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ディズニーの原作は怖い?映画との違いを感じられるおすすめ作品をご紹介


はじめに

以前当noteではディズニーについてのおすすめ解説書をご紹介しました。

この記事ではウォルト・ディズニーの伝記や「文化・思想」としてのディズニーについて学べる刺激的な参考書をご紹介しましたが、その過程でやはり興味深かったのが「ディズニーが原作をいかに改変して映画を作ったのか」という点でした。

原作をそっくりそのまま映画化するのではなく、そこにディズニーならではのストーリー改変や演出を加えられています。この原作と映画の違いにこそディズニーの特徴や個性が見えてきます。

ディズニー映画をもっと楽しむためにもこうした原作との違いを体感してみるのもひとつの方法です。そこでこの記事ではそんな原作と映画を比べるのにおすすめ作品をいくつか紹介していきます。

それぞれのリンク先ではより詳しくお話ししていますので興味のある方はぜひそちらもご参照ください。きっと驚くことでしょう。

では、早速始めていきます。

1 アンデルセン『アンデルセン傑作集 マッチ売りの少女/人魚姫』

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アンデルセン童話と言えば誰しもが子供の時に絵本やアニメなどでお世話になった経験があると思います。私もその一人です。メルヘンチックだけれどもどこか切なさを感じさせるストーリーは一度読んだら忘れられない印象を残しますよね。

そしてこの本には『人魚姫』が収録されています。

これはディズニーの『リトルマーメイド』の原作になった作品です。ディズニーとアンデルセンの原作との違いを感じながら読み進めるのもとても面白かったです。アンデルセン童話の方はやはりアンデルセンといいますか、かなり切ない終わり方です。

何とも言えない切なさを描くのにこのアンデルセンほど巧みな作家はいないのではないでしょうか。これを子供の時に読むことの意味は計り知れないものがあるかもしれません。大人になって読み返して気付いたのですが、本当に繊細な感受性が溢れている作品ばかりです。

ディズニーが参考にした物語の雰囲気を知るためにもぜひおすすめしたい一冊です。


2 ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』

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私はこの原作を読んでから改めてディズニーの『不思議の国のアリス』を見てみました。よくよく考えてみればこの作品を見るのは実に20年ぶりでした。

ですが意外としっかり覚えているものですね。見ていてとても懐かしくなりました。

そして感じたのは想像以上に原作に忠実であることです。

ディズニーのアリスは『不思議の国のアリス』と続編『鏡の国のアリス』がブレンドされて出来上がっています。

ディズニー映画でも人気のディーダム兄弟も続編の『鏡の国のアリス』で出てきたキャラクターです。

Wikipediaより

他にも、お花が歌うシーンなどもこの続編から取られています。

ですが基本線としては原作の『不思議の国のアリス』に忠実になっています。

それにしても映画を観て感じたのですが、ディズニーの構成の見事さたるや驚くしかありません。

正直、原作で文字で読むとあまりに突飛な展開で目が回りそうになるのですが、さすがはディズニー。魅力的な歌とダンスで見事に表現しています。

正直、子供の頃より今見た時の衝撃の方が大きかったです。ものすごく面白い!

ディズニー恐るべしです。歌と踊り、派手な演出がもう頭から離れません。トランプ兵が出てくるところや最後の逃走シーンなんて素晴らしすぎる演出ですよね。「なんでもない日万歳」の歌も、チェシャネコの「偉さが違う」のフレーズも忘れられません。音楽とアニメの融合はディズニーの伝家の宝刀ですが、この作品にしてもピカイチな魅力を放っています。あぁ、また見たくなってきました。


3 グリム童話『白雪姫』

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『グリム童話』で有名なグリム兄弟は19世紀中頃に活躍したドイツの学者で、『マッチ売りの少女』や『人魚姫』で有名な童話作家アンデルセンもほぼ同時代人です。

アンデルセン童話とグリム童話。

アンデルセンの童話は大人が読んでもジーンとくるようなものすごく繊細なお話がたくさんありましたが、グリム童話はどこか淡々としている印象を受けます。これはきっと、アンデルセンが自分の感受性や想像力をフル稼働して物語を創作したのに対し、グリム兄弟は学者として実際に人々が話している童話を収集して童話集を作ったという、創作過程の違い、その内容の性格の違いがあるのではないかと思われます。

この『白雪姫』も私たちが想像する『白雪姫』に比べると明らかに暗く、ブラックな展開となっています。ディズニーの原作が怖いと言われがちなのもよくわかります。


4 カルロ・コッローディ『ピノッキオの冒険』

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この作品については有馬哲夫著『ディズニーとライバルたち アメリカのカートゥーン・メディア史』で次のような解説がなされており、これがきっかけで私は原作を読もうと思い立ちました。

『ピノキオ』の原作となったのは、イタリアの作家コッローディの同名の童話で、ウォルトはこれを、一九三〇年代の後半にたまたま行った書店で見つけている。これをベースにして面白い作品が作れると思ったウォルトは、すぐにスタッフに作品化に取りかかるよう命じた。原作はかなり長いもので、しかも、かなり残酷で荒々しい内容だった。

原作では、悪いことをした少年たちは単にロバになるだけでなく、皮をはがれて太鼓の皮にされるという目に遭っている。また、主人公に説教をするコオロギも、主人公をばかにしたということで、木槌で叩き殺されている。それをウォルトは、親たちが子供に安心して見せられる、教訓に満ちたストーリーに変えた。

フィルムアート社、有馬哲夫『ディズニーとライバルたち アメリカのカートゥーン・メディア史』P206-207

私はこの解説を読んで衝撃を受けました。コオロギが木槌で叩き殺されただって!?

