MVP ARCHIVE NASA | SEARCH FOR LIFE Phase 01-04 : Astrobiology / 生命はどこで生まれるのか - NASA Astrobiology Program

生命とは、どのような環境で誕生するのだろうか。
そして、その条件は地球だけに特有のものなのか、それとも宇宙のどこにでも起こり得る現象なのか。
アストロバイオロジー( Astrobiology:宇宙生物学 )は、この問いに科学的に挑む学際的な研究分野である。
Astrobiology Program
NASA の Astrobiology Program は1998年に設立され、生物学、天文学、地質学、化学、惑星科学など、多くの分野を統合しながら「 生命の起源・進化・分布・未来 」を研究している。
この研究の目的は、宇宙人を探すことだけではない。
まず地球で生命がどのように誕生したのかを理解し、その知識をもとに、宇宙のどこに生命が存在できる環境があるのかを探ることである。
研究対象は非常に幅広い。
深海の熱水噴出孔で生きる微生物、南極や砂漠など極限環境の生物、隕石に含まれる有機分子、惑星の大気、地下の氷、さらには遠方の系外惑星まで、生命に関わるあらゆる現象が研究対象となる。
NASAの多くの探査計画も、この アストロバイオロジー という考え方に基づいて進められている。
火星では、過去に液体の水が存在した証拠を調べ、生命が生存できる環境だったかを探査している。
木星の衛星エウロパでは、氷の下に広がる海の存在が有力視されている。
土星の衛星エンケラドゥスでは、水蒸気と有機分子を含む噴出が観測され、生命に必要な条件がそろっている可能性が注目されている。
バイオシグネチャー( 生命の痕跡 )
さらに近年では、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 による系外惑星大気の観測が進み、生命活動によって生じる可能性のある「 バイオシグネチャー( 生命の痕跡 )」を探す研究も始まっている。
アストロバイオロジーには、まだ明確な答えは存在しない。
しかし、「 生命が存在する場所 」を探す前に、「 生命とは何か 」「 生命が成立する条件とは何か 」を理解しようとすることで、人類の探査は着実に前へ進んでいる。
Astrobiology は、一つの学問分野ではない。
それは、人類が宇宙における生命の可能性を理解するための共通言語であり、火星、エウロパ、エンケラドゥス、そして遠い系外惑星へと続く、生命探査の基盤となる科学なのである。
