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5月末の台北はすでに地獄?台湾の秋葉原を徒歩で目指したら親子で遭難しかけた話 【無計画親子の台北、行き当たりばったり旅行記】第2話 

「子供には退屈だよね…」と別行動をとり、軽い気持ちで『台湾の秋葉原』へ息子と徒歩で向かった私。しかし、それが地獄の始まりでした。5月末の台北の猛暑、消えた自動販売機、見つからないコンビニ。体力ゲージがミリ残る中、私たちが辿り着いた聖地とは?






5月末の台北はすでに地獄?台湾の秋葉原を徒歩で目指したら親子で遭難しかけた話

みなさん、こんにちは。前回の台湾旅日記の続きをお届けします。

前回のあらすじ

前回は、親子三人で美しい翡翠(ヒスイ)がずらりと並ぶ「建國假日玉市」を訪れたお話をしました。高架下の駐車場で土日限定で開催されるこの市場は、大人にとっては非常に魅力的で素晴らしい場所なのですが……ふと横を見ると、小学5年生の息子のテンションがどんどんどんどん、信じられない角度で急降下していくのが分かりました。
そりゃそうですよね。子供にとって、お宝とはいえ「石」が無限に並んでいる空間は退屈以外の何物でもありません(笑)。
「これはかわいそうだな」ということで、ここからは妻と別れて別行動に。
私と息子は、事前にGoogleマップで調べておいた、台湾の秋葉原と呼ばれるITショップの聖地「光華商場(および三創生活園区)」を目指すことにしました。玉市のすぐ北側(忠孝新生駅側)にあるとのことなので、移動手段は「徒歩」を選択。
玉市の外へ出ると、高架の向こう側には生花を販売している「花市」も見えました。南国らしい活気を感じつつ、「せっかくの海外だし、街並みを見ながら歩いていこうか!」と息子と元気に出発したのです。

高架の向こう側に見えるのが「生花市場」


しかし、この「歩いて」という選択が、のちに地獄の始まりになるとは、この時の私たちはまだ知る由もありませんでした……。



異国情緒あふれる裏路地と、謎の「鯉」

大通りをそのまま進むのも味気ないので、私たちはあえて一本裏路地に入り、台北のローカルな街並みを散策しながら進むことにしました。
歩き始めてすぐに目に飛び込んできたのは、とある中華料理屋さんの店先に置かれた大きな水槽。

「……ん? 鯉(コイ)!?」

なんと、水槽の中で立派な鯉がゆうゆうと泳いでいるではありませんか。看板を見ると「豆瓣鯉魚」の文字。日本では淡水魚を日常的に食べる機会が少ないため、非常に興味を惹かれました。「どんな味がするんだろう……」と後ろ髪を引かれつつ先を急ぎます。


見上げれば、年季の入ったノスタルジックなアパートがずらりと立ち並び、その足元には大量のバイク。これぞ台湾、という景色です。



そして何より、青い空に映えるツヤツヤとした緑の植物たちがとても綺麗でした。少し南国チックな力強いみどりと、歴史を感じる街並みのコントラスト。五感が刺激されるような何とも言えない高揚感に包まれながら、私たちは歩みを進めました。


……が、その高揚感も長くは続きませんでした。




「自販機がない!」台北の裏路地で始まったデスゲーム

けっこうな距離を歩いたところで、ふと強烈な違和感に襲われます。

「あれ? ……っていうか、暑すぎん??」

そうなのです。5月末とはいえ、ここは南国・台湾。直射日光と湿度を孕んだ熱気が、容赦なく体力を奪っていきます。二人とも一瞬でヘロヘロになり、額からは汗が吹き出します。
これはまずい、水分補給をしなければ!
そう思い、辺りをキョロキョロと見回して自動販売機を探しました。
しかし……ない。どこを探しても、自販機がまったく無いのです。


