『もっと「誰得?」』【セルフきのころチャレンジ】(『誰?』の続き2)
この記事は、以下の記事の続編となります。
未読の方は、ぜひ、こちらからお読みくださいね!
どこからか、エンジン音が聞こえてきた。
それは、どんどん近づいてきて——
気がつくと、私の部屋は海だった。
比喩ではない。
本物の海が広がっていた!
突然、エンジン音が止まり、
同時に、何者かが、海面を滑るようにやってくる。
「誰?」

「フフフ、私の名前は、競艇セラミー」

とある映像制作会社の一室。
きのころは、「ヤバ巣」という男から、
ある映画の企画を聞いていた。
映画の名前は、
『劇場版キューティーセラミー
THE MOVIE』

「劇場版」と「THE MOVIE」が丸かぶりしている。
映画の内容も、推して知るべし、だ。
説明を聞いていたきのころが、大きな声を上げた。
「競艇セラミー!?」
「きのころさん、
そこはもう、驚くところじゃないですよ。
前回の記事を読んでいる人の大部分は、
次も、何かおかしなセラミーが出てくるんだろうな、
と予想しているんですから」
「大部分?
それ以外の人は?」
「もう、読んでないですね」
きのころは、心の中で叫んだ。
読んでほしい。
なんなら、何度でも読み返してほしい。
ヤバ巣が説明を続ける。
「競艇セラミーの能力は、
水とボートを自在に操ることです」
「まぁ、そうでしょうね」
「競艇セラミーが最初の技を繰り出します」
水柱!

「何か、大きな声を出して、水柱が上がっただけのような……」
「デモンストレーションです」
「今、何か、半々羽織が見えました。
この人、なんで急に、羽織を着たんですか?」
「きのころさん、オーラですよ!」
「オーラ!?」
次に見たとき、半々羽織は消えていた。
水竜の剣!

「今度は、剣を振り回しています!
銃刀法は仕事してください!!」
「競艇セラミーが住んでいる世界では、
競艇選手が、レース中に、剣を振るって戦うんです。
昔の武士、さながらですよね」
「ボートは、現代の馬なんですね……」
「さて、対戦するのは、
セラミージュピターですが——」
「ああ、これ、ジュピター、負けちゃいますね」
「順番的には、そうなります……。
ジュピター推しのきのころさんとしては、
つらい展開ですね」
「負けるのは仕方がありません。順番ですからね。
せめて、もう1回、かっこいい技を見たいです。
あ、できれば、オリジナルの技で」
「そう思って、オリジナルの技を用意しました」
セラミージュピターは、言うまでもなく、
「セーラージュピター」を元にしている。

このポーズを再現しようと、何度も挑戦した。
何度も。

何度も。

どうしても、手が、体の右側に行かない。
AIが、何かをイヤがっているようだ。
そして、何度目かの挑戦で——

ついに、腕が消えた!
もう、仕方がない。
このポーズを活かした技を考える。
セラミージュピターの正体は、
別の世界線の「キューティーセラミー」本人である。
ということは、自分で磁器を作り出して、
武器に変えることができる。
ジュピターは、雷神の太鼓とバチを作り出した。
このポーズからの——!

雷神ライジング!

「えーと。『雷神ライジング』っていうのは、
かっこいいんですかね?」
「ジュピターのトレードマークが、
太鼓に変化したところがかっこいいでしょう?」
「でも、負けちゃうんですね?」
「はい。競艇セラミーの水攻撃で、
前回、キューピーセラミーが作り出した料理が、
すべて水びたしになってしまいました」
「ああ、これから食べようと思っていたのに……」
「他の2人は、おなかいっぱい食べてるわけですからね。
失意による戦意喪失です」
「それは仕方がないでしょうね」
「動けないセラミーチーム、大ピンチです!」
「ああ、確かに!」
「そこに、どこからか、
馬のひづめの音が近づいてきました」
「ボートの次は、馬ですか。
セラミーの部屋は、公営賭博場ですね」
きのころは、
「うちのセラミーが来てくれないかな」
と考えていた。
「うちのセラミー」とは、
きのころの玄関にフィギュアを飾っている——

