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プラハ観光の見どころをご紹介!美しすぎる世界遺産の街を散策


チェコの首都プラハのおすすめ観光スポットをご紹介!美しすぎる世界遺産の街を散策

中欧の国、チェコ。

ここは2019年の私の世界一周の旅で最も気に入った街です。

どこを歩いてもうっとりするほどの景色。

街全体が博物館と呼ばれるほど、この街の景観は素晴らしいです。

そして何より、治安がいい!

初日に同行していただいたガイドさんによると、夜遅くまで歩いていてもまず大丈夫だそうです。実際私も昼も夜もプラハの街を歩いてそのことは強く感じました。(もちろん、海外ですのでスリ対策など基本的な防衛策は必要ですが)

いずれにせよ、プラハは観光客に非常に優しい街であることに間違いはありません。

海外のどこに行こうか迷っている方がおられるなら、私は絶対にプラハをお勧めします。

それほどプラハは魅力的な街でした。

この記事ではそんなプラハのおすすめスポットをご紹介していきます。王道の観光地や少しマニアックな場所も紹介していきますのでぜひ参考にして頂けましたら幸いでございます。

では早速始めていきましょう。まずは私のプラハ散策の流れに沿って紹介していきたいと思います。

ぶらりプラハ散歩~歩くだけでも楽しいプラハの美しき街並み

プラハはあてどなくぶらぶら歩くだけでも楽しい。

どこに行っても美しい町並みが続き、様々な建築様式の建物が入り混じって私の目の前に現れてきます。

とにかく飽きません。

モルダウ川西岸のプラハ城へ向かう道のり。

プラハ城は丘の上に立ってるので急な坂や階段が続くのですが、登り切ればプラハの街並みを一望できるスポットにたどり着きます。これがとにかく素晴らしいのでぜひ皆さんに最初にご紹介したいと思います。

ここはプラハ城前のフラチャニ広場という場所です。ここからプラハの街並みを一望することができます。

プラハ城そのものについては後で改めてご紹介しますが、ここから眺めるプラハの街並みはとにかく絶品です。

まずはここからの眺めを楽しんでから旧市街へと向かいましょう。

そしてプラハといえばカレル橋。

プラハの顔とも言えるこの場所は常に多くの人で賑わっています。

両端にはお土産屋さんや、即興似顔絵のパフォーマンス、音楽の演奏など様々な大道芸人の姿を見ることができます。この橋についても興味深い話があるのでまた後に改めて紹介していきます。

橋から少し離れたところまで行くと、このようにプラハ城とカレル橋の両方を一望できます。

川の流れに耳を傾けながらぼんやりとこの景色を眺めて過ごす。とても幸せな時間です。

そしてここから旧市街中心部に向って歩いていきます。

プラハの旧市街はどこを歩いても美しい街並みです。ただ歩いているだけで恍惚としてしまいます。

そしてこの旧市街中心部にある広場にこれまた有名な観光スポットがあります。それが次の天文時計になります。

旧市街広場の天文時計

目の前に見える尖塔が2つある大きな建物はティーン教会。この旧市街の目印になる建物です。私は2022年のクリスマスシーズンにもここを訪れたのですが、その時のライトアップの美しさは今も目に焼き付いています。

そしてこの写真の左側に写っているのがかの有名なのが天文時計になります。

1時間おきに時計に仕掛けられたからくり人形が動き出し、時間を伝えてくれます。

その時間になるとここは見物する人でいっぱいになります。


私が訪れた4月中旬はちょうどイースターの時期でお祭りのような雰囲気でした。

季節ごとのイベントもここでは多く開催され、プラハ観光に外せないスポットと言えるでしょう。

そしてプラハ名物といえばこれ。

こちらはトゥルデルニークというお菓子。

甘いものが苦手な私だがつい美味しそうな匂いに惹かれて買ってしまいました。

これはバームクーヘンのように生地を焼き、周りに砂糖とシナモンをまぶしたお菓子です。

ほとんどの人はこれにトッピングを加えて食べています。

アイスクリームやチョコ、生クリームや果物など、バリエーションは様々です。

ですが私はあえてクラシックスタイル。

何もトッピングせずに頂いてみました。

海外のお菓子は猛烈に甘いのではないかと警戒していたのですが、いやいや、まったく甘ったるくありません。

そしてシナモンの風味が絶妙です。

生地は外側はパリッとしていて、中はふわふわで少しもっちりした食感。

これはうまい。

プラハに来た際はぜひおすすめしたいです。

そして再びモルダウ川沿いに散歩。これがもう気持ちよいのなんの!

