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【Netflix】「BTS: The Return」監督が語る、ドキュメンタリーの裏側【バオ・グエン】


一周回ってもう一回追い付かれた

私は普段、Xなどで「〇〇がBTSバンタンについて言及しました!」というポストを見かけたらとりあえずソースを探して斜め読みし、いい内容があるとnoteの下書きに貼って宿題にしておきます。

しかし、ワールドツアーを追いかけるのに夢中で手が回らず、下書きが積み上がる一方でした。五月も後半戦に入った今頃になって、ようやく消化している有様です( ;∀;)

そろそろ一段落だと思うのですが、書いてる間に次が来るのがリアルタイム推しの恐ろしいところですよね。クラシック推しだと関係者が全員虹の橋の向こうにいるので、この忙しさには生の躍動感を覚え感動すらします。

今回ダッシュでやって来たのは、ドキュメンタリー「BTS: The Return」の監督です。しかも、英語のポッドキャストで1時間以上喋ってる……!
こないだ音楽プロデューサーのNITTIが50分以上喋ってて白目になりましたが、それを軽く超えてきました。恐ろしい子……!!( ゚Д゚)

でも聞きたい!!という欲望が勝ち、夜中延々と流し続けた結果がこの記事です。iPadなら文字起こしが出ると教えてもらったのですが、私のタブレットが子どもの宿題用に借りられてたのでまだ確認できてません……一緒にポッドキャストで英語の勉強しようよ……。

発言元

主にアジア系アメリカ人の社会で起きている出来事について取り上げているポッドキャスト番組「They Call Us Bruce」が、インタビュー元。監督は何度も出演経験があるようです。

Jeff(ジェフ)とPhil(フィル)は、友人であり映画監督でもあるBao Nguyen(バオ・グエン)を再びゲストとして迎え入れます。
彼はNetflixのドキュメンタリー「BTS: The Return」の監督を務めており、この作品は、世界的なポップ・スーパーグループであるBTS(Jin・SUGA・j-hope・RM・Jimin・V・Jung Kook)が再集結し、待望のカムバックアルバム「ARIRANG」をレコーディングする姿を追ったものです。

Baoは、世界最大のグループに同行し、ひと夏を一緒に過ごしたことについて語ります。また、BTSの仲間意識、芸術性、そして巨大なファンベースに対する彼ら特有の献身的な姿勢を親密な視点から垣間見たことや、キャリアにおけるこの極めて重要な時期に、国と文化を代表することがBTSにとって何を意味するのかについても語ります。

さらに、「BTS: The Return」制作における「良かった点」「残念だった点」「最大の驚き」についてもお届けします。

「They Call Us Bruce: They Call Us BTS: The Return」の番組紹介より

Apple Podcastsはこちら。

話の内容にかぶる部分があるので、こちらのインタビューも一緒にどうぞ!
ドキュメンタリー感想の下部にも、監督発言を収録してます。

注意書き

申し訳ないですが、素人仕事なので品質保証はしかねます💦
引用する時は、この記事へのリンクを貼っていただければと思います。
※非常に長いので、要約と抜粋を織り交ぜて再構築しています。見出しは私がつけました。
※「オデュッセウス」って何やねんという人は以下を参照してください。

英雄オデュッセウス
女神アテナに愛された智将。トロイの木馬を考案した。
トロイア戦争で10年戦い、妻子の待つ故郷へ帰るため更に10年も流離う羽目になった、わりと気の毒な人。

「ギリシャ神話」からざっくり説明

They Call Us BTS: The Return

2026/5/16

ドキュメンタリーの構想

BTSのドキュメンタリー制作を引き受けた経緯

・当時、HYBE Americaの映画・テレビ部門の社長であるJames Shin(ジェームズ・シン)と友人だったので、LAのSoFiスタジアム公演(PTD on Stage)を見に行った。
・BTSとARMYとの親密な関係性や兵役による別れは、ギリシャ叙事詩の「オデュッセイア」のようで、Jamesに何かやろうと提案した。
・当初は兵役中の密着撮影を構想したが、プライバシーや安全上の理由から実現不可能だった。
・数年後、BIGHITから「彼らの帰還の物語を語ることに興味はありますか?」と打診され、そのチャンスに飛びついた。
・過去の出来事ではなく、現在進行形の物語を描けるという映画監督としての挑戦に魅力を感じ、このオファーを引き受けた。