第2クール「魔法少女セラミー」と、
ペガサス座の聖衣である。

「うちのセラミーが来るんでしょうか?」
「いえ、カウガール・セラミーです」
「誰?」

「うわっ!
ペガサス座の聖衣なのに、金ピカです!
これは、まさか——?」
「そう、神聖衣です!」
カウガール・セラミー

「このセラミーは、少々複雑です」
カウガール・セラミーは、元々は、
「カウガール・ドリーミン」という名前のスタンドだった。
『Cowgirl Dreamin'』(カゥガール・ドリーミン)は、
松任谷由実(ユーミン)の28作目のオリジナル・アルバム。
スタンド自身が「セラミー」本体となり、しかも、
聖衣の最上位である神聖衣を装着して戦うという、
きのころが創作した第4クールセラミーの、
集大成にして、最上級バージョンである。
「スタンドがセラミー化するって、
わかりにくすぎませんか?」
「え、きのころさんご自身が、ついこの間、
スタンドがセラミー化している世界線もあるって
書いていたじゃないですか?」
「たしかに」
「さて、ここで、
競艇と競馬がそろったわけですから——」
「いや、ペガサスは馬じゃないし、
百歩譲って、馬だったとしても、
競馬は関係ないですから!」
「競艇セラミーは、レース形式での勝負を提案します。
これぞ、『スティール・ボート・ラン』 (STEEL BOAT RUN)です」
「もう、何が何だか……」
「スティール・ボール・ラン」(STEEL BALL RUN)は
『ジョジョの奇妙な冒険』7部のサブタイトル。
競艇セラミーが、愛用のボートを呼び出した。

<サブリミナル> イメージ画像

「適用されるのは『マリオカート』ルールです」
「つまり、ただのレースではなくて、
攻撃し放題、ということですね?」
「そう。カメの甲羅も、バナナの皮もあり、です。
まずは、競艇セラミーが仕掛けますよ!」
「波動砲」発射用意!

「初手で、いきなり!?
こんなん、死んでしまいますよ!!」
「神聖衣をなめないでいただきたい」
「まだ、装着してませんが」
「光速を超えます」
「え?」
「光速を、超えます」
「なんと…」
「光速を超えるということは、過去に戻るということです」
「えええ……(困惑)」
「きのころさん、
『スーパーマン』の第一作、見てないんですか?」
「い、いえ。見ましたが……」
「光速を超えて走ることで、過去に戻ります。
『波動砲、発射用意!』の前に戻れるんです!」

「え?この体制で、光速、超えてるんですか?」
「だって、神聖衣ですから!」
「ていうか、なんで、カウガール・セラミーは、
馬の上でサーフィンしてるんですか?」
「きのころさん、わかりませんか?」
「ま、まさか!」

マッスル・インフェルノ
キン肉族三大奥義の一つ。ロープの反動を利用して相手を空中に蹴り上げる。蹴り上げた相手の腰の上に立ち上がり、サーフィンの要領で空中でバランスを取りながら相手の頭を壁やコーナーに叩きつけることでダメージを与える。
「いや、あれは、足の下にいる相手を壁にぶつける大技……」
マッスル・インフェルノ!!

キョーテーセラミーは吹っ飛んだ!
「マリオカートかと思ったら、スマブラでした」
「でも、大丈夫。吹っ飛んだのはボートだけです」

「キョーテーセラミーが吹っ飛ぶ0.01秒前に、
セラミーがタコ壺を作り出して捕獲しました」
「セラミー、すごいな(にっこり)」
セラミー、3個目の壺である。
「そのとき、セラミーの部屋の呼び鈴が鳴った」
「え、誰が来たんです?」
「宮廷セラミーです」

