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40代おじさんの初めての海外単独行動!猛暑の台北で出会ったバグ級の絶景と、奇跡の衛兵交代式 【無計画親子の台北、行き当たりばったり旅行記】第4話

台湾の猛暑で家族が瀕死!?スタバに妻子を置いて、40代おじさんが人生初の「海外単独行動」へ。歩いた先で待っていたのは、遠近感がバグった巨大要塞と、完璧すぎるイケメン衛兵たち、そして謎の「湿布味(?)コーラ」。おじさんのハラハラ・ウキウキの小さな大冒険、ちょっと覗いてみませんか?







異国の地、おじさん初めての単独行動。歩いて國立中正紀念堂を目指す。


前回のあらすじ

みなさん、こんにちは。台湾旅レポートの第2弾です。
前回は永康街の周辺で、文房具屋さんを覗いたり、鼎泰豊の創業の地で記念撮影をしたり、激ウマな刀削麺を作っていたのが「実はロボットだった」という衝撃の事実に遭遇したりと、盛りだくさんな時間をお届けしました。



さて、お腹がいっぱいになった後は、永康街周辺でショッピング。しかし、ここで早くも11歳(小学5年生)の息子が「退屈ゲージ」を満タンにし始めます。子どものお買い物付き合いほど、彼らにとって過酷な苦行はありません。そこで、先ほど購入したばかりの銃のおもちゃを引っ提げ、近くの永康公園へと避難することにしました。


この日は、見上げるほどの見事な青空。公園の鮮やかな緑とのコントラストが本当に美しく、ただ公園にいるだけでも南国・台湾のエネルギーを感じます。



ひとしきり遊んだ後、近くのスターバックスへ入ってひと休み。

店内には日本では見かけない可愛いデザインのタンブラーがたくさん並んでいて、見ているだけで物欲が刺激されます。

……と、ここで同行していた妻と息子から、歴史的な大宣言が飛び出しました。

「暑すぎる。ちょっともう、ここでしっかり休ませて……」

そうなのです。まだ5月末とはいえ、台湾の熱気はすでに本気モード。日本の真夏を思わせる猛暑の前に、二人の体力ゲージは完全に瀕死の赤ランプが点滅していました。

しかし、不思議なことに私一人はまだまだ元気。
「せっかくの台湾なのに、ここでじっとしているのはもったいないなぁ……」
そこで、我が家のお出かけ定番(?)である「現地解散・別行動」のカードを切ることにしました。
二人は涼しいスタバでじっくりライフを回復。そして私は、かねてより気になっていた台北のランドマーク「國立中正紀念堂」を目指し、おじさん人生初となる「海外での完全単独行動」へ打って出ることにしたのです。




遠近感を狂わせる、白亜の巨大要塞へ

スタバの自動ドアを出た瞬間、ウキウキするような高揚感と、心の片隅にほんの少しの不安が入り混じった、何ともいえない奇妙な感情が押し寄せてきました。これぞ一人旅の醍醐味です。

気ままにぶらぶらと歩き始めると、台湾の街並みが一歩ごとに表情を変えていきます。


ふと見上げると、2階や3階のベランダを埋め尽くすように、これでもかと植物をワイルドに育てているビルを発見。

突き抜けるような青空に緑が映えて、思わずカメラを向けたくなる美しさです。


さらに歩くと、パイプをくわえた渋いおじさんのイラストが描かれた「著楽・咖啡」という謎めいたコーヒー屋さんの看板や、


どこか日本の昭和を思い出させるような、ノスタルジックでエモい裏路地……。

初めて歩くはずなのに、なぜか懐かしい。

そんな不思議な情緒に浸っていると、目の前に突如として趣のある大きな塀が現れました。しかも、行けども行けどもその塀が終わりません。


塀に沿って進み、緑豊かな森のような庭園を抜けたその時です。


私の目の前に、CGで作られたゲームの世界かと思うほど、遠近感が完全にバグってしまった巨大な建物が姿を現しました。

そう、これこそが「國立中正紀念堂」です。
青い瑠璃瓦の屋根に、目も眩むような白い大理石の壁。まるで大作RPGのラストダンジョンに迷い込んでしまったかのような圧倒的なスケール感に、ただただ圧倒されてしまいました。


