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政治的発言をすると仕事は減るのか?|フリーランスイラストレーター16年目の答え

私のインスタを見て、身内が送ってきたLINEです。

政治的な発信は控えたがよい。
仕事の依頼者がどんな考えを持っているかわからない。
仕事が減る可能性がある。
今はいいが先はわからない。
自分の意見をわざわざ発信しなくてもよい。思うだけでよい。

見たのは、おそらくこのへんの投稿だと思います。

政治的発言で仕事が減る可能性

仕事の依頼者がどんな考えを持っているかわからない。
仕事が減る可能性がある。

指摘はもっともですし、心配している気持ちもわかります。実際、私自身そういう不安が全くないと言うと嘘になりますし、このようなポストから、イラストレーター候補として外される可能性を危惧していないわけではありません。

率直に言えば、

「言われなくても、
 全部わかっててやってます。」

なのです。もはや性分に近いものがあります。そもそも、言いたいことを全部飲み込んで、周りに合わせて組織の中で生きていけるような、そんなうまい生き方ができるのであれば、フリーランスのイラストレーターなどやっていないのです。

あと、仕事はメッチャ来てます。
朝から晩まで何かしら絵を描いてます。

政治的発言をしても仕事は減らない

会社員を辞め、フリーランスのコンテライター・イラストレーターになって16年。一度も絵を描く以外の仕事をしたことがありません。コラムなど、文章を書く仕事はしたことがありますが。困窮することなく、生活してきました。

政治的な発言をSNSでガンガン展開しておりますが、おかげさまで、安定してご依頼をいただいております。

最近はむしろ、CMのコンテの仕事より、イラストの仕事の発注が増えています。朝から晩まで絵を描いて、家族5人暮らしていけています。本当にありがたいことです。

今はいいが先はわからない。

そうですね。しかし、私が政治的なことを発信してバズるのは、今に始まったことではありません。もう何年も前から、それこそ「保育園落ちた日本死ね」が話題になった2016年頃にはすでにTwitterで、選挙に関するイラストがバズっていたので、もう10年このスタンスです。

というか、noteの記事が新聞で取り上げられたり、朝ドラ俳優に紹介されたりしているので、控えるもなにも、超今更なのです。

アイドルや歌手が政治に関するポストをした際、政治的発言は控えた方がいいというリプや引用が散見されるのはよくあることですが、彼らや私のように表現で飯を食っているような人間に、政治的な発言を控えさえるのは、それ自体が極めて政治的です。

私個人の体感から言わせていただくと、クリエイターは、政治的発言をしても大丈夫です。仕事は減りません。同じくイラストレーターの芦野公平さんも、この点について言及されています。

政治的発言しまくって、新聞にまで載りましたが、仕事も、フォロワーもむしろ増えています。

確かに、映画に関するイラストや四コマだけポストしていた頃に、政治的ネタをポストしたら、フォロワーは一旦ガクッと減りました。絵だけ楽しみたかった。イラストレーターは絵だけ描いてろとも言われました。

しかし、その後も政治的なポストを続けていた結果、そういうポストがバズって、減った分を上回るフォロワーがつきました。そして、政治的ポストがバズってついたフォロワーは逆になかなか減りません。カワイイとか、笑えるとか、作品の表層ではなく、思想というコアな部分をフォローしてくれているからだと解釈しています。

※Xの固定ポストです。もし、良かったらフォローしてください。

かわいい作品や笑える作品、日常のスケッチだけUPして政治的なポストをしなければ、フォロワーはたくさん着くし減ることはないかもしれません。しかし、フォロワーが減るのを恐れて、政権批判どころか、戦争反対すら言えなくなるのは、クリエイターとしてもアーティストとしても、クソダサいと私は思うのです。