旧市街からまた川の反対側へと戻ります。

するとそこには川辺まで下りられる場所がありました。

そこに行ってみると、なんと白鳥がそこかしこにいるではありませんか!

白鳥越しに見るカレル橋。

これもなんとも味わい深い。

プラハは本当にのどかな街。

もちろん、観光客はたくさんいます。

ですが、不思議とうるさく感じません。

さらに、少し旧市街から離れれば静かな雰囲気が漂います。

カレル橋からの夜の眺め

そして先にお話ししましたように、プラハは治安も良く、夜に出歩くこともできます。パリやローマ、バルセロナなどの有名観光地の治安の悪さはよく言われますが、それとは比較にならないほどプラハは安心感があります。私もそれは強く感じました。

プラハは日本人でも安心して観光できる素晴らしい都市のひとつであることは間違いありません。

では、これより先はプラハのおすすめスポットを個別に紹介していきたいと思います。

世界一美しい図書館!プラハのストラホフ修道院

まず最初にご紹介するのはカレル城よりもさらに西に行ったストラホフ修道院。

ここはプレモントレ会という、学問を重んじる修道会のための施設になっています。

なんと、ガイドさんによれば函館近郊のトラピスト修道院と兄弟関係の修道院だそうです。

思わぬところでつながりがあって、親近感が湧いてきます。

さて、この修道院で最も有名なのは「哲学の間」と「神学の間」と呼ばれる2つの図書室。

まるで映画のように神秘的な世界がそこには広がっているとのこと。

というより、実際に007やハリーポッター、数多くのCMでこの図書室は使われているそうです。

哲学の間
神学の間

世界で最も美しい図書館として有名なこの修道院は間違いなくプラハのハイライトのひとつとなることでしょう。


プラハ城・聖ヴィート大聖堂とミュシャのステンドグラス

聖ヴィート大聖堂

プラハ城は9世紀半ばからボヘミア王がフラチャニの丘に居城を構え、14世紀のカレル4世によって今の姿がほぼ整えられたお城になります。

プラハ城はその広大な敷地内に聖ヴィート大聖堂、旧王宮、聖イジ―教会、黄金小路など様々な施設を擁していますが、その中でも最もおすすめなのがこの聖ヴィート大聖堂です。

聖堂内部の巨大さや美しさは息を呑むほどです。

そしてこの聖堂の中には有名なミュシャのステンドグラスがあります。

また、この聖堂では数多くのステンドグラスが施されていて、そこから差し込む光がまさに魔法のように堂内を照らします。詳しくは以下の記事でお話ししていますので興味のある方はぜひご参照ください。


プラハ城のスタバで絶景を楽しもう!

このスタバはプラハ城目の前のフラチャニ広場からプラハの街を見下ろすベストスポットに店を構えています。

中央下部の白っぽい建物。

その屋上に席があり、そこにお客さんがいます。もちろん、店内席もあります。

美しきプラハの景色を眺めながらコーヒーを飲めるなんて、なんと贅沢なひと時なのでしょう。

私はすっかりこのスタバにはまってしまい、1週間のプラハ滞在中に3度も来ることになってしまいました。満席で入れなかった日も数えれば4回わざわざここに足を運んでいます。

ですが、それだけの価値があります。

天気のいい日だと特に気持ちがいいです。

プラハに来られた方は必ずプラハ城を訪れると思いますが、ぜひこのスタバもセットで訪れましょう。


カレル橋にあのザビエルが?プラハの歴史に思いを馳せる

カレル橋は昼も夜も多くの人で賑わいます。

そしてこのカレル橋で一際目を引くのは、橋の欄干に並ぶ聖人の像です。

この像は両側の欄干に15体ずつ、計30体の像がカレル橋には設置されています。

橋自体が1402年に出来上がっているので、この像もずいぶんと古いものかと思いきや、そのほとんどが1683年以降に置かれたものだそう。

なぜその時期に像がたくさん置かれるようになったのか。これを知ればプラハの街巡りがもっともっと楽しくなります。

ザビエル像

また、このカレル橋にはあのザビエルの像もあります。なぜザビエルがここにいるのか、その歴史も実に興味深いものがあります。その理由を以下の記事で解説していますので興味のある方はぜひご覧ください。プラハ観光がもっと楽しくなること間違いなしです。