要約(3:09~)

最初に浮かんだイメージはトロイア戦争により10年も引き離されたオデュッセウスと妻だったけれど、実際に映画で描かれたものは「友人たちの再会であり、家族の再結成」だったところが面白い、とMCが語っています。
監督も同意していて、彼がバンタンを知り彼らの魅力の本質に気付いた様子が窺えます。

壮大な英雄の帰還ではなく、ただちょっとしたお泊りキャンプのような、男の子たちが「久しぶり」と言い合いながらラーメンを作り、昔のビデオを見て笑いあうような風景。
それが一番、バンタンには似合うのかもしれません。

撮影手法と親密な視点

撮影期間による内容の制限

撮影期間が限られていたため、リリース後の華やかなステージといったドラマチックなシーンは使えないなどの制約が多い中、監督はアルバム制作の中での物語や彼らの親密さに焦点を当てようと決めたそうです。

そこで私は、「OK、これは何かから離れてそこに戻ってきた時、どんな風に感じるかについての映画だ。自分は同じ人間のままなのだろうか、戻ってきた世界は同じ世界なのだろうか?」と考えました。
それは、「これから軍隊に行きます」というようなものより普遍的だと思いました。Jeffが言ったように、特殊部隊の映画にしてしまうよりもです。

これは言っておくべきですが、Vは特殊部隊にいる時のビデオを送ってくれたんですよ。それはすごくクレイジーで、「これをどう使えばいいんだ?」って感じでした。
いつか公開されるでしょうし、ARMYはきっと私にそれについて訊いてくるでしょう。そんな映像が存在するというニュースを、このポッドキャストで初出ししてしまいましたね。

バオ・グエン監督(11:22~)

興味深いことに、私たちはもっと早い段階で撮影を始めることもできました。Jinはソロツアー中で、彼らがLAでの滞在を終える前の最後の2〜3週間になるまで、ソングキャンプには合流していなかったからです。
しかし、私は「この映画は7人揃ってこそのBTSを描く作品だ」と考えていました。物語の起点を別の時期に設定することもできましたが、Jinが到着するまで、この映画は本当の意味では始まらないと思ったのです。

繰り返しになりますが、あらかじめこうした明確な構想を持っていなければ、手当たり次第にすべてを撮影しようとしていたはずです。
私は、この7人の若きアーティストたちが再び集結する姿を映画の主軸にしたいと予め決めていました。

そして撮影が進むにつれて、メンバーの間にある深い愛情や兄弟の絆といった、また別のテーマも浮き彫りになってきました。
そうした絆が元々存在することは前提として理解していましたが、長期間離れ離れだった彼らが、再び共に創作活動をするために集まった時、ミュージシャンではない私には到底予測できないような、特別な化学反応が起きたのです。

バオ・グエン監督(12:38~)

プライバシーの境界線は誰が決めるのか

グローバルスターであり厳重なブランド管理が行われているBTSの撮影に関して、制約はあったか?というMCの質問に対し、メンバー自身にビデオカメラを渡すことでホームビデオのような飾らない視点を取り入れた、と監督が語っています。
(MCの「普段は彼らのパジャマ姿なんか見られないと思いますが」という言葉に笑ってしまいましたw)

興味深いのは、参加者と映画製作者の関係を超えて、私たちが対処しなければならなかった異文化間コミュニケーションの問題もあったことです。HYBEは韓国の企業であり、私はアジア系アメリカ人で、こういった種類の映画の作り方には違いがあります。

