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【第554回】 Agentforce : 2026 年 8 月 新機能リリース ハイライト

Data 360 と同様に、Agentforce もほぼ毎月のように新機能や改善が追加されています。そのため、最新情報を追い続けるだけでも、かなりの労力が必要になってきました。

私自身も、「気が付いたら新機能が追加されていた」「どの機能が本当に重要なのか判断しづらい」と感じることが増えています。リリースノートには多くの情報が掲載されていますが、そのまま読むだけでは、変更点の全体像や実際のインパクトを把握するのは簡単ではありません。

そこで今後は、Data 360 のまとめ記事と同様に、Agentforce の毎月の新機能を分かりやすく整理した解説記事 を継続的に公開していきます。

単に新機能を列挙するのではなく、

  • 何が変わったのか

  • なぜ追加されたのか

  • 実際にどのような影響があるのか

という視点で整理し、できるだけ実務に役立つ情報をお届けしたいと思います。


過去の記事


2026 年 8 月リリース ハイライト

少しずつ 8 月の新機能がリリースされ始めましたので、今月も順次こちらの記事へ追加していきます。



Agentforce プラットフォーム設定

① Agentforce がすべての組織でデフォルト有効化

2026 年 8 月末までに、Agentforce へアクセス可能なすべての対象組織で、Agentforce プラットフォームがデフォルトで有効化 されます。

これまで Agentforce を利用する場合は、設定の Agentforce Agents ページから Agentforce を有効化する必要がありました。

今回の変更により、この Agentforce の有効化トグル自体が削除され、新しく作成される組織では最初から Agentforce プラットフォームが有効な状態になります。

利用方法

  1. Einstein Generative AI がすでに有効になっている組織では、管理者はすぐに Agentforce Builder へアクセスできるようになります。

  2. その他のユーザーが Agentforce Builder を利用する場合は、Manage AI Agents 権限を割り当てます。

  3. 今回の変更により、Agentforce は「必要になったら管理者が有効化する機能」から、対象組織では最初から利用できるプラットフォームへと変わっていくことになります。


Agentforce Connections

① チャネルごとにエージェントへの指示をカスタマイズ可能に

Agentforce の Connection Instructions を利用して、接続するチャネルごとにエージェントの推論や応答方法をカスタマイズできるようになりました。

対象となる Connection は以下の 3 種類です。

  • Messaging

  • Service Email

  • Marketing Email

これにより、同じエージェントを複数のチャネルで利用する場合でも、チャネルごとに異なる指示を設定できます。

例えば、Marketing Email では「メール内の免責事項を無視する」、特定のメッセージでは「指定したレスポンス形式を使用する」といった指示を設定できます。

Connection Instructions は自然言語で記述できるほか、Adaptive Response Format や変数などのリソースを参照することもできます。

また、複数の Connection Instructions を設定した場合は、上から順番に指示が解決されます。

これにより、エージェント本体の共通ロジックを維持しながら Messaging、Service Email、Marketing Email など、それぞれのチャネルに適した振る舞いを定義しやすくなりました。

設定方法

  1. Agentforce Builder で対象のエージェントを開きます。

  2. Messaging、Service Email、または Marketing Email Connection を追加します。

  3. Explorer パネルから対象の Connection を選択します。

  4. Connection のページで Instructions を設定します。

  5. 必要に応じて Adaptive Response Format や変数などを参照しながら、自然言語でエージェントへの指示を記述します。


Agentforce Builder

① AI アシスタントによるエージェント開発支援を強化(ベータ)

Agentforce Builder に組み込まれている AI アシスタント(Agentforce Development Agent)が強化され、エージェントの構築やトラブルシューティングを、これまで以上に AI と対話しながら進められるようになりました。

これまで以上に、ユーザーが「どのように実装するか」を細かく考えるのではなく、「エージェントに何をさせたいのか」を伝えることに集中できるようになります。

今回のアップデートでは、AI アシスタントがユーザーの意図を理解するために、より的確な追加質問を行います。

その回答をもとに実装プランを作成し、実際に変更を適用する前に、どのような変更を行うのかを提案・説明します。

ユーザーが内容を確認したうえで変更を適用すると、AI アシスタントが有効な Agent Script を自動生成します。

また、トラブルシューティング機能も改善され、エージェントで問題が発生した場合に、これまで以上に正確に原因を診断し、より効果的な解決策を提案できるようになりました。