プラハ観光の穴場!聖ミクラーシュ教会

プラハはあまりに美しく、そして心地よい街でした。私の旅の中でも最も気に入った街と言ってもよいでしょう。

もし海外でどこに行きたいか迷っている方がおられるならば、まず私はこのプラハをお勧めします。それほど素晴らしい街です。

その素晴らしいプラハにおいても、特に私が心を打たれたのがこの聖ミクラーシュ教会でした。

教会内部の装飾もさることながら、そこに安置されている彫像の素晴らしさは群を抜いています。生き生きとした表情、絶妙な瞬間を捉えた彫像の姿は言葉を失うほどです。

そしてそれにも関わらずなぜか観光客が少なく、落ち着いた雰囲気で拝観することができます。

本当に素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。

ここは穴場です。プラハに行かれる方はぜひ行ってみてください。


プラハ観光にはヴルタヴァ(モルダウ)川クルーズは外せない!

プラハでの日々は天候にも恵まれ、散策をするには最高のコンデションで毎日を送ることができました。

そんな中でもいつも私の心を明るくしてくれたのがヴルタヴァ川でした。

そしてカレル橋近辺にはいくつものクルーズ会社があり、豪華な大型クルーズ船もあれば、小型船での遊覧を売りにしている会社もあります。

私は上の写真の「Prague Venice」という、小型の船で遊覧するタイプの会社のクルーズに参加してみることにしました。

と言いますのも、お世話になったガイドさんに「この会社のクルーズが1番景色を見やすいです」とおすすめされていたからでした。

そしてそれは大当たり!小型の船ならではの体験に私は大満足でありました。

川の上から眺めるプラハの街並みもやはり格別です。

その美しい景色に自然と笑みがこぼれてしまいます。

プラハ滞在の折にはぜひこのクルーズもおすすめしたいです。


ヴルタヴァ(モルダウ川)の中州でゆったり散歩

ボートクルーズを楽しんだ後、私はせっかくなのでもっともっとヴルタヴァ川を楽しむべく、トラムを使ってヴルタヴァ川の少し上流の方までやってきました。

上の写真はカレル橋から上流に向かって3つ目の橋から撮ったものです。

ここからのんびりカレル橋方面に向かって散歩をしてみることにしたのですが、これがもうたまらないほど癒されたのでぜひご紹介したいと思います。

橋を渡っていくと川岸の様子がよく見えました。

若い男女が並んで座っています。

まるで京都の鴨川のようです。

ほのぼのした空気が漂っています。

川沿いを歩いて行くと様々な建物と出会うことになります。

左は現在レストランとして使われているそうですが、本当に絵になる風景に事欠かないのがプラハです。

もう少し進んで行くと、川の中に中州があるエリアに差し掛かります。

この中州がまた素晴らしかった!

中は公園のようになっていて、のどかな雰囲気に包まれています。

ここからぼんやりと眺めるヴルタヴァ川は格別でした。

カレル橋付近で眺めるヴルタヴァ川ももちろん美しいですが、そこから少し離れた緑豊かなヴルタヴァ川のなんと美しいことか。

時間を忘れて見入ってしまいました。

別の中州では目の前をレンタルボートで楽しむ観光客が横切っていきます。

ここも静かで心落ち着く場所でした。

やはり川はいい。たまりません。

ヴルタヴァ川はカレル橋のみにあらず。

ぜひそこから少し離れてのんびりと散歩してみてはいかがでしょうか。

旧市街の賑やかなプラハとはまた違ったプラハの顔を見ることができることでしょう。


緑豊かなペトシーン公園と展望台タワーから眺めるプラハ

プラハは見どころがあまりに多すぎます。

旧市街を中心に散策するだけでも十分に満足できるのですが、少し離れた場所に行くとまた違った魅力を発見することができます。

その一つがこれからご紹介するペトシーン公園です。

こちらはマラーストラナ地区の丘にある公園で、展望台や自然豊かな遊歩道が広がり、観光客や地元民の憩いの場として親しまれています。

旧市街からもトラムで簡単にアクセスすることができ、プラハ城からは10分もかからず公園の入り口に着くことが出来ます。

トラムの駅から公園に入ると、そこはもう緑豊かな遊歩道。

季節の花が咲き誇り、お花見をしているかのような気分になります。

展望台は丘の上にあるため、皆ケーブルカーに乗ろうとするのですが、調べてみるとこの丘はそこまで高い丘でもなく、歩いて30分もかからないくらいで展望台に着けてしまうようでした。

というわけで私は歩いて丘を登ったのですがこれがまた素晴らしかった!

