人事図書館で『昇格・降格を「ゲーム」の題材にしたら、組織の対話は変わるのか。「水平思考」の可能性を探る』開催しました
おつかれさまです。W2ナニカソンです。
12月22日に人事図書館で開催したイベントのレポートです。
オープン社内報として、取り組み・思いを社内外に発信!
これは?
先日、12月22日に人事図書館で開催した、以下のイベントのレポートです。
コンパクトで、初見でもスッキリ読みやすいまとめというよりも、気づきのダイナミズムを取りこぼさないことを優先して綴っています。もしかしたらもう少し部分的にはブラッシュアップするかもしれませんが、今はこの味で、アツアツのままお受け取り下さい。
主催は何者でしたか?
普段は、オープン社内報という性質上、記事ごとに自己紹介はしていないのですが、こちらは人事図書館で開催したイベントのレポートのため、人事図書館という場所への関心からたどり着いてお読みになっている方もいるかもしれません。ですので、最初に少し説明いたします。
ゲームデザイナー!
本イベントのPeatixの告知文では、私たち自身については以下のように紹介いただきました。
「学びと遊びの境界線を取り払う」をテーマに活動するゲームデザイナー。 「純粋に面白いゲームが、結果として学びに繋がる」という体験デザインを探究し、アナログゲーム等の企画・開発を行う。 今回は、人事領域への水平思考ゲームの応用可能性を探るべく、実験的なワークショップを持ち込む。
このイベントの文脈では、この肩書でお伝えするのが妥当と判断しました。
いや、判断しましたというか、そもそもこの紹介文は、私たちのやりたいことをヒアリングいただき、人事の文脈やイベントの狙いに合わせて人事図書館の方に『翻訳』していただいた内容だったのです。
現場側の人間(エンジニア)
情報としてカバーされていない点もありますが、このイベントの文脈においてお伝えすべきは、要するにこういうことです。

人事職ではない、現場側の人間(エンジニア)です。バックボーンとしてこのイベントで意味を持つのはこの部分だと思います。
どんな狙いのイベントでしたか?
再度、Peatixの告知文を抜粋します。
水平思考ゲームを通じて、人事領域の問いを探求する場をつくります。
※本イベントは『「遊び」は、組織の凝り固まった思考を柔軟にする「起爆剤」になり得るか?を ゲームデザイナーと人事が混ざり合い、その可能性を探究する』2時間です。
あの人の「昇格・降格」、その背景にある物語が見えていますか?

アグレッシブ&チャレンジング判定
人事図書館さんでイベントを開催させていただく場合(今回は外部からの登壇という形で参加させていただきました)、イベントの冒頭にはリードパートがあり、人事図書館自体の説明などが一通り行われます。
また、参加者の方が到着した際にも、人事図書館としてのウェルカムトーク的な会話が発生しますので、そちらにも耳を澄まして聞いておりますと。
😸「今日のイベントは、ちょっと実験的で…人事図書館のイベントの中では異色というか、結構『攻めた』テーマなんです!」
のような説明が!
🤡「えっ? このイベントって『攻めて』るの?」
思わず声を出す私(ワクワク魔人S)に、館内の何方向からか、
😉「めっちゃ『攻めて』ますよ!」
🎃「自覚なかったんですか!?」
という声が(トーンは超ポジティブ)!
ゲームだから、水平思考だから『攻めて』いるのか、「昇格・降格」だから『攻めて』いるのか…? 答え合わせすると、どうやら、どちらも…だったようです。しかも、それを組合わせてるので、だいぶバグってますね。

