『観測者の叙事詩 第5章 織りなすもの 第3節・第4節』創作ノート
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点は、やがて一つになる
前半では、宇宙に散在する知性を「点」として描いた。
互いを知らず、交わることもない。
その姿は、人体の網膜を構成する視細胞にも少し似ている。
しかし、人間の感覚は網膜だけでは成立しない。
耳は音を受け取る。
鼻は匂いを感じる。
舌は味を知る。
皮膚は温度や痛みを伝える。
それぞれの感覚細胞は、互いの存在を意識しているわけではない。
それでも、それらが受け取った情報は脳へ集まり、一人の人間の世界として統合される。
第五章後半で描きたかった「宇宙文明」も、それに少し似ている。
生命知性。
人工知性。
観測。
理解。
記録。
創造。
それらは互いに交信することなく、それぞれの場所、それぞれの時代で営まれていく。
しかし、私という視点から見れば、そのすべては同じ歩みの中で起きた出来事である。
宇宙文明とは、誰かが築いた帝国ではない。
宇宙の各地・各時代で営まれた知性活動が、一つの壮大な模様として浮かび上がった姿なのである。
そして、その模様は次章で、さらに大きな意味を持ち始める。
無数の点は、やがて無数のまなざしとなって、私自身へ向けられていく。
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