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なぜ、ウサギは戦争反対のアイコンとして広がったのか?|消されたウサギが、増えた理由

いる!
私のウサギがいる。

国会前のデモの写真を見て、思わず声が出た。

コンビニで出力できるように登録した、あのウサギが。誰かの手でプラカードになり、雨の中で掲げられている。

日本各地で、戦争反対を訴えるデモが発生している。テレビでは全く(本当に全く)報道しないが、国会前ではペンライトを持った人たちが雨の中2万4千人集まったと一部報道では伝えられ、3.28(土)には、オタクによる反戦デモも行われた。

ネットニュースで伝えられた報道や、SNSの画像を見ていると、

コンビニで出力できるようにネットプリントに登録した私の反戦ウサギをプラカードに使ってくれている人が少なからずいる。

デモに行けない私の代わりに、ウサギや裸の王様を連れていってくださってる方々がたくさんいるのだ。本当にありがたいことである。そもそも、ウサギがモチーフになったのは、SNS上で発生したあることを発端としてる。

「世界中から戦争がなくなりますように」と記されたイラストをXに投稿した人気イラストレーターが、一部から「見たくなかった」などの批判を受けて投稿を削除し、「本当に申し訳ございませんでした」と謝罪した。
だが、この一連の騒動を受け、「#NOWARBUNNY」というハッシュタグともに、いなほゆらさんの投稿を支持する動きが広がった。

端的に言えば「戦争反対と言ったら、黙らされた」のだ。SNSでは、圧力によって削除されたり、削除に追い込まれたものは、逆に増える傾向がある。圧力をかければ増える。まるでポケットの中のビスケットのように、叩くほど増えていく。

結果、ウサギは増殖した。私がウサギのイラストを2種UPしたのも、この事件を知ったからである。

前回の記事でも紹介したピカソの言葉。

「芸術家とは何だと思う? 目で見るだけの画家や耳で聴くだけの音楽家がいるとしたら愚かだ。芸術家はこの世の悲劇や喜びに敏感な政治家であるべきだ。無関心は許されない。絵は住まいの飾りではなく、敵を攻撃し防御するための手段なのだから」。

絵は住まいの飾りではなく、
敵を攻撃し防御するための手段

ならば絵を描くしかない。

盾として、矛として、人を殺さない平和を守る装備として、ご活用いただければと、3枚の絵をネットプリントに登録した。ウサギだけでも、セブンイレブンのネットプリントだけで約200枚(3/31の夜の時点)、会員登録し忘れて数を追うことができないファミマやローソンの出力を合わせたら、おそらくかなりの数が出力されている。

私の絵でだけではなく、SNSではウサギの絵が大量に投下され、デモには、ウサギの耳をつけた人、ウサギの着ぐるみを着た人も現れた。ウサギは繁殖力が強い動物だとされているが、この短期間で本当にウサギのように増殖したのだ。


しかし、なぜこんなに支持され、増えたのか。冒頭で説明したように、SNSでは「圧力を掛ければ増える。」傾向があるが、それだけではないと思う。これが、ウサギではなく魚だったら、ウサギではなく虫だったら、こんな増殖の仕方をしただろうか。おそらく否だ。そういう生物では、こんなムーブメントは発生しない。(誤解のないように補足しますが、魚も虫も大好きです。)

ふとある言葉を思い出した。

コピーライター糸井重里氏の言葉である。
糸井氏、曰く

いいでも悪いでも、
正直でも嘘つきでも、
それは関係ないんだ。
「親しみ、存在感、表現力」
これが揃ってれば勝つ。
ここが薄ければ、 相手にしてもらえない。

https://x.com/itoi_shigesato/status/2010780225014223329

このことについて、だからそうしようと言ってるわけじゃないからね(笑)勝ち負けってそういうもんだよな、ということだよ。 負けた側には「親しみ、存在感、表現力」が足りないということが多い。

https://x.com/itoi_shigesato/status/2010920978885591203

この発言は燃えた。今年の1月。高市首相が選挙をやると言ったタイミングだった。糸井氏は、没政治的、反政治的スタンスをとっているので、余計に燃えた。

私は糸井氏を支持しているわけではない。しかし、残念ながら彼の言葉は一般大衆の心理に対して本質をついており、ある意味予言の言葉でもあった。事実、高市総理は選挙に勝った。

