3切っても切り離せないけど。。。?
前回はこちら👇
「いろいろ面白いお話が沢山あるね。他にもっとお話ししてよ」
とピピ。
「そうさなぁ、すぐには思いつかないんだが」
といってミトロはじっと考え黙り込んでしまった。
ピピとミミは川の水で手を洗ったり、水をかけたりして遊び始めた。そこに木の葉が一枚流れてきた。
「あら、木の葉が流れてきた」
といってミミが木の葉を拾ってピピとミトロに見せた。すると
「おお、そうじゃった。ミミ、その木の葉をちょっと見せてくれんか?」
とミトロが言うので、ミミがその木の葉をミトロに渡した。
「おまえさんたち、木の葉には、裏と表がある。わかるな?」
とミトロが2人にその木の葉を見せながら言った。
「うん、わかるよ。どうして?」
とピピ。

「この木の葉のように、裏と表があるが、裏と表どちらかだけを残すことはできると思うかい?」
とミトロが言った。
「え?裏と表どちらかだけを残す、うーん、裏と表が合わさって1つなんだから裏だけの葉っぱとか表だけの葉っぱとかはできないと思うわ」
とミミが首をかしげながら言った。
「そうじゃな。わしもそう思う。両面が裏だけの葉っぱとか、表だけの葉っぱとか存在しないということじゃな。そういう例はほかにも何か思いつくかい?」
とミトロが言うと、
「あ、わかる!光と影!というのは光があるから影ができるし、光が無いと影もできないから」
とミミが言った。
「そうじゃな!まさにその通り」
とミトロが言うと、
「えっとね、じゃあ、昼と夜は?一日は昼があって夜があるし、明けない夜はないから、昼と夜!」
とピピが言った。
「うんうん、おまえさんたち、いい答えを持っているのぉ」
とミトロは目を細めた。
「そういった一つが切り離せないモノだという例は沢山あるんだが、ニンゲン界に行くと、どうも一つの面しか見ようとしないというところがあるようなんじゃ」
とミトロが言うと
「えーーーどういうこと?」
とピピが聞いた。
「そうじゃな、例えば、ある人の特徴があって、その人が背が高い人だったとしよう。するとな、『背が高くてすらりとしていて好ましい』という長所という見方が一つある。それと同時に『背が高いからいろいろなものにぶつかりやすい』という見方もある。人の特徴ということなんじゃが、面白いことにニンゲンはそれを一つの方向だけを見る傾向があるようじゃ」
とミトロが言った。
「そうなんだ。っていうことは、背が高い人に対して、背が高いことが長所と言う人と、背が高いことが不都合で短所と言う人がいるということ?両方見ることができる人はいないの?」
とミミが聞いた。
「そうじゃな。両方見ることができる人がいないわけじゃないが、少ないんじゃな。多くのニンゲンはどちらか一方しか見ていないという印象じゃな」
とミトロが言った。
「そうなんだね。一つのことが2つの性質があったり、2つの面があるのに一つしか見えないと、見落としばっかりになってしまいそうだけど、それは大丈夫なの?」
とピピが聞いた。
「うん、大丈夫ではないかな、ピピはニンゲンが気になるんじゃろうなぁ」
とミトロが笑った。
「うん、すごく気になるよ」
とピピが言った。
「一つの物事に2つの面があることは頭でわかっても、見えなくなるみたいなんじゃな。どうやらニンゲンの脳の構造に原因があるらしいんじゃ」
とミトロが言った。
「脳の構造で一つの物事の2つの面が一つの面だけしか見えないなら、教えてあげたらいいんじゃないの?」
とピピ。
「そうじゃな。それもわしらはニンゲンが自分で気付くようにできるだけ手を貸さないようにしてきたんじゃが」
とミトロ。
「なんで、できるだけ手を貸さないの?」
とピピ。
「それは、わしらがいないと気付けないようになったらどうなると思うかい?」
とミトロが言うと、
「ロボットみたいになってしまうのかしら?」
とミミがおそるおそる言った。
「そうじゃな。それもあるし、言葉で教えるのは簡単なんじゃが、教えるだけだと言葉だけ受け取って何もしないで何も変わらないことが多かったんじゃな」
とミトロが言った。
「ってことは、ミトロはニンゲンに教えたの?」
とピピが聞くとミトロはうなずいて言った。
「そうじゃな」
ピピとミミは顔を見合わせた。
「じゃあ僕たちはどうしたらいいの?」
とピピ。
「うん、見守るということも必要なんじゃな。知っているから教えたとしても、そのニンゲンたちが必要になった時に少しだけ手を貸していく、ということなんじゃろうな」
とミトロがいった。
ピピとミミは静かにうなずいた。
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