マグロのテールと、私の見込みの甘さについて
スーパーというところは、油断していると思わぬものが目に飛び込んでくる場所である。
今日もそうだった。鮮魚コーナーをぼんやり歩いていたら、見たことのない丸い切り身が目に入った。「天然マグロ・テール」と書いてある。テール。つまり尾っぽである。

値段を見ると、お手頃であった。お手頃、というのは私にとって最強の言葉で、これさえあれば大抵のものを買ってしまう。よく考えれば、お手頃だからこそ売れ残っているのかもしれないのだが、そういうことは買い物の最中には考えないようにしている。
家に帰ってパックを開けてみると、断面がなんだか不思議な形をしていた。

中心に丸い穴のようなものがあり、そこから放射状に身が広がっている。
骨というよりは、軟骨のような白いかたまりが真ん中に居座っている。魚の尾っぽというのは、こういう構造になっているらしい。
知らなかった。長く生きていても、知らないことはまだまだあるのだと思った。

大根おろしを多めに用意した。こういう脂の多そうな魚には、おろしが合うに決まっている。何の根拠もないが、長年の経験というか、勘である。
オーブンを230度に熱して、20分焼いた。焼き加減については特に深く考えなかった。とにかく中まで火が通ればいいだろう、という程度の判断である。

焼き上がったものを食べてみると、これが思いのほか脂がのっていて、美味しかった。尾っぽというのは身が締まっているイメージがあったのだが、実際は逆で、とろりとした脂が骨の周りにたっぷりとついていた。
大根おろしと一緒に食べると、ちょうどよく中和されて、いくらでも食べられそうな気がした。
気がした、というのがポイントである。実際にはそうではなかった。見た目以上にボリュームがあって、結局最後まで食べきることができなかった。「いくらでも食べられそうな気がする」という感覚と、「実際に食べきれるかどうか」は、まったく別の話なのである。私はそのことを、また今日も思い出した。何度目だろうか。
まあ、残った分は明日また食べればいい。マグロのテールは、逃げない。
🍽 今日の料理メモ
• 天然マグロ テール(大西洋産・加熱用)
• 大根おろし
• 230℃のオーブンで20分焼成
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