風まかせ文芸部 作品紹介【思い出】
第28回、「風まかせ文芸部」に参加してくださった作品を随時公開していきます!
「俺の、私の作品が載ってないんですけど!」っていう人がいらっしゃったらおっしゃってください!
気づき次第の更新ですのでご了承ください!
それではどうぞ!
【leal_violet3340さん】
灰色のネザーランドドワーフ・ラナとの歳月を、そっと撫でるように綴った一篇です。
小さな体に宿っていた確かな個性と、まっすぐな愛情。思いがけない出会いから始まり、距離を越えて続いた絆のあたたかさが、静かな余韻となって胸に残ります。
笑ってしまう仕草も、そっと胸を締めつける記憶も、すべてが“思い出”として今も光を放ち続けている――そんな優しい時間の流れを感じさせてくれる作品です。
【藤村ちひろさん】
短い言葉のつらなりが、そのまま夏の記憶を波のように呼び起こす小品です。
潮風、陽射し、冷たい味の名残――五感の断片だけで紡がれる情景が、読む人それぞれの中に眠る“あの季節”をそっと揺らします。
説明ではなく感触だけで思い出を描く、その潔さが心地よく、まるで胸の奥に小さな光が差し込むような一作です。
【鈴蘭さん】
軽やかな独白のかたちを借りながら、日々の偶然にひそむ“運命の味”を掬い上げた一篇です。
雨の交差点や路地裏の出会いといった、誰もがふと心を揺らされる瞬間を、少し照れくさく、でも誠実に見つめていきます。
「迷路のような毎日も、あとから振り返れば近道だったのかもしれない」――そんなやわらかな考え方が、読む側の肩の力までそっと抜いてくれるよう。
思い出の成り立ちを等身大の言葉で描き、爽やかな余韻を残す作品です。
【想狗さん】
淡く揺れる文字そのものが、記憶の輪郭の曖昧さをそっと物語る一作です。
“あったような、なかったような”――夢と現実の境目に立つような感覚が、やさしい語感のリズムに乗って広がっていきます。
甘さと苦さが交互に滲み、掴めそうで掴めない「きみ」の気配が、まるで指先からこぼれる光のように残る詩篇。
ひと言ごとの余白まで味わいたくなる、静かで繊細な作品です。
【大島蓮司さん】
琥珀色の光を軸に、過去と現在のあわいをしずかに漂うように描いた作品です。
バーの薄明かり、氷の溶ける音、グラスに揺れる影──そのひとつひとつが、女の心に沈む記憶と呼応し、読者をゆっくりと深い夜へと導いていきます。
彼女の静けさは孤独ではなく、むしろ“過去という名の温度”を抱えて立ち止まっている姿として浮かび上がります。語られない出来事の余白が大きいぶん、読む側の胸にやわらかく沁み込む感情の波がある。
忘れたいのに手放せない記憶。その美しさと痛みが、グラスの琥珀にそっと封じられたような、静謐で深みのある一篇です。
【⭐︎chobiちょび358⭐︎さん】
軽やかな会話文の奥に、微妙な駆け引きと胸の高鳴りが潜む小さな情景です。
“思い出の場所”という曖昧な言葉に隠された意図を探りながら、彼の心のざわつきが可愛らしく伝わってきます。
何気ない一言なのに、二人だけに共有された時間の輪郭がふっと立ち上がる――その予感が心地よい余韻を残す、さりげなくも甘い一篇です。
【カイロウドウケツさん】
日常の比喩をゆるやかに転がしながら、“思い出”の成り立ちを語る一篇です。
煮物という素朴な料理になぞらえることで、良いことも悪いことも全部まとめて受け入れていく人間味が、あたたかく、少し可笑しく滲み出ています。
ゆるい語り口の奥には、達観にも似たやわらかな哲学があり、読むと肩の力がふっと抜けるよう。
湯気の向こうに、誰にでもある生活の温度が立ち上る、滋味深い味わいの作品です。
【kazeさん】
昭和の空気を胸いっぱいに吸い込むような、あたたかな回想記です。
厳しい日々の背景がそっと影を落としながらも、描かれるのは子ども時代に確かに存在した“小さな幸せ”たち。畑の匂い、甘納豆から淹れた特別なコーヒー、駄菓子屋の甘い角砂糖、友人たちの家それぞれに漂う暮らしの音──どの場面も、その時の温度のまま立ち上がってきます。
淡々と語られながらも、記憶の一つひとつが宝物のようにきらめき、読む側まで懐かしさで満たされる作品です。昭和の優しい光と、子どもの目に映る世界の豊かさが、静かに心へ沁みていきます。
【財布野紐ゆるみさん】
夜の静けさとともに立ち上がる“あの頃のネットの匂い”を、今へそっとつないでいく物語です。
モデム音、クリアされるログ、画面に残る「~♪」。匿名性の中で交わされた淡い会話が、大人になった二人の現在と静かに響き合います。
過去は消えてしまったようでいて、ふとした拍子に再び灯る小さな光──その瞬間のあたたかさが胸に残る一篇です。