つまり、今回のアップデートでは AI アシスタントが、

  • ユーザーの要望を確認する

  • 必要な追加質問を行う

  • 実装プランを作成する

  • 変更内容を事前に説明する

  • Agent Script を生成する

  • 問題発生時には原因を診断して解決策を提案する

という、エージェント開発の一連の作業をより広く支援できるようになっています。

利用方法

  1. 特別な設定は必要ありません。

  2. 新しい AI アシスタントは Agentforce Builder で自動的に利用可能になります。

  3. なお、現時点ではベータ版のため、以前の AI アシスタントを引き続き利用したい場合は、設定の Einstein Setup から Disable Agentforce Development Agent (Beta) を有効化することで、新しいベータ機能を無効にできます。


Enhanced Chat

① Enhanced Chat v2 で Chat Invitation を表示可能に

Enhanced Chat v2 に Chat Invitation が追加され、Web サイトの訪問者に対して、サービス担当者や AI エージェントとのチャット開始を促すメッセージを表示できるようになりました。

これまでは、基本的にユーザー自身がチャットを開いて会話を開始する必要がありましたが、今回のアップデートでは、条件に応じて企業側からチャットへの招待を表示できます。

Chat Invitation では、標準で用意されている招待メッセージをそのまま利用することもできますが、独自にカスタマイズすることも可能です。

例えば、

  • 招待メッセージのテキスト

  • 表示するためのルールや条件

  • ブランドに合わせたデザイン

などを設定できます。

これにより、すべての訪問者に同じようにチャットを表示するのではなく、特定の条件を満たしたユーザーにチャットの利用を促すといった使い方が可能になります。

例えば、商品ページやサポートページを閲覧しているユーザーに対して Chat Invitation を表示し、そのまま AI エージェントとの会話へ誘導するといった活用が考えられます。

設定方法

  1. Embedded Service Deployments Settings で対象のチャネルを開きます。

  2. Manage Invitations を選択します。

  3. Turn on chat invitations を有効化します。

  4. Invitation Condition に、Chat Invitation を表示する条件を少なくとも 1 つ設定します。

  5. 必要に応じて、表示するテキストやデザインなどをカスタマイズします。


② Enhanced Chat v2 の音声会話でリアルタイム文字起こし

Enhanced Chat v2 の音声会話が強化され、ユーザーとエージェントが話している内容の文字起こしが、リアルタイムでチャット画面に表示されるようになりました。

2026 年 6 月のアップデートでは、Enhanced Chat v2 で Agentforce Voice を利用できるようになり、テキストと音声を切り替えながらエージェントと会話できるようになりました。

今回のアップデートでは、その音声会話のユーザー体験がさらに改善されています。

音声で会話している間も、その内容がチャット画面に文字として表示されるため、ユーザーはそれまでの会話内容を見失うことなく、音声とテキストメッセージを切り替えながら会話できます。

また、音声会話中にチャットウィンドウを最小化しても、そのままエージェントとの音声会話を継続できるようになりました。

今回追加された主な改善点は以下のとおりです。

  • 音声会話の内容をリアルタイムでチャット画面に表示

  • 音声とテキストメッセージをシームレスに切り替え

  • チャットウィンドウを最小化した状態でも音声会話を継続

これにより、Enhanced Chat v2 では単に音声でエージェントと会話できるだけでなく、音声とテキストを組み合わせた、より使いやすい会話体験を提供できるようになりました。

設定方法

  • 特別な設定は必要ありません。

  • Enhanced Chat v2 で Agentforce Voice を利用している場合は、今回のアップデートが適用されます。


③ Enhanced Chat v2 のデプロイをより簡単に

Agentforce Builder から、Enhanced Chat v2 の Embedded Service Deployment をより簡単に作成できるようになりました。

これまでは Enhanced Chat v2 のチャネルを作成した後、Embedded Service Deployment を別途設定する必要がありました。

今回のアップデートでは、Agentforce Builder の Enhanced Chat v2 Settings から新しいチャネルを作成すると、Embedded Service Deployment も自動的に作成されます。

また、すでに存在する Enhanced Chat v2 チャネルについても、Enhanced Chat Channels の一覧から新しい Deployment を簡単に追加できるようになりました。

これにより、Agentforce Builder から Enhanced Chat v2 のチャネルを作成して実際の Web サイトへ展開するまでの設定作業がさらに簡略化されています。

設定方法

  1. Agentforce Builder で Agentforce Service Agent を開きます。

  2. Enhanced Chat v2 Connection を追加します。

  3. Explorer パネルの Enhanced Chat v2 から Settings を開きます。

  4. 新しいチャネルを作成する場合は New Channel を選択します。Embedded Service Deployment も同時に作成されます。

  5. 既存チャネルへ Deployment を追加する場合は、Enhanced Chat Channels の対象チャネルのメニューから Create Deployment を選択します。


