「あなたの鑑賞タイプ?」と「ゴッホの死相」 ゴッホ展 -東京都美術館-
こんにちは。
数あるゴッホ展レポート記事の中から
こちらの記事を読んでいただきありがとうございます。
東京都美術館のゴッホ展(家族がつないだ画家の夢展)
は、非常に多くの来館者があったようで、
noteにもたくさんの記事をみかけます。
私も例に漏れず伺いまして、
金曜日の夜間開館だったにもかかわらず、
非常に混雑しておりました。
今回は、ゴッホの絵の紹介や、
ゴッホ展の感想は他のみなさまへお任せしちゃいまして、
私の視点でのレポートをお届けしたいなと思っています。
少し長くなりますが、楽しんで行っていただけると、嬉しいです。
あなたの「鑑賞タイプ」は?
美術鑑賞を始めたい、始めたばかり、という方へ。
美術鑑賞に慣れてくると、
人にはそれぞれの
「鑑賞タイプ」といったものが出てくるのかな、と思います。
ぜひ自分の鑑賞タイプを見つけて楽しんでくださいね、
というご紹介ができれば幸いです。
中でも、
私の「潜水型」の鑑賞タイプについてのご紹介できればと思っています。
自分はどんなタイプの鑑賞型かな?なんて、
楽しんでいただけると、嬉しいです。
ゴッホの怪現象は、今回もあったのか・・・!?
そしてもう一つのテーマは、
ゴッホの絵から受け取れる特別な体験について。
前回のゴッホの絵についての現象(ディープ)
「食べたくなるエピソード」は
こちらのnoteをお読みいただけたら幸いです。
今回のゴッホの絵は「食べたく」ならなかったんですが
久しぶりにゴッホの絵でちょっと強めに「感じる」部分があったので
その感想レポートになります。
長文ですので
目次からかいつまんで、一部を、
もしくは
まったりと全文、
楽しんでいただけると嬉しいです。
あなたも絵に「潜って」いますか?
前に少し流行った記事があります。
プログラマーに無視される理由は「ロジックの海に潜っているから」 コードを書いている人が説明する漫画に「完全に同意」
プログラマさんがプログラムを書くときはロジックの海に潜っていますよ、という表現が、的を射ている!と話題になったんですね。
私も日常、仕事などはこのタイプで、
美術鑑賞でも、似た傾向が出ているといえるようです。
こと、好きな画家さんについては
絵の前に立って、潜って鑑賞する感覚があります。
絵に、深く、深く、潜っていくのです。
潜るとき、美術鑑賞スイッチを入れていますか?
そのための前準備として
スイッチの切り替えが必要な場合があります。
「前提スイッチ」として、「さあ、美術鑑賞するぞー」というスイッチ。
日常生活の慌ただしさから切り離して
じっくり愉しむぞ、というスイッチを入れています。
時々、仕事で疲れていたり、仕事緊張モードのままいくと
上手に美術鑑賞スイッチに切り替えられなくて
うまく潜れなかった、ということもあります。
画家さんスイッチも、切り替えていますか?
そして、
美術鑑賞スイッチを入れた先に、
各画家さんの鑑賞スイッチがあって。
たとえば「テート美術館展」「オルセー美術館展」みたいな
いろんな画家さんの絵がくるタイプの美術展は、
初めから色んな方の絵がくることはわかっているので、
画家スイッチはスムーズにスライドできるように
心の中で準備していきます。
逆に、「ゴッホ展」や「ロートレック展」など、
冠美術展は、
(冠番組、みたいに言ってみましたが。
人の名前が冠に入っている美術展。
いわゆる「回顧展」ですね)
その人に深く潜る
スイッチの準備をしていきます。
冠美術展では、
うまくハマると、その画家に
ものすごく深く潜ることができて、
上質なイマーシブ体験を得られることがあります。
これが本当に楽しくて、大好きで。
なにものにも変え難い体験です。
美術鑑賞する方の中には、
特に言語化はしていないけどこれが好きなんだよ、
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「いわれてみれば自分も潜水型なのかも」
という方は、ぜひ潜りをマスターしていただいて
画家さんと思う存分、海の底で深い対話をしてみてくださいね!