懐かしさとほろ苦さが溶け合い、思い出が思い出のまま優しく息づく物語として、静かで美しい余韻を放ちます。
【ABC共創ラボ|語りとAIの未来設計所さん】
カレーうどんの湯気に、親子の時間がそっと立ちのぼる──そんな静かな余韻を宿した一篇です。
無口な父と並んで麺をすする音、学生の寄り道、家に帰ったときの母の気配。どれも特別な出来事ではないのに、積み重ねるほど深く胸に沁みていく“日常の記憶”が丁寧に描かれています。
久しぶりに訪れた店で変わらぬ味に触れる瞬間、過ぎ去った時間の重みと、確かにそこにあった温度がそっと蘇る。
言葉少なな父との思い出が、カレーの香りとともにあたたかくよみがえる、静かで誠実な作品です。
【のほさん】
旅の途中でふいに立ち寄った小駅から、胸の奥に沈んでいた“苦味”だけが微かに立ち上る──そんな繊細な感情をそっとすくい取った一篇です。
よく思い出すほどの出来事ではないのに、確かに触れてしまった誰かとの時間。そのひび割れの隙間に残った感情の影を、静かな筆致で見つめています。
風景の冷たさと内側の痛みがやわらかく重なり、呼吸のようなリズムで物語が流れていく。
通りすぎたはずの駅が、ふと心に残り続ける場所へと変わっていく、その余韻の深さが美しい作品です。
【片桐みかんさん】
思い出のアルバムに命が宿り、写真たちが再び青春を始める——そんな軽やかで遊び心あふれる一篇です。
ページの中で続く恋の騒ぎや、45年という時をひょいと飛び越えていくユーモラスな会話が、懐かしさの中にほのかな可笑しみを添えています。
写真の笑顔が当時のまま生きている、という発想があたたかく、読み終えたあとにそっと胸が緩む物語です。青春を閉じ込めたアルバムが、静かに微笑み返してくれるような一作です。
【akashiba555さん】
軽妙な掛け合いのテンポが心地よく、ボケとツッコミの絶妙な往復で進んでいくコメディ仕立ての一篇です。
UFOだの盲腸だの“思い出した”ネタが次々と飛び出し、会話の流れに身を任せているうちに、ふたりの長い付き合いが自然と滲み出てきます。
ふざけ合いながらも互いを思いやる温度があって、笑いの奥にちょっとだけ人情が残る。
漫才のようなテンポと、庶民的な温かさが魅力の、読後にふっと笑みがこぼれる作品です。
【Ryuさん】
かつての街を歩きながら、変わったものと変わらないもの、その両方を静かに抱きしめるような一篇です。
失われた看板や姿を変えた商店街、もう存在しない日常の風景。その中で、たったひとつ変わらず残っていた“君のいた場所”が、胸にそっと触れてくる余韻が美しく描かれています。
過去に戻りたいわけではない。今は今で幸せだと知っている。
それでも、ふと立ち寄った街角であの頃の自分を見つめ直すと、懐かしさがほんのわずかに切なさを連れてくる——そんな大人の感情が、静かで誠実な言葉で綴られています。
戻らない時間をそっと見送り、再び“今”へ歩き出す姿が印象的な、温度の残る作品です。
【嫌儲さん】
闇の静けさと内面のざわめきが交差し、現実と幻覚の境界がにじむように描かれた一篇です。
“思い出になんて成らないで”という祈りにも似た執着が、孤独な部屋の温度や、乱れた呼吸の描写とともにじわりと立ち上がり、読者を主人公の閉ざされた世界へと引き込んでいきます。
愛憎の揺らぎ、理屈では整えきれない感情の濁り、そして彼だけの「現在進行形」を守ろうとする切実さ。そのすべてが静かに、しかし確かに胸を締めつけます。
理性と狂気のあわいをとらえた、濃密で幻想的な余韻を残す作品です。
【しらいし希枝さん】
圧迫するような重さの中でも、なお前へ進もうとする意志だけがほのかに灯っている──そんな強さと脆さが同居した短詩です。
痛みではなく“苦しみの記憶”だけが身体にまとわりつく描写が静かで、生々しく、言葉の少なさがむしろ深い余韻を生み出しています。
押しつぶされそうな日々のなかで、それでも「前に」と歩こうとする姿が淡く浮かび上がる、研ぎ澄まされた一作です。
【水玉さん】
冷たい鍵の感触から、ふっと蘇る金色の季節──静けさの中にやさしい余韻が広がる一篇です。
冬の空気に溶ける記憶、イチョウ並木の光、交わされた小さな約束。そのすべてが、忘れかけていた温度として静かに主人公の胸へ戻ってきます。
寄り添うように落ちる葉の気配、残された小箱と鍵が語るささやかなメッセージ。過去と現在がそっと結び直される瞬間が、淡く、あたたかく描かれています。
金色の世界を思い出にせず、未来へつなぐための“一言”が光る、しみじみと美しい物語です。
