フリーランスなイラストレーターのワークライフバランス
同調圧力の圧力鍋国家
自民党の高市総裁が、新総裁選出後のあいさつで、発した言葉。
私は約束を守ります。全世代総力結集で、全員参加で頑張らなきゃ立て直せませんよ。だって、人数少ないですし、もう全員に働いていただきます。馬車馬のように働いていただきます。私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます。働いて働いて働いて働いて働いて参ります。
当然、SNSで物議を醸した。Xではワークライフバランスがトレンド入りし、Threadsでも、このワードが飛び交った。
起業家や、経営者の一部は彼女の言葉を讃美した。しかし、この国のトップの座につかんとする人に、自ら休みなく働くと言われたら、下の者もそうせざるを得なくなると懸念する声も多くあった。この国は、同調圧力の国だ。疲労とストレスでパンパンに膨れ上がった圧力鍋の中で、他人の目を気にしながら生きる国民がこの国を回している。
私が元々いた広告系の映像業界は、完全にワークライフバランスを欠いていた。平社員からバリバリのしあがって、会社を盛り立て、経営者側になられた数年後、突然若くして亡くなった方を知っている。
私が新人の時などは、月曜から金曜の夜まで働いても、土日は休みにならない。エンドレスで月曜につながる。基本休みが来るとは思わない方が良い。有給も、代休も消化できない。そんな業界だった。ワークライフバランスなどという言葉は聞いたことがなかった。結果、私は身体を壊した。私なんかよりバリバリ働いていても、全然元気な人の方が多かったので、私が向いていなかったのだと思う。
そして、フリーランスの絵を描く人になった。
ワークとライフの癒着
なので、ワークライフバランスは大事!と私もSNSにポストした。しかし
そのあと、よくよく考えてみた。
私の、ワークとライフのバランスは取れているのか?
私の作業場は自宅。出勤0分。電話やメールが来たら即時対応可能な環境だ。フリーランスになってこのかた、ワークとライフが渾然一体となってビッチリ癒着している。家にこもって、朝から晩まで年がら年中絵を描いている。ワークとライフのバランスもへったくれもない。世間が長期休暇でも黙々とペンを走らせていたりする。もはや、ワークがライフで、ライフがワークである。常に仕事のことを考えている。
ハンターハンターの念能力で言えば、平日だろうが、休日だろうが、常時攻防力50を保っている感じで、完全に「絶」になることは滅多にない。というか、むしろ「絶」れない。
子供と遊んでる時、洗濯物を干してる時、映画を見ている時、どんな時も、頭のどこかで、仕事のことを考えている。目の前で、息子がおとぼけた行動をすればどう描けば面白く伝わるかなどと構図を考えている。ワークライフバランス大事などと、どの口が言っているのか。
とここまで考えた時、Threadsで同じくイラストレーターをやってる芦野さんのポストが目に入った。
ん?そう言われてみれば、自分も似たような生活をしているような…。そもそも、ライフを大事にしたいと思って、フリーランスになったのだった。
スイッチが自分の手にあるという幸せ
朝起きて、洗濯物をたたみ、家中に掃除機をかけ、植木に水をやり、子供を幼稚園に送り、仕事をし、お迎えついでに八百屋に行き、米を研ぎ、洗濯物を干し、休日は末っ子にせがまれカマキリを探し、娘たちと缶蹴りをする。絶対に見たい映画は、初日の初回を見に行くし、幼稚園の芋掘りにも行く。睡眠は平均6時間程度。混んでいる長期休みは避け、別の期間に遠出したりもする。それでも、私と妻、子供3人が生活する稼ぎは確保できている。
(※料理はできるが、妻にあまりいい顔をされないのでもっぱらカレー担当。)
おやおや?これはだいぶ、バランスが取れているのでは?
そういえば、先ほどのハンターハンターの常時攻防力50の例えで言えば、ワークが50であれば、ライフも50なのだ。ワークをやってる時は、ライフもやっている。勤務先が握っていたワークとライフのスイッチを自分で切り替えられる。
ただし、そのスイッチはON/OFFで完全に切り替えるロッカースイッチではなく、ホットプレートについているダイヤルスイッチなので、加減が可能だ。おかげで、混雑をさけて平日遊びに行けるし、子供たちの行事がある日は誰にも気兼ねすることなく仕事を休みを入れることができる。
働き方は向き不向きがある
育児、家事ができるのもこの働き方をしているおかげだし、自分のビジネスのために考え、行動し、結果が出るのは楽しい。ただ、フリーランスは向き不向きがある。営業も、経営も、製造も、経理も、全部自分でやらないといけない。だが私自身には、この働き方が合っていると思う。(※結婚後、経理は妻がやってくれるようになったので非常に助かっております。)
そもそもフリーランスと、政治家や官僚の働き方は全く違う。それこそ、スイッチを総裁に握られているようなものだ。ホットプレートも常にマックスで加熱していたら、焼肉は焦げ焦げになってしまう。給料は上がらず、物価ばかりが上がり、アベノミクスの円安で土地が海外の資本家に売られ、圧力鍋はすでに限界ギリギリまで膨れ上がっている。蓋が吹っ飛ぶのも時間の問題だ。果たして、高市新総裁の手腕やいかに…
とかなんとか言っていたら、裏金問題という宿題に明確な返答をしなかった高市氏に公明党が連立を離脱してしまった。これ幸いとばかりに参政党が高市総裁に擦り寄ってくるのか、それとも高市総裁が参政党に擦り寄るのか?はてさて、日本の明日はどっちだ。
それでは、長文読んでいただきありがとうございました。
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