【インタビュー】緒方憲太郎の道に迷えばオモロい方へ 前後編
テレビ朝日アナウンサー平石直之さんのお仕事が刺さりすぎてるヲタ目線の記録です✍️🤗
いくつかインタビューを中心に、何を思ってどんなお仕事をされているのか、超個人的刺さりポイントや発見を交えて残しています↓↓↓
今回はこちら!!緒方憲太郎の道に迷えばオモロい方へ 前後編↓↓↓
◾︎YouTube
①2022年10月30日公開(前編)
②2022年11月6日公開(後編)
◾︎voicy版
①前編
②後編
「道に迷えばオモロい方へ」はvoicy代表、緒方憲太郎さんの対談番組で、そこにvoicyチャンネルをお持ちの平石さんがゲストとして出演された時のものです。
あまり語られることのない平石さんのルーツやターニングポイント、「10の質問」で深堀り、お悩み相談など、テーマのバリエーションが豊かな対談だと思います。
テンポの良いお二人の会話がとても楽しいし心地良いのですが、驚くべきは「緒方さんの驚異の引き出す力」によって、「平石さんの仕事に向き合う姿勢、衝撃的なプロ意識の高さ、ニュースに対するピュアすぎる探究心、持っている問題意識などが手に取るように分かるインタビュー」になっていることです。深堀りや相乗効果という言葉を体現したようなこちらのインタビュー、ぜひ音声で聞いてみていただきたいです。
※4年前にお話されたもので、現段階では微妙なニュアンスやフェーズの変化はあるかもしれません。2022年公開→私が初見で聞いたのは2023年ですが、今改めて聞くとこのころそんな感じだったんだなぁとも思いますし、核となるところは変わらないような気もしています。
✅内容(チャプター)
前編

後編

特に残しておきたい以下項目を抽出、学びor刺さったところは記録のため太字にしています😇😇
✅簿記2級を取得する意味
✅10の質問/存在意義や仕事の成功とは
✅もともとは新聞記者になりたかった?
✅しゃべるテンポの理想
✅人生のターニングポイント
✅道に迷ったときの選択は
特に「人生のターニングポイント」は緒方さんの深掘り質問炸裂×平石さんの回答で大変密度が濃くなっています!!
▷緒方憲太郎さん(voicy代表)
▶平石直之さん(テレビ朝日アナウンサー)
1.簿記2級を取得する意味
▶様々なデータを自分で見極めなければいけないので取得して良かったし、私の言っていることが数字やデータに基づいているかということを見極めてもらうのに、「数字好きです」と言うより簿記2級を一応持つことで、そういう目線・視点の裏付けになっている。緒方さんの番組も、面白くてエンタメ感もある中でカッチリ押さえるところは押さえている。それは会計士の言葉で担保されている部分もある。(別の場所で取得経緯については、ニュースを過大・過小評価し伝えていなかの物差しを持ちたかった/アナウンスメントと違うところに軸足を置きたかった、とも話されています)
2.10の質問/存在意義や仕事の成功とは
※10の質疑応答内容は割愛
▷頭の中が全部仕事では?
▶週5日(放送当時)、2時間の生放送が毎日の生活の中でクライマックス。2日間の休みも月~金できちっとクオリティを発揮するためのものでもある。2時間長いけどそこで発揮しないと意味がないので、そこに向けて生活しているのは間違いない。そこでご機嫌でいなければいけないし、落ち込んでいるとか、自分のプライベートが関係しているとか、そういうのを全部取り払ってそこでいかに集中するかということで1週間がずっと回っている。
▷自分らもアスリートだと思っている。本番でパフォーマンスが出せるように日々のメンタルコントロールや体調管理、情報収集をしたりなどするけど、平石さんはその2時間が打席になるアスリート。
▶放送が終わった瞬間から翌日のことを考えている。放送が終わる23:00から翌日放送までの22時間の使い方が大事。それでぐるぐる回っている感じ。
▷終わったあと何も考えない時間は?
▶数分レベル。終わって着替えてスタッフルームに戻ると翌日のデスクが待っていて、「明日はこれです」という感じだから、放送が終わった瞬間に忘れている。翌日に向けて何が必要かなと。月~金の2時間が分厚く、別の仕事もポツポツ入ったりするのでそこをどう埋めていくか組み立てている。
▷寝る時間もルーティーンで決めている?