緑の中でゆっくり散歩できる気持ちよさを全身で感じます。

空気もおいしい。森の匂いがします。

そんなプチトレッキング気分で丘を登ると、目的地の展望台に到着。

ここからの眺めはまさに息を呑むほどの絶景!百塔の街を一望することができました!

この展望台はプラハの全体を眺めるには絶好の位置かもしれません。

プラハ市民も愛するペトシーン公園。

素晴らしいパノラマと自然豊かな遊歩道。

旧市街観光が一段落したら、ぜひこちらのペトシーン公園でゆっくりリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。


クトナーホラのセドレツ納骨堂

クトナーホラはプラハから車で1時間ほどの距離にある静かな街。

この街で有名なのは何と言っても骸骨だらけの教会、セドレツ納骨堂です。

私がクトラーホラに向かったのもその姿を見に行くことが目的でした。

セドレツ教会へは現地のツアー会社が何社もツアーを催行しています。

鉄道を使って行くこともできますが、現地ツアーを利用した方が手軽に行けるので私はツアーに参加してここを訪れることにしました。

実際に現地に着いてみると、入り口からすでに骸骨だらけ。

教会の中はさらにびっくりするほど骸骨だらけでした。

壁一面、そして天井から吊るされたシャンデリアも骨によって装飾されています。

普段目を反らしてしまう死を、あえてモニュメントの形にすることで直視せざるをえなくする。

メメント・モリ(死を思え)という思想の上でこの骸骨たちは飾られているそうです。

とはいえ、骸骨だらけの教会ではありましたが不思議と恐怖感は少しも感じませんでした。

むしろ、モニュメントや芸術品という印象を受けたほど。

ですが、かなりインパクトのある教会であることには変わりはありません。

もしお時間があれば、プラハからそう遠くはない場所なので訪ねてみるのもよいかもしれません。


プラハのおすすめ老舗ジャズクラブ「Reduta Jazz Club」

当ブログではチェコの大統領になった劇作家ヴァーツラフ・ハヴェルの『ハヴェル自伝』を紹介しました。

そしてその本の中には、ある「ジャズクラブ」のことが書かれていました。その箇所を読んだ時、私はかなり驚きました。

と言いますのも、2019年私がプラハを訪れた時にたまたま立ち寄っていたのがそのジャズクラブ「Reduta Jazz Club」だったのです。(以下レドゥタと呼びます)

私がレドゥタを訪れたのは、ネットでここが老舗でおすすめなジャズクラブだという情報を見たからでした。そのレドゥタがチェコの歴史を語る上でものすごい役割を果たしていたとは本当に驚きました。

というわけで、以下の記事ではその有名な老舗ジャズクラブ「レドゥタ」についてご紹介していきます。ぜひプラハに行かれる際の参考にして頂けますと幸いです。


プラハをもっと楽しむためのおすすめ本

さて、ここまでプラハのおすすめスポットをご紹介してきましたが、ここからはプラハをもっと楽しむためのおすすめ本をご紹介していきます。これらの本を読めば必ずやもっともっとプラハの魅力を感じることになるでしょう。

中にはプラハの春やナチス・ソ連抑圧下の暗い時代を扱った本もありますが、こうした歴史を経て今のプラハがあるということを知ることで見えてくるものもあります。

表面上の美しさだけでなく、苦しい過去を背負いながらも文化や民族の誇りを守り続けたこの国の底力に私は惚れ込んだのでありました。

それぞれのリンク先ではより詳しくお話ししていきますのでぜひそちらもご覧ください。

大鷹節子『私はチェコびいき 大人のための旅案内』~プラハに行くならぜひおすすめしたい1冊!