大階段を登って本堂の中へ入ると、そこに鎮座していたのは巨大なブロンズ像。

台湾の初代総統、蒋介石です。そしてその像の両脇には、まるで彫刻のように一歩も動かない衛兵さんが立っていました。

微動だにしないその佇まい、もしかしたら瞬きすらしていないのではないかと思わされるプロの姿に、おじさんはただただびっくり。
一通り見学を終え、「よし、そろそろ戻ろうか」と外へ出かけたその時、堂内のスタッフさんたちが急に慌ただしく観光客を誘導し始めました。
「ん? 何かあるのかな?」
一度は外へ出たものの、持ち前の好奇心が疼き、なんだか気になって引き返してみることに。
――これが、大正解でした。
奥からコツン、コツンと靴音を響かせ、3人の衛兵さんが一糸乱れぬ、完璧に規則正しい足取りで行進してくるではありませんか!


そう、ちょうど「衛兵交代式」が始まるタイミングだったのです。「引き返して良かった、超ラッキー!」と心の中でガッツポーズ。
背筋をピンと伸ばしたイケメン衛兵さんたちが、ミリ単位の狂いもなく美しくシンクロし、厳かに交代式を行う姿は息を呑むほどの迫力。

単独行動を神様が祝福してくれたかのような、最高のタイミングで見学することができました。




猛暑のロードムービーと、おじさんの給水

感動の余韻に浸りつつ、そろそろ家族と合流せねばと連絡を取ると、二人はどうやら「華山1914文化創意產業園區」の方面へ移動したとのこと。よし、ならば次なる目的地は華山だ!と、再び歩き始めました。

道中、青い空、ノスタルジックなビル、そして台湾名物の大量のスクーター、街路樹の綺麗な緑が織りなす景色に出会いました。

日本にはない風景なのに、どこか胸がキュンとする。これが巷で噂の「エモい」という感情なのでしょうか。ただ街を歩いているだけなのに、脳内麻痺が起きるほどの充実感です。

……しかし、エモい感情だけでは、台湾の猛暑は乗り切れませんでした。
体内の水分が干からびかける一歩手前、たまらず駆け込んだコンビニで「黒松沙士 PLUS 強炭酸」というコーラに似た炭酸飲料を購入。

台湾版のルートビアとも言われる独特の湿布(?)のような香りが一瞬鼻を抜けますが、これがキンキンに冷えていて、カラカラの身体に染み渡る! なんだか癖になる美味しさでした。

直射日光のヒットポイントを削られないよう、建物の軒下(アーケード)へ避難しながら歩を進めると、今度は目の前に見慣れたオレンジの文字が。
「あ、コメダ珈琲店(客美多咖啡)だ!」


まさか台湾の地で名古屋のソウルフードに出会うとは。

中を覗きたい気持ちを抑えてさらに歩くと、今度は日本語の看板を発見。


「ニコベーカリー(niko bakery)」と書かれた、可愛いキャラクターがトレードマークの高級食パン専門店でした。異国の街角でふいに目にする日本語って、なんだかホッとしますね。





レトロとモダンが融合する、美しい終着点

そうして足の裏を棒にしながら、ついに目的地「華山1914文化創意產業園區」へ到着!


ここはもともと、日本統治時代の1914年に設立された「芳醸株式会社酒造廠(後の台北酒工場)」だった場所。レトロな赤レンガ造りの工場や倉庫群、ツタが絡まる壁などがそのまま残されており、歴史の重みを湛えた重厚な佇まいが本当に素敵です。


その古い建物のなかに、最先端のアートギャラリーやおしゃれなセレクトショップ、カフェがリノベーションされて入っているという、まさに新旧が融合した奇跡のような空間でした。


ここで無事に、体力を完全回復させた妻と息子に合流。
みんなで冷たいアイスティーを飲みながら休憩しました。

猛暑の中を歩き抜いた後に飲むアイスティーの味は、大袈裟でなく人生最高のご馳走でした。
ただただ台湾の街を歩いただけの時間でしたが、おじさんの小さな大冒険は、これ以上ないほど充実した散歩となったのでした。



(次回予告)

無事に合流し、のんびり休憩を終えてホテルへ戻った我が家。
夕ご飯を探しにホテル周辺をぶらぶらしてみるものの、あれ? お店が全然開いていない……?
絶体絶命の「夕食難民」となった家族が、引き寄せられるように訪れたのは、謎の「斤餅(チンビン)」専門店だった!
次回、「粉モノの逆襲」。お楽しみに!