▶ある程度はそう。先に寝る前にやってしまった方がいいこととか、起きてからでいいこととか、明日は忙しいから先にやっておかなきゃとかも含めて、23:00から翌21:00に向けてが始まる感じ。
▷だからオープニングソングでテンションが上がる?(10の質問より)
▶そう。でもそのくらいしかゲン担ぎはない。そうしないと、「今日はこうだから調子が出ない」とか言い訳をする。あれを食べないとダメとか、必ずこうするみたいなことはむしろ一切ないようにしている。誰がいないと上手くいかないとか、あのデスク・あのプロデューサーだと上手くいくけどその人がいないと上手くいかないとか、そういうものを出来るだけ排除して、自然体でスタートする。あの資料がないとダメとか、このデータがないとダメとか思わないように、自分の身ひとつで2時間持つようにと思っている。そう思っていないと言い訳を始める。
▷じゃあ今日2時間誰もしゃべらなくても俺が持たせるぞと?
▶自分の馬力で乗り切らなければいけない時もなくはない。最低限のクオリティを保つためには、もちろん出演者の方を活かしていくけど、どうしても回らない時には自分が身を削るという覚悟は持ってやっているつもり。
▷僕も父親がアナウンサーだったので話を聞いていた。演者で番組は作られているように見える。司会者は盛り立てていたりするけど、見ている人はそのウエイトに気付けなかったりする。何を自分の存在意義とし、何がどうなったら成功だと思う?
▶軌道に乗ってきている感じはあるので、自分がやっていることが伝わってきていて、そんなに前に出る必要がなくなっている。出ている人が満足して帰っていただければ次につながっていく。不満を残さず、言いたいことを言ってもらう。その上で、さらにプラスアルファどこまで上乗せできるかが私の仕事。グループトークだから相乗効果の化学反応こそが私の役割。片方が弱すぎたら中に入って一緒に戦う。全員敵に回って私一人となることもある。でもそこで戦って形にする。放送時間の密度をいかに濃くするかというのは、すごく意識している。
▷今日はよくできたと思う時は?
▶みんな満足して帰っていった時や、対立していた人たちが終わったあと握手や名刺交換をしている時。やらなきゃ良かったというケースもないわけではないので、私自信の責任も非常に重いと思っている。
▷キャストも選ぶ?
▶そこは口出ししないことにしている。例えるなら私はレーシングカーの運転だけしている。レーシングカーを用意するのもコースを決めるのもスタッフ。私はバックミラーをちょっといじったりとか座席を座りやすくするくらい。乗って走るのは私の責任。
▷いつもいるその四輪のタイヤが大変なのでは?大きさも太さも違い中ドライブするのは大変そう。
▶今日は車がしんどいとか、コースがしんどいみたいな日はあったりする。
▷トップクラスにコントロールが難しい番組をやっているのでは?
▶初出演の方や違う意見を持っている方を、どんどん積極的に呼んでいるところはある。ネット上に動画が上がっていれば自分が確認できるけど、そういうのがなければ手探り。それはもはや自分を捨てるということ。相手にいかに話してもらうか、そこに徹することが大事だと思う。私が何か言いたいとか思っているとそうならない。
▷レーシングカーを運転してるけど、気にしているのは視聴者と参加者?
▶私の技術を見せたいとかではない。そう思われているように見えるけど。毎日見ていれば(分かるけど)、昨日と今日で全然違うことを言っていたりする。そのポジショニングは今日の座組の中で取っているだけで、私のイデオロギーや思想をもってやっているわけではない。個別のYouTube動画で「平石は何を言っているんだ」と言われるけど、全く違う批判のされ方をしている。やむなし。
3.もともとは記者になりたかった?
▶ニュースそのものが好きだった。スピード感というよりは、何か起きたことによって世の中がどう変わるんだろう?というところに関心がある。どんなことが実際に起こっているのか、真相を知るということが大好きだったので、ニュースに携わりたいと思っていた。
▷真相を自分が知りたかった?それとも届けたかった?