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著者の大鷹節子氏は外交官夫人として世界中を行き来して生活していました。この本では実際に現地に長い期間滞在していた著者だからこそ知る「リアルなプラハ」を知ることができます。

冷戦時代のプラハは今とはまったく違った空気がそこにはありました。その時の生々しいエピソードや、そこからどのように今に至るまで変わっていったのか、そしてそもそもプラハはどのような歴史を経て成立しその文化はどのように育まれてきたかを私たちは学ぶことになります。

本のタイトルにある「大人のための旅案内」というのはまさしくこうした面を解説してくれるところに由来しています。

単に「プラハはきれい!」とか「こんな名物があります!」というだけではなく、その背後に流れている歴史と文化、人々のリアルな生活に眼差しを向けていく姿勢。これがこの本の素晴らしい所です。

ぜひぜひおすすめしたい1冊です!


春江一也『プラハの春』~これを読めばプラハが好きになる!

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この作品は私にとって思い入れのある作品です。

私は2019年の3月から80日をかけて13カ国を巡る旅に出ました。そしてその中にチェコのプラハが目的地の一つとしてあったのです。そしてこの旅で出会った素晴らしい街達の中でも一番好きになったのがこのプラハだったのです。

私はこの旅に出る数か月前、「プラハに行くならこれを読んでおかないと」とこの作品を手に取っていたのでした。そしてこの本で語られるプラハの美しさに魅了されてしまったのです。この作品ではプラハの歴史や文化、その精神性が実に巧みに描かれています。私はこの作品を読んだからこそ現地でその魅力をより感じることができたのではないかと感じています。それほどこの作品はプラハの魅力を余すことなく伝えています。

私たち読者はこの小説を通して1967~8年当時のチェコが置かれた状況を知っていくことになります。私自身もこれを読んだ当時はソ連のことをほとんど知りませんでした。プラハの春という出来事すらも名前くらいしか聞いたことがなかったくらいです。ですが著者が物語の中で丁寧に解説してくれるのでその辺りの歴史が非常にわかりやすかったです。前知識がなくても十分この作品は楽しめます。いや、むしろそういう知識のない方ほど当時のチェコ情勢を知ることができて非常に興味深いと思います。

そして、この作品で一番印象に残っているのは何と言ってもこのセリフです。

それにしても美しい。プラハはなぜこんなに美しいのか!

集英社、春江一也『プラハの春』下巻P43

プラハはこの一言に尽きます!

私自身実際にプラハを訪れて何度この言葉が頭をよぎったことか!

これほど見事にプラハの魅力を言い当てた言葉がほかに存在するでしょうか。

ため息がでるほどの美しさ。そしてそのため息と共に、この言葉が思い出されるのがプラハなのです。

あぁ、また行きたいです、プラハ。本当に素晴らしい街でした。この本はそんなプラハの魅力を感じられる一冊です。ただ単に景色や建物が美しいとかそういう話ではなく、歴史や文化、精神性も含めたプラハの美しさ、それを味わうことができます。この小説はこれからプラハを訪れようとしている方には必読な一冊だと思います。ぜひおすすめしたいです。


クンデラ『存在の耐えられない軽さ』~プラハの春以後の共産主義支配の空気を知るために

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プラハの春やその後のソ連支配についてはこれまで当ブログでも紹介してきましたが、クンデラはまさしくその時代を生きた作家でした。

そしてこの作品はそんなプラハの春以後のプラハの雰囲気を知るための最適な作品のひとつとなっています。

この作品のあらすじを見ていきましょう。

本書はチェコ出身の現代ヨーロッパ最大の作家ミラン・クンデラが、パリ亡命時代に発表、たちまち全世界を興奮の渦に巻きこんだ、衝撃的傑作。「プラハの春」とその凋落の時代を背景に、ドン・ファンで優秀な外科医トマーシュと田舎娘テレザ、奔放な画家サビナが辿る、愛の悲劇―。

たった一回限りの人生の、かぎりない軽さは、本当に耐えがたいのだろうか?甘美にして哀切。究極の恋愛小説。

集英社、千野栄一訳『存在の耐えられない軽さ』裏表紙

私がこの作品を読もうと思ったのは「プラハの春」以後のプラハの雰囲気を知るためでした。そういう面ではこの作品はその空気感を強く感じることができます。

主人公のトマーシュ自身がプラハの春以後、職を追われ苦しい目に遭うことになります。プラハの知識人たちが負うことになった苦難の生活の雰囲気をリアルに知ることでできます。

また、この作品の中盤以降は特にこうしたソ連による支配に対する著者の分析が小説を介して語られます。これはかなりの迫力で息を呑むほどです。特に印象に残ったのが「第Ⅵ部 大行進」の章で語られるシーンでした。ここでは共産主義打倒キャンペーンを行う西側のパフォーマンスの俗悪さが暴露されます。