正直でも嘘つきでも、
それは関係ないんだ。
「親しみ、存在感、表現力」
これが揃ってれば勝つ。

高市総理は大嘘つきである。しかし、巨額を投じたイメージ戦略と、女性初の総理というナラティブにより、「親しみ、存在感、表現力」これが揃ってしまっていた。なので勝てた。逆に、急遽くっついた立憲と公明は負けた。選挙前にいきなりくっついて名前だけ変えたおじさんたちの政党には、「親しみ、存在感、表現力」全て揃っていなかったのだ。

今回の #NOWARBUNNY は、どうだろう。長いので便宜上“反戦ウサギ”とする。(“反戦バニー”でも良いと思う。)

そもそも、ウサギは「親しみ」の塊だ。造形もイメージも「親しみの対象」として、老若男女、あらゆる世代に刷り込まれている。そんなウサギが、圧力に押し潰されて消された。一度消されたという「存在感」。そこに、大勢のイラストレーターを含むクリエイターがここぞとばかりに大量の「表現力」を注入した。結果、ウサギは瞬く間に、SNS上で反戦の旗印となったのである。

図らずも
「親しみ、存在感、表現力」の
3つが揃ったのだ。

そもそも、#NOWARBUNNY 以前は、鳩だったり、猫だったり、戦争反対をテーマに描くモチーフがイラストレーターによってバラバラだった。実際私も、裸の王様を描いていた。

しかし、ウサギという共通のモチーフを与えられたことによって的がしぼられ、散漫だった力が集中したのだ。水も一点に集中して圧力を加えれば分厚い鉄板を貫くことができる。

デモには行けないけど意思表示をしたいという方のために、満員電車や、通行中でも、戦争反対をアピールできるTシャツ、アクキー、トートバッグ、ステッカー、クリアファイルなどをSUZURIに登録した。


すると、今まで経験したことがないほど、大量にご購入いただいた。つまり、ニーズがあるということである。これは、SNS上だけでなく、外にまでムーブメントが広がっている証左ではないだろうか。

自分の絵がプリントされた商品が売れることは嬉しい。だが、“NO WAR ”などという文言にニーズが発生して、グッズが売れていくこの状況はどこかおかしい。本来なら、こんなニーズがあってはいけないのだ。

一番売れているのはアクキーだが、本当はこのアクキーがご購入いただいた方の手元に届く頃には、このアクキーをつける必要がないくらい平和になっていてほしい。


そして、もう一つ。これらの反戦を訴える商品をご購入いただくことで、私には若干の収益が発生している。子供や兵士が大勢亡くなっているのに、このお金をそのまま懐に入れることにジレンマがある。

そこで、収益の一部をガザの子供たちを支援するユニセフなどの支援団体に募金することにした。私の絵や、ご購入いただいた皆さんのお気持ちが、子供たちが生きる可能性に少しでも繋がるならそれ以上のことはないと思う。

来週また、国会前でデモが行われる。もしよかったら、うちのウサギたちも連れてってあげてほしい。声を出せない人の分まで。

テレビ局はデモを全く報道しないが、国会議事堂周辺は花見の名所らしい。夜桜が数万のペンライトで照らされたら画的にも圧巻だし、報道映えもSNS映えもするのではないかと思う。

それでは、読んでいただきありがとうございました。SUZURIでセールが始まっているので、このセール期間にお買い求めいただけると幸いです。

もしこの記事が、誰かと話すきっかけになりそうだと感じたら、SNSでのシェアやコメント、フォロー、スキ、チップ、などのリアクションをいただけると、とても励みになります。

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