▶両方。自分で取りに行くのもあるし、「届け方」にも自分なりの自信があった。もっと分かりやすく言えるとか、かけてる時間長いけど伝わってないよねとか、今3分かかってるけど自分なら30秒で言えるとか、要約するとか。
▷昔から負けん気があった?
▶物足りなかった。面白さや分かりやすさに対する感覚が、自分が客として見ていて思っていたところがあった。書くより喋った方が伝わると思っていたところ、アナウンサーを受けたら運良く合格できた。
▷そんな人の嫌いな言葉は「真実」?(10の質問より)
▶人によって違うから。特にこの番組をやっているからでもあるけど、真実だと言って私がそこに乗っかったりすると、それが真実ではないと思っている人たちにとっては非常に不快になる。真実はひとつ。それをどう受け止めるかは人によって様々なので、それを決めつけないのが大事だと思っている。
▶「これが真実です」と言ってくる人も嫌?
▷その人にとっての真実はそれでいいと思う。それに私が乗っかって「これが真実です」とやらない。受け止め方は様々で良い。
▶昔から報道にコミットして考えていた?
▷先のことに関心がある。何かが起こって、それによって世の中がどうなるんだろう?とか。
▶頭の中が真実と事実を分けたいとか良い報道をしたいとかすごく視座が高く、意識も高い。唯一ゆるそうなのがご褒美スイーツ。(10の質問より)
▷普段はゆるい。スイーツも夜食べるのは良くないから悩ましい。終わったあと帰りコンビニに寄ったりするけど、あんまり良くないなとか思いながら使い分けたりしている。抜くところは抜く、メリハリはすごく意識している。
▷前向きに人生バリバリやっている感じがする。
▶落ち込んでいる時間がもったいない。終わったことはしょうがない。現場取材が長く、いろんな人から話を聞く機会は多かったけど、それが今生きているのは間違いない。
4.しゃべるテンポの理想
▷テンポがこのくらいだと気持ちがいい。
▶早すぎなかった?私は早くなりがち。
▷僕も早い。ラジオはゆっくり話して時間を楽しむものと言われるけど、掛け合いでキャッチボールするのは好き。AとBからCの話が出てきたり、D.E....となるとめちゃくちゃ面白い。
▶voicyでも話したことで、放送や配信は人の時間を奪っていると思っている。「どこまで密度を濃くできるか」という期待感を持ってもらわないといけない。番組の場合は出演者の時間も視聴者の時間も預かっているから、ゆるい話やズレた時は私が介入して戻して密度を濃くすることは大事で、そこはものすごく研ぎ澄ませてやっているつもり。やりすぎるとカツカツやっているとなるけど。普段の生活では倍速視聴をしているから、そスピード感に慣れている。
▷voicyも倍速視聴を想定してBGMと声を別にしている。倍速にしてもBGMは等倍で、心地よく聞ける設計にしている。
▶私はBGMを切って聞いている。声だけで聞くと鮮度良く、その人の持っているムードも伝わる。
▷みんな倍速に慣れてくると早口が聞きやすいとも言われる。講演会でも暇だと内職が始まる。1.5倍くらいで話すと内職するとついて来れなくなるので集中して聞いてくれる。
▶ゆるいからマルチタスクをする。
▷今日は全く内職できないラジオにするʷʷʷʷʷʷʷʷʷʷ
⬇️後編
5.人生のターニングポイント
▷ターニングポイントはいくつあった?関西出身だけど関西弁はどこかで失われた?
▶4個か5個くらいあった。小3で大阪から佐賀に引っ越したタイミングでしゃべらなくなった。佐賀の小学校で大阪弁でしゃべりまくっていたら宇宙人みたいな目で見られて浮き、いったん寡黙な人になった。これがターニングポイント①。引越しの影響は大きい。進学もターニングポイントになりやすいけどみんな一緒に変わる。自分だけ異文化の中に突入する経験というのはインパクトがあった。
▷しゃべったらドン引きされてしゃべらなくなった?
▶違いを感じて周りに合わせた。自分の異質感を経験したことは大きかった。
▷自己肯定感が下がる?
▶必ずしもそうでもない。「自分と他人」ということを考える機会に無理やり置かれる、環境を変えるというのはその人にとって良い意味もあるのかなと思った。
▷しゃべらなかったところからどうやって変化をした?