スイッチの入れ方や切り替えかた、潜る前の準備運動など
良いTipsがありましたら、ぜひコメント等で教えていただけると嬉しいです。
私も、向かう電車の中でスイッチ切り替えを試みたことがあります。
深呼吸とか、瞑想とか。
ちょこっとやるだけでも違うかな、と思い色々試しています。
もしかしたらもっと、スルッと切り替えるスキルをお持ちの方も
いらっしゃるかもしれません。
ぜひ伺いたいです。
今回は「ゴッホ展」ということで冠美術展。
そして、すでに特別な現象も経験済みのゴッホ。
深く潜るぞー!と潜水を楽しみにしていったわけです。
今回の「潜水型鑑賞」は技術がいるぞ
ですが、今回のゴッホ展は
ゴッホの回顧展、というには、少し特殊だったようです。
(それについては色んな方が色んな感想を書いているみたいなので
ぜひnoteを探して参考にしてみてください。)
私から言えるのは、
回顧展だとだいたいその画家の絵が100点くらいくることが多いのですが、
・今回ゴッホは30数点(36だったかな?)だぞ、ということと
・他の画家さんの絵がすごく多いぞ
ということです。
ゴッホ自体には潜りたいけれど、
ゴッホのすぐ近くには別の画家の絵があったりして。
潜っては浮上して、すぐに画家スイッチ切り替え、という
なんとも、頭の中は大忙し。な展示になりました。
さらに、3章までゴッホの絵がないぞ
この点も他の方がnoteとかで書いていそうですね。
1〜21点目までは、ゴッホ以外の絵になります。
ゴッホのような超有名な画家さんだと
美術鑑賞慣れしていない方ももちろん美術展に訪問されます。
(ありがたいことです。)
慣れていらっしゃらない方は、
最初から気合をまんまんに入れていらっしゃることが多いようで、
1枚目からじっくりご覧になられて
入り口付近が混みます。
こういった場合のおすすめの鑑賞法の一つとして。
私の場合、混んでいる時は
最初からまんまんに気合を入れると
最後まで潜りきるための集中力がもたない心配があるので
「呼ばれた絵だけ、近づいてみる」
という気の抜き方をします。
絵が呼ぶ、というと語弊があるのですが、
若冲のように「はよこいー」とか、
本当に呼んでくるわけではなく
私の中のセンサーみたいなものが「ぴぴぴ」となる絵、ですね。
今回は、ゴーギャンの絵が最初のセンサー反応でした。
1章はその後マネの版画2点、に反応です。
全部しっかりみたい!という方は
ぜひ、絵についている解説も楽しんでみてください。
今回は解説で、
テオとゴッホのやりとりなどのエピソードも描かれています。
ゴッホの絵はレベチ
ゴッホの絵は22点目となりますが、
遠くから見ても「ここにいい絵があるぞ」と「ぴぴぴ」が強く反応します。
ゴッホの全盛期の絵ではない展示の始まり方ですが、
それでも
ここからゴッホなんだな、
ということが遠目でもよくわかる、ぴぴぴです。
ゴッホのすごさ、でしょうか。
数点ゴッホが続き、
特によかったのが
「種まく人」でした。
(3章・アルル の中に紹介されています)
アルルの家に来る選択をしてくれた、ゴーガン。(大好き)
大好きな日本の浮世絵の構図。(大好き)
ミレーのオマージュ。(大好き)
「大好き」が詰まった、エネルギーの強い作品です。
スイッチ切り替えしてでも見て欲しい画家さんたち
せっかくゴッホの絵に潜水するスイッチに切り替えたわけですが
その後は他の画家の名画が続きます。
素敵な絵がたくさん来ておりましたので
画家スイッチを切り替えて楽しんでいただきたいです。
特に見ていただきたい画家さんをご紹介します。
63、68 ロートレック
言わずと知れたゴッホと仲良しロートレック様。
大好きな画家なので、
ゴッホの海の底から水上に上がって
ロートレックの海の底に潜りなおしてでも鑑賞したい
画家さんです。
ゴッホとは違うタイプ。
