敵を倒すだけでは、生き残れない|ファンタジー小説|外伝『インテンション』作品紹介
ファンタジー世界の冒険者と聞いて、どんな姿を思い浮かべるでしょうか。
剣を手に敵へ立ち向かう戦士。
後方から矢を放つ弓士。
傷ついた仲間を支える治療役。
けれど、冒険者に必要なのは、強さや勇気だけではありません。
勝てる戦いなら、追撃するべきなのか。
任務の途中で新たな脅威を発見したとき、どこまで踏み込むのか。
リーダーが倒れたとき、誰が判断を引き継ぐのか。
そして、一人を残せば他の仲間が助かるかもしれない状況で、何を選ぶのか。
外伝『インテンション』は、五人の若い冒険者が、戦う技術ではなく、生きて帰るための判断を学んでいく物語です。
◾️第一話 RTB(帰還命令)
第一話 あらすじ
五人にとって初めての実地訓練。
森でゴブリンの群れと遭遇した彼らは、教練どおりに隊列を組み、統制された戦闘を行います。
敵は崩れ、残ったゴブリンたちは森の奥へ逃走。
まだ戦える。
追えば、倒せるかもしれない。
そう考えた五人へ、ディアの鋭い号令が響きます。
RTB Return To Base
なぜ、勝っているのに戻らなければならないのか。
第一話では、戦いの勝敗ではなく、任務の目的を見失わないことが問われます。

◾️第二話 SL(分隊長)
第二話 あらすじ
次の任務は、敵拠点の発見と戦力の把握。
ディアは、五人の中から指揮官を選ぶと告げます。
名乗りを上げるのは、前衛のライアンと、後衛のレーア。
即座に動くことを重視する者。
事実を整理してから決めようとする者。
現場で意見が分かれたとき、誰が決めるのか。
その判断が間違っていたら、どうするのか。
第二話では、指揮官に必要なものとは何かが問われます。

◾️第三話 CA(危険区域)
第三話 あらすじ
指揮官に任命されたレーアは、五人を率いて森へ入ります。
ハンドサイン。
交互に警戒を引き継ぐ移動。
高所からの定点観測。
戦わずに敵を見つけ、情報を持ち帰るための技術。
やがて五人は、ゴブリンの拠点と、そこへ運び込まれる大量の武器を発見します。
任務は、拠点の発見と戦力の把握。
それ以上は命じられていない。
ここで帰るべきか。
手遅れになる前に、もう一歩踏み込むべきか。
第三話では、新しい情報を得たとき、判断を変えるべきかが描かれます。

◾️第四話 RIF(強行偵察)
第四話 あらすじ
ゴブリンの拠点へ侵入した五人は、想定を超える戦力を目にします。
得るべき情報は得た。あとは撤退するだけ。
しかし、帰還の途中で敵に発見され、状況は一変します。
仲間が負傷し、指揮官の判断を待つ余裕もなくなる。
誰かが倒れたとき。
誰かの指示が届かないとき。
その場にいる一人ひとりは、何をするべきなのか。
第四話では、命令がなくても動ける部隊とは何かが問われます。

◾️第五話 NLB(誰も残さない)
第五話 あらすじ
減っていく矢。
壊れていく盾。
迫る追手。
深い傷を負った仲間。
このまま全員で進めば、追いつかれるかもしれない。
一人を残せば、他の者は助かるかもしれない。
そんな状況で、五人は選択を迫られます。
NLB Nobody Left Behind
誰も残さない。
それは、ただの理想ではありません。
誰も残さず帰るためには、装備を分け、役割を変え、戦い方を組み直す必要がある。
第五話では、仲間を見捨てないという選択に、どれだけの覚悟と技術が必要なのかが描かれます。

◾️第六話 ENDEX(状況終了)
第六話 あらすじ
追手を迎え撃つため、五人は森で最後の作戦を開始します。
決められた役割だけに留まらず、足りない部分を互いに補いながら戦う五人。
それでも、敵の数は減りません。
逃げ道もない。
追い詰められた彼らが最後まで手放さなかったものは、勝利ではありませんでした。
全員で生きて帰ること。
第一話で教えられた言葉は、最終話で別の意味を持って返ってきます。
第六話では、敵を倒すことではなく、自分たちの判断で戦いを終えることが描かれます。

◾️エラとヨル|外伝 インテンション
『インテンション』は、ファンタジー小説『エラとヨル』の外伝作品です。
本編未読でも、五人の成長物語として楽しめます。
一方で本編を読んでいる方には、彼らが失った故郷や、教官たちが背負う過去など、物語の背景がより深く見えてきます。
敵を倒すだけでは、生き残れない。
正しいだけでも、誰かを救えるとは限らない。
それでも、決めなければならない。
そして、最後には全員で帰る。
冒険者ギルド『インテンション』。
これは、五人の冒険者が「判断」を学ぶ物語です。