▶しゃべらないままだった気もするし、しゃべり方を封印するということもあった。全然言葉も違うし。私の中で大阪9年、佐賀9年、その後大学から東京に来ている。
▷佐賀9年はそういうキャラクターで、次のターニングポイントは東京?
▶そう。東京に来て新聞記者を目指していたけど、しゃべる方が得意かもと思ってアナウンサー試験を受けたところ、運良く合格した。
▷あの当時の倍率は相当高かったのでは?
▶運は良かったと思う。
▷普通に受けたら通った?ミスコンで優勝したとかないの?ʷʷʷʷʷʷʷʷʷʷ
▶ないʷʷʷʷʷʷʷʷʷʷ 運が良かった。テニスコーチのアルバイトをしていて、書くよりしゃべる方が伝わると思っていた。
▷アナウンサーになって何が変わった?
▶新聞記者を目指していたのはニュースに関心があったからだけど、アナウンサーとしてニュースを取材するようになった。書くかしゃべるかの方向性の違い。いかにしゃべりで伝えるかを考えるようになった。
▷ニュースを人に届けたいという気持ちの源泉が知りたい。正しい情報を届けて社会を良くする?
▶もっと手前のことで、自分がちゃんと知りたい。知った上で世の中がどう変わるのかとか、それがどういう意味を持っているのかとか、なぜこうなったのかとか、そこを考えることが好き。
▷一歩間違えていたら学者になっていたかもしれない?
▶あらゆる物事を全般的に好きだから、何かに特化してとは思わない。ニュースの中で「これだけ」っていう感じではない。
▷専門的なことをしたいというよりも社会全体を知りたい?
▶そう。社会全体がより良い方向へという思いはある。
▷なぜそういう人になったと思う?
▶もともと関心があったのではと思う。
▷学校や親から学んだことの影響は?
▶そういう直接的なものはない。自分自身の関心。
▷今の若い人たちはニュースを見ない。
▶そういう人たちをいかに引きつけるかという風に番組として思っている。でもこの先どうなるのかということは自分にも影響のあることだから、届けて終わりではなくその視点で考えるのは大事かなと思う。番組自体のコンセプトもみんなで考えるというところもあるし、その方向で出来ればいいなと思う。
▷ずっと自分の欲望は変わらずに来ているということ?鉄道オタクみたいにニュースオタク?
▶ニュースオタクでそのまま来ていると思う。
▷実際仕事にしてみたら面白かった?
▶面白い。今も報道機関にいて色んな情報が入ってくる。世の中で違う風に言われていることも、ダイレクトな話として伝わってくるのでその感じは大事。その意味でフリーではなく報道機関に属してやっている意味はあると思う。情報を知らないとズレていってしまうけど、会社にいるだけでどんどん情報が入ってくる。そこは大きい。
▷色んなニュースのジャンルがあるけど気になるものはある?
▶ニュースのラインナップもその時々で優先順位は変わるので、決めつけないようにしている。あらゆることを受け入れる。世の中に寄せるのも大事。自分がどうしたいとかより、「これをやって欲しい」とか「平石さんにこれをやって欲しい」とかに今は寄せている。「私はこうしたい」と言っても求められていなかったり、時代に合っていなかったり、逆風が吹いていたりする。逆風より順風、求められることに敏感であるように、むしろ自分を消してと思っている。
▷僕が知っているメディアの人は自分のしたいことを出す人と、流れにどう寄り添うかという人がいるけど後者?
▶そこでやっていても自我は出る。強くやりすぎるとニーズに合わず、自己満足になる。
▷強くやりすぎた失敗もあった?
▶そういう風にやっても刺さらないという経験はある。イデオロギーでどうこう思われてるけどそこは本当になくて、純粋にニュースそのものの伝え方、伝わり方、そっちに興味がある。
▷「知りたい」気持ちの強いプレイヤーだったのにみんなの反応を取るようになった。そのハイブリッドになったのはなぜ?
▶何のために自分が仕事をしているのか、それは自己満足なのかというところはある。世のため人のためになっているかを問うようになってきた。番組としてやりたいことだけで良いのかとか、議論している内容が狭くないかとか、経験や立場も上がってきて考えるようになった。期待に応えていきたいし、それが伝わると嬉しいのはある。
▷議論すべきものと議論のしようがないものがある。アベプラは色んな人を呼んでやっているけど、あえて物議を交わすほうを取っている?