「柔らかな緊張の上になりたつ、
見事に人物を描ききる能力」
が素晴らしいです。
ゴッホとは毛色が違って、
鑑賞スイッチとしてはだいぶ違う方向へ
レバーを入れないといけないんですが。
そんな二人が仲良しだったというエピソードが大好きです。
ぜひご鑑賞ください。
64、73 ポール・シニャック
73の色鮮やかな油彩を見てから、64の白黒を見ていただくと
「白黒なのに、シニャックの色彩が見えてくる・・・!」
という楽しみ方ができます。
色彩が上手な画家さんの白黒(エッチングやリトグラフ)は
色彩を意識して描いていたから
色が見えてくる、ということを
ルドンで知りました。
シニャックさんも色彩は独特で天才的なので、
白黒でももちろん色を意識していたんだなあ、とわかる絵です。
70 カミーユ・ピサロ
相変わらず、いい絵を描きます、カミーユ先生。
ゴッホは決して「鑑賞するともっていかれる絵」みたいな
悪い「気」をもった絵は描かないのですが、
やはりちょっと気疲れしてしまう。
そんな鑑賞疲れは、カミーユ先生が「祓って」くれます。
目の前に立つと、「さらさら〜」っと爽やか。
ゴッホでちょっと重くなった肩が、ふっと軽くなります。
後半戦の鑑賞も頑張りたいので、
カミーユ先生にお清めしてもらって
元気いっぱいで続きをみてください。
他にも、
大好きなボナールがしれっと展示されていたり、
ポスト印象もあって、
いい絵がたくさん展示してありました。
スイッチ切り替えは忙しくなりましたが
得るものは多かったなと、大満足です。
死相が見えた
最後のトピック。
先述した通り、
ゴッホはちょっと精神を病んでいた割に、
「悪い絵」を描かないなと思っています。
いわゆる「もっていかれる絵」とか、
見ていると落ち込む絵、悪い気が込められた絵。
そういうものではないようです。
そう、思っていました。
でも今回は、
「ああ、もう死んでしまう」と、
明らかに、「死」に片足が入っているとわかる絵が
何枚か来ていました。
49 農家
50 麦の穂
このあたりでしょうか。
見に行かれた方の中でも、
「これはちょっと、、、」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
逆にnoteの記事などを読むと、
お気に召した方もいらっしゃるみたいです。
人物が、人によっていろんな印象で語られるように、
絵も、見る人によってさまざまです。
いろんな視点があって、面白いなあと思います。
私は、というと。
「農家」の方は、もう、直視できませんでした。
私には死神、そのものに見えました。
1890年6月に描かれた、亡くなる前の絵です。
(亡くなったのは7月末)
ゴッホは自殺ではなく、事故だった、
という論文も出ているとのことですが
彼は、自分の死が近いことを、わかっていたのでしょうか。
他の鑑賞タイプがあるだろうか
今回は、自分の「潜水鑑賞タイプ」のお話も織り交ぜてみましたが
「タイプ」というからには、
あたかも他にも種類がある、ような表現ですよね。
言っておいて、なんですが、あるんだろうか。
実は私のまわりの方も、潜水型っぽいんですよね。
仕事でいうと過集中タイプで、
一つのことに強く集中してしまうので、
私はその逆の「マルチタスク型」に憧れます。
一歩下がって業務が見れる「俯瞰型」
一つの物事に対して複数の視点から考える「複雑思考型」
いいなあ。その能力。
尊敬します。
この辺りを得意とする方は、
一つの絵に潜るより、
複数の絵から比較・複数視点を考察することで
絵を分析したり、評価したり、楽しむことができたりするのではないでしょうか。
わたしは潜水型よりそちらっぽい!という方は、
ぜひコメントなどでお知らせいただけると嬉しいです。
そんな方の生の声を聞いてみたいです。
イマーシブより潜水型推し!