過去には、BTSのドキュメンタリーのほとんど、いや全てが内部チームによって制作されてきました。これは彼らが外部の人間を許可した数少ない機会の一つであり、働き方が異なります。
だから私はたくさんの手紙を書きました。私のキャリアの中でおそらく最も多くの手紙を書いて、なぜ映画のためにこれが必要なのか、あるいは私の意図は何なのかを説明しました。それは助けになりました。

バオ・グエン監督(17:10~)

事前に映画制作の意図やテーマを大量の手紙で丁寧に説明した結果、監督の望んだものはほぼ受け入れられたそうです。
「BTS」の規模を考えると、どれだけ注意しても足りなかったと話す様子に、凄まじいプレッシャーがあったのだろうことが窺えました。

しかし、レーベルは彼らのことを熟知しており、初期の頃からサポートし、常に寄り添ってくれました。
興味深いことに、映画の中に少し出てくる部分なのですが、パン議長が「君たちはもう、自分たち自身で決定を下すキャリアの段階にいる」と言う場面があります。
私からK-POP業界全体について語ることはできませんが、BTSに関して言えば、彼らには極めて大きな主体性が委ねられていました。それは単に権利を勝ち取ったからというよりは、キャリアにおいてすでにその段階に達しているためです。

だからこそ、私はメンバーに対し、何を見せたくて何を見せたくないのかといった点について、直接意見を交わすことができました。
彼らはそれぞれ異なる7人の人間です。ここまでBTSをひとつの集合体として語ってきましたが、実際には全く異なる7人の個人と対話し、全員にとって最適なアプローチを共に築き上げようとしているのです。

バオ・グエン監督(18:35~)

膨大な映像を物語として組み立てること

MCが、この映画を見て「あの雑談の場にいて彼らと一緒にくつろいでいるけど、私はこんな話を聞いていいのだろうか?」という違和感を覚えた、という話をしています。
あまりにプライベートな部分に入り込み、バンタンの話を立ち聞きしているような感覚を覚えたそうです。

監督はそれに対し、ホームビデオが映し出す親密な距離感がその感覚を生じさせたのは意図的であり、あなたは招かれているのだと答えています。
ホームビデオの親密さと、よりコントロールされた映像をミックスすることにより、共にレコーディングルームに放り込まれているような感覚を求めたのだそうです。

車でのインタビューは、本当に偶然起こったものです。Jinが車に乗っているところを撮影し始めたんですが、私はただ車に乗っている彼のショットが欲しかっただけなんです。LA出身の人ならわかると思いますが、ただドライブすること、あるいはドライブしてもらうことほどLAらしいことはありませんから。

だから私はただその瞬間が欲しかっただけだったんですが、Jinが突然話し始めたんです。
この静かな時間。私はNYに長く住んでいたので、ニューヨーカーは運転が多いLAを嫌います。でも私は、振り返ったり自分自身と向き合う時間が好きなので、車の中の時間が大好きです。一人になれて、世界に溶け込めるからです。グループもそうしていたのだとわかりました。
ええ、彼らはただ話し始め、それが私が本心を聞き出せる時間になりました。

バオ・グエン監督(26:53~)

こうして、スタジオへの行き帰りの時間(片道30分)が、インタビュータイムになったそうです。

バンタンの葛藤と結論

『Body to Body』と『アリラン』

MCが興味深い質問を投げかけています。
この映画最大のドラマは『アリラン』の採用を巡る議論であり、その中で「これは韓国的すぎるか、十分に韓国的か、私たちがどれくらい韓国的であるべきか」という葛藤があったが、このイメージに関わる大きな賭けは最初から映画の主軸になりうると認識していたのか、というものです。

ごく初期の段階で、監督はBIGHITスタッフから「メンバーはみんなとても優しくて礼儀正しいので、対立やドラマは起きないだろう」と予め念を押されており、映画監督としてはちょっとドラマがあってもいいんだけど、やっぱりプロだから完璧にこなして帰るのかなというイメージを持っていたそうです。