▶出演者によって展開が違う。私は今現場に行くのではなく、スタジオが現場。聞くのに徹する日もあるし、その上でぶつかり合って意見を出していく時もあり、その時はそこへ導く。なので「今日何のためにこれをやるのか」「なぜこのメンバーなのか」という目的はすごく意識している。
▷ぶつかり合っても変なことにならない雰囲気作りはどうやって?
▶「後ほど伺います」として必ず言いたいことを言わせるようにしている。違ってもいいからきちんと聞く時間を取る。私の責任のもと、強権発動している。
▷そういう経験をしながら、アナウンサーになってからのターニングポイントは?
▷NY支局に1年行ったことも大きい。大統領選やイチロー年間最多安打などもずっと着いて取材をした。ルーティーンも大事だけど、劇的に環境が変わるというのは人間が成長する意味でとても大きいと思った。NYは暮らしもエキサイティング。本当に悶々としている場合は、引っ越すとか仕事を変えるとか、自分で劇的に環境を変えるのも一つ。吉と出るか凶と出るかは分からないけど、今が凶ならサイコロを振る価値はある。
▷環境が変わると変化はある?
▶この時思ったのが、自分が局アナをやっていると「次はどの番組に変わるのか」とドキドキ、ヒヤヒヤしていたけど、小さいことだと思った。住むところがNYに変わるなどと比べたら瑣末なことだと思うようになってから考え方が変わり、今はだいぶそういうことは思わなくなった。
▷次のターニングポイントは?
▶NYから帰ってきてから地上波の番組を色々やっていたけど2019年、ABEMA Primeの担当になった。これは劇的に大きな出来事。私の入社当時ではネットの世界で番組をやることは想像ができなかったし、その選択肢もなかった。自由度が高く、今このチャンネルに出てペラペラ喋っているのもアベプラをやっていて緒方さんにもご出演いただいたから。ストレートニュースをやっていたら今こうしてしゃべる機会はない。人生何があるか分からないし、大きな転機だった。毎日新たな人と仕事をしたりすることもあり、ものすごく密度は濃い。
▷ユーザーの反応もすぐ来る?
▶ものすごい量でくるし打たれ強くもなる。終わったことは仕方ないので振り返らず、次のことを考える。そういうメンタリティの変化も大きい。これからの方が楽しみ。
▷外から見た時、ビフォーABEMAとアフターABEMAで平石さんはどう違う?
▶時間もないし、小さいことは気にしなくなっている。そこで間違えないようにしているのは優先順位で、今何をしなければならないのかとか、今解決すべき問題とか、取り組まなければいけないことを間違えないようにやると、瑣末なことを気にしている暇はない。
▷今分かったことがある。10の質問でも違和感があった。言ってもサラリーマンな中で、日々の楽しみは週末のお茶とか温泉に行くとか、そういう感じじゃなくてなぜ全部仕事なんだろうなと思った。今聞いて、ABEMAにきて、振り返る暇もないというのは、いま仕事に夢中なんですね。
▶本当にそうだと思う。本とか書いているけど全く完成していない。自分のマニュアルでもあり、偉そうなことを言っているけど上手く行かないこともたくさんあるし、批判の通りだと思って落ち込むこともあるけど、だからいかにクオリティを上げて次につなげて行くかという意味では走り続けている真っ最中。毎日打席はある。難解で難度の高い打席が増えているけど。
▶平石さんはもう十分なんじゃないかと思っていたけどまだまだだと?
▷アナウンサーという肩書きだけど、領域を外れたというか外れてはないけど、拡大したところで今活動しているので、ファシリテーターという未開拓なところをやっている感じは持っている。何も完成していないし終わっていないし、何かを成した感じもない、まさに走っているところ。
▷夢中度合いは新卒1年目から今でどこが高い?