今回のゴッホ展では、最後にイマーシブの動画が流れていました。
大きくて、色鮮やかで、綺麗だったみたいです。
(私はスルーしました。)
イマーシブ動画より
ゴッホの絵の前に立った方が
より強烈にイマーシブできるからです。
これを「潜水型鑑賞」として
今回ご紹介できたことを嬉しく思います。
私はイマーシブの方はスルーで
より鮮やかで、美しくて、強烈な
生の絵の方を選びました。
ゴッホからうけた生の衝撃を
イマーシブ動画で書き換えたくなかったからかもしれません。
または、
強い方の余韻でミュージアムを出たかったからかもしれませんね。
まあそれは難しく考えず
本物も映像も
どちらも楽しんじゃえばよいと思います^^
(私も誤解がないようにいっておくと
イマーシブ否定派とかでは決してないです)
潜水型鑑賞がピンとこないよ〜という方は
ぜひイマーシブ動画も見ていってください。
「絵の前に立つと
この動画よりずっと強烈なのがくるよ」
そんなふうに考えたら
「え、、ほんとに・・・!?」
って、楽しみになりませんか。
きますよ、本当に。すんごいのが。
もしそれが、今でないとしても
いつか必ず
人生の価値観がふっとぶような
すごい異変が起こります。きっと。
なので、いまのうち、
イマーシブで「強烈体験」のリハーサルをしておいてください。
ゴッホ@アムステルダム。見て欲しい絵、コメントお待ちしています
今回のゴッホ展は
アムステルダムのゴッホ美術館の
所蔵展示とのことで
ミュージーアムショップも名画のグッズでした。
友人曰く
「こんなに展示されていない絵の商品が売っている展示売店も珍しいよね」ということでした。
グッズ系は特にその傾向があったような。
「ひまわり」「アーモンドの花」
あとは「アイリス」も多かったかな・・・
(どれも今回の展示にはないです。)
展示されていなくたって、グッズは買える!
ありがたやです。
それはそうと。
私は近々
アムステルダムのゴッホ美術館に訪問予定です。
もし
「この絵に潜ってきて!」
「あの絵のレビューが読みたい」
というご要望がありましたら
ぜひコメント、お待ちしています。
また、ご報告も、近いうちにできるかと思います。
質問、聞きたいこと、ご感想等、
お気軽にコメントを書いていただけるとうれしいです。
よろしければこちらも読んでいっていただけるたら、さいわいです。
はじめに01
https://note.com/killamaru/n/n0cb504116a87
書き始めた経緯やこのNoteの説明など
はじめに02
https://note.com/killamaru/n/n3b42879699f8
「はじめに」の続きですが、私のNoteの中では、♡率が高くて、ありがたいです。
はじめに03 -審美眼は何年で身につくもの?
https://note.com/killamaru/n/ne9792bc439fe
<若冲>
若冲からはじめて呼ばれた話 -泉屋博古館東京-
https://note.com/killamaru/n/n79a61287feed
若冲は、今日も私を呼ぶかしら - 三井記念美術館「円山応挙」展 -
https://note.com/killamaru/n/na07051e46676
若冲は、もう1人の天才にためらう、の話 - 東京藝大美術館 -相国寺展
https://note.com/killamaru/n/n85b940e93ef9
<ゴッホ>
[ディープ]ゴッホのひまわりって、おいしいの? - 西洋美術館 ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
https://note.com/killamaru/n/n69330619f156
「あなたはどんな鑑賞タイプ?」と「ゴッホの死相」について ゴッホ展 -東京都美術館-
https://note.com/killamaru/n/na3e315c32ca0
<美術展>
ブラックホールを作りだせる画家 -仙厓展@出光美術館- [ディープ]
https://note.com/killamaru/n/n576fe4a903b7
絵から音がしない理由 -ユトリロ展(SOMPO美術館)-
https://note.com/killamaru/n/nd086f4b57077
伊勢物語展 -根津美術館- 岩佐又兵衛に感じるもの
https://note.com/killamaru/n/n522358cdf891
僧侶の背中には、実は何があったのか -特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」-
https://note.com/killamaru/n/nb87fb034c08e
<つぶやき・近況>
近況01 - 近日アップ予定云々 -
https://note.com/killamaru/n/n8ccdcabb85ef
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