実際に、参加者の方からも、
「会社にどんな研修か報告するにも、タイトルそのまま書くと刺激が強すぎるので少しテーマを元に〇〇についての勉強会、みたいにぼかしました」
なんてコメントが聞こえた気がします。
ちなみに、開始後、チェックインの段階で、参加者の方から色々なエピソードが語られだした瞬間、なるほど、たしかにこれは『攻めた』テーマだったんだ、とようやく私も理解しました。
テレッテッテー
まじんは かいぞうどが あがった!どんな方が参加してくれましたか?
テーマそのものも『攻めて』いると言われたこのイベント、他にも普段のイベントと違う傾向があったと聞いています。それがこの参加者層。
😺「今回、非会員の方の参加比率が高い!」
とのお話がありました。
非会員の方の参加比率、とは
人事図書館はそもそも会員制のコミュニティです。開催されるイベントには、非会員でも参加可能なものと、会員のみが参加できるものとあります。このイベントは後者、どなたでも参加可能な形で設定されていました。

ですから、非会員の方が参加してくること自体は、あり得るわけです。過去回との比率については、こちらではわかりようもありませんが、どうやら、非会員の方の参加比率が、気になって声を上げる程度には高かったとか。
もし本当にそのような傾向があって、つまりは、私たちのイベントが呼び水で新たに足を運んでくださった方がいて、しかも人事図書館自体に興味を持っていただける可能性も生まれる。お世話になりっぱなしだけでなく、つなぐきっかけにもなれたなら嬉しいですね。
若干の心当たりも
ワークショップデザインを専門領域としている方たちや、越境系のコミュニティには、元々いくつかの接点がありましたので、イベントを開催する旨はそれぞれある程度は連絡してありました。
note見ましたよ、と言って来てくれた方もいらっしゃったり、伝わった先でさらに声かけ合って数名で参加を決めてくださったり、うれしいことが開催前からたくさん起きていたことがわかりました。
人事の方がほとんど、エンジニアも
先ほど、リードパートで、人事図書館のルールが説明される点に触れましたが、特に大事なレギュレーションとして匿名性というか、本名を名乗らない、探らないというものがあります。(営業しない、というのもあります)

ですから、その範囲でしかお話は聞かない前提です。
その範囲であっても、
どういった経緯でこのイベントを知っていただけたか
だいたい、ざっくりどのようなことをやっているか
どのようなことに関心があるのか
など、ワークショップに必要なことは、軽くお聞きすることができます。
知っていただいた経緯については既に言及した通りですが、人事職の方が8割超で、エンジニアとしてシステムを通じて人事という分野と接点がある方もいらっしゃいました。
ワークはどのように進みましたか?
『人事の闇鍋』ゲームオリジナル版の問題をランダムに体験してみるプレワークと、さらに核心に触れる、よりクリエイティブなメインワーク、3名ずつのグループに分かれて順番に進みました。
水平思考ゲームを通じて葛藤を味わう
回答に迫れるグループは現れるのか? ただし、回答にたどり着けなくてもワーク自体の失敗というわけではありません。
回答者側は、
どの程度迫れている感覚になるか
あるいは逆に、対話で探り切れない状況で、模索の場面の「わからなさ」を実感してゆくのか
を実感することになるか?

出題側は、
「わかってもらえなさ」が目の前にあるときに、どんな感覚で自分の持つ「答え」を見つめる感覚になるのか
質問者が回答に近づいた足音が聞こえるとき、どんなふうに心が動くのか
それらがすべて、自分自身のこのテーマの「とりあえずの答え(納得解)」にたどり着くための、大切なものになるのではないか。
そんな仮説で場を見守りました。
回答にたどり着けたグループもありつつ…
「正解です!」
の声と拍手が上がるグループが現れました。
やはりクイズは正解したら本能的に楽しいもの。自然とワーッというムードになります。これはワークへの没入感にはやはり必要な作用だったのですが、全体を通してみると、ここに至れた場面が本当に限られていました。
難易度調整のシミュレーションをもう一段深く行っていれば、どのワークの段階では、ここまでは介入する、みたいな補助線を引けていたのかもしれませんが、場面に対峙してみると、意外とうまい介入方法が後からは見出しにくいのに気づきました。
このあたりは、後程もう一度触れたいと思います。
問題づくりはスラスラと
メインワークは、ご自身の出会ったことのある実際の課題などをヒントに、新しい問題をつくるクリエイティブなものでした。

