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2ニンゲン界の時間軸は沢山あるわけじゃない?

前回はこちら👇


「今日は久しぶりにミトロに会えたからなんだかいいことありそうな予感!」

とピピが嬉しそうに言った。

「そうじゃのぉ。それは良かった。そう思えばそうなるからのぉ」

とミトロ。

「私はミトロの話を聞けたことがいいこと!もういいことを手にいれちゃった」

とミミ。

「ははは、それは良かった。でも、そういう思いが現実になっていくからのぉ。思いは大事じゃなぁ」

とミトロは考えるような目つきで独り言のようにつぶやいた。

「うん、そうよね」

とミミが嬉しそうに言った。

「今思い出したのだが、ニンゲン界でのことなんじゃが」

とミトロが言うと

「なになに?」

とピピとミミが同時に言った。

「ははは、本当にニンゲン界のことが気になっているんじゃなぁ。こちらも話をするのに精が出るわい」

とミトロが笑った。

「なになに?早くお話してよ」

とピピが言うと、

「そう、ニンゲン界ではちょっと時間の感覚が我々の世界と違うと感じたことがある。わしたちコビト界では過去と未来をつなぐ紐がいくつもあって、“今”という一点ですべての紐が交わる感覚としている。だから過去も未来も沢山の可能性があると感じるじゃろう?」

とミトロがいうと、2人はコクリコクリとうなづきながら耳をそばだてて目を見開いて聞いていた。

「ニンゲン界では過去と未来をつなぐ時間は一本の紐のように考えるらしいんじゃ。よく“運命は変えられない”なんていうニンゲンがいて気の毒になるんじゃ」

とミトロ。

「ええ~!そうなの?つまり、ニンゲン界では過去は一つしかなくて、現在があって、未来も変えられないの?」

とピピが聞くと、

「いや、未来については“今”より時間軸の先にあるから、これから起こる事だとわかるから変えられるんじゃが、多くのニンゲンはあまり“今”を意識していないんじゃ。“今”が空っぽになっていて、過去のことを後悔したり、未来のことを思い悩んだりしてなぁ。そして“運命は変えられない”と信じ込んでしまうニンゲンを多く見てきたのぉ。まあ、過去から今を通って未来に行く紐が一本しかないと思っていると、“自分は決められた運命通りに生きないといけない”と思ってしまうものなのかもしれないなぁ」

とミトロが言った。

「なんで過去から未来の線は1つしかないと思うのかしら?」

とミミが言うと、

「わしはニンゲン界に長くいて、このコビト界にも戻ってくるが、時間の感覚はどちらも大きく変わらないと感じておる。だからニンゲン界ではきっと時間の軸は1本しかないと教えられて信じ込んでいるんじゃろうのう。まあ一部のニンゲンは“パラレルワールド”といって他にもう一本違う紐が並行していると感じるニンゲンもいるらしい」

とミトロが言った。


「“パラレルワールド”ってもう一本違う時間軸があったら、それが“今”で交差するならニンゲン界でも運命は変えられるということかしら?」

とミミが言うと、

「きっとそういうことじゃろうのぉ。わしが見ている限りでは、時間自体はコビト界とあまり変わらないように感じる。じゃが、ニンゲン界の方が少々制限が多いように感じるのぉ」

とミトロ。

「制限が多いってどういうこと?」

とピピ。

「そうじゃなぁ、『こうしないといけない』とか『こうするべき』というルールが多いんじゃなぁ。確かに、思いが現実になるまでがわしらの世界だと1日かかるものが人間界だと10日かかるような感覚なんじゃ」

とミトロが言うと、

「“こうなったらいいな”が私たちの世界で1日で目の前に現れることが、10日かかってしまうってこと?その10日間、ニンゲンは何をしているの?」

とミミ。

「うん、そうじゃな。気長に待っていられたニンゲンだけが思った結果を手にしているようじゃ」

とミトロ。

「ということは、待っていられない人が多いから、“運命は変わらない”って思いこんでしまう人が多いということかしら?」

とミミ。

「そうじゃな、ミミのその推察はいい線じゃな。思いが現実にならないと悲観して、自ら命を絶ってしまうニンゲンもいるからのぉ」

とミトロ。

「自ら命を絶つなんて悲しいね。僕たちで何かニンゲンの力になれることってないのかな?」

とピピ。

「そうじゃな。わしなりにいろいろやってきたが、もしピピがニンゲン界に修業に行くことがあったら、おまえさん自身がいろいろやってみたらいい。可能性は無限大じゃからな」

とミトロが笑った。

「そうか、いろいろなことがあるんだね。なんだかニンゲン界で修業するって楽しみだな」

とピピが笑うとミトロとミミも笑った。

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