やって来た時、彼らは「どうやって再びBTSになるのか? 自分たちのアイデンティティは何なのか? 兵役前の自分たちに戻るのか、それとも離れていた数年間で形成された新しい何かとして戻ってくるのか?」といった不安をたくさん抱えていました。

バオ・グエン監督(32:00~)

この不安を、監督はアジア系アメリカ人の立場から、共感を持って見たようです。
要するに、自分や同じ立場の人々の中で常に行われている「アジア」と「アメリカ」の綱引き、もしくは揺れ続けている天秤を、BTSが抱える「どのくらいグローバル化し、どのくらい韓国を維持するのか」の葛藤を重ね合わせたという意味だと思います。

レーベルの功績として言っておきたいのは、これらは会話であり、要求ではなかったということです。内部では議論が交わされていました。すべての芸術は素晴らしい議論から生まれると私は思っています。

もしレーベルが「OK、もっと英語を入れるべきかも」とか「『Arirang』のサンプルをもっと長くすべきだ」と言及しなければ、どうなっていたでしょう。
興味深いことに、それらは英語を増やすアプローチや自国のルーツをどれくらい取り入れたいかという尺度において、両極端に位置しています。これらの疑問を提起したことで議論が深まり、楽曲やアルバムをより良くするのに役立ちました。

バオ・グエン監督(33:00~)

ジン君帰国後、バンタンが夜のバルコニーで会話していた内容は、監督にとっても一つの答えになったようです。

誰が言ったか正確には覚えていませんが、「コンセプトとしてこのアルバムを作るとき、何があろうとそれは自分たちバージョンの『Arirang』になる」というようなことを言います。それは私にとって、私がアメリカや自分自身についてどう考えているかのメタファーのようでした。

バオ・グエン監督(34:10~)

言語の壁と通訳の苦労

監督はベトナム系アメリカ人で、韓国語がわかりません。
7人のメンバーが同時に話すバンタントークを乗り越えるのは、予想以上に大変だったそうです( ;∀;)

会話を聞きつつ、イヤーモニターを通して韓国語翻訳スタッフが同時通訳してくれていたそうなのですが、最初は言葉だけ訳されていて誰の台詞かわからず、「RMって言ってから何言ったか訳してほしい」といったバンタン同時通訳ルールを作り上げていくことで、ようやく大枠を理解しながら質問を掘り下げていくことができるようになったそうです。

だから、撮影中BTSメンバーが大体何を議論しているのかはわかっていましたが、小さな瞬間が本当に一つにまとまったのは、最後の方、編集の時でした。
『Body to Body』で『Arirang』のサンプルを初めて聞くことについて議論しているシーンのように。

それは映画の中で私のお気に入りのシーンの一つですが、私はそこにいませんでした。何故なら、彼らが自分たちのビデオカメラで撮影したものだからです。
Jiminとj-hopeが、初めて聴いたサンプルにただただ夢中になっているところです。そしてVは、彼の顔を見ればわかります。「僕が感じていない何を彼らは感じているんだろう?」というような。
そこにRMが入ってきて、こういう仕草をします。j-hopeがビートに夢中になっている間、RMはSUGAを見て、ただ「いや、これじゃない」という感じで。

そういった瞬間は、私たちが映像を見るまで存在することすら知りませんでしたが、後になって、私たちが映画のより大きなテーマや対立の一部だと知っていた事柄と結びつけることができたのです。

バオ・グエン監督(35:53~)

MCの二人の間でも、「アリラン」への受け取り方は少し違ったようで、興味深い意見交換が続きます。
「BTSはアイデンティティをどこに据えるのか」
「BTSは空白を乗り越え、その存在を自分達と世界に再度示せるか」
といったテーマをこの映画から受け取ったという話が語られます。

映画の中でも語られていた「クロノスとカイロス」を引き合いに、兵役によって失われた時間やリリースまでのカウントダウン、限られた時間の中で楽曲にどこまで韓国の要素を取り入れるか決断しなければならないという彼らの緊迫した状況に言及されていました。