付箋に書き出し→その後問題にというステップを踏むようには設計しましたが、それにしてもこちらは比較的手が止まらず、スラスラ問題を書いていたのが印象的でした。もちろん合間合間にちょっと考え込む様子は挟まりましたが、どうしてよいかわからなくて止まっている、いわゆる迷子になっているというよりも、純粋に思案しているように見えましたので、声かけは最小限に、タイムキープだけにほぼ徹しました。
どちらかといえば、やはりその後の出題の場面の方が苦戦しているな、という感じがありましたね。
闇鍋に新たな具を投じる
最後の共有セッション(味わう時間)では、闇鍋の登場です。

付箋に気づきを書きながら具をつくっている間に、スライドの前にセット。
このホワイトボードの物理的な使い方は、参加させていただいた「アジャイルレストラン」の共有の場面もヒントにしています。
が、それだけではありません。闇鍋というメタファーが登場するからには、やっぱり最後の最後は、アクションを伴って具を入れてみたいよね、という着想です。

どんなふうに受け止めてもらえるか、逆に投じる側もわからなくてドキドキする。そして、闇鍋だから何を入れてもいいんだよねという暗黙の心理的安全性…。
受け手に委ねつつ、それでも自分でもまだ正体のわからない具を場に差し出す、闇鍋はそのドキドキと、驚きを楽しむもの。ステキな具がたくさん投下されました。
どんなフィードバックがありましたか?
いただいたコメントの一部をご紹介します。
入ってすぐからリラックスして過ごせました。ゲームも目新しく楽しむだけでなく、昇格降格について真正面から考える機会になりました
昇格降格を自分以外の方の考えを聞くことができて、気づきが深まりました。降格という言葉は変えていけたらなぁと思います。本当にその時の役割なのでなにが上で下でもないし、人格否定でもないし、と思いました。
初めましてで、バックグラウンドを知らなくても一つのテーマで話せることが単純に楽しかったです。
ウミガメのスープ、久しぶりにやりましたが難しいですね。理由を探って当てにいく難しさが他人を理解する難しさに繋がっていると感じました
人の気持ち、価値観を探ることの難しさを体験できたと思う。価値観が多様化しているからこそテンプレートに当てはめるのではなく、個人に合わせた問いが必要になると感じた
質問したいのになかなか出てこないのは不思議でした
とにかく楽しかったです!ありがとうございました♪
水平思考の考え方が障害の切り分けに似ているのでポストモーテムの題材にすると面白いかなと思います
年の瀬の貴重な時間をこの体験のために割り当てていただき、たくさんのステキな具を残していただき、あらためてありがとうございました。
「昇格・降格」という言葉について
当日、私も感銘を受け、闇鍋の具として付箋にも登場し、さらにフィードバックでもコメントいただいたのが、
「昇格・降格」という言葉を考え直してもよいのではないか?
という視点でした。
「上司・部下」という言葉にも常々感じていた違和感だったので、なるほどなぁと思いながら受け止めましたが、この体験とほぼ期間を開けずにこちらの記事に出会いました。
エンラージとエンリッチ…なるほど。
おそらく完全に対応する概念ではないのですが、言葉から感じる概念の視覚イメージって、やはり結構だいじなことだよな、と改めて考えました。
主催側の気づきはありましたか?
伝わらなすぎる葛藤の調整をどこまでするか、というのは、プログラムデザインというよりもファシリテーションの課題として、考えさせられるものがありました。
「もやもや」の種類の見極めと難易度調整
今回の参加者の方は、
ワークショップの設計における「もやもや」を残す概念の重要性を、元々ご存じ
自分の課題とどう結びつけるかを、能動的に探りながら対峙する姿勢が、元々身についている
のような、練度の高すぎる方がほとんどでした。
外部から参加している印象としても、そもそも人事図書館のイベントの参加者さんは、全体的にこのあたりがめちゃくちゃ強いのです! ですので、1問も時間内に回答しきれなかった、という、かなり厳しめの葛藤状態に置かれても、そこからのまなびをお互いに対話で引き出し合える耐性というか、いわゆるケイパビリティみたいなものが伝わってきます。
それでもなお、
さすがにちょっと「もやもや」過剰だったかも?
という感想があり、たしかに、
ワークショップの狙いとして残すべき「もやもや」
と、それとは少し逸脱したストレスフルさ、いわば、
雑念につながるよけいな「もやもや」
は、体験として線引きしてプログラムをデザインした方がよいのかもしれない、と強く感じました。特にプレワークではもう少し難易度調整したほうが、本来のメッセージを邪魔し過ぎなかったのかもしれません。