國立中正紀念堂ってなんじゃ?

國立中正紀念堂(こくりつちゅうせいきねんどう)は、台湾の台北市にある最も象徴的な観光名所の一つです。
一言で言えば、「台湾の歴史と民主化の歩みを感じられる、台北を代表するランドマーク」です。具体的には、以下の3つの側面から多くの観光客が訪れます。


1. 歴史的・政治的な重要性

蒋介石の顕彰施設:台湾の初代総統である蒋介石(しょう かいせき)を記念して1980年に建てられました。「中正」とは蒋介石の本名です。

民主化の象徴:かつて独裁体制下の象徴であったこの場所は、のちに民主化運動の拠点(自由広場)となり、台湾の民主主義の歴史を体現する場所として語られます。


2. 必見のアクティビティ:衛兵交代式

衛兵交代式:観光客にとって最も有名な見どころが、本堂内の巨大な蒋介石ブロンズ像の前で行われる「衛兵交代式」です。訓練された衛兵による、ミリ単位で統制の取れた美しい所作を間近で見学することができます(毎日、朝9時から17時まで、1時間ごとに実施)。



3. 建築と広場としての魅力

圧倒的なスケール:青い瑠璃瓦の屋根、白い大理石の壁という中華風の壮麗な建築は圧巻です。本堂へ続く89段の階段は蒋介石が亡くなった年齢(享年89歳)を表すなど、細かいこだわりが詰まっています。

市民の憩いの場:広大な敷地内には「自由広場」や美しい中国式庭園があり、地元の人々が散歩やランニングを楽しむ憩いの場でもあります。また、敷地内には「国家戯劇院(オペラハウス)」と「国家音楽庁(コンサートホール)」があり、文化芸術の発信地としての側面も持っています。


観光のアドバイス

所要時間:衛兵交代式を見学し、内部の展示や庭園を散策するなら、1〜2時間ほど見ておくと余裕を持って楽しめます。

アクセス:MRT「中正紀念堂」駅からすぐの場所にあり、アクセスも非常に便利です。

周辺スポット:近くには総統府もあり、歴史好きの方には合わせての訪問がおすすめです。
台湾の歴史を知る上でも、台北観光のランドマークとしても外せない場所ですので、ぜひ訪れてみてください。





華山1914文創園区ってなんじゃ?

華山1914文化創意產業園區(華山1914文創園区)は、台北市中心部にある、台湾を代表するアート・文化の発信拠点です。
歴史的な建造物と現代のクリエイティブな感性が融合した場所として、地元の人々や観光客から非常に高い人気を集めています。その特徴をいくつかポイントに絞ってご紹介します。


1. 歴史的な背景

もともとは日本統治時代の1914年に設立された「芳醸株式会社酒造廠(後の台北酒工場)」でした。レトロな赤レンガ造りの工場や倉庫群がそのまま残されており、歴史を感じさせる重厚な佇まいが魅力です。


2. どんな場所なのか?

現在は、かつての工場施設がリノベーションされ、以下のような多目的な複合施設として活用されています。

展覧会やイベント:大規模なアート展、ポップアップショップ、演劇、ライブコンサートなどが頻繁に開催されています。常に新しい刺激に出会える場所です。

おしゃれなショップ・レストラン:台湾の若手デザイナーによる雑貨店、セレクトショップ、雰囲気の良いカフェやレストランが軒を連ねています。お土産探しや休憩にも最適です。

フォトジェニックな景観:敷地内には古い煙突や緑豊かな庭園があり、どこを切り取っても絵になります。レトロな建築とアートなオブジェが共存しており、多くの人が記念撮影を楽しんでいます。