第二次世界大戦下のナチスによるプラハ占領の時も、1968年のプラハの春の時も、結局誰も助けてくれず、世界から見捨てられてしまった。今も西側は共産主義打倒のキャンペーンを謳って宣伝するも、結局自分たちのためのパフォーマンスでしかない。そんな痛烈な非難をこの章から感じられました。ここはかなり衝撃的です。これはプラハの春を体験し、亡命によって西側世界についても詳しいクンデラだからこそ書ける内容だなと感じました。

『存在の耐えられない軽さ』は「プラハの春」以後のプラハの雰囲気を感じられる作品でした。


ローラン・ビネ『HHhH』~ナチス占領下プラハでのナチ高官暗殺作戦を描く傑作小説!

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これはものすごい作品です・・・!

この小説のことはうっすらとタイトルだけは知っていましたがまさかこんなにも面白い作品だったとは!

もっと早くに出会っておきたかったと心から思います。

この作品の大筋とその背景については訳者あとがきに次のように述べられています。

ハイドリヒはナチス・ドイツの悪名高きゲシュタポ長官にして、〈第三帝国でもっとも危険な男〉〈死刑執行人〉〈金髪の野獣〉などと呼ばれ、「ユダヤ人間題」の「最終解決」の発案者にして実行責任者として知られている人物である。ナチスによって保護領化されたチェコ(スロヴァキアは分断されて、名目的な独立を保った)総督代理にまで上り詰めた。

しかし、そこで彼は暗殺される。しかも、皮肉なことにナチの高官で暗殺された人物はこのハイドリヒだけだった。その暗殺を決行したのは、ロンドンに亡命したチェコ政府によって本国に投下されたパラシュート部隊員のヤン・クビシュとヨゼフ・ガブチーク。この暗殺計画を〈類人猿作戦〉と呼ぶ。

この暗殺計画の結末は、悲惨なものだった。作戦を決行した隊員たちが教会の地下納骨堂に追いこまれ、そこで水責めにあって死ぬ場面は、この小説を締めくくるもっとも緊迫した場面であると同時に、読者の度肝を抜く画期的手法で描かれている。しかし、悲惨な最期を遂げたのは当事者だけではない。この暗殺計画に関わり、犯人を匿ったという濡れ衣を着せられたリディツェ村の住人は、男たちは全員銃殺、女子供は収容所に送られたばかりでなく、住居もことごとく焼き払われたのである。

ユダヤ人のすべてを殲滅してしまうという発想、ナチ高官暗殺の報復として、村をまるごとひとつ、この地上から消してしまうという発想、そして、その発想のままに実行していくナチスという狂った装置。

「狂った装置」という表現が適切かどうかはわからない。重要なことはむしろ、このすべてが事実=史実だということである。

東京創元社、ローラン・ビネ、高橋啓訳『HHhH』 P386-387

当時の状況がまるで目の前に現れてくるかのような豊かな筆致で作者は物語を描いていきます。驚くほど読みやすく、情景がイメージしやすいです。あっという間に引き込まれてページをめくる手が止まらなくなります。

作者の独特な叙述方法は好みが別れるかもしれませんが、私はかなりぐっときました。感情移入しやすく、著者のこだわりが感じられます。

チェコの苦難といえばソ連時代の1968年のプラハの春をイメージしてしまいがちですが、チェコはその前にもナチスによって苦しい時代を経ています。この作品を読んでそうした時代のチェコにも改めて思いを馳せることになりました。

特にハイドリヒ暗殺の報復として、何の罪もない村を文字通り消滅させてしまったナチスの所業。このインパクトはかなりのものです。これまでもいくつかの本によってそのことは知ってはいましたが、やはり物語として語られるとその重みが全く違ってきます。

私も2022年にプラハを再訪した際、ナチスによって消滅させられたリディツェ村や最後の戦いが行われた教会を訪れています。小説を読んでからここに来るとその重さをさらに感じました。

リディツェ村跡
最後の戦いがあった聖ツィリル・メトデイ正教大聖堂

この作品も非常におすすめです。ものすごく面白いです。歴史を学ぶために手を取ったこの作品でしたが、そもそも小説としてのクオリティーが尋常ではありません。刺激的で面白い小説をお探しの方にもかなりぐっとくるものがあると思います。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。


クラウス・ヴァーゲンバッハ『カフカのプラハ』~カフカゆかりの地巡りのお供におすすめ!

