしいの。あとは傷薬かな」

とミルラ。

「私たちは特に必要なモノが思い浮かばないんだけど」

とルルが言った。

「あ、そうね。初めてだし、傷薬をもらっておくといいわ」

とミルラが言った。

「はい、わかりました。頭痛薬と傷薬ね」

と言って、壁の棚から瓶を数個とって作業台に置くと、また乳鉢で砕き薬を作り始めた。

そんなノクスを見ながら、ミトロはすぐに一つの紙包みを開いて、練り薬を自分の指に塗った。

「ちょっとしみるが、これを塗ると切り傷がすぐ治るんでな。重宝しておるんじゃ」

とミトロはピピとミミの顔を見て言った。

「うん、僕は鳥に使っているよ。鳥たちも傷がすぐ治るから喜んでる」

とピピが言った。

「それはいい事じゃな。ノクスの知識を誰かが受け継いでくれないとわしも困るからな」

と言ってミトロが笑った。

「いえいえ、私の知識なんて知れていますが、なかなか2人は筋がいいんです」

といって作業をしながらノクスが微笑んだ。

ノクスは作業台に薬草がそのまま入っていたり、粉にしたものが入っている瓶をいくつも持ってきて、砕いて粉にしたり、なにやらゴムのようなものと練り合わせたりしていくつかの薬をつくって、小さな紙の包みを作っていた。

「お待たせしました。これはミルラ用。頭痛薬と傷薬です。あとはルルとネネにも傷薬をつくりました。これをもっていて、ケガをしたときには使ってみてくださいね」

ノクスは作った紙包みをミルラに渡した。

「ありがとう、助かるわ」

ミルラが言うと、ノクスはルルとネネに向かって

「ルルとネネはちょっと待っていてくださいね」

と言った。そしてルル、ネネが声を合わせて言った。

「はい、待ってまーす!」



薬の調合

しばらくして、ノクスから薬包紙が渡されると、ルルとネネが紙包みをおそるおそる開いてみた。すると少し光沢のある白くてちょっとほろ苦いような甘いような香りがするクリーム状の薬が入っていました。

「うわ~初めて!」

とルルが言うと、

「なんかいい匂いがする」

とネネが言ってにっこり笑った。

「はい、二人ともお薬はちゃんとしまってね。無くさないように、木登りをした後に手が痛かったら塗ってみるといいわ」

とミルラが言った。

「はーい。そうします」

ルルとネネは声をそろえて言った。

「またいつでもお渡しできるので、必要になったら言ってくださいね」

とノクスがにっこりしていった。

「そうじゃ、わしらはこれから山の桜が開花するらしいので行こうと思うんじゃが、ノクスも一緒にいかがかな?」

とミトロがいうと

「はい、私も行くつもりでいます。こちらの畑の作業が終わってから行くつもりなので、後から駆け付けます」

とノクスが言った。

「では、先に行かせていただくかのう。ノクス、ありがとうな」

といってミトロと一行はノクスの薬草庫を後にした。







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