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【最終回】数億円バイアウト後に気づいた「本当の勝者の定義」|普通の焼肉が教えてくれたこと

数億円という莫大な金額で自分の会社をバイアウト(売却)し、すべての事業譲渡の手続きが完了した日のことだ。

僕は都内の銀行の窓口で、新しく記帳された通帳を受け取った。

ペラリとページをめくると、そこにはこれまで自分の人生で見たこともないような、数え切れないほどの「0」がずらりと並んでいた。

インクで印字されたその無機質な数字の羅列は、僕が泥水の中で戦い続けた日々の決算報告書でもあった。

ドラマや映画の主人公なら、ここで天を仰いで歓喜の涙を流すか、拳を握りしめてガッツポーズでもする場面だろう。

あるいは、これまでの壮絶な苦労を思い出して、その場にへたり込んでしまうのかもしれない。

僕自身も、実際にこの日を迎えるまでは、自分はもっと劇的な感情の爆発を経験するのだろうと勝手に想像していた。

だが、僕の心には、特段の達成感も、震えるような喜びも湧いてこなかった。

拍子抜けするほど、感情の波は起きなかったのだ。

ただ「ああ、終わったんだな」という、ひどく静かで、乾いた事実だけがそこにあった。

銀行を出て西新宿の風に吹かれても、足取りが軽くなるわけでもなく、ただ普段と同じ重力のまま歩いていた。

ホスト時代、最高月収一千万円を手にしてタワーマンションの最上階から見下ろした時の、あの自分が世界の王にでもなったかのような傲慢な万能感も

すべてを失った夜、暗い1DKの部屋で一人、セブンイレブンのスモークチキンをかじった時の、あの口の中に血の味が広がるような底知れない惨めさも、もうない。

あるのはただ、何事もなかったかのように過ぎていく平熱の日常だけだった。

通帳に印字されたインクの羅列は、僕の人生の「結果」を証明するものではあったが、僕の「心」をこれ以上乱す魔法の紙切れではなかったのだ。

莫大な数字を見ても心が微動だにしなかった時、僕は自分が本当の意味で過去の呪縛から解放されたことを悟った。

その日の夜、僕はお祝いとして、会社が消滅した「あの朝」からずっと僕を支え続けてくれた創業期の秘書を誘い、ご飯を食べに行った。

選んだのは、ミシュランの星がついた一人数万円の高級フレンチでも、銀座の超高級クラブでもない。普段からよく通っている、煙たい普通の価格帯の「焼肉屋」だ。

網の上で焦げる肉の匂い、ジョッキがぶつかる音、周囲のサラリーマンたちの笑い声。

秘書と向き合い、会社の昔話や、他愛もない世間話をして笑い合う。

秘書:「社長、あの時は本当にどうなるかと思いましたよ。みんな辞めていって、電話鳴りっぱなしで」

僕:「ほんとだな。お前が逃げずに残ってくれなかったら、俺は今頃どうなってたか分かんないよ。あの時、辞めようと思わなかったのか?」

秘書:「うーん、なんか放っておけなかったんですよね」

そんな会話をしながらカルビを頬張り、よく冷えた生ビールを喉の奥へ流し込む。

それが、数億円を手にした僕の、最高に美味しくて贅沢な「大団円の晩餐」だった。

銀座のVIPルームで一晩に何百万円も使って飲んだ高級シャンパンより、あの夜の生ビールのほうが、何百倍も五臓六腑に染み渡った。

この時に初めて
「くはぁ~~~!!」
と大きく、長く、ビールの余韻に浸っていたと思う。

お金では買えない「信頼できる人間」と一緒に食べるご飯こそが、人生の本当の豊かさなのだと、この時ようやく心の底から理解できた。

ちなみにこの秘書は今の妻だ

■ 過去の僕たちへの答え合わせ