3. 楽しみ方のアドバイス

散策する:敷地は広大です。目的を決めずにふらりと立ち寄り、路地裏にある小さなお店やギャラリーを探すのが楽しい場所です。

休憩する:園内には座れる場所が多く、都会の喧騒を忘れてゆっくりとした時間を過ごせます。

アクセス:台北MRT「忠孝新生駅」から徒歩圏内にあり、アクセスも良好です。


豆知識:「華山」の名前の由来

少し面白いエピソードとして、「華山」という名前は、初代台湾総督である樺山資紀(かばやま すけのり)の名前に由来していると言われています。「樺」という漢字の木へんを取って「華」にした、という説が有名です。
古い工場という「過去」の遺産を、新しいアートという「未来」の文化で再生させている、台湾らしい成功例と言える場所です。もし台北へ行く機会があれば、散歩がてら覗いてみると、台湾の「今のトレンド」が感じられるはずです。






黒松沙士(台湾コーラ)ってなんじゃ?

台湾の飲み物、黒松沙士について教えて
台湾の国民的炭酸飲料「黒松沙士(ヘイソンサースー)」は、現地で「台湾コーラ」として老若男女に愛されている超定番のドリンクです。
一度飲んだら忘れられない強烈な個性を放つこの飲み物について、その特徴や面白い文化をいくつかご紹介します。


1. 最大の特徴は「湿布(?)のような清涼感」

黒松沙士の缶やボトルを開けた瞬間、まず驚くのがその独特な香りです。日本ではよく「飲む湿布」「ハッカやメンソールの香り」などと表現されます。
この香りの正体は、「サルサパリラ」というサルトリイバラ科の植物の根から抽出されたハーブエキスです。アメリカの「ルートビア」や「ドクターペッパー」に極めて近い味わいですが、炭酸はコカ・コーラなどと比べると少し穏やかで、コクのある強い甘みと、鼻に抜ける爽快なハーブの風味のギャップがクセになります。まさに「好き嫌いが真っ二つに分かれる」タイプの飲料です。


2. 台湾での圧倒的なポジション

1950年の発売以来、なんと75年以上もの歴史を持つ超ロングセラー商品です。製造元の黒松公司は2025年に創業100周年を迎えた老舗メーカーで、台湾のコンビニやスーパー、自動販売機には必ずと言っていいほど並んでいます。台湾の人々にとっては、まさにソウルドリンクです。


3. バリエーションが面白い

基本のクラシックタイプのほかにも、台湾ならではのユニークなラインナップが存在します。
加塩(塩入り)バージョン:台湾では古くから「風邪のひき始めや夏バテのときに、沙士に塩を入れて飲むと体に良い」という民間療法のような習慣があり、なんと最初から塩がブレンドされた公式の「加塩」ボトル(オレンジのラベルが目印)が定番商品として売られています。塩気が甘みを引き立てて、スポーツドリンクのようにゴクゴクいけます。

PLUS(強炭酸)バージョン:クラシックタイプよりも炭酸の刺激をガツンと強め、さらにクエン酸などをプラスしてキレ味を増した、現代風の爽快系バージョンです(黒いクールなラベルが特徴)。猛暑の日にキンキンに冷やして飲むと、ハーブの清涼感と強炭酸のダブルパンチで一気に生き返ります。
まさに、台湾の気候と文化が生んだ最強の清涼飲料水です。最初は「おや……?」と思っても、現地の猛暑の中で汗をかきながら飲むと、驚くほど美味しく感じられて気がつけば虜になってしまう――そんな不思議な魔力を持ったドリンクです。




終わりに

初めての海外単独行動は、少しの不安もありましたが、自分のペースで街の「呼吸」を感じられる最高に贅沢な時間でした。日本の昭和を思わせるノスタルジーと、中正紀念堂の圧倒的なスケール感、そして華山1914の洗練されたリノベーション文化。台湾という国が持つ「過去と未来のブレンド具合」は、ただ歩いているだけでも大人をワクワクさせてくれます。猛暑の中での水分補給(黒松沙士)も含めて、忘れられない大冒険になりました。








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