見出し画像

[7つの美学]25年目の書くルール

真夜中。
2畳ほどの小さな書斎の中でこの文章を書いている。

わが家の怪獣たちは夢の中。エアコンから風が吹き出す無機質な音だけが部屋を揺らしている。

大理石模様のデスクには、さっき階下で淹れてきた紅茶。カップの中には皮を剥いてつぶした蜜柑が入っている。

こくりと口に含む。
甘酸っぱいにおいが、湯気に乗って身体じゅうに広がっていく。


椅子から立ち上がり、背中に手を添えて、身体を後ろに反らせた。パキパキと薪が爆ぜるような小さな音。いつものように全身が硬い。

椅子の上で過ごす時間が長い人生だった。

10歳のときに物語(のようなもの)を書いたのを皮切りに、もう四半世紀以上、書く楽しさと切なさに身を焦がしながら生きている。


そんなわたしの「書くルール」は数えきれないくらいあるのだけれど、今回はじめて、7つだけ言語化することに成功した。


▼自己紹介はこちらをタップ

ヤスさんの「 #私の書くルール 」に参加します。


・「ふわふわ」と「キラキラ」

文章を書くときに意識しているのは「ふわふわ」と「キラキラ」。

ひらがなを多めにすると、ふわふわしたまぁるい雰囲気になる。

透明感のある瑞々しい、キラキラした文章も目指している。
どうやっているのかと言われるとまだ言語化できていないのだけれど、こちらはカタカナや漢字の選び方や配合、あるいは一文の長さでつくれるような気がしている。

この2つを意識すると、読んだときの「見た目」が綺麗になる(と思う)。

▼もともとは漢字を多用しつつ「キラキラ」な文章を目指していた。けれどもそんなわたしのもとに、ある日、突然手紙が届く──。


・「1%のやる気」を仕込む

生活実用書を6冊出版している。だから、どんな文章を書くときでも、なるべく「1%のやる気」を仕込むようにしている。読んで終わりじゃなくて、読んだあとに、できれば動いてほしい。

「やる気」は「やってみたいな」という前向きな気持ちから生まれる。そのとき大切なことは3つ。

1.かんたん
2.前向き
3.楽しそう

この3つのいずれかを満たす”行動”を文章の中に入れ込むことができれば、やる気につながると思っている。

▼1%のやる気を仕込んだ記事の例


・文字数を揃える

文章の文字数は、なるべくキリのいい数字になるようにしている。

これは割と最近始めた試み。
気を抜くと長文になりがちなので、制限文字数を決めたうえでそのまま書く。そして、はみ出た分を削り、磨いていく。

原石が宝石に変わるような変化があって、好きな作業。

▼1,000文字の例

▼2,000文字の例


・映像を描く

読んだ人の頭の中に”映像”が広がる文章を目指している。書くときは「遠くから近くへ視点を移動させること」、「五感をなるべく書き込むこと」を意識している。

▼その点でコメントをいただいた記事


・ひらめきに「名前」をつける

生活実用書を書いているから「やり方」や「メソッド」みたいなものを書くことが多い。そのときは「◯◯のやり方」などと書くのではなく、固有名詞を用意するようにしている。

名前がある。それだけでぐっと身近になる。
取り組みやすくなる。

「次の正時までに3つだけ優先してやることを決める取り組み」を提唱している。はじめは「1時間3クエスト」と略しただけだった。
ところが「スリークエスト」という固有名詞をつくったら、急に認知度が上がった。

提唱してから10年経つ今でも、いろんな人が使ってくれている。


・文のかたまりにコントラストをつける

一文の長さが、なるべく20~30字になるように調節している。けれども、ところどころ「短い」文章を挟む。コントラストをつける。これが読みやすくするポイントだと思っている。

※普段はコラム中心なので「短め」が大切だけれど、創作やエッセイの場合は、逆に長めの文章を挟むのもありだと思っている。


・明るい未来で〆る

国語教師だった父の受け売り。

「どんな文章でも、最後の一文は未来に向けて終わること」

10歳のときから口酸っぱく言い聞かされたこの言葉が、四半世紀が過ぎた今でもこころに残っている。
最後の一文が読後感の良さにつながるのだと思う。

▼「書く」人生を振り返る記事。ビターな展開が多いながらも、最後は未来に向けて終わるようにした。


あとがき


自分なりの美学がある。
それは文字と文字のバランスだったり、そこから感じられる色だったりするのだけれど、どうにもふわふわとして輪郭が曖昧で、掴みどころがない。

ヤスさんの「私の書くルール」という企画を知ったのは、急に秋になったころだった。書きたい。そう思ったものの、自分の中にあるものをなかなか言語化できずにいた。

〆切が大晦日だというのは頭の片すみにあったため、2ヵ月近く、マイルールについて思考を巡らせてきた。

その結果が、この7つだ。

企画がなかったら、ずっと雲のように漂うだけだった思考の欠片。ほかのルールもいつか言語化したいと思っている。

(2,000字)


追伸、
この記事の中にも7つのルールを入れました。いくつ入っていたかわかったら、ぜひ教えてください🤫

いいなと思ったら応援しよう!

三條 凛花 最後までお読みいただき、ありがとうございます♡