最終的にアルバムを本当に楽しめましたが、なぜその緊張感があったのかも正確に理解できました。
『Arirang』のこの拡張されたサンプルを入れるべきか? 韓国人以外の人々の多くは、それが何であるかさえわからないでしょう。そして韓国の人々は、それが一種の迎合だと感じるかもしれません。
全く入れないでおくべきか? しかし、そうすると実際のアルバムにもっと韓国語を取り入れるべきかもしれない。これもまた、グループが常に交わしていたもう一つの大きな会話だったと思います。

とにかく私にとっては、あなたがそれらすべてを非常にうまく提示し、物語を押し付けるのではなく、ただそれ自身に語らせたように感じられました。

MC(39:43~)

監督の特権と苦悩

メンバーと過ごしたそれぞれの時間

Jiminと一緒に彼の車に座ったり……Jinとは少しだけテニスをする機会がありました。Jung Kookが何ヶ月ぶりかにバムに会った時一緒にいたり、Vがドジャースタジアムでの始球式を目前にして少し緊張している時一緒にいたり。
RMには時間に関する本をプレゼントして、Paul Thomas Anderson(訳注:アメリカの映画監督)について話しました。

私自身は、SUGAに一番似ていると感じています。
静かに観察していて、彼が何か言うと、思わず身を乗り出して聞きたくなるような、そんな人です。

そして最後にj-hope。彼が陶芸のセッションをしている時に一緒にいたのですが、普段何を飲むのか訊かれてウィスキーだと答えたら、私に小さなウィスキーカップを作ってくれました。

バオ・グエン監督(45:42~)

※ホビが訪れた陶芸スタジオのInstagram

制作における「良かった点(the good)」

人々がなぜBTSをこれほど愛し、賞賛するのかを理解できたことについて言ったことに付け加えるなら、この全てにおけるもう一つの良いことは、メンバー達がファンだけでなく国のために背負っている重みに気づいたことだと思います。
韓国を世界に代表するということは、今まで考えたこともありませんでしたが、今考えてみると明白に思えます。しかし、韓国を代表するために彼らが自分たち自身に課しているプレッシャーは計り知れません。

他の現実のアーティスト、Taylor Swiftがアメリカ全体を代表しているわけではないし、Harry Stylesがイギリス全体を代表しているわけでもありません。
しかし、良くも悪くもBTSはこれらの文化大使になっており、彼らはそれを非常に優雅に、尊厳を持って、そして創造性を持って対処してきたと思います。それがこの映画制作のプロセスから得た良いことでした。

バオ・グエン監督(48:35~)

制作における「残念な点(the bad)」

世界中のファンが見たいと思っているであろう素晴らしい瞬間を、決して見られることのないままたくさん切り捨てなければならなかったことです。

様々な曲をやっている彼らをたくさん撮影しました。そして映画は持続的な芸術形式です。何かを作るために90分から2時間が与えられます。
特定の視聴者に本当にインパクトを与えるだろうとわかっているものを残しておくのは嫌ですが、必ずしも全員を満足させることはできません。

バオ・グエン監督(50:21~)

バオ・グエン監督はARMYからの反応もよく読んでいるようで、ファンがBTSに寄せる深い称賛の念を前に、「すべてを与えられたらいいのに」とつぶやいています。
しかし映画は限られた時間の中で作られる芸術であり、もちろん最善を尽くすけれども、できればBTSにも映画製作者にも寛容さを与えてほしいと願っています。

BTSがどれほどのプレッシャーを受けているかを見るでしょう。おそらくこちらの方が『the bad』の答えとしてふさわしいかもしれませんが、期待に応えるために物事をしなければならないと感じているため、アーティストが自らに課すプレッシャーです。

