MVP ARCHIVE NASA | SEARCH FOR LIFE Phase 01-07 : SETI / 知的生命体探査 - 電波による宇宙文明探索

知的生命体探査 ― 電波による宇宙文明探索
宇宙に生命は存在するのだろうか。
そして、その生命が知性を持ち、文明を築いているとしたら、人類はそれを見つけることができるのだろうか。
SETI( Search for Extraterrestrial Intelligence )は、この問いに科学的な方法で挑む研究分野である。
その基本的な考え方はシンプルである。
高度な文明が存在するなら、何らかの人工的な電波や信号を宇宙へ放射している可能性がある。
その信号を巨大な電波望遠鏡で観測し、自然現象では説明できない規則性を持つ電波を探そうという試みである。
Project Ozma
この考え方が本格的に始まったのは1960年の「 Project Ozma 」である。天文学者フランク・ドレイクは近くの恒星を観測し、人類初となる本格的な知的生命体探査を実施した。
その後、世界各地の観測施設で SETI研究 は続けられ、NASA も1970年代から1990年代にかけて関連研究や技術開発を支援した。
現在は大学や研究機関、民間財団などが中心となり、膨大な宇宙の電波データを解析し続けている。
SETI が探しているのは、宇宙船でも未知の物質でもない。
探しているのは、「 自然には作られない規則性 」である。
例えば、極めて狭い周波数だけに集中した電波や、数学的なパターンを持つ信号、人工的にしか生成できないと考えられる特徴があれば、それは知的文明の存在を示す候補となる。
これまでにも興味深い観測例はいくつか報告されている。
1977年に観測された「 Wow! Signal 」は、その代表例として知られている。
しかし、その後同じ信号は再び確認されず、現在も発生源は特定されていない。現時点では、地球外知的文明からの通信であるという確かな証拠は得られていない。
それでも SETI が続けられる理由は、答えが見つかったからではない。
宇宙には数千億もの恒星を持つ銀河が存在し、その銀河もまた数千億以上存在すると考えられている。
その広大な宇宙の中で、「 まだ見つかっていない 」ことは、「 存在しない 」ことを意味しない。
SETI は、地球外文明の存在を証明する研究ではない。
それは、人類が科学という方法を用いて、
「 私たちは宇宙で唯一の知的文明なのか 」
という問いに挑み続ける長期的な探査なのである。
