ズッキーニの肉巻きと、スーパー2件目のじゃこ天
娘のお弁当を作る日は、なんとなく緊張する。
夫のお弁当は二十年近く作っているから、もはや手が勝手に動く。
しかし娘のとなると、また話が違うのだ。夫は何を入れても「うまい」と言う人間なので、こちらとしては気が楽である。娘は、娘なのである。
そういうわけで今日は、少しがんばった。

ズッキーニをピーラーで薄くスライスして、その上に豚肉を重ねてクルクルと巻く。

フライパンにオリーブオイルを熱して焼いていくと、断面がなんだか手まり寿司みたいできれいで、「あ、私ちょっとできるな」という気持ちになった。

味つけは塩と胡椒だけなのに、そういう気持ちになれるのだから、料理というのは不思議なものだ。
卵焼きは、卵焼き器の半分で作った。

娘のお弁当箱は夫のものより小さいので、いつもの量を作るとはみ出てしまう。だから半分。白だしと砂糖で味をつけて、くるくると巻く。

それだけのことなのだが、卵焼き器の半分しか使わないというのは、なんとなく少し、さびしい感じがした。
器に対して食材が足りていない状態というのは、なぜかしんみりするのである。
ご飯は黒米入りで炊いて、しらすと胡麻を混ぜた。昨日の野菜炒めの残りも一緒に詰める。

残り物が翌日のお弁当に入る瞬間というのは、「食べ物を無駄にしなかった」という小さな達成感がある。誰かに報告するほどのことでもないが、ひそかに満足するのだ。
蓋を閉めると、お弁当箱がぱちんと鳴った。

そういえば娘は、大学が始まった頃は自分でお弁当を作ると言っていた。
何度か作ったのも覚えている。でも今はもう全く作っていない。大学生というのはそういうものかもしれない。そういうものなのだろう、と私は思うことにしている。
さて、話は変わるが、今日の夕飯に「じゃこ天」なるものを食べた。
いつも読みに行っているさつきさんが教えてくれた食べ物で、私はその名前を聞いたことすらなかった。
スーパーを2軒まわってようやく見つけたとき、「あった!」と思わずつぶやいた。誰もいない売り場で、一人でそうつぶやいた。

大根おろしをたっぷり添えて、醤油をたらして食べると、魚そのものな感じがした。
魚そのもの、という表現が正しいかどうかはわからないが、そうとしか言いようのない味がした。素朴で、まっすぐで、なんだか正直な食べ物だと思った。
娘のお弁当も、じゃこ天も、今日はなかなかよい日だったのではないかと、私は思っている。たぶん。
🍱 今日のお弁当メモ
• ズッキーニ(ピーラーでスライス)・豚薄切り肉・オリーブオイル・塩・胡椒
• 卵(白だし・砂糖)
• 黒米入りご飯・しらす・胡麻
• 野菜炒め(昨日の残り)
🐟 おまけ:じゃこ天・大根おろし・醤油
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