止めるのが仕事です!|毎週ショートショートnote|踏切オーディション
古い踏切が引退することになり、
後任を決めるオーディションが開かれた。
集まったのは「人を止める力」に自信のある面々だ。
信号機
「赤信号なら誰でも止まる」
🙅♂️
「みんなで渡れば怖くない、とも言うぞ」
止まれの標識
「俺を見て止まらない奴はいない」
🙅♀️
「誰も見てません」
行列
「私を見たら並ばずにはいられないわよ」
🙅
「渡らない人まで並ばせてどうする」
センサーが壊れた自動ドア
「手で開けてください」
🙅♂️
「開いちゃダメなんだよ!」
私はロボットではありませんチェックボックス
「ここをクリックしないと先に進めません」
🙅
「人間性を疑うのはやめろ!」
かっぱえびせん
「やめられない、とまらない」
🙅♀️
「止められない方は帰ってください!」
最後に現れたのは、大きな穴だった。
「誰でも足が止まるぜ」
審査員席は騒然となった。
「止めればいいってもんじゃない」
「落ちたらどうするんだ?」
大きな穴はニヤリと笑って言った。
「落ちたら?
いいオチが見つかって良かったじゃねえか」
(410字)
『止めるのが仕事です!(後継者 編)』<了>
【お知らせ】
この後、別のショートショートを同時に掲載しています。
田原にかさんの「毎週ショートショートnote」、
17回目の投稿です。
今週のお題は、
「踏切オーディション」でした。
今回は素直に、
「踏切オーディション」があったなら、
どんなメンバーが集まるか、を考えました。
そしたら、不思議な光景が展開され始めました。
——私の脳内で(笑)
「#なんのはなしですか」の作品みたいですね。
この形式は、ショートショートでは初めてです。
🙅♂️🙅♀️🙅は、審査員。
『止めるのが仕事です!』のタイトルは、
踏切だけじゃなく、審査員にもかかっていましたね。
ちなみに、信号機のところで出てくるセリフは、
「赤信号みんなで渡れば怖くない」
という、往年の漫才ネタが元になっています。
今回、この言葉を詳しく調べるために検索したら、
Wikipediaに載っているのを発見して驚きました!
赤信号みんなで渡れば怖くない(あかしんごうみんなでわたればこわくない)は、「おおぜいでやれば、悪いことでも堂々とできるものだ。」という集団心理を表す言葉。
漫才コンビ「ツービート」のギャグが元ネタとなっている。「真理をつく表現は、時代を追うごとに市民権を得ていき」と朝日新聞が評したように、岩波新書発行の『ことわざの知恵』にも掲載されるなど、ことわざとして認識されるようになっていった。三省堂国語辞典ではそれまで「ギャグは国語辞典には載せない」という方針だったが、ギャグが使い始められてから約40年経って、第八版に収録された。
Wikipediaだけでもびっくりなのに、
まさか、三省堂国語辞典にまで載っているとは…(笑)
昭和の漫才ブームを知る者としては、感慨深いですね。
オーディションの結果、全員不合格になったため、
後日、改めてオーディションが実施されました。
最終選考に残ったのは、次の3名。
A:アイドル踏切

B:超変形ロボ踏切

C:お祭り踏切

最終的に、後継者に選ばれるのはどの踏切か?
——その結果は、神のみぞ知る……。
さて、皆さま。
お待たせいたしました!
すでにお知らせしたとおり、
今回は、違うシチュエーションで、
もう一つ、別の作品を創っています。
今度は、引退した古い踏切が、
第二の人生のため、再就職先を探す話です。
本来は、記事を分けるべきなんでしょうが、
週3回投稿ルールを優先します(笑)
(記事が渋滞しております💦)
それでは、引き続き、別の作品——
『止めるのが仕事です!(再就職 編)』を
お楽しみください✨️
『止めるのが仕事です!(再就職 編)』
引退した古い踏切が、再就職の面接に向かった。
アピールするのは
「長年、人を止めてきた実績」。
最初に受けたのは学校だった。
「廊下を走る生徒を止められます」
踏切がカンカン鳴ると、生徒たちはぴたりと止まった。
だが、授業中も鳴るので不採用になった。
次は、IT企業だ。
「働きすぎの社員を止められます」
終業後のオフィスでカンカン鳴ると、社員たちは帰り支度を始めた。
即、クビになった。
続いて、証券会社。
「危ない投資を止められます」
客が普通の投資商品を買おうとしても、激しく鳴った。
リスクのない投資はありえない。
もはや営業妨害だ。
次は、恋愛相談所だった。
「危ない恋を止められます」
相談者が元恋人に電話をかけようとすると、踏切は全力で鳴った。
相談者は泣きながら言った。
「止めてくれて、ありがとう」
踏切は初めて、誰かに礼を言われた。
次の日から、踏切は恋愛相談所の入口に立っている。
どんなカップルも別れる「呪いの恋愛相談所」はこうして誕生した。
(410字)
『止めるのが仕事です!(再就職 編)』<了>
今回は、二本立てでお届けしました。
楽しんでいただけたなら嬉しいです。
本日は以上です。
お読みいただきまして、ありがとうございました。
たくさんのnoteの中から、私の記事を見つけて読んでいただき、
ありがとうございました。
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