8ノクスの薬草畑
コビトものがたり始まります。
8ノクスの薬草畑
「さあ、また歩くとするかのう。みんな疲れはとれたかな?」
とミトロが聞くと
「うん、疲れは吹き飛んだよ。早く歩こう」
とピピ。
「うん、歩こう」
とミミ、ルル、ネネが同時に言ったので、顔を見合わせて笑った。
「さあ、じゃあ行きましょう」
とミルラが行って、また先ほどの一列に並んで歩き始めた。
風は緩んでいる。日の光が森のけもの道にまで届くくらい、木が少なくなってきた。森の出口に着いたのだった。
6人が歩いていると、どこからともなくカラスが舞い降りて来て、ミトロが差し伸べた腕にとまった。

「おお、おまえさんは、ノクスのピッコロじゃな」
とミトロが言った。そしてカラスの頭にミトロのおでこをくっつけた。
「そうか。わかった。ありがとう。ノクスに礼を言ってくれ。気を付けて帰るんじゃよ」
そういってミトロはピッコロが飛び去るのを見ていた。
「このすぐそばに、ノクスの畑があるんじゃ。今さっきのカラスはピッコロというんじゃが、ノクスがわしに向けて飛ばしてくれたんじゃな。わしが頼んでおいた薬もできておるらしい。おお、そうじゃ、みんなのこともピッコロに伝えておいたからのぅ」
とミトロはそういうとまた歩き出し、5人はミトロについていった。
ほどなく歩いていくと、先ほどのカラスのピッコロが先導するように、低空で飛びながら前に行ったり後ろに行ったりしている。
「ピッコロ、世話をかけのぉ」
とミトロが笑って言うと、ピッコロは嬉しそうに舞い上がったり周りをぐるぐる回ったりしながら、道案内をしているようだった。
「このカラスさん、道案内してくれているのね」
とミミが言うと
「そうじゃ。このカラスはノクスが飼っていて、誰かにメッセージを送りたい時にメッセージを覚えさせて送りたい相手を探して伝えてくれる優秀な相棒なんじゃ。そういうことができるのはノクスくらいしかおらんのう」
とミトロが言った。
「そうなの?スゴイなぁ。ノクスがカラスに教えたってこと?」
とピピが驚いたように言ってピッコロが飛ぶのを眺めていた。
「うむ、そうじゃな。どう教えたかは聞いていないが」
とミトロが言った。
「なんか怖いのかと思ったけれど、優しいカラスさんなのね」
とミミもピッコロを眺めながら歩いていた。
そして一行は森が切れたところを歩くと小川に出た。その横に畑のような場所があって、緑の草や紫の草や赤い草など色とりどりの葉っぱが植わっていた。
「ノクス」
とミトロが声をかけると、腰を曲げて植物を見ていた紺色のマントを着たコビトが立ち上がって振り向きざまに大きく手を振った。

「ミトロ、おひさしぶりです」
とノクスが笑顔を見せた。
「そうじゃなぁ。元気だったか?」
とミトロが言うと
「元気ですよ。植物たちもとても元気です」
とノクスが言った。
「それは良かった。そうそう、ノクス、こちらがピピとミミ、それから、、、」
とミトロ言ったとたん、
「ピピとミミ、この間はいろいろ手伝ってくれてありがとう。その後元気にしていた?」
とノクスが言った。
「おお、もう顔見知りじゃったか」
とミトロが言うと
「ええ、何度かこの薬草畑にも遊びに来てくれて、たまに水やりなどをお願いしてました」
とノクス。
「そうか、ピピ、ミミ、薬草の管理は意外と大変でな。ノクス一人にまかせっきりという感じになっておる。これからも手伝える時はよろしくな」
とミトロ。
「ピピとミミは呑み込みが早くて。とても助かってます」
とノクスがにっこりして言った。そしてミルラに気付くと
「ミルラ、お久しぶり。元気だった?」
とノクスが言った。
「ノクス、ありがとう。充分元気よ」
とミルラが微笑んだ。
「あ、ノクス、こちらはルルとネネ、よろしくね」
とミルラ。
「あ、皆さん、こんにちは。僕はノクスです。ええと、ルル、ネネ、よろしくね。僕はこの薬草畑を管理して薬をつくって皆さんに使ってもらっているんです」
そういってノクスはにっこり笑った。
「ルルです。初めまして。ミルラにいろいろ学んでいるわ」
「ネネです。初めまして。ルルと同じくミルラにいろいろ教えてもらっているわ」
「おお、これはこれはルルとネネ。ノクスです。よろしくお願いします」
と言い、ノクスはまた微笑んだ。
「ノクスの傷薬と腹薬をもらおうと思ってな、前に頼んでおいたのはもうできておるかのう」
とミトロが聞くと
「今回もかなり効く薬ができていますよ。良かったらピピとミミにもありますよ。あ、それからミルラやルルとネネはどうでしょう?」
とノクスが言った。
「そうね。私もよく聞くお薬ほしいわ。あとこの子たちにも持たせられるかしら?」
とミルラが言うと、
「そうですね。少しお時間いただければ作れますから、持っておくといいですよ」
とノクスが言った。
「え、私にももらえるの?」
とルルとネネが声を合わせて言うのでみんな笑った。
「大丈夫ですよ。みんなの分ちゃんとありますから」
と笑いいながらノクスが言った。
そして地下にある薬草庫にノクスを先頭にして歩いて行った。
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