日本では100メートルも歩けば必ずと言っていいほど視界に入る自動販売機が、ここ台北の裏路地には一台も見当たりません。「そうか、ここは台湾なんだ。日本の常識は通用しないぞ。よし、コンビニを探そう!」とポジティブに気持ちを切り替えました。
ところが、探せど探せど、今度はコンビニすら見つかりません。
完全に裏路地を選んだことが仇となりました。日差しを遮るもののない路地裏で、親子の体力ゲージはどんどんと削られ、いよいよ「残り数ミリ」の危険水域へ。


最後はGoogleマップという現代の羅針盤に命綱を託し、ふらふらと starving(渇望)状態で歩くこと数分。


「あった……! セブンイレブンだ……!」
冷房の効いた店内に駆け込み、冷たい飲み物を喉に流し込んだ瞬間は、まさに生き返る心地でした。大げさではなく、何とか命を繋ぎ止めることができたセブンイレブンに心から感謝です(笑)。




伝統の朝ごはんと、おしゃれなカルチャー発信地

水分補給を終えて息を吹き返した私たちは、再び聖地へと歩き出します。
今度は直射日光を避けるため、建物の1階部分が通路になっている台湾特有のアーケード(騎楼)へ避難。
すると、途中で「永和豆漿大王」と書かれた看板のお店を発見しました。

一瞬「ん? 杏仁豆腐スイーツのお店かな?」と思ったのですが、後で調べてみるとなんと台湾定番の「朝ごはん屋さん」なのだそう。朝早くから夕方まで開いていて、現地の方は自炊よりも外食が多いという文化の違いを垣間見ることができ、とても面白い発見でした。


さらに進むと、遠目にも洗練された雰囲気を醸し出す「華山1914文化創意產業園区」が見えてきました。

古い工場跡地をリノベーションしたおしゃれなスポットだそうで、ここはまた後でゆっくり訪れてみたいと思います。



ついにゴール!聖地で見た息子の笑顔

そしてついに、待ちに待ったゴールへ到着!
ビルの前に鎮座していたのは、なんと銀色にピカピカと輝く草間弥生さんの「カボチャ」のアート。

圧倒的な存在感にワクワクしながら建物の中へ一歩足を踏み入れると、そこはまさに大人の、そして子供の楽園でした。


最新のIT機器やPCパーツが並ぶ電気街エリアを抜けると、ゲームセンターやゲームショップ、そして壁一面に並ぶフィギュアの数々!



巨大なユニコーンガンダムの立像を見つけた息子は、これまでの疲れを一瞬で忘れたかのように、満面の笑みで記念撮影に応じてくれました。


あんなに暑くて死にそうだったのに、この笑顔が見られただけで「頑張って歩いてきて良かったな」と思えるから、親バカというのは不思議なものです。
ただ、最後に一つだけ、今回学んだ教訓をここに記しておきます。




今回の旅の総括

日本の感覚で「ちょっとそこまで裏路地を散策」というのは、台湾の猛暑の中では非常に危険なサバイバルになり得ます。
今回の教訓:「5月末の台北で無理は禁物。文明の利器(Uber)があるなら、迷わず使うべし!」
皆さんも台湾を訪れる際は、水分補給のタイミングと移動手段にはくれぐれもお気をつけくださいね。
流した汗の分だけ、思い出も(そして飲む物も)格別に美味しくなる。そんな台北の熱い一日でした。







台湾は自動販売機が少ないんじゃ

結論から言うと、台湾の自動販売機は日本に比べてかなり少ないです。
日本から旅行に行くと「そういえば街中で全然見かけないな」と気づくレベルで、設置されているのは空港、駅、大きな公園、学校や病院の中など、特定の場所に限られています。
台湾で自動販売機が普及しなかった(少ない)のには、台湾ならではのユニークな背景や文化的な理由がいくつかあります。