Agentforce Observability

① 新規組織では Agentforce Observability が自動的に有効化

新しく作成された Salesforce 組織では、Agentforce を有効化すると、Agentforce Observability 関連の機能もデフォルトで自動的に有効化されるようになりました。

これにより、Agentforce を利用開始すると同時に、以下のような機能で利用するデータの収集が開始されます。

  • Agentforce Session Tracing

  • Einstein Audit and Feedback

  • その他の関連する Observability 機能

収集されたデータは、Agent Analytics や Agentforce Studio から確認できます。

これまで Agentforce の利用状況や品質を分析するためには、Observability 関連の設定を別途有効化する必要がありましたが、新規組織では Agentforce の有効化と同時に設定されるため、最初からエージェントの利用状況を分析できる環境が整います。

ただし、この自動有効化には Data 360 のデータスペースに関する注意点があります。

単一のデータスペースを利用している組織では自動的に有効化されますが、複数のデータスペースを利用している組織では、Observability データをどのデータスペースに保存するのか判断できないため、保存先となるデータスペースを手動で選択する必要があります。

また、この自動有効化は 新規の本番組織 および Sandbox が対象で、既存組織に対して自動的に適用される変更ではありません。

確認方法

  • 設定から Einstein Audit, Analytics, and Monitoring Setup を開くことで、Agentforce Observability の設定を確認できます。

  • 今回のアップデートにより、新しく Agentforce を導入する組織では、エージェントを作成・利用するだけでなく、最初からその利用状況や品質を継続的に分析することを前提とした環境が用意されるようになりました。


② Agent Session のログ機能を強化

Agentforce に、新しいログデータモデル AI Agent Session Log DMO が追加されました。

AI Agent Session Log DMO は、AI エージェントのセッション中に発生した主要なイベントを記録するためのデータモデルです。

今回のアップデートにより、エージェントの実行中に発生するイベントを、以下のようなログレベルで統一的に記録できるようになりました。

  • Informational

  • Warning

  • Debug

  • Error

これらのログを利用することで、エージェント実行時の動作を分析したり、エラーの原因を調査したり、問題が発生した箇所を追跡したりできます。

また、単一のエージェントだけでなく、複数のエージェントが連携する Multi-Agent 構成にも対応しています。

そのため、複数のエージェント間で処理が引き継がれるような構成でも、セッション中にどのようなイベントが発生したのかを追跡し、問題の原因を調査しやすくなりました。

利用方法

  • 特別に AiAgentSessionLog を作成する必要はありません。

  • 組織で Agentforce Session Tracing がすでに有効になっている場合、AiAgentSessionLog データモデルは自動的にプロビジョニングされます。

  • また、今後 Agentforce Session Tracing を有効化した場合も、自動的にプロビジョニングされます。


利用可能モデル・LLM アップデート

① GPT-5.5 が正式リリース

これまでベータ版として提供されていた GPT-5.5 が正式リリースとなり、本番環境で利用できるようになりました。

GPT-5.5 は、Prompt Template など、対応する Salesforce の生成 AI 機能で利用できます。

また、Prompt Builder、AI Models、Models API からモデルを利用して、プロンプトの作成やテストを行うことができます。

これにより、これまでベータ版として GPT-5.5 を検証していた場合も、本番用途で正式に利用できるようになりました。


② GPT-5.6 が正式リリース

Einstein Platform で GPT-5.6 が正式リリースされ、本番環境で利用できるようになりました。

今回利用可能になった GPT-5.6 には、以下の 3 つのモデルがあります。

  • GPT-5.6 Luna

  • GPT-5.6 Terra

  • GPT-5.6 Sol

これらのモデルは、1 分あたり最大 5,000 リクエスト(RPM)まで利用できます。

Prompt Template などの対応する Salesforce の生成 AI 機能で利用できるほか、Prompt Builder、AI Models、Models API からモデルを利用して、プロンプトの作成やテストを行うことができます。

これにより、用途に応じて GPT-5.6 Luna、Terra、Sol を選択し、本番環境の生成 AI アプリケーションで利用できるようになりました。


いかがでしたでしょうか。

2026 年 8 月の Agentforce リリースはまだすべて出揃っていないため、今回は現時点で確認できている新機能をまとめました。

今後、新しいアップデートが公開され次第、本記事にも順次追加していきたいと思います。

今回は以上です。


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