▶NYの1年もだし、アベプラを担当してからの特にここ3年くらいは密度がすごく高い。自分自身がずっと成長しないといけないし、「最低限このくらい知ってないとこれで仕切るのなしだよね」と思われるから、番組が終わってから翌日の放送までに準備できるところはするし、やることはたくさんある。
▷アベプラを見る目が変わる。これが平石さんが魂込めて作ってるやつなんだと思う。
▶引き出すのが役目だから、出演者と見ている人が満足してというのをどこまでできたかを、毎日毎日問うているところ。
▷さらなるターニングポイントは?
▶その流れで言うなら本を書いたことは非常に大きい。これは見出してもらったもの。あなたのやっていることはファシリテーションですと見出してもらった。私はそのつもりはなくて、番組のクオリティを上げるためだけにやってきたことが「それはファシリテーションというので話してもらえませんか」ということがきっかけで、それが動画と記事になって、それを見た編集者から声がかかり本になった。本が名刺代わりになり、また色々と声がかかるようになった。自分が予期せぬ形で人生が転がっているという意味で大きなターニングポイントだと思う。
▷始めは書こうと思ってたけどしゃべることにして、しゃべっていたら書くことになったのは面白い。
▶本は好きだし関心はあったから嬉しい。私の場合は仕事の延長というか、自分の仕事を言語化して振り返る良い時間になったし、番組と連動している感じもある。広がりとしては良かったと思う。
▷日本に必要だと思うポジションが、アメリカのテレビ番組で言うところの「司会者」。場を面白くもするし、引き出すし、この人が司会をする番組なら見たい、というもの。それがアメリカだとMC、マスターオブセレモニー。日本のMCは結構軽く使ってしまっていて、近いワードがなくなっている。アメリカのようなMCがいると番組は伸びると思うし日本に増やしたいと思っていた。平石さんはファシリテーターだけでなくMCもできると思う。
▶1on1のインタビューも機会があれば良いなと思っている。エンタメ系よりもニュースの領域。これは自分の中でもやってみたい。今はグループトークが中心。
▷この番組が目指しているのは、出てきた人のアーカイブをvoicyに残し、例えば「平石さんてどんな人?」と聞かれたら「voicy聞いといて」と言えるようにしたい。そうしたら人となりが分かると思うし、そういう番組にすると喜ばれるのではと思っている。その人の良さを引き出せれば、「平石さんを通した発信だったら口下手だけど出たい」という人も出てくる。
▶私も出るにあたり、「緒方さんがインタビュアーだから安心だ、嬉しい」という思いがあり、そう思ってもらえる聞き手になりたい。アベプラでもそうでありたい。自分の強みや領域は意識して、エンタメで面白いのはタレントさんや芸能人が強いので、自分はニュースの領域で興味深く、そして面白く、ということにチャレンジしていきたい。
6.道に迷ったときの選択は?
▷最後に平石さんに道に迷った時はどんな選択をしてきたのか、「道に迷えば〇〇」のフリップに言葉をお書きください。
▶「道に迷えば強みをいかせるほうへ」。
何か選択肢があった時に、自分が向いている自分の強みに乗った方がその先は順風かなと。弱い方を無理して伸ばしている暇があったら他の人に負けるというか、自分である必要がない気がする。チームでも組織でも、自分たちの強みって何だろう?と迷ったときは立ち返っていった方がいいのかな。自分の自己満足より世のため人のためと考えた時に、自分というリソースをどこに割くかという年に入っていると思う。自分が何をやりたいかというのはとりあえず一旦置いておいて、求められることに最大限注力するとか、何に期待されているのかとか、そういうことを考えるようになってきた。
▷その「強み」はどこで気づいた?