もし今、タイムマシンがあって過去に戻れるなら。
僕は、人生の地雷を自ら踏み抜き、泥まみれになって倒れ込んでいた「かつての僕たち」の元へ行き、肩を叩いてやりたい。

そして、たった一言だけ、こう伝えたいと思う。

・年収二千万円の家庭から一転、1DKのボロアパートで油臭い「パンの耳」をかじり、同級生から『普通』を盗んでしまった小学生の僕へ。

・「学歴さえあればすべて逆転できる」という妄執にすがりつき、二浪して全敗し、絶望の中で夜の歌舞伎町へと逃げ込んだ20歳の僕へ。

・自分の慢心から愛弟子にすべてを奪われ、怒りと絶望でオフィスの壁を力の限り殴りつけ、右手にギプスをはめてうずくまっていた30代の僕へ。

「環境に文句を言うなとは言わない。理不尽を呪ってもいい。でも、その最悪の環境は、20年後に必ず花開くから、どうか諦めずに生き延びろ」

世の中の成功者はよく「努力は必ず報われる」と綺麗事を言う。

だが僕は、努力が百パーセント実を結ぶなんていう無責任な嘘をつくつもりはない。

理不尽な理由で努力が踏みにじられることなんて、この社会には山ほどある。

どれだけ血反吐を吐いても届かない場所はある。

誰かに認められたくて、もがき苦しんでいたあの頃。

何度転んでも、その度に泥をすすって立ち上がったからこそ、今見える景色がある。

だからこれだけは断言できる。

努力をした人間にしか、絶対に到達できない「頂」があるのだ。
その「頂」が成功でも失敗でもどちらでもいい

途中で投げ出した人間には、その景色を見る権利すら与えられない。

不格好でもいいから足を動かし続けた者だけが、最後に笑うことができる。

そして、夜の街での騙し合いや、組織崩壊の裏切りを通して、僕が骨の髄まで学んだ絶対的な法則がある。

それは「TAKEの人間」と「GIVEの人間」の最終的な結末の違いだ。

他者から奪うだけの「TAKEの人間」、自分の利益しか考えない人間は、一時的に勝ったように見えても、最後は必ず別の誰かにすべてを奪われる。

因果応報は、必ず形を変えてやってくる。

だが、泥水の中でも他者に与えようとする「GIVEの人間」には、その時は損をしたように見えても、必ず周りの誰かが、何かの形で恩を返し、引き上げてくれる。

今の僕が、数億円という結果を手にし、こうして笑って焼肉を食べていられるのは、間違いなくどん底で「GIVEの人間」であろうと選び直したからだ。

■ どん底にいるあなたに贈る、最後のエール

ここまで、自己紹介を入れて全16話に及ぶ僕の長くて「無様な履歴書」を読んでくれたあなたへ。

今まさに人生のどん底にいて
「自分には何もない」
「もう逆転なんてできない」
「消えてしまいたい」と絶望しているあなたへ。

最後に、これだけは伝えさせてほしい。

絶望から抜け出すのは、正直しんどい。
普通に生きるより、何倍も、何十倍もしんどい。

周りは普通に歩いているのに、自分だけが重い足枷を引きずりながら、茨の道を歩かされているような理不尽さを感じるだろう。

泣きたくなる夜も、すべてを投げ出したくなる朝も、数え切れないほどあるはずだ。

だが、その「しんどさ」は、絶対にあなたの最大の糧になる。
世の中には「2:6:2の法則」というものがある。

組織や社会は、
優秀な上位2割
普通の中間6割
落ちこぼれの下位2割
に分かれるという法則だ。

普通、下の2割は切り捨てられるべき無能だと言われる。

だが僕は、人生のどん底を知り、人間の醜さや泥臭さ、どうしようもない弱さ(下位2割の世界)を骨の髄まで味わい尽くした人間こそが、これからのAI時代において「最も価値のある存在(上位の2割)」に反転すると確信している。