1. 「代わりの選択肢」が圧倒的に便利

台湾の街歩きをしたことがある方ならイメージしやすいかと思いますが、自動販売機が必要ないくらい、冷たい飲み物を買える場所が充実しています。
コンビニの密集率が世界トップクラス:セブンイレブンやファミリーマート(全家)がそれこそ数文字歩けば見つかるレベルで乱立しています。
ドリンクスタンドの存在: 「50嵐」や「COCO都可」といったティースタンドが街のあちこちにあり、自販機と変わらないような手頃な価格(40〜70元ほど)で、作りたてのタピオカミルクティーやフレッシュフルーツティーが買えます。


2. 「飲水機(ウォーターディスペンサー)」の普及

台湾では、駅、病院、学校、公共施設、オフィスなど、ありとあらゆる場所に「飲水機」が設置されています。
多くの台湾の人はマイボトルを持ち歩いており、この飲水機で自由に水を補給します。しかも「冷水」「常温」「温水(熱湯)」が選べるのが一般的で、わざわざペットボトルの水を買う必要性が日本より低いのです。


3. 文化・習慣の違い

常温や温かいものを好む:漢方や中医学の考え方が根底にあるため、特に女性を中心に「体を冷やす冷たい飲み物を極力避ける」という人が少なくありません。自販機のキンキンに冷えた飲み物よりも、コンビニやスタンドで「去冰(氷なし)」や「常温」「熱(ホット)」を指定して買う方を好む傾向があります。

常温や温かいものを好む:漢方や中医学の考え方が根底にあるため、特に女性を中心に「体を冷やす冷たい飲み物を極力避ける」という人が少なくありません。自販機のキンキンに冷えた飲み物よりも、コンビニやスタンドで「去冰(氷なし)」や「常温」「熱(ホット)」を指定して買う方を好む傾向があります。

ストロー文化:台湾では、缶やペットボトルに直接口をつけて飲むことに抵抗を感じる人が多く、コンビニで買ってもストローを渡されるのが一般的です。自販機だとストローがついてこない(あるいは設置しにくい)ことも、敬遠される小さな理由の一つと言われています。


最近のトレンド

最近の台湾では、一般的な飲料の自販機は少ないままですが、ちょっと変わった「進化系自販機」が局所的に注目を集めることがあります。例えば、搾りたてのオレンジジュースが出てくるマシンや、ケーキ、コスメ、マスクなどを売るスマート自販機がショッピングモールなどに登場しています。

日本のように「路地にひっそり自販機がある」という情緒はありませんが、そのぶん街の活気あるドリンクスタンド巡りを楽しめるのが台湾の魅力でもあります。






「光華商場」と「三創生活園区」ってなんじゃ?

台北の「光華商場(正式名:光華数位新天地)」と「三創生活園区(SYNTREND)」は、どちらも台北の秋葉原と呼ばれる電気街エリアの中心にある、台湾を代表する電脳ビルです。
この2つの建物はすぐ隣に並んで建っていますが、館内の雰囲気やターゲット層、売られているものの性質が全く異なり、見事な対比を成しているのが非常に面白いポイントです。
それぞれの特徴と違いを詳しくご紹介します。


1. 光華商場(光華数位新天地)

雰囲気:昔ながらの「コアな電気街・雑居ビル」のエネルギーを凝縮した空間
特徴:
  もともとは高架下の露店から始まった歴史ある電気街で、現在は6階建ての近代的なビル(光華数位新天地)に集約されています。
  館内には、数坪ほどの小さな個人商店やパーツ専門店が所狭しとびっしり並んでおり、独特の熱気があります。PCパーツ(マザーボード、グラフィックボードなど)、各種ケーブル、電子部品、マニアックな周辺機器、工具などが山積みになって売られており、DIY派やガジェット好きにはたまらない空間です。


こんな人におすすめ:
  自作PCのパーツを探したい、マニアックな電子部品や掘り出し物を見つけたい、ローカルで泥臭い「電脳街」の熱気を感じたい人。




2. 三創生活園区(SYNTREND)