『白雪姫』でもそうでしたがやはり原作はバイオレンスで残酷です。

そしてそんな残酷な物語を親子で安心して見られる映画に改変したウォルト・ディズニー。

私たちはウォルトが制作した完成品の『ピノキオ』を当たり前のように受け取っていますが、原作から映画まではものすごく遠い道のりがあります・・・!この変化をたどればディズニー映画の特徴がよりはっきり見えてきます。

ディズニーの原作の中でも最も衝撃を受けたのがこの『ピノッキオの冒険』です。ぜひ皆さんもこのバイオレンスな作品を読んでみてはいかがでしょうか。


5 J・M・バリ『ピーターパン』

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上の『ピノッキオの冒険』に引き続き、本作で語られるピーター・パンの性格や物語にも私は驚くことになりました。

まず、ピーター・パンの性格がとにかくどうしようもない!ディズニー映画でも彼は自由人過ぎますし抜けてる部分もありましたがまだ愛嬌があります。ですが原作のピーター・パンはもはや恐ろしさすら感じます。

と言いますのも、彼はまず誘惑者としてやって来ます。これはディズニーでも同じですが、原作では不気味な雰囲気さえあります。大人にならなくてもよい永遠の理想郷へと誘う天使の顔をした悪魔のようです。もちろん、影を取り返すためにウェンディの部屋にやって来たというのは同じですが、ディズニーのように視覚的にコメディタッチで見ることができない分やはりダークな雰囲気です。

そして私にとってこれが一番なのですが、ピーター・パンがあまりに自己中心的すぎるのです。全くというほど他者に関心がありません。他者に注意が向くときも、それは自分が楽しむための道具としてでしかありません。だからこそ、遊び終わってしまえばその存在を忘れてしまいます。彼は一日経つと相手の名前やその存在すらも忘れてしまいます。自分が連れ去ったウェンディー達のこともすぐに忘れてしまいます。自己中心性は子どもの特徴ではありますが、ピーター・パンはその象徴のごとくそれが極めて強力に濃縮された存在になっています。そのため他者への思いやりも存在しません。ピーター・パンは空を飛ぶことに慣れていないウェンディー達を気遣うこともなく、自分の楽しみのために彼らを扱ったりします。自分が中心で他者に関心がないのですからそれも当然です。相手がどう思うかなど関係ないのです。

良くも悪くも空気を読む文化たる我々日本人からするとこのピーター・パンの暴虐とも言える自己中心性はなかなか受け入れにくいものがあるように感じました。

そして物語の点から言うと、こちらも想像以上にバイオレンスな内容でした。ディズニー映画では暴力描写はあるものの、血が流れずケガもしません。もちろん殺しはご法度です。

ですが原作では海賊たちがインディアンを虐殺し、さらにピーター・パンもフック船長をはじめ海賊たちを殺してしまいます。それも無邪気に・・・。

子どもというのは残酷なものです。無垢な子ども神話もあるにはありますが、やはり現実として子どもがいかに残酷であるかは私達も納得できるものがあると思います。この原作もそうした残酷さが描かれています。


6 ボーモン夫人『美女と野獣』

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私が本作ボーモン夫人版の『美女と野獣』を読んだのは、何と言ってもディズニー映画の影響です。私はこの映画が大好きでディズニー作品の中でも一番のお気に入りです。そんな『美女と野獣』の原作を読んでみたい!原作と映画の違いがわかればディズニーのすごさがよりわかるのではないか、そう思い私はこの原作を手に取ることにしたのでありました。

そしてそれは大正解!

原作を読むことでディズニーがどのような改変を加えていたかがよくわかりました。やはりディズニーはすごかった!そしてなにより、作詞家ハワード・アシュマンと作曲家アラン・メンケンの最強タッグによるミュージカル仕立てのストーリーは唯一無二です。

以下のリンク先で『美女と野獣』の原作の大まかな流れを紹介していますので、ぜひ参考にして頂けたらと思います。


7 アンデルセン『雪の女王』

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ディズニーはアンデルセンの原作をベースに、現代人に受け入れてもらえるような作品を生み出しています。

原作と違うから映画はだめだという話では全くありません。そもそもアンデルセンの童話自体、時代に合った作品です。アンデルセンの『雪の女王』は作品がその作品のみで成立するのではなく、当時の時代背景が大きく絡んでくるというのが端的にわかる例ではないかと思います。

ある意味、ディズニー映画『アナと雪の女王』は私達の置かれている時代背景、時代精神を表している鏡とも言えるかもしれません。私達の心の要求、不安、悩みがそこに投影されているのです。私たちが今何を求めているのか、何に救いを求めているのか、そうしたことをこの作品から考えていくのも面白いかもしれません。


おわりに

日本は世界でも類がないほどディズニーが浸透している国のひとつだと思います。

ですが、その人気は単に娯楽的な側面だけでは片づけられません。その歴史や奥深さを知ればもっとディズニーを楽しめることは間違いありません。

この記事が皆様のお役に立てますことを祈っております。

以上、「ディズニーの原作は怖い?ピノキオや美女と野獣など映画との違いを感じられるおすすめ作品をご紹介」でした。

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