【足木元望睦さん】
穏やかな同窓会の空気が、じわりとねじれていく——その緩急が圧倒的な緊張感を生む一篇です。
ありふれた再会の風景の中に、最初は小さな「違和感」として忍び込む気配。それがページをめくるごとに肥大化し、記憶の綻びへ、そして“何か別のもの”が潜む異界へと読者を引きずり込んでいきます。
懐かしい笑い声が一瞬にして凍りつく落差、聞き慣れたはずの名前が異形へ崩れていく恐怖。その変質の過程が丁寧で、現実感と悪夢の境目があいまいになるぞくりとした余韻が残ります。
思い出のはずの写真が、実は“思い出ではない何か”への入口だったかもしれない──そんな背筋の冷える世界観が際立つ、見事なホラー作品です。
【小杉かほりさん】
正露丸の小さな粒から、ふっと立ちのぼる子ども時代の記憶──そんなやわらかな温度を描いた一篇です。
腹痛に泣きつく幼い自分、そっとお腹をさすってくれる母の手。その優しさが薬以上の効き目をもって痛みを和らげていく様子が、静かで穏やかな筆致で綴られています。
“正露丸”という生活の中のささやかな存在が、母のぬくもりと結びつき、ひとつの思い出として温かく立ち上がる。
読み終えると、ふと自分の中の懐かしい匂いや記憶まで優しく呼び起こされるような、しみじみとした作品です。
【ナツメグさん】
夕暮れの坂道と川の気配の中で交わされた、あの頃だけの“特等席の会話”がそっとよみがえる一篇です。
内容はたわいなくても、橋の上では世界の中心に立っていたような無敵感。ふたりだけの番組のように笑い合い、家に着く前に胸いっぱいに元気をチャージしていた時間が、柔らかい温度で描かれています。
今では簡単には取り戻せない無防備さと、あの頃の声の残響。その懐かしさが現在の生活へ静かに重なり、ママチャリで坂を下る姿にもどこか温かい余韻を添える作品です。
【適温より1℃低めさん】
紅葉色の髪、黒いスーツ、そしてキジ白の猫──三者の静かな関係が、朝夕のルーティーンの中で淡く積み重なっていく物語です。
鮮烈な色彩と穏やかな時間の流れが同居していて、日常のはずなのにどこか儚く、美しい。
猫には名前があり、彼女にはまだ名前がない。
月下美人が一夜だけ咲くように、彼女との距離もまた、触れられそうで触れられない儚さのまま終わりを迎える。その余韻が静かに胸へ残ります。
淡い光と影、そして言葉にしきれない想いが、そっと香り立つような繊細な作品です。
【てみさん】
朝夕の揺れとともに積もっていった“通学の記憶”が、静かに現在へ手を伸ばす──そんなやわらかな余韻を持つ一篇です。
個性的な車掌さんの声、夕陽の色、停留所の名前ひとつひとつ。何でもない日常の断片が、時間を越えて思い出の中でそっと輝きを放っています。
今では車掌のいない静かな車内でも、バスの揺れやブレーキの感触が、あの頃の自分につながる目に見えない糸となって残っている。
過ぎた時間を大げさに語らず、ただ自然に寄り添いながら描く、その語り口がとてもあたたかい作品です。
【でぶにゃん先生さん】
記憶を“移す”という未来技術を舞台にしながら、本作は恋人同士の深い情感と、その裏に潜む危うさを静かに炙り出しています。
喪われた三年間を取り戻すために踏み出した一歩は、やがて思わぬ方向へねじれていき、愛と自己像の境界が揺らぎはじめる——。
柔らかな愛情描写から、不穏な気配がじわりと滲み出す転調が印象的で、読後には胸の奥に静かなざわめきが残る作品です。
【藍出紡さん】
淡い情景が、わずか数行の言葉にそっと沈んでいくような小詩です。
夕陽に染まる海辺、消えてゆく足跡、紙ぶねの揺れ――どれも静かで儚く、ふたりで歩いた時間がそのまま波に溶けていくように感じられます。
過ぎゆく思い出を抱えながらも、そこに確かにあった温度を優しく照らす、切なく美しい一篇です。
【岩下だんごさん】
日常の何気ない電話から、静かに過去がほぐれはじめる――そんな穏やかな導入が、いつのまにか胸の奥をひりつかせる物語です。
老いた隣人と少年時代の出会い、盗んだ小さなフクロウ、積もりすぎた“思い出の品々”が形づくる家。その風景はどこか滑稽で、けれど不思議な温度を帯びています。
忘れられたもの、抱え続けたもの、そして自分の中にも溜まっていく“片づけきれない記憶”。
軽やかな語り口の奥から、そっと人生の重みがにじむ――そんな余韻深い作品です。
私の作品はこちら!
ちなみに・・・!
もっと自由に創作を楽しめる場所を作ってみたくて、
小さな部室のようなメンバーシップをはじめました。
ふらっと、立ち寄ってもらえたら嬉しいです!
今回のお題はこちらから!↓
風まかせ文芸部についてはこちらから!