▶それは人が見出してくれるところもあると思っている。自分で物事を決めているようで、私が入ったテレビ朝日にABEMAができてネット番組を担当することは予想できていない。だけれども、それによって開けてきたことも含めると、流れに乗るとか大きな流れに身を任せてそっちで漕いだ方が早く前に進む。
▷そこに声をかけた人は平石さんに強みがあると思っていた。
▶もともとやりたかったような番組だけど、地上波には朝生くらいしかなかった。でも朝生よりもっとソフトでも良いし、若い人にも見てもらえる番組というところにアベプラはある。その意味ではすごくぴったり合っていると自分の中では今思っていて、ぴったり合ってるけどまだクオリティが低いからがんばろうと思っている。なので自分で番組を選んだわけではなく行ってくださいということだったけど、強みをいかせる方へという選択は大事だと思う。
この先ニュースの伝え方、見せ方、あり方が問われている。イデオロギーや思想、こうしたいああしたいではなく、ニュースのあり方はアップデートしていかなければいけない。その一つがアベプラだと思うので、そこにコミットしていく。ネット番組やvoicyは地上波と違った新しい領域のメディア。そこで自分がプレイヤーとしてやりながら切り開いていくということが楽しみ。ニュースを変える、メディアを変える、の2本柱。これがこの先の自分の中でやっていくべきことかなと思う。
▷めちゃめちゃ顔生き生きしてますね。50手前の人(当時)と思えないʷʷʷʷʷʷʷʷʷʷ
▶ありがとうございますʷʷʷʷʷʷʷʷʷʷ 自分がやりたいことよりも、こっちでどうですかと言われたところで最大限の力を注いで、良い方向に行くといいなと思っている。
▷メディア、情報はただ物議を醸しているのではなく、もっと良くしたいし良い方向に持っていきたい。社会が豊かになるような。
▶本当にそう思う。不毛なところで時間を割くのは嫌。だからTwitterでは議論はしない。議論は番組でやる。
▷10年後はどうなっている?
▶これで何を残せるかどうかだと思う。ニュースのアップデート、メディアのアップデートを、自分がプレイヤーでやりながら新しいものが作れるか、というところに注いでいくのかなと思う。今まで地上波だと手の内を見せないなどライバル関係だったけど、ネットの世界は全部つながって相乗効果。それをどう活かしてドライブをかけていくか、という気はする。(おわり)

7.(私の感想)
✅質問深掘り
平石さんがインタビューでもふたりぼっちでも話されていた、「AIと違って人間は話題を変えられると再起動するのにエネルギーを使う。相手が返してきたことに対してそれってどういうこと?と深めていくと一緒に長くつながって考えることができる。一緒に芋掘りをしている感じ」というのをプロはさらっとやっている😱と思いました。テンポが良く楽しく聞きやすいだけでなく!平石さんの非常に多くの言葉や考えが引き出されていて、一つの話題に対する緒方さんの質問の続け方、掘っていき方は本当に参考にしたいです…!
特に後編の「ターニングポイント」は大ボリュームゾーンかつ深掘り質問を続けながらも、ターニングポイントの話に戻ってくるのがすごい( >﹏< *)自分ならとっくに見失っている🤣🤣
✅平石さん
アベプラが軌道に乗り今まさに全力で走り続けている真っ最中で仕事に全力投球という、何となくフレッシュさも感じるのは2022年だからでしょうか。その後地上波朝との兼任を経て、アベプラ本編と1on1がスタートした今はどんなフェーズにいるのかなぁ。
平石さんの言う「ニュースのアップデート」、「メディアのアップデート」、「プレイヤーとしてやりながら」というのは現在進行形で思っていることなのか気になります。だとしたら今何合目くらいなのかな?と思います。
上記が具体的に何を指しているのかは分からないし、アベプラのことかもしれないし、全然違うかもしれませんが「1on1のインタビューをしてみたい」、これはつい先日発表された新企画、ふたりぼっちのアベプラで充実感のある形で実現されているようにも見えます。
たびたび話されている「やりたいことと求められること」、ここでは「自分のリソースをどこに割くかという年に入ってきている」という印象的な言葉もありました。自分という一人の人間を、自分の気持ちと切り離してビジネスの場における資源・供給源のように捉えた言葉選びの裏にはどんな気持ちがあるのでしょう。
会社員でありながら公の人に近い、極めて公共性の高いお仕事がそうさせているのか、それとも年齢が上がるとそのフェーズに行き着くのか、積み上げた経験や自分を客観視する視点の広さがそう作用するのか。私にはぼやっとしか見えていませんが、一歩先を歩いている人の言葉を咀嚼しようとすることで、相手のことを考えながら自分のことも考えることができている気がします。
プロ意識の高さにも改めて驚かされる一方で、ルーツやターニングポイントを聞くほど、本当にニュースそのもの、その経緯や理由、未来などを考えることがお好きなんだなぁとニヤニヤしてしまいます😊
ぜひ音声でお聞きいただきたいです😊
