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掛川花鳥園に行ってきました vol.3 水辺の鳥


Platalea minor(クロツラヘラサギ)
日本にも越冬しにくるので、野鳥として見たことがある人も多そうです。
白と黒のコントラストがきまっています。
冠羽もおしゃれです。
へら状のくちばしを水辺に差し込んで、餌を食べます。
下のクチバシの先端は、上のくちばしに収まる形をしています。
咬み合わせ大事。
「プレミアごはん ワカサギ」と書かれたアイスボックス。
コピー曰く「くいつきがちがう!」(クリックで拡大)
帰宅後、動画をみて、あまりの激しさに、やめといてよかったと思いました。
ワカサギ、ヒトが食べてもおいしいですしねえ。
後ろの2羽がシンクロしています

動物の行動を観察していると、しばしばシンクロする様子が観察されます。
有名なのは、ホタルの発光が同期する現象でしょう。
シンクロは、歩行など、繰り返しがあるときに現れることが多いです。

ミラーニューロンは、
 ① 他の個体の動作情報(視覚や聴覚による入力信号)を、
 ② 不随意に、
 ③ 自分の脳内で、
 ④ 自分が動作するかのような励起として、
 ⑤ 弱い強度で励起する
神経細胞です。

励起が弱いというのがミソです。
強度が強すぎると、実際に身体が動いてしまう。
見ただけで、自分の動作が操られてしまったのでは困ります。
イメージトレーニングをしているかのように「感じる」けれども、
身体が動きだしてしまわない程度に、絶妙に強度が抑えられています。

弱いとはいえ、脳内で、
 A: 動作イメージを産み出している励起と、
 B: 自分の運動器に対して「動作せよ」と命令するための励起を、
別々に確立するのは難しい。
シンクロさせたほうがラクです。

ミラーニューロンが発見された種は、霊長類のマカクザルであって、
他の動物種におけるデータは現時点では存在しません。
しかし、シンクロ現象は、いろいろな種で報告されていますので、
仲間の動作を自分事のように感じる仕組みは、
他種にもありそうな気がしています。

なお、ミラーが作動している可能性があるのは、
前方の個体を視界に入れている、後方の個体のみです。


Phoenicopterus roseus(オオフラミンゴ)
美しい鳥ですが、顔はちょっと怖いかもしれない。

種小名roseusは、バラ色のという意味です。
rosaという種小名は、植物では頻繁に使うのですが、鳥では珍しい。
英名のフラミンゴは、flame(炎)が語源ですので、こちらも色です。
色以外、何があるんだというぐらい、美しい色をしています。

色素は、エビ、オキアミ、藻など、経口摂取した餌に由来するとか。
ただし、成分そのままではなく、サルベージ合成で自分色に整えています。

※ サルベージ合成
 相応の分子量がある、出来合いの物質から、目標の物質を合成する方法。
 有機酸など、汎用の低分子から組み立て始めるのは、デノボ合成。


Eudocimus ruber(ショウジョウトキ) 
羽の中に足をしまう。

色の濃さなら、ショウジョウトキが一番でしょう。
種小名のruberは、赤色の、ルビー色のという意味です。

ところで、フラミンゴにしろ、トキにしろ、サギにしろ、
なぜ、1本脚で立ちたがるのでしょう。
ヒトもその気になれば、1本で立てますが、重力に抗うのは大変なので、
そのうち降ろしてしまいます。

一説によると、暑いときは2本、寒いときは1本で立つことが多いとか。
寒いとき、手を小脇に挟んだり、ポケットに突っ込むようなものらしい。
季節で立ち方に差があるか、上野で観察してみたいと思います。

脚を中途半端に曲げ、その状態で維持していることも多いので、
構造的に曲げが楽で、立つためにスジを伸ばしている可能性もあります。
ヒトは、力を抜いたとき、手を軽く握った形になります。
手を開いてパーの形にするのは、意思を持って、力を入れたときだけです。
ウサギも、足を伸ばすのは飛び跳ねるときだけです。
曲げ/伸ばし、どちらが楽かは、うーん、鳥に聞いてみないとわかりません。