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カフカの作品について当ブログでも紹介してきましたが、不思議な世界観を持つカフカと彼の生きたプラハの街は切っても切れない関係です。この本はそんなカフカとプラハの街について書かれた本です。

このまえがきには、

「要するにカフカは何を「目の当たり」にしていたのか。それを知りたいと思うなら、プラハに行く他はないだろう。実際に旅立つのであれ、想像裡に遊ぶのであれ。プラハへの旅の読本でありツアーガイドでもある本書は、そのいずれの場合についても有能な伴侶となるべく構想されている。また家屋や街並みは可能な限り当時の写真を用いて再現した。」

と書かれていましたが、これがこの本の一番端的なまとめになります。

そして訳者あとがきでは「本書は凡百の旅行ガイドブックをはるかに凌駕するものとなった」とも書かれていました。

ものすごい絶賛ぶりですよね。たしかにこの本は並の本ではありません。写真や地図も豊富でさらにカフカの生涯やその性格、作品の特徴まで知ることができます。カフカファン必携の書であると私も思います。

そして訳者も最後に述べていますようにこの本の著者ヴァーゲンバッハのカフカ愛がこの本をこうした素晴らしい1冊にしているように思います。やはり愛がある人の筆はそうでない人のものとは全然変わってきますよね。「カフカを愛する人間が、カフカを愛する人のために書いた本」。そのようにもこの本は言えるのではないでしょうか。非常におすすめな1冊です。


ひのまどか『スメタナ―音楽はチェコ人の命!』~『モルダウ』で有名なチェコ音楽家のおすすめ伝記!

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スメタナといえば『モルダウ』!この曲は誰もが知る名曲ですよね。

私もこの曲が大好きです。

2019年にプラハを訪れた時も、この曲を聴きながらモルダウ(ヴルタヴァ川)を眺めて思わず泣いてしまったのを覚えています。

この曲には何度となく泣かされてきました。旅の節目節目でこの曲を聴き、その度に感情が揺さぶられて涙が出てしまいました。今聴いても泣いてしまいそうです。

そんな『モルダウ』でしたが、正直私はスメタナその人についてはほとんど何も知りませんでした。曲自体は知ってはいても、その背景となるものが何もわからなかったのです。(それでも泣けてしまうというのがこの曲のすごいところですよね)

この本を読んだきっかけはチェコ文化への興味からでした。そしてその過程でよりチェコのことを知りたいという思いがますます強くなり、プラハといえばやはり『モルダウ』、スメタナだなと感じ、この本を手に取ってみたのでありました。

その結果はもう大当たり!素晴らしい伝記と出会うことになりました!『スメタナ―音楽はチェコ人の命!』。これはいい本です!

読んでいてすぐに引き込まれました。著者のひのまどかさんの素晴らしい語り口。まるで映画を観ているかのようにテンポよくスメタナの劇的な生涯が語られていきます。

この伝記は非常におすすめです。商品紹介に「全6曲の『わが祖国』をはじめ、耳の病に苦しみつつも大きな成功を得たスメタナの前向きな生きる姿を感動的に描く」とありましたように実際私もうるっと来てしまいました。これは素晴らしい伝記です。


ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』~チェコ大統領による必読エッセイ!

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この本は衝撃的な1冊です。私がこれまで読んできた本の中でもトップクラスのインパクトを受けた作品でした。元々1968年のプラハの春事件に関心を持っていた私でしたが、この本を読み、あの当時のプラハで何が起こっていたのか、そしてそこからどうやってソ連圏崩壊まで戦い、自由を勝ち取ったのかという流れを改めて考え直させられる作品となりました。(※「プラハの春」ソ連軍侵攻事件については以下の記事でまとめています)

この本はコロナ禍で混乱を極め、生きにくい世の中となってしまった日本においても非常に重要な視点を与えてくれます。今こそこの本が評価されるべき時です!

「プラハの春?ヴァーツラフ・ハヴェル?誰?何のこと?」とお思いになられた方も多いと思います。

ですが私がこの本をここで紹介したのには大きな意味があります。それだけこの本は世界の歴史を考える上で重要な問題提起をしています。この本についてはここで簡単には言い表せないのですが、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひご参照ください。

『力なき者たちの力』は今こそ読むべき名著中の名著です。


『変身』『審判』などカフカもプラハ滞在の彩に

プラハといえばカフカ!