映画の中でもその会話があります。Jinが戻ってきた時、「僕たちが楽しんでやっている限り、ファンは僕たちが何をしても喜んでくれると思わない?」と話すところです。
ファンや業界、ビジネス面からの大きな期待が渦巻く環境の中では、どれだけ多くの人に注目されているかといった成果ばかりが重視されがちです。しかし、ただ純粋にものづくりを楽しむこと自体にも確かな価値があるということを、私たちはつい忘れてしまいます。

バオ・グエン監督(52:10~)

ちなみにこのポッドキャスト放送時点で、「BTS: The Return」はRotten Tomatoes(訳注:映画批評サイト)の批評家スコアが100%であり、否定的なレビューが一つもなかったそうです。

制作における「最大の驚き(the WTF)」

私が『BTS: The Return』の制作を許可されたこと自体です。
これまでのキャリアで最大の特権だったと、いくら言葉にしても足りません。私がオデュッセイアについて言ったちょっとした一言が、この映画になったんですから。
(中略)

サンタモニカで彼らと一緒に過ごしたり、サッカーしている姿を見たりしたこと、映画全体が私にとって『the WTF』な瞬間でした。
あの部屋にいて、このプロセスを聞くことができるなら、世界中のお金を集めるよりも多くのお金を払う人がたくさんいるとわかっていますから。

バオ・グエン監督(55:45~)

BTSが変えた、「アジア人」の姿

三つの質問の後、監督は短いエピソードを語りました。

「LAか、おそらくアメリカのどこでも、7人のアジア人の男がいたら、みんなただBTSと呼ぶだろう」と冗談を言ったことがあります。それは影響力があるということです。

面白い話があって、昔は(アジア系の人々は)皆がブルース・リーと呼ばれ、それからしばらくはジャッキー・チェンと呼ばれていました。私が南アフリカで映画を上映していた時、現地の子供が私に近づいてきて「PSY、PSY」と言ったこともあります。

それが進歩なのかどうかはわかりませんが、もし私がBTSのどのメンバーで呼ばれたとしても、あるいは間違えられたとしても、それは進歩であり光栄なことだと受け取ります。

バオ・グエン監督

感想

男性三名の英語会話なので、すごい難しかったです……。もし聞き分けが間違ってる部分があれば教えてください。すみません( ;∀;)

監督が語る逸話だけでなく、MCを含む三名が「アメリカから見たBTS」や映画を語っている部分も、興味深かったです。
日本人女性である私からは出ない感想もあり、特に「アジア系アメリカ人」という立場からの共感には、そういう部分でのシンパシーがあるんだ、と気づかせられました。

この監督は発言が多いタイプだなと思っていたのですが、「認識を擦り合わせるためにたくさん手紙を書いた」という話が語られていて、そのおかげで記録がたくさん残ってるんだなと思いました。なるほど!

バンタン会話は難易度が高すぎる

「7人同時に喋るバンタンは手ごわかった」という話は他のインタビューでも出てたんですが、ここでも語られてましたね~💦

録音用マイクの音声をイヤモニに送ってもらい会話はわかったが、問題は7人が同時に話すことだった。

「【Netflix】7人同時に喋るBTSとバオ・グエン監督【兵役】」より

私も毎回苦しんでるんですが、バンタンって同時に喋るし合いの手も多いし、その上時々「各個人でありながら一体」みたいな喋り方するんですよね。文脈を全員が共有してるから、1つの文章を複数人で完成させるんです。キングギドラかヤマタノオロチみたい。

それが普通になるくらい、長い間一緒に喋り続けて来た人たちなんだなと感じますが、聞き取りスキルが全然上がりません。
日本語字幕職人さんすごいな、といつも感動しています( ;∀;)

バンタンのドキュメンタリーの大半はパク・ジュンス監督が撮ってるんですが、韓国人だからそういう苦労は少なかっただろうと思います。いや、同時に喋る難易度は……どうかな……。

