🍷恋の五味:記憶のフルコース
恋という言葉を一言で片付けるには、私たちの舌はあまりに敏感すぎます。
それはまるで、一皿のフルコースを一度に口に放り込んだような、
複雑で、けれど逃れがたい感覚。
ある一人の女性の記憶を辿りながら、
恋に潜む**「五味(甘・酸・塩・苦・旨)」**の物語を綴ります。
恋の味を、ご賞味あれ‼
💖柊紅葉💖
🎀五つの味覚にのせて綴られた、ある恋の軌跡🎀
🧊甘味:始まりの砂糖菓子
大学の講義室。隣に座った彼と目が合った瞬間、
私の世界は音を立てて甘くなりました。
差し出された熱い紅茶。
そこに落とした角砂糖が、
琥珀色の液体の中でゆっくりと角を削っていくのを眺めているような、
そんなもどかしくも幸福な時間。
「今日の講義、眠かったね」
「本当。半分くらい夢の中だった」
交わした言葉は驚くほど平凡で、中身なんてどこにもない。
けれど、彼の声が空気に触れるたび、
重力はどこかへ消えていき、
私の体は綿菓子のように軽くなるのでした。
帰り道。駅までの何でもない歩道が、
まるでパステルカラーの雲の上のように見えました。
誰にも見られないように、心の中で一回だけ小さくスキップをしました。
🍋酸味:嫉妬の果実
時計の針は深夜2時を回っていました。
三度目の不在着信。
そして、何気なく開いたSNS。
暗い画面の中に、
彼の横顔と、
その肩に触れる見知らぬ誰かの指先が映り込んでいました。
その瞬間、
喉の奥でレモンを丸かじりしたような、鋭い刺激が走ります。
胸がキュッ、と病的に収縮し、酸素がうまく吸えなくなる。
「どこにいるの?」
「誰といるの?」
そんな無様な言葉を飲み込むたび、
未熟な果実の酸っぱさが口いっぱいに広がります。
顔をしかめずにはいられないのに、
私は何度もその画像を確認しては、
自らその刺激に溺れていくのでした。
🍟塩味:涙のミネラル
「もういい、勝手にして!」
そう叫んで飛び出した夜の海は、どこまでも暗く、
冷たい潮風を運んできました。
一人で入った深夜のファミレス。
冷え切ってしなしなになったポテトを、ぼんやりと口に運びます。
頬を伝った涙が唇に触れたとき、
それは驚くほど「生々しい」味がしました。
恋は、綺麗なパステルカラーだけではできていない。
汗と、涙と、生活の匂い。
そんな逃げ場のない現実が、ヒリヒリと喉を焼き尽くします。
私たちはただ、互いを求め合うだけでは足りないほどに、
違う生き物なのだと思い知らされる夜でした。
☕苦味:終わりのエスプレッソ
いつものカフェ。
けれど、私たちの間にはもう、
砂糖一粒分の甘さも残っていませんでした。
注文したのは、ブラックのエスプレッソ。
「……元気でね」
彼の言葉を飲み込むとき、
その喉越しはどこまでも無慈悲で重いものでした。
愛しているという感情は、
現実という厚い壁の前では、あまりにも無力です。
街の喧騒が、ガラス一枚隔てた向こう側で遠のいていく。
舌の根に残る消えない苦味は、
少女から大人になるために強制的に飲まされる、毒のような薬でした。
彼が席を立った後の椅子の音だけが、いつまでも耳に残り続けていました。
🍲旨味:記憶の余韻
それから数年が経ち、私は一人で街を歩いていました。
ふわりと漂ってきたのは、煮込み料理の香ばしい匂い。
それは、かつて彼が「一番好きだ」と言ってよく作ってくれた、
あの料理の香りでした。
不思議と、もう胸に痛みはありません。
ただ、温かな出汁のように、じんわりと心の奥底に染み渡っていく感覚。
あの痛みも、あの熱も、
すべては今の私を形作るための深いコクとなって、
記憶の中に溶け込んでいます。
私は小さく微笑み、深い余韻を噛み締めながら、
新しい季節へと足を踏み出しました。
✨あとがき✨
恋は、甘いだけでは飽きてしまい、
苦いだけでは耐えられません。
この五つの味が複雑に重なり合うからこそ、
私たちは何度でも「美味しい」瞬間を求めて、
また誰かを好きになってしまうのかもしれませんね。
あなたの恋は、どんな味でしょう。💗💞💗
💖柊紅葉💖
📚フォロワーさん紹介📚
いつも大変お世話になっております。
💖柊紅葉です💖
noteを、初めてから少しずつフォロワーさんが、
増えてきて、今では1000人以上になりました。 ☺️😌☺️
本当にありがとうございます。💕✨💕
感謝の気持ちを込めて、
こちらでは、フォロワーさんを
ご紹介させていただきます。😌😊😌
今回は、こちらの方々です。😍🎊😍
いいなと思ったら応援しよう!
お読みになってくださり有難うございます。よろしければ応援頂ければ幸いです。皆様が興味を引く様な記事を書き続けて行きたいと思って折ります。
今後もご期待下さい。❤️