彼の名作『変身』はチェコ文学の金字塔でもあります。そして『審判』や『城』などの不条理文学の傑作も実に味わい深い!プラハを訪れるならばぜひカフカ作品を堪能することをおすすめします。

以下の記事ではそんなカフカのおすすめ作品を紹介しています。


9チェコはカフカだけにあらず!チェコのもう一人の天才、カレル・チャペックを知っていますか?

ひとつ上ではチェコを代表する作家フランツ・カフカを紹介しましたが、チェコ文学はカフカのみにあらず。実は恐るべき天才がまだまだいます。

その中でも私が特におすすめしたいのがカレル・チャペックという人物です。

カレル・チャペック(1890-1938)Wikipediaより

チェコを代表する作家。38年にノーべル文学賞候補となったが、その直後に48歳で死亡した。生きていれば受賞は確実だったと言われている。「ロボット」という言葉を造ったことでも知られる。その作品にはヒューマニズムと、人間の真実を追究する哲学性と、暖かいユーモアが流れている。文筆を通して、マサリク大統領の人道主義的民主主義の政治を側面から支援した。

成文社、カレル・チャペック、石川達夫訳『マサリクとの対話―哲人大統領の生涯と思想―』より

生きていればノーベル賞は確実だったと言われるほどの作家だったというのは驚きですよね。

ですが、実際彼の作品を読めばそれも頷けます。特に私が初めて読んだ彼の作品、『ロボット』の衝撃たるや!

上のプロフィールにもありますように「ロボット」という言葉を生み出したのはこのチャペックです。

今当たり前のように使っている「ロボット」という言葉がチェコの文学者によって生み出されていたというのは驚きですよね。

そしてこの作品が面白いこと面白いこと!1920年に発表されたこの作品ですが、その先見性には驚愕するしかありません。

以下の記事ではそんなチャペックのおすすめ作品を紹介しています。彼の作品はどれも読みやすく、さらにお洒落でユーモアあふれる名作ぞろいです。日本ではあまり知られていませんがぜひ多くの方にその存在が広まることを願っています。


プラハは知れば知るほど好きになる街です。

今回の本紹介ではプラハが好きになるような、そんな明るい本と暗い歴史を語った本合わせてご紹介しました。

暗い歴史の本を読むとたしかに苦しい気持ちになります。ですが、その暗い歴史があるからこそ、今のプラハがあるというのも事実です。

私がプラハにこんなにも惚れ込んだのも、そうした暗い影を背負いつつも、文化の力で大国に挑み続けたチェコの歴史があるからこそだと思います。

これは現地に行って本当に体感したのですが、プラハは他の街とは何かが違うんです。これは皆さんも行けばきっとわかると思います。ただ単にきれいだとか、歴史的な建造物があるとかそういう次元の話ではないのです。それを超えた何かがこの街にはあります。

これは私の直感ですがプラハの文化は日本人にもきっと馴染むものがあると思います。ここで具体的にそれを説明することはできませんが、プラハに接する機会があればそれはきっと感じられるだろうと思います。

プラハは何の事前情報もなしでも最高に楽しめる街です。それほどこの街の美しさや快適さは群を抜いています。

ですが、歴史や文化を知った上で訪れるプラハは実に深い味わいを私達にもたらしてくれます。これぞ旅の最大の醍醐味です。ぜひこれらの本を活用して頂けたらと思います。

愛すべきプラハ。なぜあなたはこんなに美しいのか

プラハの夜は幻想的

「それにしても美しい。プラハはなぜこんなに美しいのか!」

これは春江一也の『プラハの春』という小説に出てきた一節です。

これほど見事にプラハの魅力を言い当てた言葉がほかに存在するでしょうか。

プラハで過ごした日々の中で、何度となくこの言葉が私の頭をよぎりました。

ため息がでるほどの美しさ。そしてそのため息と共に、この言葉が思い出されるのです。

プラハは本当に素晴らしい街です。日本ではあまり知られていませんがこの街はぜひともおすすめしたいです。それぞれのおすすめスポットについてはそれぞれのリンク先でより詳しくお話ししていますのでぜひそちらもご参照頂ければ幸いでございます。

以上、「プラハ観光の見どころをご紹介!美しすぎる世界遺産の街を散策」でした。


『世界一周記』記事一覧はこちらのまとめ記事にて


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