年に一度の大仕事キャラ弁
年に一度の大仕事お正月が明けると、毎年一回か二回だけ、私は「やってやろう」という気持ちになる。
普段のお弁当は、まあそれなりである。卵焼きを入れて、昨日の残りを詰めて、すき間に何かを押し込んで終わりだ。それでいいと思っている。二十年近くそうしてきた。
でも年の初めだけは、なんとなく違う気持ちになるのである。
今年は午年だった。だから馬のお弁当を作ることにした。決めたのは朝ごはんを食べながらで、なんとなくそういう気分になったのだ。深く考えたわけではない。

まずさつま揚げで馬の顔を作った。
二枚のさつま揚げを丸く整えて、海苔で目をつけて、カニカマを手綱のように横に渡した。
耳は小さく切ったさつま揚げをちょこんと乗せる。二頭並べると、なんとも言えない顔をした馬が二頭できあがった。
目が少しずれているような気もしたが、それもまあ味というものだと思った。

門松はちくわで作った。きゅうりとブロッコリーをちくわに差し込んで、カニカマで結ぶ。
なるほど、確かに門松に見える。見えるといえば見える。正月っぽい。えらいぞ私、と思った。
人参を豚肉で巻いて、照り焼き風にした。
オムライスはたまごで包んで、はんぺんを星型に抜いたものを上に並べた。黄色い空に白い星々が並ぶ感じになった。
お弁当箱の中にちょっとした夜空ができた。
全部詰めると、なかなかにぎやかなお弁当になった。

旦那はお昼にそれを開けたらしい。職場で見物人がいたという。そりゃあそうだ。
五十代の男が、馬の顔のお弁当を取り出したのだから。旦那は何か言ったのだろうか。
いや、聞かなかった。聞かなくてもいいような気がした。
年に一回か二回しか作らないキャラ弁だが、毎年これをやると「ああ、今年も始まったな」と思う。特別なことではない。
ただのお弁当だ。でも干支のお弁当を詰めた朝は、なんとなく一年の始まりという感じがするのである。
来年は何年だったか。また朝ごはんを食べながら思い出すことにする。
🍱 今日のお弁当メモ
• さつま揚げ(馬の顔)
• カニカマ(手綱・門松の結び)
• ちくわ+きゅうり+ブロッコリー(門松)
• 卵(オムライス)
• はんぺん(星形飾り)
• にんじん(巻きおかず)
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