ガンガン行きましょう。

表現者は「何を言わないか」も見られている

改憲反対、戦争反対、
平和を主張して炎上する人たち。
権力者におもねった言動で炎上する人たち。

どっちにしろ炎上するなら、そりゃ、だんまり決め込んでた方が得だと思うのが大人の判断でしょう。しかし、視聴者やファンは

「何を言わないか」

まで、ちゃんと見ています。私も好きなミュージシャンや、俳優、イラストレーターが何を口にして、何を言わないかまで見て、ガッカリしたり、勇気づけられたりしています。

表現という仕事ができるのは、
世の中が平和であって、
多様な受け手がいてこそです。

優しい世界観ですら、政治から逃れられない

ウサギをメインのモチーフにして描いているイラストレーターさんが、ウサギが平和を祈るイラストをSNSに載せただけで「左翼」「お花畑」「強制するな」とコメントが殺到して、イラストを削除するにまで至ったと知りました。やはりもうこの国は、状況がいかに異常か否かではなく、冒頭のインスタに書いたように、

「裸(異常)だと言わせないこと」

の方が大事になりつつあります。何か言いたいことがある表現者の方は、今のうちに言っておきましょう。言えなくなってからでは、後の祭りです。実際この国は、その道を歩んだ過去があります。

削除されたウサギのイラストに対して

「これは一番見たくなかった。あなたのイラストで世の中に関わるイラストを見たくなかった。優しいあなたの世界が大好きだったのに」
「優しい世界観を政治思想に落としちゃったのが辛い」

というポストを見ました。イラストレーターが一番大事にしているモチーフのウサギを使ってまで、今までの世界観を変化させてまで、平和を望む作品を描いているのに、それを後押しせず叩くとは。イラストレーターは政治を考えず、私の望む絵だけ描いてろと言ってるのと同意です。もうこの時点で、ファンでもフォロワーでもないでしょう。

イラストレーターはAIではありません。考えるだけでなく、感じたものから、絵を生み出す生身の人間です。優しかったその世界観にも戦争の文字が現れたということは、それほど、平和が脅かされている。作者が切迫した空気を感じとっているという証左です。

と、モヤモヤしていたら、以前フォロワーに教えていただいたピカソの言葉を思い出しました。

https://www.thecollector.com/why-did-picasso-paint-guernica/

「芸術家とは何だと思う? 目で見るだけの画家や耳で聴くだけの音楽家がいるとしたら愚かだ。芸術家はこの世の悲劇や喜びに敏感な政治家であるべきだ。無関心は許されない。絵は住まいの飾りではなく、敵を攻撃し防御するための手段なのだから」。

https://womanlife.co.jp/topics/1220463

“絵は敵を攻撃し、防御するための手段”

さすが、ゲルニカを描いた巨匠のお言葉はパンチがあります。

ならば、
絵を描くしかありません。

ウサギの反戦イラストが「お花畑」と揶揄されている現状に対して、ウサギとお花の反戦イラストを描きました。

私たちは黙らない。

裸の王様のイラストと共に、コンビニのネットプリントに登録したので、デモやスタンディングなど、必要とされる場面で使っていただけたらと思います。

ネットプリントを文庫本カバーにされている方もいて、そんな素敵な使い方が!と驚きました。

私の絵が皆さんの盾となり、矛となれているようで嬉しいです。それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

もしこの記事が、誰かと話すきっかけになりそうだと感じたら、SNSでのシェアやコメント、フォロー、スキ、チップ、などのリアクションをいただけると、とても励みになります。

【SUZURI】

反戦ウサギのイラストですが、Xやインスタなどでも思いのほか好評だったので、SUZURIに登録して、Tシャツ、アクキー、ステッカー、トートバッグなどにしました。デモには行けないけど、連帯したいという方もいると思います。お散歩、ジム、お買い物、通勤通学中など、普段の生活の中でご活用いただけると幸いです。

(※収益から一部を、ユニセフなど人道支援団体へ寄付しています。)

https://suzuri.jp/ulaken_volvox/designs
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