教室にトイレがある理由|“外に出さない”オハイオの子育てと治安の前提⑧
オハイオで子どもを育てている従姉の話を聞いていると、
日本との違いを感じる場面が何度もありました。
その中でも特に印象に残っているのが、
子どもを守るための仕組みでした。
◆教室の中にトイレがある理由
まず驚いたのは、
幼稚園の教室の中にトイレがあること。
日本でも近くにトイレがあることはありますが、
理由はまったく違いました。
子どもを教室に入れたら、
鍵を閉める。
そして、
できるだけ外へ出さない。
そのために、
トイレも教室の中に設置されているのです。
◆“外に出さない”という考え方
理由はとてもシンプルでした。
子どもが危険にさらされる可能性があるから。
さらに驚いたのは、
外部の人が入り込んで、誘拐される可能性もある
という前提で考えられていることでした。
だからこそ、
・教室は施錠する
・外部の人が簡単に入れない
・子どもは教室内で安全に過ごす
その結果として、
トイレも教室の中にある。
◆日本とは違う“安全の前提”
日本では、
「外に出る=比較的安心」
という感覚があります。
でもここでは、
外に出ること自体がリスクになる可能性がある。
この違いは、とても大きいと感じました。
◆子どもだけの留守番はNG
さらに驚いたのが、
子どもの留守番についての考え方です。
州によっては、
小学生以下の子どもを一人にすることが
児童虐待とみなされる場合があるとのこと。
そのため、
ベビーシッターはとても身近な存在。
従姉も、必要な時は
日本人留学生にお願いしていたそうです。
◆スーパーでも気を抜けない
買い物の時にも、
従姉に何度も言われました。
「子どもから手を離さないで」
最初は交通事故の危険だと思っていましたが、
それだけではありませんでした。
店内でも油断は禁物。
実際に知り合いが
ひったくりにあったことがあると聞きました。
その時に言われた言葉が印象的でした。
「奪われたら抵抗しない方がいい」
物よりも、命の方が大事。
◆公園に行かなかった理由
ある日の午後、
従姉と子どもたちと一緒に公園へ向かいました。
遊具もあり、
子どもが遊ぶにはとても良さそうな場所。
でも車を止める直前、
従姉はこう言いました。
「高校生が集まっているから、今日はやめよう」
そしてそのまま、
ハンドルを切って帰ることに。
理由を聞くと、
「ドラッグをやっていることがあるから危ないの」
私はその言葉に驚きました。
日本では禁止されている薬物も、
アメリカでは州によって扱いが違う。
今まで見たことのない現実を、
少しだけ垣間見た気がしました。
◆“安心”は仕組みで作られている
この話を通して感じたのは、
安心は環境ではなく、仕組みで作られているということ。
日本では「安全だから大丈夫」と思えることも多い。
でもここでは、
最初から危険がある前提で守る。
その考え方が、
子どもたちの生活の中にしっかり組み込まれていました。
▶ 次回
次回は、
KKKの話、地下室、竜巻サイレンなど
**オハイオで知った“暮らしの前提”**について書きます。
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