「この人、この格好で、街中を歩いて来たんですか?」
「そうです。それどころか、この格好で、
ほんの小一時間のうちに、
普通の人の1週間分くらいの仕事をしてきました」
ここで、宮廷セラミーの目的が明らかになる。
宮廷セラミーは、あちこちの宇宙を回って、
自分より人気があるセラミーを追い落とすことを
喜びとしていた。
(えええ……💦)
今回は、まず、四天王の一人、
キューティクルセラミーをセラミーの元に送り込み、
セラミーのスマホのロックを解除し、
すべての予定、あらゆる交友関係を把握した。
顔も、声も、指紋も、すべてセラミーと同じなので、
あらゆるセキュリティを突破できるのだ。
そして、その情報を宮廷セラミーに送りつつ、
セラミーの状況を細かく監視していた。
「ああ、朝、電話で『起きました』と言っていたのも……」
「はい。監視の報告の一つです。
でも、それだけではありません。
キューティクルは、部屋に忍び込んでからずっと、
セラミーが寝返りを打ったら、
『寝返りを打ちました』、
寝言を言ったら、
『寝言を言いました』、
と逐一報告していました」
「それは、電話代がすごいでしょうね」
「LINEの友達登録をしてあります。
LINE通話だから安心です」
「人のスマホでやりたい放題ですね」
「そして、セラミーが起きる直前に、
念動力で彼女の動きを止めた」
「どうして直前なんです?」
「念動力は疲れるんですよ」
「セラミーの動きを止めて、何をしていたんですか?」
「セラミーの仲間が助けに来て、
早々に計画を邪魔されたのは誤算だったようですが……」
映画が開始してから1時間も経たないうちに、
宮廷セラミーがやったことは以下のとおり。
・今後すべてのセラミーの予定をキャンセル
・セラミーが予約した公演会場をキャンセル
・ファンクラブの解散と会員への返金手続き
・公式グッズ販売のライセンシーの解除
・SNSへの誹謗中傷書き込み、炎上支援
・マスコミへのスキャンダルリーク
・引退宣言(FAX)
「いや、これ、えげつない敵ですよ?」
「ヒーロー、ヒロインものの敵としては、
ちょっといないタイプですよね」
「これは、絶対に、許せません!」
「そこで、カウガール・セラミーも、
ついに、神聖衣を装着して戦います」


カウガール・セラミー「神聖衣スタイル」

ペガサス流星拳&彗星拳

「ペガサス流星拳とペガサス彗星拳を、
同時に叩き込みます」
「威力はどれほどでしょう?」
「ドラゴンボールにたとえて、わかりやすく言うと、
1秒間に数千万発のかめはめ波を打ち込みつつ、
最大クラスの元気玉も同時にぶつける…
みたいな感じでしょうか」
「それ、わかりやすいんですか?💦」
「この攻撃で、さすがの宮廷セラミーも、敗北……
と思いきや!」
「え、終わらないんですか?」

宮廷セラミーのオーバーボディの下から、
邪悪な宮廷セラミーが現れた!

「いや、元々、邪悪だった気がしますが……」
「この形態は、本物の悪魔です。
もう、手がつけられませんよ」

神聖衣セラミーは空を飛んで…

科学忍法火の鳥!

「科学忍法火の鳥」のパワーは、
宮廷セラミーの邪悪なコーヒーカップに吸収された!

そして——
デビルアロー!

「『♪ 誰だ 誰だ 誰だ』のガッチャマンと、
『♪ あれは 誰だ 誰だ 誰だ』のデビルマンの戦いです」
「『誰?』という書き出しの続きにふさわしい対決ですね。
……というか、『誰?』の続きだって、忘れてましたよ」
「カウガール・セラミーの特殊攻撃は、
すべてコーヒーカップに吸収されて、無効化されます」
「闇属性、恐るべし……」
「これは、もう、直接拳を叩きこむしかありません」
北斗百裂拳!

ギャラクティカ・マグナム!!

BAKOOOM

「いやいやいや、なんで神聖衣の聖闘士が、
リンかけのパンチ1つで、吹っ飛んでるんですか!?」
「車田正美ファン、垂涎の展開ですよ!」
「こんなん、ファンの人ほど、
どんな顔していいかわからないでしょう……」
困惑の表情を浮かべるきのころに、
ヤバ巣はコーヒーブレイクを提案した。
さて、今回、さすがに終わると思われた、
『誰?』の書き出しの続きが、まだ終わらない。
「もうちっとだけ続くんじゃ」
は、ちっとも「もうちっと」じゃない。
それも、お約束なのであった——
to be continued…
<次回、『もっとも「誰得?」』>
キューティーセラミーと
キューテー(宮廷)セラミーの戦いの行方はいかに!?
<中締め(2回目)>
きのころです。
お疲れカツカレーさんの企画【書き出しで魅了する作品】で
4位「ラビリンスで賞」をいただいた、
『誰?』の続き、のさらに続きを書いてみました。
「誰得?」な展開が続いてますよね。
2回くらいに分ける必要があるかな、とは思ってましたが、
書いているうちに、どんどん長くなり、
私自身、驚きの「全3回」です。
あと、「もうちっと」だけお付き合いくださいね!
今回は以上です。
お読みいただきまして、ありがとうございました。
<続編はこちら>
<1位「ベスト書き出し賞」の続きはこちら>
たくさんのnoteの中から、私の記事を見つけて読んでいただき、
ありがとうございました。
「なんかいいかも」と感じていただけたら、
スキやフォローで合図を送ってもらえると、とても励みになります。
どうぞ、よろしくお願いします。