Pelecanus onocrotalus(モモイロペリカン)

ペリカンの姿には愛嬌があります。
色もベビーピンクでかわいらしい。

種小名のcrotal(クロタル)は、古代ギリシャ・ローマ時代の打楽器で、
トングの先に小さなシンバルをつけた形をしているそうです。
両手に持って舞い踊る、フラメンコのカスタネットみたいな奏法です。
接頭語onoは、手持ちのラテン語の辞書に収載がありませんでした。
「os」はくち、またはくちばし(名詞)で、「oro」は話す(動詞)です。
「o」という1音に意味がある状況は不自然に感じるかもしれませんが、
日本語にも1音節の語は存在します。
子ども、日にち、葉っぱ、尾っぽ、輪っか、根っこ、など、
安定化されて使われていることが多いです。
(幼児語では、お手て、お目め、お毛けなど、重ねる傾向が見られます)
ono-のno-は接頭化なので、おそらく、くちばしの、の意でしょう。

餌やりの時刻が不明で、くちばしが動く様子は見れませんでした。
食べる用もないのに、カパカパ開けてくれたりはしませんよね orz
魚数匹を、一度に、あの袋に入れて食べるらしいです。
浅瀬で小魚が群れる様子を思い浮かべると、その食べ方はアリと思います。


左:Eudocimus albus(シロトキ)
中:Himantopus mexicanus(クロエリセイタカシギ)
右:Threskiornis melanocephalus(クロトキ)

クロエリセイタカシギは、群れで過ごすと落ち着くように見えます。
ハウスは広いのですが、基本的に仲間同士で固まっています。
単独行動の鳥(ハシビロコウなど)は1羽で飼うほうがよく、
群れたがる鳥は、複数羽で飼ったほうがよいです。

人間も、一人がいい人と、仲間と過ごすのがいい人と、色々いますよね。
それぞれ自分が心地よく居られる環境に、自分で調節するとよいでしょう。
どこかの偉い学者が「絶対こうすべき、それ以外のやり方は全部ゴミ」と
生き方、有り方を絞り込んできても、気にせず。
生物界が出した答えは、「多手に分かれろ」「戦略は多様であれ」です。
授かった身体も、食べていく方法も、過ごす環境も、状況も、さまざま。
何がどう奏功するか、そんなことはわかりません。

上の写真のクロップ。
奈良美智を想起するぐらい不機嫌。
不機嫌なんでしょうか。いや、そういう柄ですよね?
クロエリセイタカシギ「手ぶらかよ。ごはん売り場はあっちだぞ」
ナレーション「君は不機嫌な鳥の群れに耐えることができるか」
真っ白にして真っ黒。きれいな羽です。
クチバシも細くてエレガント。
まともに顔を見ないようにして観察(フキハラ対策)


Aix galericulata(オシドリ)
galeaは、古代ローマ時代の小型のカブト。
culataは、~形の、の意。

屋外のハス池には、マガモ、ハシビロガモ、オオバンが来訪中でした。
ペンギンプールの向かい側には、オシドリ池もあります。

水鳥がぷかぷかしている様子に癒されます。
水族館でゆらゆらするクラゲに癒されるのと似ているかもしれません。
僕は身体が冷えるまで、ぷかぷかするカモたちを眺めていました。


ハウス内のカフェで暖まります。
メニュー名は「文鳥ぜんざいセット」 ほうじ茶つき。

鳥編は、本号で終わりです。
時間があれば花編を。
またー(^^)/

[ 掛川花鳥園に行ってきました シリーズ目次 ]
  vol.1 森と草原の鳥
  vol.2 ケープペンギン、ハシビロコウ、オニオオハシ
  vol.3 水辺の鳥
  vol.4 スイレンとオオオニバス
  vol.5 吊り鉢の花々
  vol.6 植栽とチランジア