意外な方向の気づき
今回、エンジニアの方も参加してくださったのですが、明らかに問題に対するアプローチの仕方が周りと違っていました。
なんというか、障害対応時の発想に近い感じで、
最初はあえて極力ゼロベースでトライアンドエラーして、課題の切り分け(ある意味考えすぎず機械的に数を打つ)
そこからさらに仮説を掘り下げていく
切り分けの観点の抽出の仕方は、ロジカルととらえることもできますが、前提を意図的に捨てている点はラテラル差も同時に成立させています。
なんというか、エンジニアの思考は、
ラテラルに考えること、それ自体を徹底的にロジカルにやる
みたいな側面があります。対立軸じゃなくて。
ラテラルに考えるために、頭の使い方をそちらにロジカルに切り替える、戻す、切り替える、戻す……。めちゃくちゃやわらか頭にずっと変え続けるというよりも、ものすごく純粋に切り替え操作し続けているような……。
思い返すと、たしかに、デバッグ中のエンジニアは(具体的に想像したくないですが、それこそ本番障害的に、クリティカル度が上がれば上がるほど)すごい速さでロジカルとラテラルを「反復横跳び」している気がするのです。この思考回路は、特殊技能だったのか…?
現場でそれをやっているときは、周りもエンジニア(な上に、そもそも大体がものすごいピンチ)なので、あまり意識に登らず、この思考の癖が浮き彫りになることはありません。今回、エンジニアではない方が多数の中でその様子が少し際立っていたことから、気づきなおす機会になりました。
ただ、無生物相手の障害対応や、ゲームだと確かにこれは有効なのですが、対人間の対話の場面で「数打ちゃあたる」のトライアンドエラーで何の予備動作(事前説明)もなく振り切ると、それはそれで事故るので注意が必要ではありますが。

補足情報いろいろ
どなたにも強制したり要請したりすることはできないものですが、こちらのイベントの感想、気づいたことなどを、もし開催後に持ち帰った思いを現場でリフレクションしてさらに気づいたことがありましたら、そっと(あるいは障りない範囲でドドンと)教えていただけると嬉しいです。
私たちと人事図書館の関わり
もし、私たちと人事図書館の関わりがもっと知りたい方は、以下記事も参考にしていただけるかなと思います。
開催前に公開した記事
こちらもご興味ありましたら。
私たちと、ナニカしませんか?
このワークショップに関心を持っていただき、もし機会があれば参加してみたいと思ってくださった方は、ぜひその声を具体的に届けてください。
外部の方から私たちの活動に応援の声を既にたくさんいただいておりますが、さらにその先で伝わるもの、伝わりにくいものがまだまだあり、とてもか細い尾根道、あるいはクレバスの気配だらけの雪道を歩くが如く進んでおります。
声、相談、ご提案は、この険しい道を月明りのように照らしてくれます。
(追記)またイベントやります!
(W2ナニカソン・ワクワク魔人S)