雰囲気:近未来的で洗練された「デジタル×カルチャーの大型ライフスタイル百貨店」
特徴:
  光華商場のすぐ隣に建てられた、地上12階・地下6階の非常に綺麗でモダンなビルです。日本のイメージで言うと「進化したヨドバシカメラ」や「蔦屋家電をさらにガジェット・ホビー特化にした空間」に近いです。
  各フロアごとに明確なコンセプトがあり、ASUS、Acer、MSIなどの台湾が誇るPCメーカーをはじめ、Apple、Sony、各種カメラメーカー、オーディオブランドなどの「メーカー直営の洗練されたフラッグシップショップ(旗艦店)」が並んでいます。
  さらに上層階には、アニメフィギュア、プラモデル、ゲーミングデバイス、VR体験ゾーンなど、ポップカルチャーやホビーのフロアも充実しており、地下には綺麗なフードコートもあります。


こんな人におすすめ:
  最新のガジェットや台湾メーカーのフラッグシップ機を綺麗な環境で触りたい、カメラや高級オーディオを試聴したい、アニメやホビー系のショップも一緒に見て回りたい人。




比較と楽しみ方



アクセス

どちらの施設も、台北MRT(地下鉄)の「忠孝新生駅」(板南線・中和新蘆線)の1番出口から、北へ歩いて約5分ほどの場所にあります。
隣り合っているため、まずは三創生活園区の綺麗なフロアで最新のテクノロジーや洗練された展示を楽しみ、その後に光華商場へ移動して、ディープな電子部品や掘り出し物の山を探索する、というルートが定番で非常に満足度が高いです。IT先進国である台湾の「動と静」「新と旧」を一度に体感できる、ガジェット好きなら丸一日いられるエネルギッシュなエリアです。







台湾の朝ごはんってなんじゃ?

写真に写っているのは「永和豆漿大王(ヨンホー・ドウジャン・ダーワン)」という、台湾の伝統的な朝ごはん屋さんです。
スイーツ専門店ではありませんが、甘い豆乳や甘い菓子パンのようなメニューもあります。主に以下のような定番の朝食メニューを提供しているお店です。
豆漿(ドウジャン):豆乳のことです。日本の豆乳より甘く味付けされた「甜豆漿」のほか、お酢やラー油、ネギなどが入っておぼろ豆腐のように固まった塩気のあるスープ「鹹豆漿(シェントウジャン)」が非常に人気です。
油條(ヨウティヤオ):細長い揚げパン。豆乳に浸して食べます。
蛋餅(ダンピン):もちもちした生地の台湾風の玉子焼きクレープ。
燒餅(シャオビン):サクサクに焼かれた平たいパン。中に卵や油條を挟んで食べます(甘い餡が入ったものもあります)。
糰(ファントゥアン):もち米で作られた台湾風のおにぎり。
看板にある「豆漿」は豆乳、「大王」はそのまま大王やトップを意味します。「永和」というのは、美味しい豆乳店が集まることで有名な地名(新北市永和区)に由来しており、台湾全土にこの「永和豆漿」という名前を冠した朝食店がたくさんあります。

左側の黄色い看板に「営業時間 06:00〜19:00(休日は12:00まで)」とあるように、朝早くから開いており、台湾の人々の生活に密着したローカルな食堂です。もし機会があれば、ぜひ「鹹豆漿(しょっぱい豆乳)」と揚げパンの組み合わせを試してみてください!




次回予告:

次回は、永康地区へ。偶然たどり着いた「鼎泰豊(ディンタイフォン)」の始まりの地、そして猛暑の中で息子が見つけたオアシスとは?
さらに「人類はロボットに淘汰されるのか!?」と哲学的な思考に陥る、世にも奇妙な『ロボット刀削麺』のお店をご紹介します。どうぞご期待ください!






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