効率化や合理化が進めば進むほど、人間は『人間らしさ』に飢えていく。

失敗を恐れず、傷つきながらも立ち上がるその無様な姿にこそ、人は共感し、心を動かされる。

だからこそ、今あなたが感じているその強烈な痛みやコンプレックスは、絶対に隠してはいけない。

それはあなたの最大の武器であり、他者と深く繋がるための唯一無二のパスポートになるのだ。

これからの時代、論理的な正解や綺麗な文章は、すべてAIが瞬時に弾き出してくれるが、AIには「痛み」が分からない。

1DKの油臭さも、裏切られた時の心臓が握り潰されるような痛みも、セブンイレブンのスモークチキンを一人でかじった時の惨めさも、AIは永遠に理解できない。

綺麗なだけの言葉や、AIが書いた正論には、もう誰も心は動かされないのだ。

泥だらけの痛みを知っている人間の、血の通った生々しい言葉にしか、人はついてこない。

あなたのその絶望と痛みは、これから人を動かすための「最強の資産」になる。これは絶対に間違いない。

今を「点」で捉えないでほしい。
点で今の自分を見れば、ただの「失敗作」でしんどいだけだ。

でも、それを「線」で捉え、その線のゴールを少しだけ「上」に向けてみてほしい。

一気に駆け上がる必要なんてない。
休んだっていい。自分のペースで、一歩ずつ進めばいい。
線が上を向いてさえいれば、必ずいつか光の当たる場所に抜け出せる。

人生の最後に勝つのは、どんな人間だと思うだろうか?

ビジネスで大成功し、誰も手の届かないタワーマンションの最上階で、貯金が20億円ある孤独な独り身だろうか?

僕が見つけた勝者の定義は、「貯金が100万円でも、周りに何十人もの仲間がいて、一緒に笑って美味い飯を食える人生」だ。

パンの耳から始まり、夜の街を彷徨い、すべてを失い、最後に数億円を売り上げた僕が辿り着いた、絶対的な確信がこれだ。

■ ストレスから解放され、少しでも楽に生きるために

僕たちは生きていく上で、その大半の時間を「対人間とのコミュニケーション」に割いている。

「仕事は人間関係が9割」と評されるように、人間関係の軋轢、他者とのすれ違いこそが、人生の最も重く、最も厄介なストレスだ。

それが理由で心を病み、人生を諦めてしまう人も少なくない。
人生の大半は、人間関係でできていると言っても過言ではないのだ。

毎朝、満員電車に揺られながら『またあの嫌な上司と顔を合わせるのか』と胃を痛める日々。

誰にも評価されず、ただ黙々と他人の尻拭いばかりをさせられる理不尽な職場環境。

そんな毎日は、あなたの心を少しずつ、しかし確実に殺していく。
人生という限られた時間のほとんどを費やす『仕事』において、人間関係の主導権を他人に握られ続けることは、自分の人生そのものを他人に明け渡しているのと同じだ。

僕は、夜の街での10年と、経営者としての天国と地獄の中で、人間の心の裏側、欲、そして「バグ」を嫌というほど見てきた。

人付き合いには、当然向き不向きがある。
内向的な人もいれば、外交的な人もいる。

でも、コミュニケーション能力は、天性の才能ではなく「テクニック」で何とでもなります。

僕が別で書き残した「人心掌握術」。

あれは、単にお金を稼ぐための黒いテクニックではありません。
人間関係のパワーバランスに疲れ果て、他人の顔色をうかがうことにすり減ったあなたが、他人に振り回されず、少しでも楽に、ストレスなく日常を過ごせるようになるための「最強の防具」です。

・理不尽に怒鳴ってくる上司
・マウントを取ってくる同僚
・仕事を押し付けてくる先輩
・思い通りにならない恋愛

そんなものに、あなたの貴重な人生のエネルギーをこれ以上吸い取られないでください。

相手の心のバグを突き、あなたが人間関係の主導権を握ることで、もっと軽やかに、もっと自由に生きられます。

少しでも、そのしんどいストレスから解放されてほしい。
それが、僕がこの技術を公開した本当の理由です。

これにて、僕の長かった「無様な履歴書」は終わりです。

ここから先は、あなたの物語です。僕の人生の地雷原と、そこに残した足跡が、明日を生きるあなたのための、小さな「地図」になることを祈って。

最後まで付き合ってくれて、本当にありがとうございました。次は、あなたの逆転劇の番です。どうか、生き抜いてください。

※もし僕の無様な人生にて書いてほしい事などありましたら、コメントしていただけますと幸いです。

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