Jung Kook: I Am Still
Jimin's Production Diary
SUGA: Agust D Tour D-Day the Movie
SUGA: Road to D-DAY
J-HOPE IN THE BOX
RM 'Indigo' Album Magazine Film
BTS: PERMISSION TO DANCE ON STAGE – LA
BREAK THE SILENCE: THE MOVIE
BRING THE SOUL: THE MOVIE
Burn the Stage: The Movie
Break the Silence

パク・ジュンス監督作品(TXTのも撮ってる)

車内で撮影されると語ってしまうバンタン

車内で移動中の風景を撮ろうとしたらジン君が語り出し、それ以来移動中がトーク収録タイムになったっていう話が面白かったです( *´艸`)

過去のバンタンドキュメンタリーでも、車内で喋ってるシーンめっちゃ多いし、彼らにとっては普通の流れだったんでしょうね。
いつもの社内PDなら何の違和感も覚えなかったと思うのですが、初めての監督には驚きの展開だったため、エピソードとして語られてることに「なるほど!」と思いました。私たちも見慣れてるから普通だと思ってましたw

バンタンがよく喋るのって、歌詞を書いたりして言語化してるせいもあるけど、コメントの機会が凄く多いっていうのも理由の一つにあると思うんですよね。
カムバ期間はインタビューもめちゃめちゃあるし、ツアーに出ればドキュメンタリーを撮るし、集団の中で働くから口に出して伝えたり確認したりし続けるし……。

しかし同時に、彼らが撮影や制作における決定権を持っているという話も入っていて、とても興味深かったです。そういう部分の話って、何故か韓国からはあまり出て来ないですよね。
韓国メディアはアイドル、国際メディアはアーティストとして扱うからなんでしょうか。

バンタンは何でもさらけ出してくれるように見える部分があるから時々悲鳴を上げてしまうのですが、彼らには彼らの境界線があり、その端をしっかり自身でつかんでいると信じています。

映画のテーマとテテの独白

監督が「何かから離れてそこに戻ってきたとき、どんな風に感じるかについての映画」と決めた、という話は面白かったです。映画の中で、テテもちょうど同じことを言っていましたね。
バンタンのようにスターから一兵卒へというすごい落差じゃなくても、誰もが生きる中で普遍的に経験する感情ではないかと思います。

🐻V:僕だけの考えかもしれませんが……街並みや、録音スタジオや、よく行く美味しいお店の料理もそのままみたいでした。僕だけが少し変わったのかな、と思います。僕だけ時間が止まったのかな?
4、5年ぶりにBTSという名前で再びARMYに会うけど、その時ARMYも本当に何かが変わっているのかもしれないな、という考えも浮かびます。

「【初見感想】BTS: THE RETURN【Netflix】」より

しかし、兵役密着映像案があったとか、テテが軍隊時代の秘蔵映像を隠し持っているとか、聞き逃せない話も山盛りでしたね。
それらが採用されてたら一体どんな映像になっていたのか、脳内だけで平和に楽しんでおきたいと思います。いつか秘蔵映像公開されたりするのかな。軍のPRには使わせんぞ(; ・`д・´)

私はテキストが好き!!

これは私の独り言なのですが。

……今の流行ってポッドキャスト系のトークなのかなと思うんですが、これからもこのタイプが増えるんでしょうか。
バンタンを推すために必要なスキルがどんどん増えていくな、と遠い目になりました。私人の喋り声の聴き分け苦手かもしれません……。

個人的にテキストが好きだから、せめてデフォルトで文字起こしついてるYouTubeになってくれないかなあとこっそり祈っておきます。
いや、語ってくれるならどこでも追いかけていくんだけど( ;∀;)


関連記事

ちなみに冒頭に名前のあったHYBE AmericaのJames Shinさんは、ARMY映画の記事にちょっとだけ出てます。

ジェームズ・シンさんはHYBE Americaの映像(Film & Television)部門の社長(2023~)で、AAIM High Podcastのインタビューでこの映画について触れていました。

「【映画】『BTS ARMY:FOREVER WE ARE YOUNG』【感想】」より


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