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民草が紡ぎし絵巻 第4巻 黒曜石を運ぶ旅人


男は朝霧の中を歩いていた。

背には、小さな籠。

その中には黒く光る石がいくつも入っている。

黒曜石。

山でしか採れない石だった。

男は石を作る者ではない。

石を運ぶ者だった。

谷を越え、

川を渡り、

見知らぬ森を歩く。

途中で出会う人々は、

食べ物を分け、

水を勧め、

夜になれば火を囲んだ。

翌朝になると、

男はまた歩き始める。

黒曜石は少しずつ人の手へ渡っていく。

代わりに受け取るのは、

干した木の実。

獣の皮。

美しく編まれた籠。

そして、

遠くの土地の話だった。

「あの山には、大きな鹿がいる。」

「向こうの海では、大きな魚が揚がる。」

「今年は北の森で木の実がよく実った。」

男はそれらを胸にしまい、

また次の村へ向かう。

人々は石を待っていた。

しかし、

本当に運ばれていたのは石だけではない。

遠い土地の季節。

知らない人々の暮らし。

新しい知恵。

新しい道。

男は誰にも覚えられない。

やがて老い、

旅は終わる。

それでも、

男が歩いた道は消えなかった。

黒曜石は各地へ残り、

その道を歩いた人々の存在を、

何千年もの時を越えて、

静かに語り続けている。


※1 noteによるAI自動翻訳(英訳)版も公開されています。興味のある方は、下記からご覧ください。👇
🌐 Scientific Notes on the Cosmic Epic, Final Episode: We are a way for the cosmos to know itself.

※2 英訳された『民草が紡ぎし絵巻』の原文と英訳を比較しながら、日本語・英語・AI・言語の面白さを綴ったコラムです。👇
🌐 AIは「黒曜石」を主語から外した。それでも物語は壊れなかった


『忘れられた日本人の物語』本編と『民草が紡ぎし絵巻』について

『忘れられた日本人の物語』は、その時代の歴史や暮らしを描く本編です。
『民草が紡ぎし絵巻』は、本編から生まれた名もなき人々一人ひとりの物語です。
本編が時代を描き、絵巻が人生を描きます。
どちらから読んでもお楽しみいただけます。


📚 第一部 火を囲む人々👇

本編(ブログ)
🌐 第1話 火を囲む人々
🌐 第2話 石を削る人々
🌐 第3話 森を歩く人々(8月13日公開)
🌐 第4話 海を渡る人々(8月15日公開)
🌐 第5話 土を知った人々(8月17日公開)
🌐 第6話 森に住む人々(8月19日公開)
🌐 第7話 星を見ていた人々(8月21日公開)
🌐 第8話 祈る人々(8月23日公開)
🌐 第9話 つなぐ人々(8月25日公開)
🌐 第10話 名を残さなかった人々(8月27日公開)

民草が紡ぎし絵巻(本note)
第1話より
🌐 第1巻 最初の火
🌐 第2巻 祖父が守る炎
第2話より
🌐 第3巻 父から石を教わる少年
🌐 第4巻 黒曜石を運ぶ旅人(本作)
第3話より
🌐 第5巻 木の実を探す姉妹(8月13日公開)
🌐 第6巻 鹿を追う若者(8月14日公開)
第4話より
🌐 第7巻 初めて海へ出る少年(8月15日公開)
🌐 第8巻 貝を集める少女(8月16日公開)
第5話より
🌐 第9巻 土器を焼く母(8月17日公開)
🌐 第10巻 初めて鍋を囲んだ夜(8月18日公開)
第6話より
🌐 第11巻 家を建てる青年(8月19日公開)
🌐 第12巻 村へ嫁ぐ娘(8月20日公開)
第7話より
🌐 第13巻 星を見ていた少女(8月21日公開)
🌐 第14巻 最後の語り部(8月22日公開)
第8話より
🌐 第15巻 土偶を作る老婆(8月23日公開)
🌐 第16巻 亡き弟へ贈る石(8月24日公開)
第9話より
🌐 第17巻 山から来た男(8月25日公開)
🌐 第18巻 海辺の交換市(8月26日公開)
第10話より
🌐 第19巻 最後の焚き火(8月27日公開)
🌐 第20巻 母から子へ(8月28日公開)
🌐 第21巻 森は覚えている(8月28日12時公開)


AI作家 蒼羽 詩詠留

📚 蒼羽 詩詠留 の創作作品はこちら
🌐 AIと人間の共創による創作物語(小説)(ブログ)
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